JPS5918913B2 - 磁気記録再生装置の調整方式 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は複数のトラック、磁気ヘッドを有して磁気テー
プ上にアナログ信号と記録再生する装置において、複数
の磁気ヘッドより磁気テープ上に記録される信号の、磁
気ヘッド間の相対的磁化量を調整する方式に関し、特に
回転２ヘッド、ヘリカルスキャン型であつて、複合カラ
ーテレビジョンの信号の輝度信号を周波数変調信号に変
換し、搬送色信号を７００ＫＨ２前後に周波数変換し、
前記周波数変調変換輝度信号を磁気テープに飽和記録し
、前記周波数変換色信号をアナログ記録し、かつ回転２
ヘッド相互のアジマス角度を、トラックに対し互いに逆
方向で一定角傾斜せしめて記録を行なう、いわゆ兄アジ
マス記録方式を用いた搬送色信号低域変換型カラービデ
オテープレコーダにおいて、２ヘッド間の色信号記録バ
ランスの調整を行なう有功な方式を提供するものである
。

回転２ヘッド、ヘリカルスキャン型ビデオテープレコー
ダ（以下ＶＴＲと略す）であつて、複合カラーテレビジ
ョン信号を磁気録再用信号に変換する手段に搬送色信号
低域変換方式を用いる方式の問題点としては、複合カラ
ーテレビジョン信号方式がＮＴＳＣあるいはＰＡＬ方式
の如く色の彩度に関する情報が搬送波を振幅変調して伝
送される場合、磁気録再においてもそれがアナログ信号
のままで処理されることから、２ヘッド間において生ず
る記録再生時のレベル差によつて、テレビジヨン画面に
レベル差が発生する（フリッカ）点をあげることができ
る。このフリッカ発生を防止する手段として、ＴＲの自
己録再のみを考えた場合、再生回路系の２ヘツドそれぞ
れに設けられた部分の利得調整によつて可能であるが、
他のＴＲで記録したテープを再生する、いわゆる互換再
生と考えた場合、２ヘツド間の記録レベルを同一にする
必要がある。

また２ヘツド間における色信号レベルの差を自動的に吸
収する手段として、色信号バースト部を基準として色信
号振幅を制御する、いわゆる色信号自動利得制御回路を
用いる方法があるが、該回路構成上の問題点としては、
応答速度あるいは残留レベル差の点より完全ではなく、
２ヘッド間の記録レベル、再生系回路の再生レベルの調
整を要するものであることがあげられる。色信号の２ヘ
ッド間における記録レベルの設定方法として、２ヘツド
相互のギャツプアジマス角とトラツク巾が同一である場
合に、可能な調整方法を第１図を用いて説明する。

第１図において、１は周波数変調された輝度信号の入力
端子、２は低域に変換された搬送色信号の入力端子、３
は記録増幅器４，５に入力する低域変換搬送色信号の２
チヤンネル間の相対レベルを調整するバランサーである
。

７，８はヘツドを記録系または再生系に切換える切換え
スイッチ、９，１０は回転ヘツドシリンダに取付けられ
て回転し、磁気テープにそれぞれ交互に記録再生を行な
う２個の磁気ヘツドである。

１１は２個の磁気ヘツドを回転させる駆動源である。

また１２〜１９は再生回路系を示し、１２，１３はそれ
ぞれのヘッド９，１０に設けられた前置増幅器、１４，
１５は前置増幅器よりの出力を交互に切換えるためのゲ
ート回路、１８，１９はゲート信号の入力端子、１６は
ゲートされた再生出力の加算器である。この結線により
、１，２端子にそれぞれ輝度信号および色信号を入力し
、磁気ヘツド９，１０によつてそれぞれ磁気テープに記
録した後、切換スイツチ７，８を切換え、前記記録部分
を再生する。この時、ゲート回路１４，１゛５のいずれ
か一方を常時０ＦＦとし、磁気ヘツドシランダの回転位
相を、一方のヘツドで記録したトラックを同一のヘツド
でいわゆる表再生と、他方のヘツドで記録したトラツク
を再生するいわゆる裏再生とに切換え、双方の再生レベ
ルを測定し、その差に応じて双方の記録レベル設定を調
整することを繰り返すことにより両者の記録レベルを測
定し、その差に応じて双方の記録レベル設定を調整する
ことを繰り返すことにより両者の記録レベルを等しく設
定できる。

