JPS5914530B2 - インジウムの回収方法 - Google Patents

インジウムの回収方法

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JPS5914530B2
JPS5914530B2 JP54040479A JP4047979A JPS5914530B2 JP S5914530 B2 JPS5914530 B2 JP S5914530B2 JP 54040479 A JP54040479 A JP 54040479A JP 4047979 A JP4047979 A JP 4047979A JP S5914530 B2 JPS5914530 B2 JP S5914530B2
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ions
solution
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、インジウムを回収する方法に関し、インジウ
ムイオンを含有する水溶液から、液−液イオン交換法に
よってインジウムイオンを選択的に抽出しさらにインジ
ウムイオンを硫酸酸性水溶液中に逆抽出することにより
、清浄なインジウム濃縮液を得る方法に関するものであ
る。
インジウムは単独の鉱石としては産出せず、亜鉛や鉛の
鉱石中に微量に存在している。
従ってインジウムの工業的原料は、それら亜鉛等の製錬
工程からの副産物としてインジウムが濃縮された中間産
物が主体となる。
そして、インジウムの回収方法としては、それらインジ
ウム原料すなわち中間産物を鉱酸等で浸出し、該浸出液
についてインジウム分を他の共存金属分と分別し濃縮し
た形に精製する湿式1程を含む方法が一般的である。
従来の湿式法には、浸出液に対する中和法、イオン交換
法あるいは液−液イオン交換法などがある。
中和法は、浸出水溶液から水酸化インジウムを沈澱させ
る手法を主体としているが、得られる産物の純度が悪く
、製品とするには粗中和、濾過、溶解、脱銅、精製中和
等の多くの工程からなる精製を繰返えす必要があり煩雑
で経済性に乏しい。
イオン交換法は、イオン交換樹脂を用いるものであるが
、インジウムと鉄との分離性が悪く、またインジウムの
濃縮率も低い。
さらに、交換樹脂からのインジウムの溶離に塩酸あるい
は塩化物などの−・ロゲンを含む高濃度酸溶液を必要と
するので、一般の湿式亜鉛製錬所での処理方法としては
不適当である。
すなわち、ハロゲンあるいはハロゲン酸の湿式亜鉛製錬
系(硫酸系)内への混入は亜鉛電解工程その他でさまざ
まなトラブルの原因となるものである。
液−液イオン交換法は、水に対して不混和性の有機溶液
による溶媒抽出法であり、この有機溶媒としてエーテル
、インブチルメチルケトン(MIBK)、トリブチルリ
ン酸(TBP)、3級脂肪酸、モノアルキルリン酸およ
びディアルキルリン酸などを用いる方法が知られている
このうち、エーテル抽出法およびMIBK抽出法は、硫
酸酸性液からのインジウムの抽出には適用できず、もっ
ばら・・ロゲン酸の水溶液が対象となっている。
一般の湿式亜鉛製錬系への組み込みには問題がある。
またこれらの方法においては溶媒となるエーテルおよび
MIBKが多量に水溶液中に溶解する欠点があり、溶媒
の損失が太きいしさらに水溶液中に溶解した溶媒が他の
工程に悪い影響をおよぼすなどの問題がある。
トリブチルリン酸(TBP)抽出法も、硫酸酸性液から
の抽出率は極めて低いので、塩酸酸性液からの抽出に利
用されているが、溶媒が水溶液中に溶は込むことがなく
、比較的広く利用されている。
