JPS5915752Y2 - 上甲板上におけるパイプ支持構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は上甲板上におけるパイプ支持構造に関するもの
である。

例えば油タンカーの上甲板上には貨油管、バラスト管、
イナートガス管、電線管等多くのパイプが配設されてい
る。

これらのパイプが上甲板上で低い構造物により支持され
る場合はパ・ｆプの上にクロスオーバーウェイを設置し
て通行できるようにし、高い構造物で支持される場合は
パイプの下を通行できるようにしている。

ところがクロスオーバウェイを設置するにしても、高い
構造物でパイプを支持するにしても、夫々相応の材料が
必要になる。

これらの材料としては高価な鋼材が使用されている。

一方海洋汚染防止条約を満足させる範囲内で油タンカー
の輸送能力をできるだけ向上させる目的からバラスト専
用タンクの容積を減少させることが要望されている。

その方法の１つとして船内に固形バラストを搭載するこ
とが考えられる。

しかし船内にそのような固形バラストを搭載すると船内
容積が固形バラストによって占有され、バラスト専用タ
ンクの容積の大幅な減少には到らない。

本考案は斯かる点に鑑みて為されたものであり、前記の
鋼材の代りにコンクリートを使用して上甲板上において
前記パイプを支持し、パイプの下を通行できるようにす
ると共にコンクリートの重量によってバラスト専用タン
クの容積を大きく減少できるようにすることを目的とす
る。

以下本考案を実施例を示す図面に基づいて説明する。

先ず第１実施例について第１図及び第２図に基づき説明
すると、第１図に示すように形成したコンクリート台１
を第２図に示すように船舶の上甲板２上に支持し、この
コンクリート台１上にパイプバンド３，４によりパイプ
５を支持したものである。

この場合コンクリート台１を作るときは、第１図に示す
ように床面６上においてコンクリート台１を上下反転し
て製作するのであるが、上甲板２との固定部即ち第１図
に示すコンクリート台１の上端に鋼製の台枠７，７を位
置させ、コンクリート台１の下端部にはパイプバンドの
一方３を位置させる。

このときコンクリート台１には内部に鉄筋が設けられて
おり、前記台枠７，７及び一方のパイプバンド３はコン
クリートを打設する前に鉄筋に連設され固定される。

従ってコンクリート台１が作られたとき、鋼製の台枠７
，７と一方のパイプバンド３がコンクリート台１に一体
に設けられており、このコンクリート台１を上甲板２に
固定するときは前記台枠７，７が下に位置するようにコ
ンクリート台１を反転させ、第２図に示すように台枠７
，７を上甲板２上に溶接固定すれば良い。

このコンクリート台１は少なく具入の身長程度の高さを
有しており、上甲板２上に船舶の船舶梶方向適当間隔お
きに、パイプ５の下側で前後のコンクリート台間に通行
用の空間が形成されるように取り付けられる。

そしてこの上甲板２上に取り付けられたコンクリート台
１上には前記一方のパイプバンド３上にパイプ５を載せ
ると共にこのパイプ５を他方のパイプバンド４で包み、
両パイプバンド３，４をボルト８により固定するので゛
ある。

次に第２実施例について第３図に基づき説明する。

この実施例はコンクリート台を上甲板上で作り、このコ
ンクリート台の上にブラケットを設けてパイプ取付位置
の高さを自由に変更できるようにしたものである。

詳細に説明すると、鋼製の台枠７，７を上甲板２上に溶
接して固定しておき、この台枠７，７から側方に食み出
さないように上甲板２上にコンクリート台１を作る。

９はコンクノート台１の上端に設けられる鋼製の頂板で
、この頂板９と前記台枠７，７とはコンクリートを打設
する前に鉄筋に溶接されている。

１０は一方のパイプバンド３を有するブラケットで、前
記頂板９上に溶接固定されている。

このブラケット１０上において両パイプバンド３，４に
よってパイプ５を固定するのである。

尚頂板９には前記ブラケット１０が取り付けられる以外
の位置でコンクリート流し込み用の孔が設けられている
。

ところでパイプ取付位置の高さの調整は、前記ブラケッ
ト１０を頂板９から切断して取り別のブラケットと交換
して行なうことができる。

この第２実施例においてもコンクリート台１は上甲板２
上に船舶梶方向適当間隔おきに設けられ、しかも前後の
コンクリート台間においてパイプの下を通って通行でき
るようになっている。

