JPS5919781B2

JPS5919781B2 - プレスによるスプライン成形方法及び装置

Info

Publication number: JPS5919781B2
Application number: JP55035567A
Authority: JP
Inventors: 幸治名木
Original assignee: Toyo Kogyo Co Ltd
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1980-03-19
Filing date: 1980-03-19
Publication date: 1984-05-08
Also published as: JPS56134032A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、プレスによるスプラインの成形方法及び装置
に関する。

金属薄板材料を、絞り成形により円筒形周面を有するコ
ツプ状に成形し、該円筒形周面に軸方向スプラインを形
成することは公知である。

たとえば、実開昭５４−８９３３９号公報には、円筒形
周面に軸方向溝を有するポンチ上に、コツプ状加工片を
支持し、該ポンチ上の軸方向溝に対向する位置に配置し
たローラを有するダイをポンチに対し軸方向に移動させ
て、加工片の円筒形周面を、ポンチの溝とローラとの間
に挟みながら加工片にスプラインを成形するプレス装置
が開示されている。この提案された装置においては、ダ
イの隣接するローラの軸が相互に干渉しないようにする
ために、ローラは比較的大径であることを要し、かつ一
つ置きに直径の異るローラを使用するなどの工夫が必要
になる。また、ローラによる成形では、隅部の仕上げの
十分なものが得られなかつた。本発明は、円筒形周面を
有する加工片の該周面に軸方向スプラインを形成するに
際し、比較的小さなローラの使用が可能になり、しかも
満足な隅部の仕上げを行なうことができるスプライン成
形方法及び装置を提供することを目的とする。すなわち
、本発明のスプライン成形方法は、円筒形周面を有する
加工片を、周面に所定の軸方向溝を形成したポンチ上に
保持し、ポンチの軸方向溝に対向するように周方向に間
隔をもつて配置された多数のローラを有するローラ環を
、該ローラ環のローラとポンチとの間に加工片の円筒形
周面を挟んで、かつ夫々のローラがポンチ上の夫々の軸
方向溝に対向するような位置関係で、プレススライドを
下降させることによりポンチに対し、軸方向に移動させ
、続くプレススライドの下降ストロークでポンチ上の軸
方向溝に対向する内向突条を内面に有するリング状の仕
上げダイを、夫々の内向突条がポンチの軸方向溝に対向
する位置関係で、かつ加工片の前記周面をポンチとの間
に挟んで、該ポンチに対し軸方向に相対移動させること
により仕上げ成形を行なうことを特徴とするもので、ロ
ーラ環のローラにより概略のスプライン成形を行なつた
のち、仕上げダイにより仕上げ成形を行なうので、ロー
ラのみによる成形に比し、スプラインの仕上げが良好に
なる。本発明のスプライン成形装置は、円筒形周面に所
定の軸方向溝が形成されたポンチに加えて、該ポンチに
対し軸方向に可動なローラ環及び仕上げダイを包含し、
ローラ環は、放射方向に貫通し軸方向に長孔状になつた
多数の穴が、周方向に間隔をもつて、ポンチの軸方向溝
に対向するように形成された環状のローラホルダと、該
ホルダの穴の各々に保持された円板状のローラと、該ロ
ーラホルダの外側に配置されローラを外側から支持する
ための円周方向に分割されたバツクアツプ部材とからな
り、仕上げダイは、内面に、ポンチの軸方向溝に対向す
るように周方向に間隔をもつて内向突起が形成されてい
る。

ローラ環のローラは、ローラホルダの長孔状の穴に保持
され、バツクアツプ部材により保持されているため、各
々のローラに支持軸を設ける必要はなく、したがつて隣
接するローラの支持軸間の干渉の問題がなく、ローラと
して比較的小径のものを使用することが可能になる。こ
のため、ローラ環は全体として小径に構成でき、ローラ
環及び仕上げダイを一体に支持する支持部材も全体とし
て小型に構成できる。口ーラホルダにはローラ保持用の
穴を複数列設けるか、或いは複数のローラホルダを軸方
向に並べることにより、複数列のローラを配置し、ロー
ラ環の半径方向について見るとき、各列のローラの内側
縁を結ぶ仮想円の半径が、仕上げダイの位置する側と反
対側の端からローラ列ごとに順次小さくなるように構成
して、スプライン溝が漸次深く成形されるようにすると
、比較的深いスプラインも容易に成形できるようになる
。以下、本発明の実施例を図について説明すると、まず
第１図において、ポンチプレー口には円筒形周面を有す
るポンチ２が取付けられ、該ポンチ２の周面には、第２
図及び第３図に示すように軸方向溝２ａが周方向に間隔
を持つて多数形成されている。

