JPS5918240Y2 - 自己閉止弁球を開いたレバ−式ベルフロ−ト型スチ−ムトラップ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自己閉止球弁を用いたレバ一式ベルフロー
ト型スチームトラップに関するものである。

ベルフロート型スチームトラップのうちベルフロートを
枢動レバーを介してケーシング頂壁に懸架することによ
り復水排除作動の感度を鋭敏ならしめた場合つまりレバ
一式ベルフロート型スチームトラップにあっては、その
ベルフロートに働く浮力によって弁座に強制着座される
弁子に作用する着座衝撃は、著大となり、とくに排水流
量の要請を満たすべく弁孔口径が大きくなればなる程、
これに応じて必要なベルフロートの質量増加が、ますま
す着座衝撃を強めることとなり、そのため非接合面の損
傷による弁の封止機能の耐久性に問題を生じる。

この考案は、この着座衝撃を弁子から肩代わり支持する
手段を講じるとともに、とくにその弁子として弁球を用
いてその諸特性の活用なかんづく有効な流量特性により
、この種スチームトラップの大型化を伴なわない大流量
排除能力の有効な増強を実現するものである。

この考案は、ケーシング頂壁に、弁座口金の抑止股座で
位置定めした取付は金具を有し、この取付は金具はその
端クレビスにより軸支した枢動レバーの自由端にてケー
シングの内部で昇降可能なベルフロートを吊り下げると
ともに、このベルフロートの上昇行程を制限するストッ
パの作用を兼ねる頭付き止めねじによってケーシング頂
壁に固定し、枢動レバーには、ベルフロートの上昇行程
端で弁座口金の端面に開口する弁孔と同心関係の受は口
を有する弁ホルダを固着し、この弁ホルダの受は口に球
弁を転勤可能に係止してなる自己閉止球弁を用いたレバ
一式ベルフロート型スチームトラップである。

この考案で弁球は、ベルフロートの浮上行程端で枢動レ
バーにより弁口への強制着座をしいられるのではなく、
ストッパの有効な働きの下で単に弁孔の至近位置へ誘導
されるにとどまり、ここで弁孔に至る流路狭搾によって
生起される、弁球を挾む圧力差によって自己閉止を遂げ
るのみなので、着座衝撃のために接合面の損傷を生じる
懸念が全くなく、その封止効果は長期間にわたる使用を
経ても、不変かつ良好に維持されるのはもとより、弁孔
の内部への侵入容積を小さく選ぶことができるので、井
孔内流路を狭めることがなく、とくにレバ一式ベルフロ
ート型スチームトラップが、弁リフトをかなりに大きく
とり得る特長と相まって開弁初期および閉弁終期におい
てほぼ弁孔口径に一義的に依存する全開流量の下での排
水流量が得られて、ここに絞り作用に基く侵食その他の
問題が有利に回避されることに加えて排水能力の著大な
増強がもたらされるなど弁球の諸特性が有利に活用され
るのである。

またこの考案においてストッパはとくにその機能を兼ね
る頭付き止めねじをもって充てこれにより、弁座口金で
位置定めした取付は金具を頂壁に固定するのに役立つの
で必要部品点数を最小にし、製作、組立工数の有利な節
減と構造の簡素化をも効果的に実現できる。

第１図にこの考案による自己閉止弁球を用いたレバ一式
ベルフロート型スチームトラップの実施例をたて断面で
示し、図中１は入口Ａおよび出口Ｂを有するケーシング
カバーイ、２はケーシングカバー、３はケーシング内の
復水溜まり、４は入口Ａに通じる導入口、５は出口Ｂに
至る排水路、また６はストレーナである。

復水溜まり３の内部にはベルフロート７を、枢動レバー
８によりケーシングカバー２すなわちケーシング頂壁に
懸架し、昇降可能とする。

ここに９は取付は金具、１０はその端クレビス、１１は
、取付は金具９の位置定めを司る抑止股座１２を有し、
また弁孔１３を端面に開口させたねしニップル形の弁座
口金である。

