JPS5916046B2 - 予備ゲ−ト兼用シリンダ−ゲ−ト - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は予備ゲート兼用シリンダーゲートに関するもの
である。

一般に、堤体等の放水路構造物あるいは水圧鉄管等の保
守点検を行う場合には水路の止水を行わねばならないの
で、第１図又は第２図に示すよう＼ に、シリンダーゲート２１とは別に予備ゲート１を設け
ている。

該予備ゲート１はシリンダーゲート２１と接続する放水
管路３′を開閉するように戸溝５内に昇降自在に設けら
れている。

次に、従来例の問題点を第１図及び第２図に基づいて列
挙する。

（１）放水路構造物等の保守点検のためにシリンダーゲ
ート２似外に予備ゲート１等の設備を設けるのであるか
ら設備数が増す。

（２）シリンダーゲート２′の操作の他に予備ゲート１
の操作が加わるためにゲートの操作・条件が繁雑になる
。

（３）放水管路３′の途中に予備ゲート１の戸当りを設
けなければならないために放水管路３′の形状を変化す
る必要があり、その製作が複雑となる。

（４）予備ゲート１を堤体４内に設ける第１図のもので
は堤体４内に長い戸溝５を設けなければならないために
土木施工が困難であり、戸当材料が多く必要である。

また、堤体４内に戸溝５を設けるために堤体４の強度に
問題がある。

さらに、予備ゲート１を提体４から外す場合は別にコン
クリートタワー等を設け、これに戸溝５を取付ける必要
がある。

（５）第２図に示す如く堤体４外に予備ゲート１を設け
る場合には、予備ゲート１の戸溝５の部分のコンクリー
ト構造が複雑となり、常時予備ゲート１を水中において
おかねばならない。

また、取水時の予備ゲート１の位置での水密は非常に困
難であり、さらに、堆砂に対しては不都合である。

本発明の目的は上記問題点を解消するものを提供するこ
とである。

一次に第３図、第４図に則して本発明実施の１例を説明
する。

第３図、第４図は予備ゲート兼用シリンダーゲートを設
けた放水路構造物の開及び閉の状態を示す各部分断面図
で、図中、シリンダーゲート２は奥底１９に放水管路３
と連通ずるように固定された最下段部から最上段部６へ
と段階的に各段部の径が大きくなり、各段部の長さは略
等しく、個々の段部はそれに連なる上・下の段部に対し
て摺動自在に構成されている。

該最上段部６の上端間ロア上方には蓋８が設けられ、さ
らに、その上方にリフティングビーム９が設けられてい
る。

リフティングビーム９は上面に固定されたシーブ１０に
おいてロープ１１で吊られており、また、該リフティン
グビーム９には下方に弁棒１２が突設され、該弁棒１２
にはその下端および中央部にそれぞれ弁体１３，１３が
固定されている。

さらに、該リフティングビーム９にはロッド１４が下方
に適数本突設され、該ロッド１４は蓋８および最上段部
６の７ラング部６ａのそれぞれの外縁に穿設された孔８
ａおよび６ｂのそれぞれに摺動自在に遊嵌されている。

該ロッド１４の中央部には、孔８ａより大きい係止部１
６が蓋８のその位置より下への移動を阻止するために固
定されている。

また、該ロッド１４の下端には孔６ｂより大きい係止部
１７が、ロッド１４を介してシリンダーゲート２の最上
段部６を吊るために固定されている。

また、蓋８の下端中央には上・下の弁体１３で開閉され
る孔１５が穿設されている。

他方、シリンダーゲート２の最下段部はコンクリート構
造体１８になっており、該構造体１８は放水管路３と連
通し、堤体４建設時に放水管路３及び板底１９とコンク
リートで一体的に形成され、また、該構造体１８の上端
開口２０は該蓋８によって開閉されるものとされている
。

次に本発明の詳細な説明すると、まず、表層取水時はロ
ープ１１でリフティングビーム９を第３図の如く吊り上
げ、ロッド１４の係止部１６，１７を介して蓋８及びシ
リンダゲート２を吊り上げる。