ただ、この溶媒はクロロ錯塩をつくるすべての金属を抽
出するので、インジウム単独回収のためには、さらに積
極的な分離工程を必要とし、利用度も限られたものにな
ってくる。
3級脂肪酸を用いる抽出法は、ノ・ロゲン酸以外の硫酸
酸性水溶液などからもインジウムを抽出できるが、この
溶媒はインジウムイオンよりも優先的に第2鉄イオン(
Fe3+)を抽出するため、水溶液中に共存している第
2鉄イオンはあらかじめ第1鉄イオン(F”e2+)に
環元しておく必要がある。
また、この溶媒がインジウムを抽出する場合のpHは2
.5〜3.5という比較的狭い範囲に限られ、かつ共存
する他の重金属イオンとの分離性が悪いために得られる
逆抽出液のインジウムの純度は低いものになり易い。
従って、逆抽出液の精製のため、さらに他の方法たとえ
ば前記したTBP抽出法などの併用を必要とする。
従来のモノアルキルリン酸またはディアルキルリン酸抽
出法によれば、硫酸濃度の比較的高い溶液すなわち第1
図に示されているようにpH−1,0〜0.6の硫酸酸
性溶液(硫酸分濃度500〜129/lに相当する)か
らインジウムイオンを抽出することができる。
第1図は、インジウムイオン(In”)525〜588
mV′L1第2鉄イオン(Fe””)122〜225
m 9 / lあるいは亜鉛イオン(Zn” +)24
6〜250rng///刈れかを含み、かつ異る硫酸濃
度の硫酸酸性水液各100CCに抽出液としてディー2
−エチルへキシルリン酸(D2EHPA、ディアルキル
リン酸)とシェル化学製溶剤MSB210(パラフィン
有機溶剤)を5対95の容量比で混合した有機溶剤溶液
中100eCを混合接触せしめた結果によるところのイ
ンジウムイオン、第2鉄イオンおよび亜鉛イオンの抽出
平衡を示した図であって、縦軸は抽出率で、横軸は硫酸
酸性溶液のpHを示している。
本図かられかるように、本方法でインジウムイオンを抽
出するpH条件では、第2鉄イオンも同時に抽出される
ので、あらかじめ水溶液中に溶存している第2鉄イオン
を第1鉄イオンに環元しておくことを考慮しなければな
らない。
しかし、水溶液中の第2鉄イオンを完全に環元すること
は必ずしも容易ではなく、実際上循環使用される溶媒中
に第2鉄イオンが蓄積することは避は難く、従って、そ
の逆抽出をも考慮しなければならないことになる。
この抽出溶媒からの第2鉄イオンの逆抽出には、実質的
に硫酸酸性溶液は使用できず、前記したように湿式亜鉛
製錬所としては、系内混入を嫌う−・ロゲン酸溶液を用
いざるを得ない現状である。
さらにまた、インジウムイオン自体の逆抽出にも濃度の
異なる2種類の・・ロゲン酸溶液を必要とし、結局、第
2鉄イオンとインジウムイオンのための2段階の逆抽出
工程を必要とすることになる。
本発明者等ハ、モノ−2−エチルへキシルリン酸または
ディー2−エチルへキシルリン酸にトリブチルリン酸を
特定の比率で混合した溶媒は、モノアルキルリン酸また
はディアルキルリン酸あるいはトリアルキルリン酸の単
独溶媒の場合には見られなかった新しい重金属イオン抽
出性および被逆抽出性を有することを見出し、その性質
をインジウムを含む水溶液からのインジウムの有利な回
収方法として利用するべく検討したものである0 すなわち本発明は、インジウムイオンを含む水溶液から
、インジウムイオンを有機溶剤溶液によって効率的に抽
出し、さらにこれから硫酸酸性溶液によって容易に逆抽
出し得る液−液イオン交換法により、清浄なインジウム
濃縮液を得ることを目的としたもので、インジウムイオ
ンを含む水溶液のpHを0.25〜4.5に調整し、こ
の水溶液にモノ−2−エチルへキシルリン酸またはディ
