JPS5917280B2 - ５ノズル用ジエツトポンププラグ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、原子力発電プラントの取扱機器に係る。

特に、沸騰水型原子力発電プラントにおいて、炉心に必
要な冷却材流量を供給するための機器である５ノズル形
ジエントポンプの取扱機器として、該ジェットポンプに
装着してそのノズル噴射口を封塞スるために用いるジェ
ットポンププラグに関するものである。

このようなプラグは、冷却材を与える原子炉冷却材再循
環系配管（以下、再循環配管という）に改造・修理等を
施す必要が生じた場合、このプラグによりジェットポン
プを封塞して、これにより原子炉から該再循環配管に冷
却材が流入することを防いでおき、この状態でその配管
の改造・修理等を行うために使用される。

以下、従来技術によるジェットポンプ及び再循環配管に
ついて第１図乃至第５図により説明し、合わせて封塞用
プラグによってジェットポンプのノズル噴射口を閉塞す
る必要性につき更に詳述する。

第１図は、原子炉と冷却材再循環系の構成を示す。

ジェットポンプ２は原子炉圧力容器１内に取付られ、再
循環ポンプ３及び再循環配管４と共に原子炉冷却材再循
環系統として設けられて、原子炉出力の増減に伴ない冷
却材の必要流量を炉心５へ供給する。

即ち沸騰水型原子力発電プラントにおける原子炉は、水
を沸騰させて蒸気化してこの蒸気で発電するものである
から、冷却材６たる軽水は炉心５で蒸気化して発電に供
されるが、この発生蒸気に見合うだけ、冷却材６を補充
して供給しなければならない。

この場合、炉心５を循環する冷却材６の内の一部は、原
子炉圧力容器１の外部に再循環配管４を経て取出され、
再循環ポンプ３で昇圧された後、ジェットポンプ２の駆
動流体として、ジェットポンプ２のノズル部から高速噴
射される。

残余の冷却材は、この高速噴流によりノズル出口の吸引
部に生じた低圧部のためジェットポンプ２内に吸引７さ
れ、ジェットポンプ２内で駆動水と十分に混合された後
、炉心下部プレナム８に送られる。

再循環ポンプ３のほかにかかるジェットポンプ２を用い
るのは、必要な冷却材６を再循環ポンプ３のみで確保し
ようとすると、このポンプ３を大型化せざるを得す、消
費電力が大きくなってしまうからである。

第１図中、９は再循環配管４の最下部に取付られた排水
管である。

（なお、図示していないが、再循環ポンプ３の吸込口が
わ・吐出口がわには、各々弁が設置されている。

）第２図は原子炉冷却材再循環系の概要を示す。

１０は原子炉圧力容器に設けられた再循環配管用ノズル
である。

１１はサーマルスリーブ、１２はライザ２０をサーマル
スリーブ１１に取付るためのジェットポンプ・ライザエ
ルボであり、これらにより、高温部から低温部への熱移
動を均一にして、コーナ一部における熱応力の集中を防
ぐ構成になっている。

１４はジェットポンプ本体１３が取付られるバッフルプ
レート、１５はγ線シールド壁である。

このジェットポンプは、第３図に明示するように、配管
４からライザエルボ１２を介してライザ２０が立上がり
、その上端部において両側方にジェットポンプ本体１３
が垂下する構造になっているので、第２図の右半分にお
いてはライザ２０が見える位置で原子炉を断面とし、左
半分においてはジェットポンプ本体１３が見える位置で
断面として表した。

（このため、第２図には中心線を付しておいた）。

第３図はジェットポンプ２の概要を示し、２０は前記し
たライザ゛であり、２１はジェットポンプ２を原子炉圧
力容器内に支持するためのライザプレース、２２はイン
レットミキサー、２３は圧損を小とすべく下床がりにし
たディフューザ、２４はジェットポンプノズルである。

上記、第２図及び第３図に示した原子炉冷却材再循環系
、ジェットポンプにおいては、プラント建設中あるいは
運転開始後に、万一、再循環配管に改造や修理の必要が
生じたとき、再循環配管側に流入する冷却材を封止しな
ければならない。

その場合、第４図及び第５図に示すジェットポンプ２４
の５孔のノズル噴射口２４ａを封塞して、圧力容器１内
の冷却材が再循環配管４に流入することを防ぐ。

第１図に示すような構成であるから、もしジェットポン
プ２を封塞しておかないと、第１図のＨで示す部分の配
管４には、圧力容器１内の冷却材が流入してしまうから
である。

