JPS591800B2 - 電解加工液の処理方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、硝酸ナトリウムを主成分とし、クロムを含
有する鉄鋼を電解加工するのに使用される電解加工液の
処理方法に関するものである。

硝酸ナトリウムを主成分とする電解加工液で、クロムを
含有する鉄鋼を加工する場合、電解加工後の電解加工液
中に、鉄は水酸化第２鉄の形で、クロムはクロム酸イオ
ンの形で、それぞれ生成される。従来は水酸化鉄の電解
液からの分離には、遠心分離機、真空脱水機、フィルタ
ープレス等が使用され、スラッジとして分離されていた
が、このスラッジ中には、クロムが有害な６価クロムの
形で存在し、環境衛生の面からも、スラッジの処分の面
からもこの６価クロムの処分には困難を極めていた。ま
た、従来より行なわれていた、６価クロムを３価クロム
に還元する、酸化還元方法（例えば、硫酸第１鉄を還元
剤に用いる方法では、加工の面から、硫酸イオンを完全
に除去する必要があり、水酸化カルシウムと反応させた
のち、硝酸にて中和しなくてはならない）では、処理工
程が複雑になるとともに、電解加工液の系に直接処理装
置を組み入れることが困難であり、処理後の電解加工液
は、再利用することができないのが現状であつた。

この発明は、上記の点に着目し、これらの問題点を解決
するために、電解加工後の電解加工液の一部に硝酸を加
え、硝酸第２鉄を生成させ、この硝酸第２鉄を鉄と反応
させて還元し、硝酸第１鉄を得たのち、これを水酸化ナ
トリウムにて中和して得られる水酸化第１鉄により、電
解加工後の電解加工液中に含まれる、６価のクロムを、
３価のクロムに、還元する電解加工液の処理方法に関す
るものである。

以下、この発明の実施例について説明する。

図は、電源装置を除いた、電解加工液の処理装置を示し
ている。すなわち電解加工液タンク１中の硝酸ソーダを
主体とする電解加工液はポンプ２によつて電解加工槽３
に送られ、鉄成分およびクロムを含有する材料の電解加
工に使用され、電解加工後の電解加工液はポンプ４によ
つて、一部は硝酸反応槽５に、残りはクロム還元槽１１
に送られる。）クロム処理された電解加工液はポンプ１
４により電解加工液タンク１に戻され、再び加工に使用
される。電解加工液タンク１中の水酸化第２鉄および水
酸化クロムは遠心分離機、真空脱水器、フイルタープレ
スなどのスラツジ分離装置１５により、分離、脱水され
る。また、上記実施例では、電解加工液中の水酸化第２
鉄を硝酸および鉄で反応させ、硝酸第１鉄を得たが、希
硝酸と鉄とを直接反応させて、硝酸第１鉄を得ることも
でき、この場合には、処理系が簡易化されるが、スラツ
ジが多くなる問題点がある。

以上のように、この発明によれば、電解加工後の電解加
工液に含まれる有害な６価のクロムを、電解加工自身が
生成する水酸化鉄、硝酸、鉄、水酸化ナトリウムによつ
て無害の３価クロムに還元す＊硝酸反応槽５に送られた
電解加工液中には、電解によつて生成した水酸化第２鉄
および６価クロムが存在するが、硝酸槽６からポンプ７
によつて硝酸反応槽に送り込まれた硝酸によつて水酸化
第２鉄は次式１のように変化し、硝酸第２鉄となる。

この硝酸第２鉄はポンプ８によつて反応塔９に送られ次
式２のように反応塔９内の鉄と反応して還元され、硝酸
第１鉄となる。次にこの硝酸第１鉄はポンプ１０によつ
て還元槽１１に送られ、ポンプ４によつて送られてきた
加工後の電解加工液および水酸化ラトリウム槽１２から
ポンプ１３によつて送られてくる水酸化ナトリウムと混
合され、次式３に示す反応により、先ず、硝酸第１鉄と
水酸化ナトリウムを反応させ、水酸化第１鉄と硝酸ソー
ダを生成する。

次にこの生成された水酸化第１鉄により、次式４に示す
ように６価クロムを３価の水酸化クロムに還元処理する
。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 硝酸ナトリウムを主成分とし、クロムおよび鉄成分
   を含有する材料を電解加工するのに使用される電解加工
   液を処理する方法において、電解加工後生じる水酸化第
   ２鉄および６価クロムを含む電解加工液の一部に硝酸を
   加えて水酸化第２鉄を硝酸第２鉄とし、この硝酸第２鉄
   と鉄とを反応させて硝酸第１鉄を得た後、上記硝酸第１
   鉄を水酸化ナトリウムで中和して水酸化第１鉄とし、こ
   の水酸化第１鉄を含む電解加工液を残りの６価クロムを
   含む電解加工液に混合して、上記水酸化第１鉄により６
   価クロムを３価クロムとする電解加工液の処理方法。