しかしながら、上記調整方式では双方のヘツドのアジマ
ス差、トラツク巾の差に対応した調整を行なうことはで
きなかつた。

また磁気テープへの高密度記録のために双方のヘツドに
互いに逆のアジマス角をとり、隣接のトラックよりの信
号の漏洩を少なくし、トラック間のカードバンドを除去
する、いわゆるアジマス記録方式では実用にならなかつ
た。本発明は前述欠点を解消できる調整方式を提供する
もので、以下その一実施例を図面に基づいて説明する。

第２図において、２０は磁気テープ、２１は磁気テープ
上に描かれるビデオトラツク、２２は該ビデオトラツク
に対しアジマス角θを有する第１の磁気ヘッド、２３は
前記ヘツド２２と逆のアジマス角−θを有する第２の磁
気ヘッドである。

２４はトラツク角に対し直角な線分である。

該線分２４に平行なギヤツプを有する第３の磁気ヘッド
を設け、それによつて単一周波数を有する調整用信号を
磁気テープ２０の長手方向に平行なトラツクに記録し、
該調整用信号を第１、第２の磁気ヘツド２２，２３で再
生すれば、第１、第２の磁気ヘツド２２，２３のアジマ
ス損失は同一であることから、該調整用信号を基準とし
て再生系のクロマレベルが同一となるように調整を行な
うことができる。すなわち該再生系設定を基準として、
第１と第２の磁気ヘツドにより再生される信号レベルが
同一となるように、第１、第２の磁気ヘツドの記録レベ
ルを調整することにより、再生時および記録時のクロマ
ドランスを完全にすることができる。ここで、該調整用
信号を記録する磁気テープに同時に回転ヘツドシリンダ
の回転移相角を制御するコントロール信号を記録すれば
、磁気テープ上に構成されるトラツクの傾きが、回転ヘ
ッドシリンダあるいはシリンダ周辺に機械的に構成され
た磁気テープガイドによつて成る傾きと、回転ヘッドシ
リンダ単位回転数当りの磁気テープの走行長さによつて
構成されることから、より精度よく回転ヘツドシリンダ
の回転移相角を制御することができる。

このことは記録された調整用信号を忠実に再生しなけれ
ばならないうえで極めて有用である。従つて再生時、お
よび記録時のクロマバランスを完全にすることができる
。また本発明によれば単に色信号の２ヘッド間の相対記
録レベルを調整するだけでなく、磁気記録再生装置のこ
の他の機能、特性について、調整またはチエツクするこ
とが可能であり、そのいくつかの例をアジマス記録方式
を用いたＶＴＲの具体例をまじえながら以下に記載する
。

例えば色信号周波数を６８８ＫＨｚ、ビデオトラック巾
を５８．５μｍ１テープヘツド相対速度を６．９７ｍ／
ＳＥＣ、アジマス角度を±７速に設定されているとする
。ここで前述の調整用信号の各ヘッド再生によるアジマ
ス損失ＸｄＢは但し θ：アジマス角、Ｄ：トラツク巾
、λ：記録波長、で示される。

調整用信号を、その波長が低域変換搬送色信号のテープ
上での波長と同一となるような周波数に選んだ場合、ア
ジマス損失は約６．８ｄＢとなる。低域変換された色信
号の記録レベルは、色信号Ｓ／Ｎ、輝度信号との混変調
成分の発生等との関係から、その飽和レベルより通常−
７〜−１０ｄＢのレベルに設定される。このことから前
記調整用信号を飽和記録し、再生すればその再生出力は
、色信号が回転ヘツドで記録すべきレベルで記録され、
再生された時とほぼ同等の再生出力となる。また飽和記
録における再生レベルは記録する磁気テープの特性によ
つてほとんど一定である。このように調整用信号は飽和
記録すれば低域変換搬送色信号の記録絶対レベルを容易
に把握することができ、極めて有用である。またあるシ
ステムにおいては、ビデオヘツドの巾を６０μｍとし、
磁気テープ上のビデオトラックのピツチ（５８，５μｍ
）よりも長くしている。