再循環配管４に冷却材が流入した状態で該配管４を切断
などを行なうと、冷却材が放出されてしまい、極めて問
題である。

（なお、ジェットポンプ２のノズル部つまり第１図のジ
ェットポンプ２の上端部よりも下の位置から予め冷却材
を抜いておけば、このような閉塞用プラグは不要となる
が、そのためには燃料を引抜き、かつ炉水を抜くという
極めて犬がかりな手順を要し、特にそのために放射線量
が増大するなどの問題があるので、実際的ではなく、プ
ラグによる閉塞の方がはるかに有利である。

また配管４の上部つまりジェットポンプ２のノズルに接
続する部分に弁を設け、改造・修理の場合にこの弁を閉
じるようにすれば、かかる閉塞用プラグを用いる必要は
ないと考えられるかもしれない。

しかしプラントとして考えた場合、ここ、に弁を設置す
るのは甚だ不都合である。

即ち、改造・修理等のためにだけ弁を設けることは、プ
ラント全体として考えると、システム上も、経済性から
も、メンテナンスの面等からも、避けることが望ましい
。

特に、システム的に、ここに弁を設ける必要性がないの
で、そのような場合弁は設置しない方が望まれるのであ
る。

プラント運転を考えても、この配管４は冷却材の再循環
を目的としているのであるから、弁をもってコントロー
ルする如き必要はない。

このことを考慮すれば、あえて弁を設置して不都合を招
く可能性を持たせるより、弁を設けずに、改造・修理を
要する時は特別な場合と考えて閉塞用プラグを装着する
とする考え方の方が、はるかに実際的なのである。

）再循環配管４を改造・修理等する時には、このように
プラグによりノズルを封塞して、配管４内に溜った冷却
材（第１図のＨ寸法部内の冷却材）を第１図に示す排水
管９その他残留熱除去系などの適当な系から抜水する。

この状態ではじめて修理等を行なうことができる。

従って、５孔ノズルを同時に封塞することのできる専用
の取扱機器が必要であり、この取扱機器を提供すること
は原子力発電プラントの信頼性を確保する上で重要な意
義をもっている。

本発明の目的は、上述の必要性を満たし、万一、再循環
配管に改造・修理等の必要が生じた場合、原子炉を停止
させた上で、ジェットポンプノズルを封塞することによ
り、原子炉圧力容器内の冷却材全部を抜水することなく
、再循環配管内に溜った冷却材のみを放水できるように
して作業を迅速かつ容易に行えるようにした取扱機器を
提供することにある。

本発明による取扱機器（ジェットポンププラグ）は、原
子炉が停止した状態で使用してジェットポンプのノズル
噴射口を封塞するプラグであって、ジェットポンプの吸
込口上部に装着させる本体と、この本体上部に枢支され
、回動されたときジェットポンプのノズル噴射口を封塞
するシールを有するアームムこのアームの一端を押圧す
る手段と、その押圧手段を遠隔操作できる中継手段とよ
り成ることを特徴としている。

以下、本発明によるジェットポンププラグの一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。

第６図及び第７図に例示するように、本発明のジェット
ポンププラグは、沸騰水型原子力発電プラントにおける
原子炉内構成機器である５ノズル形ジエツトポンプのノ
ズル噴射口を封塞するために、原子炉が停止した状態で
使用して該ノズル噴射口２４ａを封塞するものであって
、ジェットポンプの吸込口上部に装着させる本体２５と
、その本体２５の下部に枢支され、回動されたときノズ
ル噴射口２４ａを封塞するシール２９を有するアーム２
８と、そのアーム２６を回動させるべくアーム２８の一
端を押圧する手段（具体的には後記するアーム押し部３
１）と、その押圧手段３１を遠隔操作できる中継手段と
より成る。

本実施例に係るジェットポンププラグは、更に詳しく具
体的に説明すると、以下の如くなっている。

即ち、第６図中、符号２４はジェットポンプノズル、２
４ａはノズル噴射口、２４ｂはノズル補強板、２５はプ
ラグ本体、２６はフック、２７は固定ピン、２８はプラ
グアーム、２９はシール、３０は押しバネ、３１はアー
ム押し部、３２はソケット、３３はサポート、３４はア
ダプター、３５はリング、３６はソケット３２の回転方
向、３７はアーム押し部３１の移動方向、３８及び３９
はプラグアーム２８の回動方向を示し、４０及び４１は
ガイドである。