ポンチ２に対し軸方向に相対的移動が可能なように円筒
状のダイホルダ３が設けられ、このダイホルダ３の内側
に中空円筒状のケース４がピン５により固定されている
。ケース４内には、ローラ環６と仕上げダイ７が配置さ
れている。ローラ環６は、ローラホルダ８を包含し、こ
のローラホルダ８には．放射方向に貫通し、軸方向に長
孔状になつた多数の穴８ａが、周方向に間隔をもつて複
数列形成されている。各々の穴８ａには、それぞれ円板
状のローラ９が配置され、これらローラ９を外側から支
持するようにバツクアツプ部材１０が配置されている。
バツクアツプ部材１０は周方向に二つ割りにされた、２
個の半円形部品からなり、これらは円形に組合わされて
ゴムバンド１１により保持される。図に示すように、バ
ツクアツプ部材１０の外周面がケース４に嵌合する。本
例においては、ローラ９は、軸方向に配置され、仕上げ
ダイ７側の端部から他端に向けてローラ９の直径は漸次
小さくなる。したがつて、各列のローラ９について云え
ば、ローラ環６の半径方向に対し内側に位置するローラ
縁を結ぶ仮想円の半径は、仕上げダイ７側の端部の列が
最も小さく、他端に向けて漸次大きくなる。仕上げダイ
７は、中空円筒状で、その円筒形外面がケース４に嵌合
され、内面には、軸方向に突条７ａが形成されている。

第２図及び第３図に示すように、ローラ９及び仕上げダ
イ７の突条７ａは、ポンチ２の軸方向溝２ａに対向する
位置にある。ケース４には、仕上げダイ７側の端部にフ
ランジ４ａが形成され、仕上げダイ７の端面は、このフ
ランジ４ａに当接してねじ止めされており、ケース４の
他端には環状の保持板１２がねじ１３により固定されて
、ローラ環６のローラホルダ８及びバツクアツプ部材１
０の端部に当接し、これを保持する。ローラ９が半径方
向内方に脱落するのを防止するために、ローラホルダ８
の孔８ａは内端部がローラの直径より狭くなつている。
ダイホルダ３の端面には、成形後の部品取出しのための
ノツクアウト部材１４が取付けられている。また、ダイ
ホルダ３を取付けたプレススライド１５には、その中央
部に押えピン１６がスプリング（図示せず）を介して取
付けられており、該押えピン１６は自由状態では最もポ
ンチプレート寄りのローラ列がポンチ２の先端位置に達
する前に押えピン１６の先端がポンチ２の先端に当接す
るようになつている。作動にあたつては、ポンチ２の先
端に、円筒形周面を有するコツプ状の加工片１７を保持
し、ダイホルダ３をポンチ２の方向へ動かすと、まず押
えピン１６の先端力功旺片１７の底面に当接して該加工
片１７を押える。

