JPS5920515B2 - スパッド起倒方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は浚渫船のスパッド起倒方法に関する。

従来の浚渫船のスパッド起倒方法は、例えばシアーを用
いて行う方法があり、この方法は、浚渫船上のシアーで
スパッド頂部を吊支え乍ら別の索でスパッドを引き倒す
、あるいは反対にシアーを介してスパッドを吊り起して
行っていたので、スパッドの起倒と共に、それに使用し
たシアーもまた起倒させる必要があり、少なからぬ費用
と時間を要し、必要に応じて直ちにスパッド及びシアー
の起倒が行えない不便があった。

本発明は上記従来の不具合にかんがみ、スパッドの起倒
を簡単に迅速に行いえるスパッド起倒方法を提案するこ
とを目的とするもので、浚渫船上の既設ウィンチとワイ
ヤーによる操作テ随時スパッド起倒を行なえるものであ
る。

つまり、本発明は、浚渫船上に一端を軸着し起倒可能に
設けたスパントホルダーによりスパッド重心より稍上方
部でスパッドを掴み上記スパッド頂部に連結した索を船
上のウィンチにより巻込み、巻出しすることによって上
記スパッドを起倒させることを特徴とするものである。

次に、本発明の一実施例を図面により説明すれば、第１
図において１は浚渫船の船体、２は船体端部の開閉型ス
パッドキーパ−１３は図示しない船上の昇降装置、例え
ば上下一対のスリングワイヤーで交互に吊支え乍ら昇降
するようにしたスパッド、４は上部のスパッドキーパ−
２の上部位置で船体の後端部に一端を軸着し起倒可能に
設けた楔止め型スパッドホルダー、５はスパッド頂部ニ
連結した滑車、６は一端を船上のアイプレート７に緊着
し、上記スパッド頂部滑車５を通り船上のガイドシープ
８へ導いて他端部９をスイングウィンチ１０のワイヤ１
１と着脱連結するようにしたスパッド起倒ワイヤー、１
２はスパッド３の稼動時に起倒ワイヤー６の他端９を繋
止める船上の金具、１３，１４は船上のスパッド受はロ
ーラー。

１５ば倒されたスパッド３′を押えるラッシングワイヤ
ー、１６ば倒されたスパッド３′を船上でその軸方向へ
スライドさせる引込ワイヤー、１７は引込まれた格納位
置でスパッド３頂部を船上に固定するラツシングチェン
及びブロックである。

スパッドホルダー４は油圧クランプ型のような機械式の
ものを用いても良いがここでは第２図、第３図に示すよ
うに楔止め式のものを用いる。

スパッドホルダー４はテーパーした内面１８を持つ３つ
のリング片１９，２０，２１をピン２２で連結し、リン
グ片２０，２１０間をクランプロッタ２３で開閉するよ
うにしリング片１９０隨部を船上の一対のア千ピース２
４に軸着して起倒可能にし、スパッド３外面とテーパー
面１８間に鋼製楔２５と木製楔２５と木製楔２６を２重
に打ってスパッドを固定する。

スパッド頂部滑車５は第４図に示すように２組のシャッ
クルを介してスパッド頂部に取外し可能に取付け、起倒
ワイヤー６をスイングウィンチ１０により引いて第５図
のようにスパッドを倒しラッシングワイヤー１５を取付
けたとき、この滑車５を外して前記第１図で示した引込
ワイヤー１６あるいはラッシングワイヤ１７と付は替え
る。

ラッシングワイヤー１５は、第６図のように船上の一対
のアイプレートに繋止めてスパッド３′を支えローラー
１３または１４上に保持させる。

第７図には倒されたスパッド３′をその軸方向にスライ
ドさせる索取りとラッシング状況とを示しており、１６
はガイドシーブ２８．２９．３０を経て前記のように頂
部滑車５及び起倒ワイヤー６の替りに付けられる引込ワ
イヤー、３１は引込まれたスパッドｙの頂部からシーブ
２９，２８を通ってウィンチへ導びくスパッド引出し時
のワイヤーリード、３２は適当な間隔で船上に設けたラ
ッシングワイヤー１５またはラフシングチエンブロック
１フ繋止め用のアイピースである。