本例にあっては、前記プラグ本体２５と、フック２６、
押しバネ３０、サポート３３、アダプター３４、リング
３５は溶接にて一体に構成される。

前記プラグアーム２８は、前記プラグ本体２５下部に取
付られる固定ピン２７により枢支される共に、ジェット
ポンプノズル２４の固定された範囲に円滑に挿入できる
ようにプラグ本体２５下部に設けた押しバネ３０にて固
着される。

また、プラグアーム２８には、インレットミキサー２２
の上部の吸込口に案内できるようにガイド４０，４１を
溶接にて一体にし、さらに５孔のノズル噴射口２４ａを
封塞できるようにそれぞれ独立した弾性体からなるシー
ル２９を焼付等によりプラグアーム２８に固着させであ
る。

前記シール２９の形状はジェットポンプノズル２４が５
孔あるため、確実にノズル噴射口２４ａの内面に装着で
きるよう台形座となっている。

前記アーム押し部３１は、プラグ本体２５に設けられた
案内部に嵌合する摺動部を備え、ネジを有するソケット
３２と上部を係合され、前記ソケット３２は、プラグ本
体２５に取付られたアダプター３４、サポート３３に螺
合および支承されている。

上記のように構成されたジェットポンププラグの取付操
作は、次のようにして行う。

まず基本的に、このジェットポンププラグは、再循環配
管に改造・修理を要する場合において、原子炉を停止さ
せた状態で使用されるのであり、原子炉運転中は圧力容
器内には入れられてないものである。

（従って、運転中にジェットポンプの機能を阻害すると
いうこともあり得ない）。

よって、原子炉を止めた後、圧力容器の上蓋を外して、
外部からこのジェットポンププラグを圧力容器内に入れ
ることになる。

詳しく述べれば、まず原子炉の運転を止め、次いで大口
弁（圧力容器から配管に冷却材が流入する位置の弁で、
第１図の再循環ポンプ３の吸込がわに該当する弁）を閉
じる。

圧力が下がったことを確認し、その後容器の上蓋をとっ
て水面を出し、このジェットポンププラグを容器内に入
れる。

この場合、圧力容器の上方の燃料交換台車よりプラグ全
体を吊して該ジェットポンププラグを容器内に入れると
ともに、 後取付けを行なう。

即ち第９図に略示するようにプラグ本体２５のフック２
６にワイヤＷを掛けて燃料交換台車から吊るし、上部（
燃料交換台車）より水中テレビ等を見ながら、ジェット
ポンプノズル２４の外面部を目指してプラグを降下させ
る。

そしてこれを、第９図の破線で示す矢印の如く、インレ
ットミキサー２２の上部に装着させ、第６図の実線で示
す状態にする。

この装着位置の確認は、目視あるいはジェットポンプノ
ズル２４の外面に予じめ目印を付けておいて行なっても
よい。

装着を確認した後に、ソケット３２を操作用ポール等で
回転させて、シール２９を噴射口２４ａに装着する。

即ちプラグが装着されたことを確認した後、その状態の
ままでソケット３２の上部の六角頭部を操作用ポール、
取扱具等により回転３６させ（螺進させ）、アーム押し
部３１を移動３７させることにより、プラグアーム２８
を回動（矢印３８．３９で示す）させてシール２９をノ
ズル噴射口２４ａに装着させる。

ここでシール２９を装着させたことにより、プラグ本体
２５に逆モーメントが作用してリング３５がジェットポ
ンプノズル２４の外面に密着するようになる。

この場合、ガイド４１をミキサ−２２上部に第６図の如
く当てることにより位置決めができ、ソケット３２の回
転で、噴射口２４ａにシール２９を装着することができ
るわけである。

また、取外しは以上の取付の逆に操作して行なう。

第７図は、第６図に示したジェットポンププラグ２４の
平面詳細を示す図である。

図示のとおり、プラグアーム２８はノズル補強板２４ｂ
を避け、かつ５孔のノズル噴射口２４ａに効率よく装着
できるようにするために、２孔用と１孔用の２種類とし
、両側の２孔用を第５図に示す１寸法に設定し、最長の
１孔用のプラグアーム２８を目的をもとにして装着させ
、アーム押し部３１により短い２孔用のプラグアーム２
８を規定の位置に回動させて装着させるのである。

第８図は、第６図及び第７図について説明した実施例の
応用例を示し、第８図において第６図、第７図と同一符
号を付したものは実施例と同一構成要素もしくは均等機
能要素である。

