JPS59144119A - 金属蒸着化プラスチツクフイルムコンデンサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は金属蒸着化プラスチックフィルムコンデンサ
に関するもので、特に自己回復性を有し、コロナ特性が
優れ、高い耐電圧特性を有するエポキシ樹脂封止形の金
属蒸着化プラスチックフィルムコンデンサ（ＥＭ−ＭＦ
コンデンサ）に係る。

従来より上記タイプのコンデンサは、主として素子電圧
がＡＣ３００Ｖ程度以下のクラスにおいて使用されてい
るが、コンデンサ素体としては、電圧等に応じて、無含
浸のもの、ワックス（あるいはアルキルベンゼンとワッ
クスとのブレンド、ポリフデンとワックスとのブレンド
）を含浸させたもの１、あるいはアルキルベンセン、ポ
リブテン、鉱油、植物油、ＤＯＰなどのエステル油等に
よって液体含浸されたもののいずれかが用いられている
。このうち、固体や液体の含浸剤で処理されたコンデン
サ素体をエポキシ樹脂を用いて封止する場合、硬化した
エポキシ樹脂表面に含浸剤が分離して浮き上り、エポキ
シ樹脂表面の外観を悪くしたり、その耐用性の低下を招
くという問題点がある。

上記の問題点を解消するため、コンデンサ素体に付着あ
るいは含浸している含浸剤を、加熱あるいは遠心分離す
ることにより除去し、その後でエポキシ樹脂を用いて封
止するという方法が採用されている。しかしながら、こ
の方法においては、これら含浸剤がコンデンサ素体へ完
全には含浸し難いものであるのに加え、上記のように遠
心分離等によって含浸剤を除去するため、含浸漬を除去
しないものに較べてコロナ開始電圧（ＣＩＶ）が極端に
低下してしまうという欠点がある。

一方、含浸剤の浮き上ったエポキシ樹脂表面を隠す目的
で、一旦硬化させたエポキシ樹脂の表面をさらにエポキ
シ樹脂で封止するという２０硬化法も行なわれてはいる
が、この方法では製造工程が煩雑になり、製造コストが
高くなってしまうという欠点がある。

この発明は上記に鑑みなされたもので、その目的は、自
己回復性を有すると共にそのコロナ特性及び耐電圧特性
が共に優れ、しかも低コストで製造することので−きる
エポキシ樹脂封止形の金属蒸着化プラスチックフィルム
コンデンサを提供することにある。

上記目的に沿うこの発明の金属蒸着化プラスチックフィ
ルムコンデンサは、誘電媒体を含浸させた金属蒸着化プ
ラスチックフィルムコンデンサの素体を、主剤として芳
香族系エポキシ樹脂を、また硬化剤として酸無水物ある
いは芳香族アミンをそれぞれ用いて成る２液温合型エポ
キシ樹脂で封止した構造の金属蒸着化プラスチックフィ
ルムコンデンサにおいて、前記誘電媒体は、その４０℃
における動粘度が２０　Ｃ５Ｌ以下であって、かつ全炭
素原子の４０％以上が芳香族環を形成しているものであ
ることを特徴とするものとなる。

上記のような誘電媒体、すなわち含浸剤を用いたコンデ
ンサ素体を、芳香族系エポキシ樹脂を主剤とし、酸無水
物あるいは芳香族アミンを硬化剤としたエポキシ樹脂で
封止した場合、含浸剤とエポキシ配合′剤との相溶性が
良好であって、コンデンサ素体に付着している含浸剤が
エポキシ樹脂内部へ溶解、拡散していくため、加熱や遠
心分離にて含浸剤を除去することなく、そのままの状態
でエポキシ樹脂封止しても、含浸剤が浮き上がることが
ない。

含浸剤、すなわち誘電媒体の４０℃における動粘度を２
　Ｑ　ｃｓｔ以下としたのは、この動粘度が２０Ｃ５ｔ
より大きい場合には、含浸性が良好でなく、しかもコン
デンサ素体への付着量が多くなり、遠心分離等での付着
油の除去が必要となってコロナ特性が低下したり、ある
いは耐湿試験後の外観、絶縁性に問題が生じるためであ
る。

また誘電媒体の全炭素原子牛芳香族環を形成しているそ
の百分率（％ＣＡ）を４０％以上としたのは、％ＣＡが
４０％未満の場合にはエポキシ配合剤との相溶性が悪く
なり、含浸剤の分離、浮き上がりが生じるためである。

上記の範囲内の動粘度及び％ＣＡを有する含浸剤として
は、アルキルナフタレン（ＤＩＰＮ）、フェニルキシレ
ルエタン（ＰＸＥ）、モノイソプロピルビフェニール（
ＭＩＰＢ）、フェニルイソプロピルエタン（ＣＰＥ）等
がある。

