JPS5919975Y2 - ト−ンア−ムの上昇機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案にレコードプレーヤのオートリターン時に於ける
トーンアームの上昇機構に関するものであり、アーム上
昇軸の上昇タイミングとトーンアームの回動に制動をが
ける制動機構の作動タイミング及びトーンアームの上昇
量とを調整する調整機構を設けたことを特徴とするもの
である。

レコード盤の演奏が終了し、トーンアームがレコード盤
の無音溝に移行した後に、トーンアームをレコード盤よ
り上昇させ、然る後にアームレスト位置に復帰させる所
謂トーンアームのオートリターン装置は周知である。

先づ、このオートリターン装置について図面を参照して
説明する。

１はターンテーブル軸に嵌合された小ギア、２は１〜−
ンアーム自動復帰用大ギア、３はトーンアーム、４はト
ーンアーム軸、５はトーンアーム軸４に固着された回動
板、５ａはこの回動板５に設けられたスイッチ６制御用
の押圧片、７は大ギア２の裏面に設けられたバート型カ
ム２ａにより矢印Ａ、 Ａ’方向に移動するトーンアー
ム復帰用部材、８は同じく大ギア２の裏面に設けられた
カム２ｂによりシーソー運動をする作動板、９は上方に
アーム上昇板９ａが固着されたアーム上昇軸である。

作動板８はシャーシ１０に固定された軸取付片１１に軸
支された支軸１２を支点としてシーソー運動する構成と
なっている。

籾で、第１図はトーンアーム３がアームレスト位置にあ
る状態の平面図である。

この状態よりトーンアーム３を手動にて時計方向に回動
させて、レコード盤上に載置する。

すると、トーンアーム３の回動に従って回動板５も時計
方向に回動し、而して回動板５の押圧片５ａとトーンア
ーム復帰用部材７に固定されたスイッチ６との当接が解
除され、スイッチ６がオン状態となりモータが回転する
。

以って、ターンテーブルが回転を開始し、レコード盤の
演奏が為されるが、このとき、ターンテーブル軸に嵌合
された小ギア１は大ギア２に設けられた切欠２Ｃに位置
している為、小ギア１の回転に伴って大ギア２が回転す
ることはない。

演奏が終了し、トーンアームがレコード盤の無音溝に移
行すると、周知のトリガ部材（図示せず）が駆動され、
小ギア１と大ギア２が係合するようになり、以って大ギ
ア２は反時計方向に回転を開始する。

すると、今まで、大ギア２のカム２ｂの底部２ｂ’に当
接していた追従ピン８ａ （このピンは作動板８上に植
立している）はカム２ｂの上部２ｂ″に当接することに
なり（第３図参照）、作動板８は第２図に於いて支軸１
２を中心として反時計方向に回動する。

従って、作動板８の回動先端がアーム上昇軸９を発条１
３に抗して上げ、トーンアーム３を上昇させる。

一方、大ギア２のハート型カム２ａにはトーンアーム復
帰用部材７上に植立している追従ピン７ａが当接してい
る為、大ギア２の回転に伴ってトーンアーム復帰用部材
７は矢印入方向に移動する。

このトーンアーム復帰用部材７の移動に応動して回動板
５は反時計方向に回動する。

大ギア２が略半回転したとき、回動板５は第１図に示す
初期位置まで復帰するが、このとき、トーンアーム復帰
用部材７は第１図に於いて左側に変位した位置にある為
、スイッチ６と押圧片５ａは何等当接せず、従ってモー
タ回転を継続する。

大ギア２の残りの半回転に応動して、トーンアーム復帰
用部材７は矢印Ａ′方向に移動し、その後天ギア２が１
回転を完了したとき、スイッチ６と押圧片５ａが当接し
モータの回転は停止する。

このとき、小ギア１は大ギア２の切欠２Ｃに対峙する。

また追従ピン８ａは再びカム２ｂの底部２ｂ’に当接す
る為、作動板８も第２図に示す初期状態に復帰する。

以ってアーム上昇軸９は発条１３の弾性力により下降し
、トーンアーム３はアームレスト台（図示せず）に載置
されることになる。

上述したオートリターン装置に於いて、作動板８とアー
ム上昇軸９との間隔Ｘを一定に規制する必要がある。

何故なら、この間隔Ｘにバラつきがあると、トーンアー
ムを上昇させた場合トーンアームの先端にあるレコード
針の変移は拡大されて大きくバラつくことになり、甚だ
不都合である。

