JPS5918912Y2 - 自動車のトリムストリツプ用接続具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は自動車のトリムストリップ用接続具に関し、
特に軽量でかつ車体表面を傷つけないトリムストリップ
用接続具を提供しようとするものである。

自動車の、例えばフロントウィンドウの外周には金属光
沢を有するトリムストリップが縁取りとして用いられて
おり、その各コーナ一部または直線部においてそれぞれ
Ｌ字形または直線形の接続具が使用されている。

この接続具としては、従来一般に金属板からプレス成形
したものが用いられている。

しかしながらこの種従来品にあっては、接続具表面が金
属体であるために、該接続具の車体への取付時またはト
リムストリップの組付時、または取付後の車体走行中の
振動等によって、車体面との接触箇所または当接箇所に
おいて車体塗装面を引掻いたり、あるいはトリムストリ
ップと該接続具の接触部に異物が付着して局部電池作用
を惹起したりして錆の原因となっていた。

この考案は主としてこのような外観上の耐久性を害する
要因を除外するために考案されたものであって、あわせ
て車体部品の軽量化を図り、経済性、作業性の点におい
ても優れた接続具を提供しようとするものであって、合
成樹脂基体上面に該基体表面を平滑にする合成樹脂アン
ダーコーティング層が形成され、その上面に金属蒸着層
が形成され、さらにその上面が透明合成樹脂からなるト
ップコーティング層によって被覆されてなることを特徴
とする。

以下添付の図面についてこの考案の詳細を説明する。

第１図は自動車のトリムストリップ用接続具１０の一実
施例を示す斜視図であって、この実施例では可視部とな
る接続具本体部１０ａと、トリムストリップへの差込部
である接続部１０ｂ、１０ｂとから構成されている。

第２図は第１図のＸ−Ｘ線の端面図であり、第３図はそ
の一部拡大図である。

この考案においては、まず接続具１０の全体形状を規定
する合成樹脂基体１１がＡＢＳ樹脂またはサーモプラス
チックウレタン樹脂等によって成形される。

基体１１の上面には該基体１１表面を平滑にして、訳述
する金属蒸着層１３の付着を良好にしかつその金属光沢
を美麗なものとするために、ポリエステルまたはポリウ
レタン樹脂等からなるアンダーコーティング層１２が形
成される。

実施例ではこのアンダーコーティング層１２の厚さは約
２０ミクロン程である。

アンダーコーティング層１２の上面にはクロム、アルミ
ニウム、ステンレス等任意の金属蒸着層１３が形成され
る。

この金属蒸着層１３の形成はスパッタリングによって行
なわれ、その厚みは約５００オングストローム程度であ
る。

金属蒸着を施した上面側にはさらにポリウレタン、ポリ
エステル等の透明合成樹脂からなるトップコーティング
層１４によって被覆される。

このトップコーティング層１４は約１５〜２０ミクロン
の厚みを有し、金属蒸着層１３の露出を防止するととも
に、該トップコーティング層１４を形成する合成樹脂の
弾性によって車体面を損傷することを防ぐ。

第４図以下に示すものは、この考案の他の実施例を示す
接続具１０の斜視図である。

第４図は直線部用の接続具１０であって両端の接続部１
０ ｂ、 １０ ｂにトリムストリップの端部が差込ま
れる。

この場合、可視部となるのは本体部１０ ａのみである
から、金属蒸着層１３およびトップコーティング層１４
は該本体部１０ ａのみに形成してもよい。

第５図は同じく直線部用の接続具１０で、接続具両端の
内側の接続部１０ ｂにトリムストリップが差込まれる
。

第６図は第１図と同様にコーナ一部用の接続具１０に関
し、ここでは接続具両端内側の接続部１０ ｂにトリム
ストリップが差込まれる。

なお、上述の実施例において、本体部１０ ａは中空で
あってもよいし、中実に構成されていてもよい。

上記の構成からなるこの考案に係る接続具にあっては、
該接続具表面がトップコーティング層によって被覆され
ているので、取付時または走行時において車体面を損傷
することがなく、従って該損傷による錆の発生を防止す
ることができ外観上の耐久性に大きく寄与する。

また金属蒸着層がトップコーティング層によって被覆さ
れているので、金属層が露出している場合に生ずる局部
電池による電蝕作用も防止でき、接続具自体の外観耐久
性も向上する。

さらに金属蒸着層はスパッタリングにより、薄くかつ接
続具の可視部のみに形成することができコスト的に安価
とすることができるのみならず、接続具とトリムストリ
ップを接続する際に該金属層を剥離することなくそのま
ま超音波溶着ができる等の作業上の利点がある。

加えてこの考案による接続具の場合、従来の金属メッキ
品に対して金属蒸着層の厚みは１００分の１ないし５０
０分の１で足り、また金属板がらのプレス成形品に比し
基体に合成樹脂を使用しているので、接続具自体の重量
を大幅に軽減することができ、自動車車体の軽量化の要
請にもかなうものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す自動車のトリムスト
リップ用接続具の斜視図、第２図は第１図のＸ−Ｘ線に
おける切断端面図、第３図は第２図の部分拡大図、第４
図、第５図および第６図は他の実施例を示す接続具の斜
視図である。 １０・・・・・・接続具、１０ ａ・・・・・・本体、
１０ｂ・・・・・・接続部、１１・・・・・・合成樹脂
基体、１２・・・・・・アンダーコーティング層、１３
・・・・・・金属蒸着層、１４・・・・・・トップコー
ティング層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂基体１１上面に該基体表面を平滑にする合成樹
   脂アンダーコーティング層１２が形成され、その上面に
   金属蒸着層１３が形成され、さらにその上面が透明合成
   樹脂からなるトップコーティング層１４によって被覆さ
   れてなることを特徴とする自動車のトリムストリップ用
   接続具。