JPH0351034Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、池漕に導かれた処理水の水面付近に
浮かんだスカムを収集・除去するトラフ回転式ス
カム除去装置に関する。

〔従来の技術〕

通常、処理水を清浄化するために、処理水を池
漕に導き、固形物を沈澱分離したり、スカム（浮
遊物）を除去している。

スカムを除去するスカム除去装置としては、例
えば、第３図に示すトラフ回転式スカム除去装置
が知られている。

このトラフ回転式スカム除去装置は、スカム排
出桶２１を具備し、このスカム排出桶２１は円筒
状に構成された中空構造物で、スカム流入口２２
を備えている。このスカム排出桶２１は池漕の水
面上に浮かび、回転装置（図示せず）により転動
させるとスカム流入口２２の一端は水面下に潜
り、スカム流入口２２から水面付近に浮かんでる
スカムは処理水とともにスカム排出桶２１に流れ
込み、除去されるようになつている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のトラフ回転式スカム除去装置によれば、
池漕の処理水はスカムとともにスカム排出桶２１
内に多く吸い込まれ、池漕にはスカム排出桶２１
のスカム流入口２２に向かつて広範囲にわたつて
水流が発生する。ところが、上昇水流の発生等に
より水平水流が微小となり、スカム排出桶２１か
ら離れた部分にあるスカムが移動せずにスカムの
含まれていない処理水を多く排出することにな
り、スカムの除去効率が著しく悪かつた。

又、スカムの除去効率が悪いため、池漕の水面
付近のスカムを処理水とともにスカム排出桶２１
に収集・除去すると同時に池漕内の処理水も多大
に排出させていた。そのため、スカム除去装置以
後の処理工程に設けられたスカム分離機又はスカ
ム脱水機（図示せず）の容量が大きくなる。

〔考案の目的〕

本考案は、上述の問題を解決するためになされ
たもので、その目的は、池漕に導かれた処理水の
水面付近に浮かんだスカムの除去効率を向上する
ことができるトラフ回転式スカム除去装置を提供
することである。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は、スカム
流入口を備えたスカム排出桶を池漕に浮かべ、ス
カム排出桶を転動することにより池漕に浮かんだ
スカムを処理水とともにスカム流入口に吸い込ん
でスカム排出桶内に収集・除去するトラフ回転式
スカム除去装置に於て、スカム排出桶の外側面に
水流シール板を設け、池漕の水面下に水流案内板
を設置し、水流案内板の端部とスカム排出桶の外
側面との間に形成された流路を、水流シール板に
より遮断自在に構成したものである。

〔考案の作用〕

本考案によれば、スカム排出桶と水流案内板の
端部間に流路を形成すると、水流案内板の上部に
沿つて流路方向に水流が発生し、この流路からス
カム排出桶下方に流れ出る。この時水面全体にあ
るスカムは水流に乗つて徐々にスカム排出桶の外
側に溜まる。

スカムがスカム排出桶の外側に溜まつた時、ス
カム排出桶を転動してスカム流入口を水面下に潜
らせると、これに伴い水流シール板が回転し、こ
の水流シール板と水流案内板の端部により流路が
遮断され、スカム排出桶の外側に溜まつたスカム
が処理水とともにスカム排出桶内に流れ込む。

〔考案の実施例〕

以下、図面により本考案の実施例について説明
する。

第１図、第２図は本考案の実施例に係るトラフ
回転式スカム除去装置を示すもので、このスカム
除去装置は、池漕（図示せず）の横幅いつぱいに
亘り設けられ、スカム排出桶１と、スカム排出桶
１に設けた水流シール板２と、池漕の水面下に設
置した水流案内板３とから構成されている。スカ
ム排出桶１は円筒状に構成された転動自在の中空
構造物で、スカム流入口１Ａを備えている。この
スカム排出桶１は池漕（図示せず）の水面上に浮
かび、スカムを収集する時はスカム排出桶１は停
止状態にあり、第２図に示すようにスカム流入口
１Ａの一端は水面より上にあり、水流案内板３の
端部３Ａとの間に流路４を形成している。この流
路４はスカム排出桶１の転動により水流シール板
２を回転すると遮断され、遮断された状態は第１
図に示される。なお、水流案内板３には、複数の
排出孔３Ｂが設けられている。

次に、本実施例の作用を説明する。

スカム排出桶１が停止中は、第２図に示すよう
に、スカム排出桶１と水流案内板３の端部３Ａ間
に流路４が形成されている。このため、水流が水
流案内板３の上部に沿つて形成され、処理水は流
路４からスカム排出桶１の下方に流れる。この
時、水面全体に散在しているスカムは、水流に乗
つて徐々にスカム排出桶１の外側に溜まる。又、
水流案内板３の下部裏側に徐々に滞溜したスカム
は、水流案内板３の排出孔３Ｂを通つて浮上し、
水流案内板３上部の水流によりスカム排出桶１方
向に運ばれる。

スカムがスカム排出桶１の外側に溜まると、第
１図に示すように、スカム排出桶１を転動させ、
これに伴い回転した水流シール板２により流路４
が遮断され、スカム排出桶４の外側に溜まつたス
カムは処理水とともにスカム排出桶１内に流れ込
む。

以上の如き構成によれば、水流案内板３の上部
に沿つて水平方向に処理水が流れ、スカム排出桶
１付近に上昇水流が発生しない。そのため、水平
水流により広い範囲に散在するスカムが、スカム
排出桶１の外側に移動収集される。従つて、充分
に集まつたスカムが、スカム排出桶１内に収集・
除去され、除去効率が向上する。

又、除去効率が向上することに伴い、後工程で
使用されるスカム分離機の容量を小さくすること
ができる。

なお、上記の実施例に於て、トラフ回転式スカ
ム除去装置は、池漕の横幅いつばいに亘り設けら
れているが、池漕の横幅の一部に設けることもで
きる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案によれば、トラフ回
転式スカム除去装置にあつて、水平水流により池
漕の水面付近に広い範囲で浮かんで散在するスカ
ムを除去できるので、スカムの除去効率を向上す
ることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例に係るトラフ回転式ス
カム除去装置の断面構成図、第２図は同トラフ回
転式スカム除去装置のスカムがスカム排出桶の外
側に溜まつた時の断面状態図、第３図は従来に於
けるトラフ回転式スカム除去装置の断面構成図で
ある。 １……スカム排出桶、１Ａ……スカム流入口、
２……水流シール板、３……水流案内板、３Ａ…
…端部、４……流路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スカム流入口を備えたスカム排出桶を池漕に浮
   かべ、スカム排出桶を転動することにより池漕に
   浮かんだスカムを処理水とともにスカム流入口に
   吸い込んでスカム排出桶内に収集・除去するトラ
   フ回転式スカム除去装置に於て、スカム排出桶の
   外側面に水流シール板を設け、池漕の水面下に水
   流案内板を設置し、水流案内板の端部とスカム排
   出桶の外側面との間に形成された流路を、水流シ
   ール板により遮断自在に構成したことを特徴とす
   るトラフ回転式スカム除去装置。