ー2=エチルへキシルリン酸1に対してトリブチルリン
酸2〜5の容量比率で含む抽出剤共試薬を相安定水不混
和性有機溶剤で希釈した有機溶剤溶液を混合接触させる
ことにより、インジウムイオンを有機溶剤溶液中に抽出
し、次いでこの有機溶剤溶液に遊離硫酸分を1tあたり
100〜5009含む硫酸酸性水溶液を混合接触させる
ことにより、インジウムイオンを有機溶剤溶液から逆抽
出してインジウムを濃縮的に含む清浄な硫酸酸性水溶液
を得る工程を含むインジウムの回収方法である。
モノ−2−エチルへキシルリン酸またはディー2−エチ
ルへキシルリン酸およびトリブチルリン酸からなる抽出
剤共試薬は、相安定水不混和性有機溶剤に希釈されて用
いられる。
この希釈溶剤は水に不溶で有機リン酸および有棧リン化
合物を安定的に溶解し、かつそれらの粘性を下げる働ら
きをなすものであるが、そのほか溶剤としての必要な条
件として化学的安定性、低毒性および高引火点があげら
れる。
すなわち、石油源から誘導された脂肪族、芳香族または
アルキル芳香族炭化水素があげられ、具体的にはトルエ
ン、キシレン、ケロシン、いろいろのフラッシュナフサ
カットおよびこれらの混合物があげられるが、特に好ま
しい溶剤は高級パラフィン列炭化水素の混合物であると
ころの脱臭ミネラルスピリットである。
(使用し得る溶剤市販品としてはシェル化学製のMSB
210、MSB21 OL、DO8B、DO8B−X、
HAWS、シェルソールA1シェルソールAB、 ニス
カイト100などの商品名のものがある。
)本発明における抽出剤共試薬を有機溶剤で希釈した有
機溶剤溶液(以下有棧相Aとする)の性状について詳述
する。
第2図は、本発明の実、験列における有機相Aによるイ
ンジウムイオン(■n3+)、第2鉄イオン(Fe3+
)および亜鉛イオン(Zn2+)の抽出平衡の状況を示
した図で、Ina+478〜613m9/l、 F e
3+60〜225m9/l、およびZn”+246〜2
50 m9/lを含む硫酸酸性液100ccに、ディー
2−エチルへキシルリン酸(D2EHPA))リブチル
リン酸(TBP)および溶剤パラフィン(商品名シェル
化学MS B 210)を3:12:85の容量比で混
合した有機相A10 Q ccの混合接触せしめた場合
のものであり、縦軸は抽出率、横軸は硫酸酸性溶液のp
H値を示している。
本第2図に見られるように、有機相Aは、pH0,25
以上で実質的にインジウム抽出の効果を表す。
またインジウムイオンはpH4,5以上で水酸化物とな
って沈澱するので、液−液イオン交換の上限はp H4
,5となる。
すなわち、有棧相Aによるインジウムの抽出pH範囲は
0.25〜4.5fある。
このpH範囲はモノアルキルリン酸またはディアルキル
リン酸単独使用の場合の抽出pHよりも低酸側に移行し
ており、それによって抽出処理が容易になっている。
有機相Aの特に強調するべき特徴は、そのインジウムイ
オンへの選択的抽出性とともに後述するように本有機相
Aを用いることによってインジウムイオンの逆抽出にお
いて硫酸溶液を使用することが可能となったところにあ
り、これによって著しく溶媒抽出法の実用性を高めるこ
とができたものである。
本有機相Aにおけるモノ−2−エチルへキシルリン酸ま
たはディー2−エチルへキシルリン酸とトリブチルリン
酸トの混合比率は1対2〜5が好適であるが、この比率
範囲よりもさらにトリブチルリン酸が多くなると、イン
ジウムイオンの抽出性が低下し、逆に少くなると、硫酸
溶液による逆抽出性が低下し何れも実用性が問題となる
1だ、本図によって明らかなように、有機相AはpH1
,5以下では亜鉛イオンを抽出しないので、水溶液がイ