端クレビス１０には、ピン軸１４により枢動レバー８を
軸支し、この枢動レバー８の自由端にはまたピン軸１５
によりベルフロート７を枢支する。

ベルフロート７の頂端ボス１６は、ピン軸１５による枢
架に供することに加え、ベルフロート７の浮上行程を限
界するストッパ１７に対する当金としても働く。

ストッパ１７は、頭付き止めねじの形で、取付は金具９
のケーシングカバー２に対する固定にも役立つ。

この考案では、第１図に示したベルフロート７の浮上位
置で、弁孔１３と同心関係位置を占める受は口１８を有
する弁ホルダ１９を、枢動レバー８に固着し、この受は
口１８の内部に弁球２０を納めて、その転勤を可能に係
止する。

この係止は、受は口１８の口縁に対して限定的に加えら
れるかしめ加工によって有利に弁球２０の抜は止めとす
るだけでよく、その自己閉止作用を妨げることのないよ
う受は口１８の底に開通する小孔１８′を弁ホルダ１９
にあけることが好ましい。

図に示すように弁ホルダ１９は、好ましくは板金製とな
しえる枢動レバー８のウェブ２１に、ピン軸１４と弁孔
１３との両中心の最小間隔と同じ間隔をピン軸１４との
間におく取付は孔２２をあけ、ここに弁ホルダ１９の径
小段部２３をはめこんでフックピン２４で固定すること
により、図示のベルフロート７の浮上位置で受は口１８
を、弁孔１３と同心関係を占めるようにする。

第２図は上記したベルフロート７の取付は前の外観を示
し、図中２５はベルフロート７のエヤーベントである。

この種スチームトラップの排水動作は、一般に周知であ
り、取りたてて説明するまでもないが、復水溜り３内を
満たす復水の出口Ｂからの排水放出中に、入口Ａから蒸
気が導入口４を通じて噴入することによりベルフロート
７内の復水との置換によってベルフロート７内気相がベ
ルフロート７の浮上を加速することにより、弁球２０は
弁孔１３に向けて接近する。

この行程終端で頂端ボス１６がまずストッパ１７とつき
当たり、こうして弁球２０は弁孔１３に面しそれに対す
る至近位置へ枢動レバー８により誘導されるのみなので
弁孔１３に対する着座衝撃を全く生ぜず、受は孔１８の
底に位置する弁球２０は、受は孔１８の口縁とすき間を
通して連通している復水溜り３内圧力と、排水路５内圧
力との圧力差のみによって弁孔に吸着される形の自己閉
止作用を生じること明らかで゛ある。

一方、今度は導入口４から復水が復水溜りに到来するよ
うになると、ベルフロート内気相が一部は凝結し、かつ
エヤーベント２５から逃出するので覆水との置換を生じ
、かくしてベルフロートの浮力が喪失されるや、その水
中重量は弁球２０に働く内圧に基く閉弁力に打ちかって
開弁を強制し、この開弁の初期においても、弁球２０は
、弁孔１３内における占有体積が小さいために、いち早
く全開姿勢をとり、絞り作用を殆ど生起しないので、明
確な開弁排水が行なわれ、その後に再び上述の閉弁に至
るまでの間に、流通面積の全開通下に、弁孔１３の断面
積に一義的に依存したいわゆる全開流量の排出が行われ
るのである。

かくしてこの考案によれば、弁球の有利な流量特性を活
用して、その耐久性に全く問題を生じることなく、小型
の割に多量の排水能力をもたらすことができ、とくにこ
の球弁の作動を適切に導くストッパが球弁およびベルフ
ロートの懸架に供した取付は金具の固定手段の機能を兼
ねるように部品の機能を多元化したので、構造を簡素化
し、製作、組立て上も有利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例のたて断面図、第２図はベルフロートの
懸架機構の斜視図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ケーシング頂壁に、弁座口金の抑止股座で位置定めした
   取付は金具を有し、この取付は金具は、その端クレビス
   により軸支した枢動レバーの自由端にてケーシングの内
   部で昇降可能なベルフロートを吊下げるとともにこのベ
   ルフロートの上昇行程を制限するストッパの作用を兼ね
   る頭付き止めねじによってケーシング頂壁に固定し、枢
   動レバーには、ベルフロートの上昇行程端で弁座口金の
   端面に開口する弁孔と同心関係の受は口を有する弁ホル
   ダを固着し、この弁ホルダの受は口に球弁を転勤可能に
   係止してなる自己閉止球弁を用いたレバ一式ベルフロー
   ト型スチームトラップ。