スパッド３の倒しは、稼動状態でスパッド頂部と船上間
に取付けである起倒ワイヤー６の端９を船上の金具１２
から、スイングウィンチ１０のワイヤ１１に繋ぎ替え、
スパッド３を重心（ＳＧ）より稍上の位置でホルダー４
に楔止めし、スパッドキーパ−２を開き、スパッド昇降
用のスリングワイヤなどを取除いたのちウィンチ１００
巻込みによって行なう。

スパッド３は起倒ワイヤ６の引張りでホルダー４の軸着
部を中心に倒れて支えローラー１３上に３′のように乗
りラッシングワイヤ１５をゆるく取付けることによって
この状態に拘束される。

スパッド頂部の滑車５と起倒ワイヤー６を外し、引込ワ
イヤー１６をセットし、ホルダー４の楔を外して再びウ
ィンチ１０を巻込み駆動するとスパッド３′は支えロー
ラー１３，１４上を３＃）格納位置へ引込まれる。

この状態でスパッド頂部をチェノブロック１フ中間部を
ラッシングワイヤー１５でしつかりラッシングし、また
ホルダー４に楔２５，２６を打つことによってスパッド
は船上に格納固定される。

スパッドの起しは、引出しワイヤ３１をセットしてその
端をウィンチワイヤ１１に繋ぎ、ホルダー４の楔を外し
、ラッシングワイヤー１５をゆるめ、チエンブロック１
７を繰出し乍らウィンチ１０で引出しワイヤー３１を引
き、チエンプロツタ１７を第７図中左側のアイプレート
３２へ順次移し替え乍ら３重位置までスパッドを引出し
、この状態でホルダー４を楔止めし、引出しワイヤー３
１を頂部滑車５及び起倒ワイヤー６と付は替え、ウィン
チ１０のゆるい繰出し駆動を行なうとスパッドはホルダ
ー４の軸着部を中心として自重で立上り、スパッドキー
パ−２内に納まり、スパッドキーパ−２を閉じ、図示し
ないスリングワイヤーを取付けてスパッドを支え、ホル
ダー４の楔を外すことによって稼動状態となす。

このような本発明のスパッド起倒方法によると、スパッ
ドの起倒に従来のように他の作業船の力を借りることな
く、自船上の作業で必要に際し随時スパッドの起倒を行
なえるようになる。

またスパッドは稼動位置で起倒ホルダー４と固着されて
起倒するから位置合わせなどの作業はなく容易になる。

また特にあらかじめスパッド頂部にセットされた滑車５
及び起倒ワイヤ６を船上の既設のスイングウィンチなど
によって巻込み、巻出し駆動して起倒を行なうから、ス
パッドにスリングワイヤーを巻付けて昇降させる形式の
ように機械的結合によるスパッドホルダーのない浚渫船
の場合には非常に効果的であり、機械的な掴みホルダー
を使用した船ではそのホルダーの１つを起倒ホルダー４
として用いることのできるなどの利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の全体構成を例示した浚渫船の部分側面
図、第２図はその起倒式スパッドホルダ一部の側面図、
第３図は第２図の平面図、第４図及び第５図はスパッド
頂部と起倒ワイヤ一部を示す拡大側面図、第６図は第５
図の■〜■線に沿う断面図、第７図は第５図の■〜■線
に沿う平面図である。 １・・・浚渫船の船体、２・・・スパッドキーパ−１３
・・・スパッド、４・・・起倒可能なスパッドホルダー
、５・・・スパッド頂部に設けた滑車、６・・・起倒ワ
イヤー、７・・・起倒ワイヤー緊着部、８・・・起倒ワ
イヤー用ガイドシープ、１ｏ・・・ウィンチ、１１・・
・ウィンチのワイヤー、１３，１４・・・スパッド支え
ローラー、１５・・・ラッシングワイヤー、１６・・・
引込用ワイヤー、１７・・・ラツシングチェンブロツタ
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 浚渫船上に一端を軸着し起倒可能に設けたスパッド
   ホルダーにより、スパッド重心より稍上方部でスパッド
   を掴み、上記スパッド頂部に連結した索を船上のウィン
   チにより巻込み１巻出しすることによって上記スパッド
   を起倒させることを特徴とするスパッドの起倒方法。