ンジウムのほかに亜鉛を含む場合には、pH0,25〜
1.5の範囲を選択し、インジウムイオンのみを抽出さ
せることができる。
インジウム原料には、通常亜鉛のほか鉄、特に第2鉄態
の鉄が含まれ、その浸出水溶液には第2鉄イオンが含ま
れる。
この第2鉄イオンとインジウムイオンとの分離が本発明
の範囲内において容易になされ得るのであって、これは
本発明の有する新規な特性の1つである。
第2図のインジウムイオンと第2鉄イオンの抽出平衡曲
線から明らかなように、有機相Aにおいては水溶液のp
Hが1.0以下特に0.7以下で第2鉄イオンの抽出性
が著しく不良となることから、p H0,25〜1.0
好ましくは0.25〜0.7の範囲でインジウムイオン
の選択的な抽出が可能となる。
さらに、本図の結果はあく捷でも平衡状態におけるもの
であり、実際上は抽出においてその抽出速度も関与する
本発明の有機相Aは相当量の第2鉄イオンを含む水溶液
であっても、インジウムイオンの抽出速度は第2鉄イオ
ンのそれに較べて遥かに太きいという性質を有している
従って有機相Aの使用により実質的にインジウムイオン
の第2鉄イオンとの完全分離が可能となる。
このことは第3図および第4図によって明らかである。
第3図および第4図は本発明者らの実験の結果による図
で、有機相Aを用いた場合のそれぞれインジウムイオン
および第2鉄イオンの抽出時間と抽出率との関係を示し
たものである。
これらの図に係る原水溶液は、■n3 +90m9/b
Fe3+140〜154mg/lを含むp H0,7の
硫酸酸性溶液50Qecであり、抽出剤としての有機相
AはD2EHPA3容量弘TBP12容量係およびMS
B21085容量係からなる有機溶液5Qeeである。
これらの図でわかるように、インジウムイオンは10分
間の混合接触でその約60〜70係が有機相Aに抽出さ
れるのに対し、第2鉄イオンは最初の5分間は全く抽出
されず、10分間の混合接触後にようやく約0.2%が
抽出されるにすぎない。
さらにその後の抽出速度も小さく、60分後でも約1係
の抽出率にとどまる。
このように有機相Aは、抽出平衡による分離性と抽出速
度の相違の重畳によって、インジウムイオンと第2鉄イ
オンとの分離にすぐれた効果を表わすものであって、こ
のような効果はこれまでの有機溶媒では見出されなかっ
たものである。
次に有機相AK抽出されたインジウムイオンの逆抽出に
ついて説明する。
前記したように、インジウムイオンの全抽出は、従来公
知のモノアルキルリン酸またはディアルキルリン酸単独
の抽出剤を有する液によっても可能であるが、この溶液
からインジウムイオンをさらに硫酸で逆抽出する場合に
は、4909/を硫酸弁の高濃度硫酸を使用してもなお
完全でない。
また5 009/を硫酸弁を超える濃度の硫酸との混合
接触では抽出液との間に第3相が生成し分相が悪くなる
ので、実質的に硫酸酸性溶液をこの溶媒溶液からインジ
ウムイオンの逆抽出に用いることはできない。
このことはこの溶媒溶液中の第2鉄イオンの場合につい
てもいえることである。
これに対して、有機相Aを用いた場合、これから155
9/Ic 1)H−0,5)の硫酸酸性溶液でインジウ
ムイオンをほぼ完全に逆抽出することが可能であり、処
理回数を増せば100g/l(p:E(−0−3)の硫
酸酸性溶液による逆抽出も1だ可能である。
この低濃度硫酸溶液の場合、実操業としてはたとえばカ
ウンターカレント(向流)方式による多段接触を行わし
める方が能率的である。
有機相Aもモノアルキルリン酸またはディアルキルリン
酸と同様5009/l硫酸分を超える濃度の硫酸溶液と
の混合接触では第3相を生成するので有機相Aからのイ