そこで、さらにダイホルダ３を駆動すると、第１列目の
ローラ９が加工片１７の円筒形周面に接触して、加工片
１７をポンチ２の軸方向溝２９に押し込む。ダイホルダ
３の移動を継続させると、第２夕１泪及び第３夕１泪の
ローラ９が順次加工片１７に係合し、該加工片１１を漸
次深く溝２ａに押し込む。最後に、仕上げダイ７が加工
片１７に係合し、この仕上げダイ７はその内周面とポン
チ２の外周面との間に加工片１７を挟んで、加工片１７
の周面にスプラインの仕上げ成形を行なう。第１列目、
第２夕１泪及び第３列目のローラの縁部の断面形状は、
第４図Ａ，ｂ，ｃにそれぞれ示す通りであり、かつロー
ラホルダ８の内周面８ｂからの縁部の突出量は、第１夕
１泪から第３夕１泪まで漸次増加するようになつている
。したがつて、加工片１７の円筒形外周面に形成される
スプライン溝は、最初は比較的浅く、次いでやや深く、
さらに一層深くなるように漸進的に形成されるため、加
工は無理なく行なわれる。仕上げダイ７の断面形状は、
第４図ｄに示すようであり、加工片１７の周面に形成さ
れるスプライン溝の断面形状に近似する。このように、
仕上げダイ７を用いて仕上げ成形を行なうことにより、
加工片に形成されるスプラインの形状は、従来の装置に
よるものよりも良好になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すスプライン成形装置の
断面図、第２図は第１図の一線断面図、第３図は仕上げ
ダイとポンチとの関係を示す部分断面図、第４図Ａ，ｂ
，ｃ，ｄはローラ及び仕上げダイの突条の断面形状を示
す部分断面図である。２・・・・・・ポンチ、２ａ・・・・・・軸方向溝、６
・・・・・・口ーラ環、７・・・・・・仕上げダイ、８
・・・・・・ローラホルダ、８ａ・・・・・穴、９・・
・・・・ローラ。

Claims

【特許請求の範囲】１加工片の円筒形周面に軸方向のスプラインを成形す
る方法であつて、周面に所定の軸方向溝を形成したポン
チ上に前記加工片を保持し、前記ポンチの軸方向溝に対
向するように周方向に間隔をもつて配置された多数のロ
ーラを有するローラ環を、該ローラ環のローラとポンチ
との間に加工片の前記円筒形周面を挾んで、かつ夫々の
ローラがポンチ上の夫々の軸方向溝に対向するような位
置関係で、プレススライドを下降させることにより前記
ポンチに対し軸方向に相対的に移動させ、続くプレスス
ライドの下降ストロークで、ポンチ上の前記軸方向溝に
対向する内向突条を内面に有するリング状の仕上げダイ
を、夫々の内向突条がポンチの軸方向溝に対向する位置
関係で、かつ加工片の前記周面をポンチとの間に挾んで
、該ポンチに対し軸方向に相対的に移動させることによ
つて、加工片の前記周面に軸方向スプラインを形成する
ことを特徴とする方法。２前記第１項の方法において、ローラ環により支持さ
れる各ローラの、ローラ環半径方向内側の縁を結んだ仮
想円の半径が大きいものから順次小さいものを用いて、
スプライン溝を漸次深く成形することを特徴とする方法
。３前記第１項又は第２項において、加工片が自動車用
エンジンの金属薄板製タイミングプーリであることを特
徴とする方法。４加工片の円筒形周面に軸方向スプラインを成形する
装置であつて、（ａ）円筒形周面に所定の軸方向溝が周
方向に間隔を持つて形成されたポンチ、（ｂ）放射方向
に貫通し軸方向に長孔状になつた多数の穴が、周方向に
間隔をもつて、前記ポンチの軸方向溝に対向するように
形成された環状のローラホルダと、前記ローラホルダの
前記穴の各々に保持された円板状のローラと、前記ロー
ラホルダの外側に配置されローラを外側から支持するた
めの円周方向に分割されたバックアップ部材とからなる
ローラ環、（ｃ）前記ローラ環に対し軸方向に並んで配
置され、内面には前記ポンチの軸方向溝に対向するよう
に周方向に間隔をもつて内向突条が形成されたリング状
の仕上げダイ、（ｄ）前記ローラ環と仕上げダイとを外
側から支持する支持部材、及び（ｅ）前記ポンチ上に加
工片を支持した状態で前記ポンチと前記支持部材との軸
方向相対移動を行なわせる駆動装置とからなることを特
徴とする装置。５前記第４項の装置において、前記ローラ環は複数列
のローラを有し、前記ローラは前記仕上げダイと反対側
の端の列から順次半径が大きくなつたことを特徴とする
装置。６前記第４項または第５において、ポンチが下方に設
けられ、前記ローラ環と仕上げダイとは上方からポンチ
のまわりに下降するようになつており、前記仕上げダイ
は前記ローラ環の上方に配置されたことを特徴とする装
置。