又、斯るオートリターン装置に於て、トーンアーム復帰
用部材７の移動に応動してトーンアーム３を回動復帰さ
せる際に、トーンアーム３と共に回動する回動板５に対
してブレーキをかけることによりトーンアーム復帰回動
中のトーンアームの振動を防止するようにしている。

ところで、上記ブレーキを設けた場合、ブレーキが作動
するタイミングとアーム上昇軸９が上昇するタイミング
を調整する必要がある。

何故ならば、トーンアームが上昇する際、斯るトーンア
ームが揺動することに非常ノこ不都合である。

従って、アーム上昇軸が上昇する以前にブレーキ片１８
を回動板５に当接させ、トーンアームの揺動を防止する
必要がある。

そこで、本考案では、作動板８に対して調整板１４の一
端を螺子１５止めすると共にこの調整板１４の他端をア
ーム上昇軸９の下方に位置させ、更に作動板８に螺着さ
れその先端が調整板１４の上面に当接する調整螺子１６
を設けている。

従って、調整螺子１６を操作することにより間隔Ｘを調
整でき、以ってブレーキの作動タイミングとアーム上昇
軸９の上昇タイミング及びトーンアームの上昇量の調整
を達成出来る。

又、調整螺子１６の頭をシャーシ１０の透孔１０ ａに
臨むように構成しておけば、レコードプレーヤの組立て
が終了して製品として完成した後に於ても、シャーシ上
面から調整螺子１６を操作できるので、極めて容易に調
整できるものである。

尚、図面に示す実施例に於ては、作動板８に設けられた
支軸１７に対してブレーキ片１８を回動自在に取り付け
、スプリング１９により第２図に於いて上方に付勢する
構成とし、常時は作動板８に一体に設けられた係止片８
ｂにより第２図に示す位置に保持する。

而して作動板８が回動したとき、ブレーキ片１８はスプ
リング１９により回動板５の表面に弾性的に当接し、ト
ーンアームの回動に制動を加えるようになされている。

以上述べた本考案に依れば、オートリターン時に於てト
ーンアームを上昇させる作動板に対して調整機構を設け
、作動板とアーム上昇軸との間隔Ｘを調整し、以って制
動機構の作動タイミングとアーム上昇軸の上昇タイミン
グ及びトーンアーム上昇量の調整をできる構成としたも
のであるから、トーンアームを上昇させる際アーム上昇
軸の上昇以前にブレーキを作動させることができ、トー
ンアームに上昇時のトーンアームの揺動を防止すること
が出来る。

また、斯る条件を前提とした上で間隔Ｘを調整すること
によりトーンアームの上昇量を調整することが出来る。

更に、その調整はシャーシ上面より調整螺子を操作する
だけで良く、レコードプレーヤ完成後に於ても極めて簡
単に為し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案に係るトーンアームの上昇機構を示
すものであり、第１図は平面図、第２図は正面図、第３
図は大ギアのカム部分の詳細図である。 ８は作動板、９はアーム上昇軸、 １６は調整螺子。 １４は調整板、

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. レコード盤の演奏終了後に作動される作動板に応動して
   アーム上昇軸を上方に移動させる構成としたトーンアー
   ムの上昇機構であって、前記作動板に取り付けられた前
   記トーンアームの回動制動用のブレーキ片と、一端が作
   動板に固定され他端がアーム上昇機構の下方に延びた調
   整板と、前記作動板に螺着されその先端が前記調整板に
   当接する調整螺子とよりなりＪ調整螺子を調整して前記
   調整板とアーム上昇軸との位置関係を変えることにより
   前記ブレーキ片が当接作動するタイミングと前記調整板
   がアーム上昇軸を当接上昇させるタイミング及びトーン
   アームの上昇量とを調整するようにしたことを特徴とす
   る□トーンアーム上昇機構。