したがって、実施例と異なる点について以下に詳細する
。

第８図において、４３はシート、４５はプラグアーム、
４６はシールアーム、４８はカップリング、４９はピン
、５４はプレート、５５は調整バネである。

すなわち、本応用例は、実施例のプラグアーム２８をプ
ラグアーム４５とシールアーム４６に分割し、がっプラ
グアーム４５をソケット３２と係合したカップリング４
８にピン４ｇにより直に連結させ、さら？ζシールアー
ム４６とプラグアーム４５の間に調整バネ５５を取付け
、より正確に取付け、取外しを行えるようにしたもので
ある。

シール２９はシール性を向上させるために種々の形状を
とることができる。

例えば、５孔のノズルのシール面を均一にすることは製
作上困難であるので、形状を円錐形にしてノズル噴射口
２４ａの内側に喰い込ませる。

またシール２９さシールアーム４６の間にバネを挿入し
て自立シール性を機能させるとか、バネの代りに球面座
を挿入してシール２９の片当りを防止するとか、あるい
は円錐形の代りに球形としてシール自り面を自在に変え
る等、上記の一つの方法を選択し、または任意に幾つか
の方法を組合わせて用いることが可能である。

本応用例も実施例と同一の作用をすることは改めて記す
までもない。

本発明によるジェットポンププラグは、上述のように構
成され、作用するので次の効果を奏することができる。

すなわち、■、遠隔操作にて、１個のプラグ本体を使用
してジェットポンプノズルの５孔のノズル噴射口にシー
ルを装着できる。

２、本発明によるプラグを用いることにより、原子炉内
冷却材を抜かなくても再循環系配管の改造・修理が可能
となる。

３、上記２により原子力発電プラントの信頼性が確保さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は原子炉と冷却材再循環系の構成図、第２図は原
子炉冷却材再循環系の概略図、第３図はジェットポンプ
の概要図、第４図、第５図はジェットポンプノズルの一
部断面側面図及び平面図、第６図は本発明によるジェッ
トポンププラグの詳細を示す側面図、第１図は同上の平
面図、第８図は本発明によるジェットポンププラグの応
用例を示す側面図である。 第９図は、第６図、第７図に示したジェットポンププラ
グの装着方法を説明するための側面略示図である。 １・・・・・・原子力圧力容器、２・・・・・・ジェッ
トポンプ、３・・・・・・再循環ポンプ、４・・・・・
・再循環配管、５・・・・・・炉心、６・・・・・・循
環する冷却材、７・・・・・・吸引、８・・・・・・炉
心下部プレナム、９・・・・・・配水管、１０・・・・
・・再循環配管用ノズル、１１・・・・・・サーマルス
リーブ、１２・・・・・・ジェットポンプライザエルボ
、１３・・・・・・ジェットポンプ本体、１４・・・・
・・バッフルプレート、１５・・・・・・γ線シールド
壁、２０・・・・・・ライザ、２１・・・・・・ライザ
プレース、２２・・・・・・インレットミキサー、２３
・・・・・・ディフューザ、２４・・・・・・ジェット
ポンプノズル、２４ａ・・・・・・ノズル噴射口、２４
ｂ・・・・・・ノズル補強板、２５・・・・・・プラグ
本体、２６・・・・・・フック、２７・・・・・・固定
ピン、２８・・・・・・プラグアーム、２９・・・・・
・シール、３０・・・・・・押しバネ、３１・・・・・
・アーム押し部、３２・・・・・・ソケット、３３・・
・・・・サポート、３４・・・・・・アダプター、３５
・・・・・・リング、３６・・・・・・ソケット回転方
向、３７・・・・・・アーム押し部３１の移動方向、３
８．３９・・・・・・プラグアーム２８の回転方向、４
０．４１・・・・・・ガイド、４３・・・・・・シート
、４５・・・・・・プラグアーム、４６・・・・・ウー
ルアーム、４８・・・・・・カップリング、４９・・・
・・・ピン、５４・・・・・・プレート、５５・・・・
・・調整バネ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 沸騰水型原子力発電プラントにおける原子炉内構成
   機器である５ノズル形ジエツトポンプのノズル噴射口を
   封塞するためのプラグであって原子炉が停止した状態で
   使用して該ノズル噴射口を封塞するものにおいて、ジェ
   ットポンプの吸込口上部に装着させる本体と、その本体
   の下部に枢支され、回動されたときノズル噴射口を月末
   するシールを有するアームと、そのアームを回動させる
   べくアームの一端を押圧する手段と、その押圧手段を遠
   隔操作できる中継手段とより成ることを特徴とする５ノ
   ズル用ジエツトポンププラグ。