すると、蓋８の孔１５は蓋８が係止部１６で係止される
位置で下の弁体１３により閉じられる。

そして、表層部の水はシリンダーゲート２の最上段部６
の上端と蓋８との間から上端開口γ内へ流入し、シリン
ダーゲート２内、放水管路３を通過して放流される。

また、中間取水時は第３図中皿点鎖線で示す如き状態で
シリンダーゲート２はロープ１１で吊ら札上記と同様に
放流される。

続いて、堤体等の保守点検におけるゲートの止水時はロ
ープ１１を最下段まで降すと、第４図に示す如くシリン
ダーゲート２は個々の段部がそれぞれの上・下段部に対
して摺動自在であるために、板底１９にすべて着底して
コンクリート構造体１８の周囲に最上段部６までの段部
が重なる。

また、それとともに、蓋８はコンクリート構造体１８に
載置され上端開口２０を閉鎖し、さらに、リフティング
ビーム９が蓋８上に載置されるので、上の弁体１３は蓋
８の孔１５を閉鎖する。

したがって、シリンダーゲート２は完全に該上端開口２
０を蓋８と弁体１３とで閉鎖されて止水される。

さらに、再度取水をする場合には、第３図で示す状態ま
でロープ１１でシリンダーゲート２を吊り上げるが、ロ
ープ１１でリフティングビーム９を吊り上げた時にまず
上の弁体１３を上昇せしめて孔１５を開け、それにより
放水管路３へ水を流して蓋８吊り上げ時の荷重を軽減す
る。

本発明は以上の如く構成されるために次の如き優れた効
果を奏することができる。

（１）従来の予備ゲートを廃止することが出来る。

（２）シリンダーゲートを上昇、下降させる操作だけで
すむためゲート開閉操作が簡単である。

（３）ゲート閉塞操作が簡単で増水、止水が確実である
。

（４）シリンダーゲートに蓋、弁等を設ける工事だけで
よいので施工が容易である。

（５）放水管路をシリンダーゲートと直接接続出来るた
め、該管路の曲管部の構造が簡単となり、損失水頭を減
少出来る。

（６）蓋に弁を設けであるため吊り上げ操作時の荷重を
軽減出来るとともに充水作業が安全に出来る。

（７）シリンダーゲートの最下段部をコンクリート構造
体でなく鉄製とすることも出来るために板底等の土木工
事を簡素化出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来例を示すそれぞれ別の予備ゲー
トを設けた放水路構造物の各部分縦断面図、第３図〜第
４図は本発明実施の１例を示すもので、第３図は取水時
の状態を示す放水路構造物の部分縦断面図、第４図は止
水時の状態を示す放水路構造物の部分縦断面図である。 図中の符号は下記部材を示す。 １：予備ゲート、２’、２ニジリンダ−ゲート、３’、
３：放水管路、４：堤体、５：戸溝、６：最上段部、６
ａ：フランジ部、６ｂ：孔、７：上端開口、８：蓋、８
ａ：孔、９：リフティングビーム、１ｏ：シーブ、１１
：ロープ、１２：弁棒、１３：弁体、１４：ロッド、１
５：孔、１６，１７：係止部、１８：コンクリート構造
体、１９：板底、２ｏ：上端開口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 奥底に放水管路と連通ずるように固定された最下段
   部から最上段部へと段階的に各段部の径が大きくなり、
   各段部の長さは略等しく、個々の段部はそれに連なる上
   ・下の段部に対して摺動自在に構成されるシリンダーゲ
   ートにおいて、最下段部上端開口を開閉可能な蓋をシリ
   ンダーゲートの最上段部に一定ストローク摺動自在に設
   け、該蓋およびシリンダゲートを吊上げ吊下し自在とす
   ることを特徴とする予備ゲート兼用シリンダーゲート。 ２ 一定ストローク摺動自在とする手段として、蓋と最
   上段部とを連結するロンドに蓋の下と最上段部上端のフ
   ランジ部の下とにそれぞれ係止部を形成してなる特許請
   求の範囲第１項記載の予備ゲート兼用シリンダーゲート
   。 ３ 蓋が弁を有する特許請求の範囲第１項記載の予備ゲ
   ート兼用シリンダーゲート。