ンジウムイオンの逆抽出に用いられる硫酸酸性溶液の濃
度は100〜500 (j/を硫酸弁範囲である。
すなわち有機相Aをインジウム抽出溶液として用いるこ
とにより、それからの逆抽出液に硫酸酸性溶液を用いる
ことができ、結局硫酸酸性のインジウム濃縮液を得るこ
とができるということが本発明の大きな特徴であり、こ
れによって実用性が大巾に向上した。
有機相Aからの逆抽出液の硫酸濃度条件は前記のとおり
100〜500g/を硫酸弁であるが、この範囲内で硫
酸濃度が高いほどインジウムイオンの逆抽出性は良好で
あり、有機相Aのモノ−2−エチルへキシルリン酸また
はディー2−エチルへキシルリン酸に対するトリブチル
リン酸の比は高いほど良好であるが逆抽出操作を繰り返
えすならば、それぞれの範囲内の低い方でも充分の逆抽
出が可能である。
本発明では原水溶液からのインジウムイオンの選択的抽
出性と硫酸溶液による繰返し逆抽出における作業性への
配慮から前記比を1対2〜5の範囲内としている。
こうしたインジウムイオンの逆抽出条件でインジウムイ
オンに先立って有機相A中の第2鉄イオが逆抽出される
このことは有機相Aの再生が同じ硫酸溶液による逆抽出
処理で済むということであって、これも本発明の利点の
1つである。
先に述べたように有機相Aの原水溶液からの第2鉄イオ
ンの抽出性は悪いので、有機相Aに含まれる第2鉄イオ
ンの量は僅少であり、従ってこれから逆抽出されて硫酸
溶液中に入る第灸鉄イオンの量も僅かであり、本方法の
実用性を妨げるものではない。
なおこのあとの逆抽出硫酸溶液からのインジウムの回収
を、一般に行われるように、アルミニウムとの置換法で
行えば硫酸液中の第2鉄イオンは容易に第1鉄イオンに
環元されそのまま液中に残留するので、回収されるイン
ジウムメタルの純度にはほとんど影響をおよぼすことが
なく甚だ好都合である。
インジウムを回収したあとの置換尾液は、亜鉛製錬所で
はその捷\浸出工程へ戻すこともできるし、またインジ
ウムの抽出工程で利用することもできる。
置換尾液中の第一鉄イオンはインジウム抽出系外に搬出
されるか、または同系内に戻されたとしても亜鉛やアル
ミと同様溶媒抽出されることがない。
従ってインジウム抽出系内に鉄イオンが蓄積するという
問題がない。
さらに本発明の有機相Aを用いる液−液イオン交換法の
効果として鉄や即鉛以外の元素イオンとインジウムイオ
ンとの分離性にすぐれていることがあげられる。
すなわち、鉄や亜鉛以外の元素たとえば錫、塩素、弗素
、ひ素のような元素を含むダスト類の溶解液からのイン
ジウムの回収にも好適に利用できるものであり、このこ
とは微量のインジウムの回収にも利用できることを意味
している。
このうち、錫は本来インジウムとの親和性が強く他のイ
オン交換法ではもちろんニ般の化学処理でもそれらの分
離は非常に困難とされているものであるが、本発明の有
機相Aはそのインジウムイオン抽出条件範囲においてほ
とんど錫イオンを抽出することがない。
以上のように本発明の有機相Aはそれを構成するモノ−
2−エチルへキシルリン酸またはディー2−エチルへキ
シルリン酸あるいはトリブチルリン酸のそれぞれ単味使
用での問題点を積極的に改善するもので、その規定条件
下でインジウムイオンそしてまた特に第2鉄イオンを共
存状態で含む水溶液からインジウムイオンを選択的に抽
出するものであり、またそれからの硫酸溶液へのインジ
ウムイオンの逆抽出を可能としたものである。
本発明によるインジウムの回収法は、工程の簡略化と従
来特に問題となる実操業への適用を容易にしたものでそ
の意義は大きい。
なお、本発明の方法において逆抽出液としては硫酸酸性