第４図及び第５図に船舶の上甲板２上でのパイプ配設状
態を示しており、第４図に示すようにコンクリート台１
は船舶梶方向適当間隔おきに設けられてこのコンクリー
ト台１上に支持されるパイプ５の下側で前後のコンクリ
ート台１，１間を通行可能にしている。

尚前記第１、第２実施例においてはコンクリ−１〜台１
上に１本のパイプ５が支持されている状態を示している
が、この両実施例と同じ要領で゛第５図に示すように１
つのコンクリート台１上に複数本のパイプ５・・・が支
持されている。

即ちこの場合前記第１、第２実施例よりも大きなコンク
リート台１を作り、ｌっのコンクノート台１上に前記一
方のパイプバンド３を複数個設けておけば良い。

この複数個のパイプバンド３は相互に繋がっていても良
く、或いは別々のものでも良い。

尚図中１１は荷物タンク、１２はバラスト専用タンクで
ある。

本考案上甲板上におけるパイプ支持構造は以上述べたよ
うに実施し得るものであり、上甲板上においてコンクリ
ート台によりパイプを支持し、しかもコンクリート台は
船舶梶方向に適当間隔おきに位置して前後のコンクリー
ト台間を通行可能にしているので、パイプの下を通行で
きると共にコンクリート台の重量によってバラスト専用
タンクの容積を大きく減少できる。

この場合現在のタンカーに上甲板上においてパイプを支
持する程度のコンクリート台を載せても、タンカーの復
原性に余裕があるので、上甲板上の通行性の問題もなく
、又タンカーの強度面からも問題はない。

又このコンクリート台を上甲板上のパイプがタンク内に
下降分岐するところに設けると、従来ややもすると問題
になっていたパイプ内液体の運動による振動を無くすこ
とができる。

特に本考案によればコンクリート台の下端両側にはコン
クリート合同の鉄筋に溶接された鋼製の台枠を設けてあ
り、この台枠を上甲板上に溶接してコンクリート台を上
甲板上に固定しているため、上甲板に対するコンクリー
ト台の固定が極めて簡単に行なえる。

即ち、コンクリート台の固定が下端両側で行なうだけで
良く、例えばコンクリート合同の鉄筋を上甲板に溶接し
て固定する場合等に比べてコンクリート台の固定作業が
簡単である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は第１実施
例におけるコンクリート台の製作方法を示す説明図、第
２図は同しく第１実施例におけるコンクリート台による
パイプ支持状態を示す正面断面図、第３図は第２実施例
のパイプ支持状態を示す正面断面図、第４図及び第５図
は船舶の上甲板上におけるパイプの配設状態を示す概略
側面断面図及び概略正面断面図である。 １・・・コンクリート台、２・・・上甲板、３，４・・
・パイプバンド、５・・・パイプ、７・・・台枠、９・
・・頂板、１０・・・ブラケット、１１・・・荷物タン
ク、１２・・・バラスト専用タンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 船舶の上甲板上に船舶梶方向適当間隔おきに設けられる
   コンクリート台の下端両側にコンクリート金円の鉄筋に
   溶接された鋼製の台枠を設けてこの台枠を上甲板上に溶
   接してコンクリート台を上甲板上に固定し、前記コンク
   リート台上にパイプを支持すると共にこのパイプの下側
   で前後のコンクリート台間を通行可能に構成したことを
   特徴とする上甲板上におけるパイプ支持構造。