なお、動粘度及び％ＣＡの実用上、特に好ましい範囲は
、４０℃における動粘度が１０　ｃＳｔ以下であって、
かつ％ＣＡが６０％以上の範囲内である。

また、上記金属蒸着化プラスチックフィルムコンデンサ
の素体に用いるプラスチックフィルムと岨 しては、ポリエチレンテレフタートや２軸延伸ポリプロ
ピレンが挙げられる。

２液温合型エポキシ樹脂の主剤となる芳香族系エポキシ
樹脂は種々あるが、中でもビスフェノールＡ型のエポキ
シ樹脂が、その価格、性能の両者の点において実用上最
も優れている。

次にこの発明の具体的な実施例について詳細に説明する
。

まず、各種含浸剤をコンデンサ素体に含浸させてプラス
チックケースに入れ、エポキシ樹脂配合剤（ビスフェノ
ールＡ型子フタル酸系硬化剤）で硬化させたものの、初
期及び耐湿試験後における表面状態の観察結果を第１表
に示す。耐湿試験は、ＪＩＳ　Ｃ−４９０８により、温
度４０℃、相対湿度９０〜９５％の雰囲気中で５００時
間行なっている。

なお、上記各コンデンサ素体は、含浸剤を含浸させた後
、付着油を除去するために加熱した。

判定：○・・・素体を封止しないものと同等△・・・一
部に油の浮き上り等の異常部が認められる ×　ベトッキ等が発生し、明らかな外 観不良 以上のことから、本発明の範囲内の含浸剤を用いれば、
遠心分離等の処理を行なわなくても、良好な外観品質の
得られることが明らかである。

また、上記！１〜１２の含浸剤を用いたコンデンサの性
能についての試験結果を第２表に示す。

なお、このテストにおいては、上記において良好な外観
の得られなかった試料については遠心分離を施し、エポ
キシ樹脂硬化後の表面状態を向上させた試料を用いてい
る。また、含浸剤の種類は、第１表に対応したものを用
いている。

化 １ 瞭 なお、上記テストでの各種条件は次のとおりである。

（１）試料コンデンサ Ｚｎ　蒸着ホリエチレンテレフタートフィルム、９μｍ
厚、１．２μＦプラスチツクケースエポキシ樹脂封圧 （２）試験条件 ５５０ＶＡＣ１６０℃、連続課電試験１，０００時間試
料数　ｎ＝１０ （３）　　コロナ開始電圧 ＦＲＡ］［型　、ｔｏｏｐｑ検出 （４）容量変化率 容量変化率−９パ匣Ｘ　１００　（％）ＣＯ ただし、ＣＯは２３°Ｃ，ＩＫＨｚでの初期容量（μＦ
）、Ｃは２３℃、１ＫＨｚでの試験後窓量（μＦ）を示
す。

（５）絶縁抵抗異常数 試験後に端子間絶縁抵抗が１０，０００ＭΩ以下となっ
たものの数を示す（２３′ｃＡｎ−１Ｏ）。

（６）　　ｔａｎδ異常数 ２３℃　１ＫＨｚ　　ｔａｎδが初期と比較して１５０
％以上となったものの数を示す（ｎ＝１０　）。

以上のことから、この発明の金属蒸着化プラスチックフ
ィルムコンデンサが、自己回復特性を有し、またそのコ
ロナ特性及び耐電圧特性が共に優れていることが明らか
である。

この発明の金属蒸着化プラスチックフィルムコンデンサ
は上記のように構成されたものであり、したがってこの
発明によれば、作業性に問題のあるエポキシ樹脂の２回
注型硬化や、コロナ特性上問題のある遠心分離などを実
施する必要がなく、耐電圧特性をはじめとする各種特性
の優れた含浸タイプのエポキシ樹脂封止形金属蒸着化プ
ラスチックフィルムコンデンサーを経済的に提供するこ
とができ１．その工業的意義は極めて大である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. ■、誘電媒体を含浸させた金属蒸着化プラスチックフィ
   ルムコンデンサの素体を、主剤として芳香族系エポキシ
   樹脂を、また硬化剤として酸無水物あるいは芳香族アミ
   ンをそれぞれ用いて成る２液温合型エポキシ樹脂で封止
   した構造の金属蒸着化プラスチックフィルムコンデンサ
   において、前記誘電媒体は、その４０℃における動粘度
   が２０Ｃ５［以下であって、かつ全炭素原子の４０％以
   上か芳香族環を形成しているものであることを特徴とす
   る金属蒸着化プラスチックフィルムコンデンサ。