液に限り、またそれが使用可能であることを特徴とする
ものであるが、インジウム原料浸出液すなわち抽出対象
液としては、硫酸酸性液に限られるものではなく、珪弗
酸液、塩酸液、硝酸液その他・・ロゲン酸液であっても
差支えない。
実施例 1 含インジウム水溶液のpHを変えインジウムイオンの抽
出試験を行った。
0.4579/lのインジウムイオンを含むpH0,7
0〜−0,30の硫酸水溶液を合成した。
またD2EHPA10容量部TBP40容量部および関
東化学膜ケロシン50容量部からなる有機相をつくった
合成水溶液50m1と有機相50m1を150m1の分
液ロートにとり5分間KM万能シェーカーで振盪し静置
後水相すなわち、抽出残水溶液を分離し該液中のインジ
ウム濃度を分析し当初合成水溶液のインジウム濃度をも
とにして有機相へのインジウムの抽出率を求めた。
結果を第1表に示す。
すなわち、含インジウム水溶液のpHが0.30以上で
90係以上、0.70では98係に近いインジウム抽出
率が得られた。
実施例 2 インジウムイオンと亜鉛イオンを含む硫酸水溶液に対す
る有機相の比率を変えて抽出試験を行った。
インジウムイオン0.4579/lと亜鉛イオン100
g/lを含むpH0,60の硫酸水溶液を合成し、実施
例1と同一組成の有機相をつくった。
有機相と合成液の比率(0/Aで表わす)を0.25〜
1.00まで変化させて、インジウムおよび亜鉛の有機
相への抽出率を調査した。
抽出方法と抽出率の求め方は実施例1と同様である。
得られた結果を第2表に示した。
すなわち、PH0,6ではO/Aが1/4〜1/lの範
囲で水溶液と接触させる有機相の量が多いほどインジウ
ムの抽出率は向上する。
インジウムの抽出率は何れも90%以上であったが、亜
鉛の抽出率はOであり、インジウムと亜鉛との分離性に
すぐれている。
実施例 3 インジウムを負荷させた有機相からのインジウムの逆抽
出試験を濃度を変えた逆抽出硫酸溶液によって行った。
有機相成分は実施例1と同様で、インジウム含有量は0
.42497tで、この100eCと、硫酸溶液からな
る逆抽出溶液4QeCを分液漏斗内で5分間激しく接触
させた。
異る硫酸濃度の逆抽出溶液に対する負荷有機相の逆抽出
率について得られた結果を第3表に示す。
すなわち両液1回の混合接触で逆抽出率は逆抽出溶液の
硫酸濃度が180g/、/、以上で90%以上であり、
300g/lを越えると100係になる。
実施例 4 逆抽出において、負荷有機相(0)に対する逆抽出硫酸
溶液(A)の容量比率0/Aを変えた試験を行った。
逆抽出液の硫酸濃度1809/を一定とし、有機相成分
は実施例1と同様でインジウム濃度は0.4449/l
とした。
逆抽出操作の攪拌時間は5分である。
得られた結果を第4表に示す。
すなわち、より少い逆抽出溶液で容易にインジウムを濃
縮的に回収できる。
実施例 5 逆抽出操作の繰返えし試験を行った。
逆抽出溶液の硫酸濃度1s 3 y /l、 O/A比
を10/1の一定とし、逆抽出回数を3回にした場合の
負荷有機相からのインジウムの逆抽出率をみた。
逆抽出時間はそれぞれ10分とした。
有機相成分はD2EHPA3容量部、TBP12容量部
およびシェル化学製MSB21085容量部からなり、
これにインジウムを2.369/を負荷させたものであ
る。
得られた結果を第5表に示した。
すなわち逆抽出溶液の硫酸濃度が少い場合でも、操作を
繰返えすことにより充分の逆抽出が可能となる。
実施例 6 インジウム、亜鉛および鉄のほかに弗素、塩素錫、砒素
を含むダストを硫酸に溶解し、硫酸濃度9.369/I
c I)Ho、72)の溶解液を得たのち、本発明の有