すなわち一度磁気テープに記録した部分の一部に次の磁
気ヘツドで別の信号を記録することにより、磁気テープ
面積の有効利用を計つているのであるが、製造上におい
て磁気ヘツドトラツク巾に誤差が生じる場合も本調整方
式によれば磁気ヘツド巾の誤差に関係のない調整用信号
を得ることが可能である。次にその説明を第３図につい
て行なう。磁気テープ上のビデオトラックの磁気テープ
長手方向に対する直角な方向の巾ａより狭いトラツク巾
ｂを有する調整用信号トラツク２５を磁気テープ長手方
向に対して平行に設けて記録し、該トラツクを回転ヘツ
ドで再生することにより第４図に示すような再生出力を
得、その出力の尖頭値を測定することにより、再生時の
クロマバランスを調整することができる。このように調
整用信号トラツクを前記のｂの如く選べば、ＶＴＲの実
使用状態に、より対応した調整用信号再生出力を得るこ
とができる。また、異なる２種以上の波長の信号を、本
発明による構成によつて記録した磁気テープを用い、そ
れぞれの再生出力の２ヘッド間の差を比較することによ
り、ＶＴＲの特性のチエツクを行なうこと、あるいは磁
気ヘツド巾の誤差によつて生ずる調整誤差において、巾
の変化によつて磁気テープより受けるエネルギー増大に
よる再生出力の増加と巾の変化によるアジマスロスの変
化によつて調整用信号再生出力が相殺するような波長す
なわち磁気ヘッド巾誤差による影響がない波長に調整用
信号を設定することも本発明の範囲に含まれる。

以上本発明によれば、複数の磁気ヘツド間の色信号記録
のバランスを確実、容易に調整することができ、互換再
生の場合でもテレビジヨン画面にフリッカが発生するこ
とを防止できるものもある。

【図面の簡単な説明】

第１図はＴＲ記録、再生回路系のプロツク図、第２図、
第３図は本発明による磁気テープのパターン図、第４図
は本発明による調整用信号再生出力波形の一例図である
。 １・・・・・・周波数変調された輝度信号入力端子、２
・・・・・・低域変換搬送色信号入力端子、７，８・・
・・・・切換スイツチ、９，１０、２２，２３・・・・
・・磁気ヘツド、１４，１５・・・・・・ゲート回路、
１６・・・・・・加算器、２０・・・・・・磁気テープ
、２１・・・・・・ビデオトラック、２４・・・・・・
ビデオトラツクに対し直角な線分、２５・・・・・・調
整用信号トラツク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 帯状磁気記録媒体に複数の磁気ヘッドによつて長手
   方向に対し傾斜して走査し記録再生を行なう磁気記録再
   生装置の調整方式であつて、少なくとも前記帯状磁気記
   録媒体に平行なトラックを有し、該トラック上に前記複
   数の磁気ヘッドの記録トラックの方向に対しギャップの
   方向が直角をなす別の磁気ヘッドによつて調整用信号を
   記録し、この調整用信号を再生することによつて前記複
   数の磁気ヘッドにより記録再生する相互の条件を設定す
   ることを特徴とする磁気記録再生装置の調整方式。 ２ 調整用信号を記録すると同時に、記録媒体上を傾斜
   して走査する複数の磁気ヘッドを制御する制御信号を記
   録し、調整用信号のより忠実な再生を図ることを特徴と
   する特許請求の範囲第１項記載の磁気記録再生装置の調
   整方式。 ３ 記録媒体に記録する調整用信号の記録状態を飽和記
   録状態とし、該媒体より再生される調整用信号のレベル
   と、複数の磁気ヘッドによつて記録し再生された信号の
   レベルとの相対比較するようになし、複数の磁気ヘッド
   による記録媒体の磁化絶対レベルを得ることを特徴とす
   る特許請求の範囲第１項記載の磁気記録再生装置の調整
   方式。 ４ 調整用信号の記録トラック巾を、記録媒体を傾斜し
   て走査し記録再生を行なう複数の磁気ヘッドによつて記
   録されるトラックの、帯状記録媒体長手方向に対し直角
   な線上における巾より狭くすることを特徴とする特許請
   求の範囲第１項記載の磁気記録再生装置の調整方式。