機相を用いて、ミキサーセトラーによりカウンターカレ
ント3段の連続抽出を行った。
有機相はD2EHPA3容量部、TBP12容量:本部
およびシェル化学製MS8210 85容量部を混合調
整したもので、数回抽出と逆抽出を繰返えしたものであ
る。
準備した有機相の容量は40tであり、連続抽出を行な
いながら、抽出系が平衡した時点でサンプリングを行な
い分析に供した。
結果を第6表に示した。
すなわち、インジウムの抽出率100係に対し鉄のそれ
が約10係のほか、他元素については著しく抽出率が低
く、充分分離効果があられれている。
実施例 7 実施例6と同じ組成の有機相に回倒と同様な方法でイン
ジウムその他の元素イオンを負荷させたのち、この負荷
有機用から硫酸を用いてカウンターカレント3段でミキ
サーセトラーにより、インジウムの逆抽出を行った結果
を第7表に示す。
なお、逆抽出に用いた硫酸の濃度は305.29Aで、
逆抽出におけるO/A比は10.75であった。
すなわち、錫の逆抽出率が低いほか、何れについても逆
抽出は良好であって、有機相の循環使用は充分に可能で
ある。
なお、錫については原水溶液からの抽出率が著しく低く
く、負荷有機相中の含有量が低いので、実質的な問題は
少ない。
実施例 8 o、52o9//l、のインジウムイオンを含むpH0
,55の硫酸水溶液を合成した。
捷だ、モノ−2−エチルへキシルリン酸10容量部、T
BP40容量部およびケロシン50容量部からなる有機
相をつくった。
前記合成水溶液50m1および前記有機相50m1を分
液ロートにとり5分間振盪し静置したのち、水相を分離
した。
分析した結果抽出残の水溶液中のインジウムの濃度は0
.0249/lであった。
次いで0.49697tのインジウムを含むこの有機相
100m1および硫酸濃度2709/lの硫酸溶液から
なる逆抽出溶液50m1を分液ロート内で50分間振盪
した。
この結果、逆抽出硫酸溶液中のインジウム濃度は0.9
929/lであった。
すなわち、有機相へのインジウム抽出率は95.4%丑
だ硫酸溶液による逆抽出率は100.0%で良好であっ
た。
【図面の簡単な説明】
第1図はD2EHPA溶媒溶液による硫酸溶液中からの
I n3+、Fe3+およびZn”+イyF7の抽出平
衡曲線図、第2図は本発明の有機溶媒溶液による硫酸溶
液中からのIn3+、Fe3+およびZn2+イオンの
抽出平衡曲線図、第3図および第4図は、本発明の有機
溶媒溶液による硫酸溶液中からのそれぞれIn3+およ
びFe”十の抽出率と抽出時間の関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 インジウムを含む水溶液をpH0,25〜4.5に
    調整し、該水溶液にモノ−2−エチヘキシルリン酸また
    はディー2−エチルへキシルリン酸およびトリブチルリ
    ン酸からなり、モノ−2−エチルへキシルリン酸マたI
    tiティー2−エチルへキシルリン酸1に対しトリブチ
    ルリン酸を2ないし5の容量比率で含む抽出剤共試薬を
    相安定水不混和性有機溶剤で希釈した有機溶剤溶液に接
    触させることにより、インジウムイオンを該有機溶剤溶
    液中に抽出し、次いで該有機溶剤液に1tあたり100
    ないし500gの遊離硫酸分を含む硫酸酸性水溶液を接
    触させることにより、インジウムイオンを硫酸酸性水溶
    液中に逆抽出し、インジウム濃縮液を得る工程を含むこ
    とを特徴とするインジウムの回収方法。
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