JPS5914386Y2 - 合成樹脂バンドのロ−ル体の形崩れ防止構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、合成樹脂バンドのロール体の形崩れ防止構造
に関する。

周知のように、梱包作業等に供される合成樹脂製バンド
は、第１図に示すように円筒状ロール体１に巻き取られ
て運搬、保管、取引等される。

このロール体１は、第２図に示すように梱包機等の巻戻
し部２に装着されて巻き戻されて梱包に使用される。

合成樹脂製バンド３は、その性質上、腰が強くまたスリ
ップ性が良い。

従って上記流通過程等において、バンド３の端がロール
体１からの拘束を不慮に解除されると、弾発力によって
巻戻されて形崩れを生じ、またからみついてその取扱い
が極めて面倒であった。

梱包作業中においては、第３図に示すように繰出された
バンド３の張力がゆるめば自然にロール体１から巻戻さ
れて形崩れを生に、巻戻し部２のシャフト４にからみつ
く等して作業に支障を来たした。

またバンド３は螺旋状に軸方向に往復周回してロール体
１に形成されているため、第４図に示すように、ロール
体１の端部において各巻層５がロール体１の端面６上に
位置せず、該端面６は凹凸面に成形されている。

従って、ロール体１の端部における各巻層５の保持は極
めて不安定であり、特にバンド３の幅が狭いものにおい
ては、重合面積が少なくなり特に不安定であった。

その為、流通過程等においては不慮の外力により、ロー
ル体１の端部の形崩れが生じやすく、一旦形崩れを生じ
るとそのロール体１は使用不能になってしまった。

また、作業中においては、第５図に示すように、バンド
３に張力が加わると、その張力に抗しきれずに端部が形
崩れをおこし、梱包作業に不都合を招いていた。

そこで、第６図に示すように、螺旋ピッチを荒くして各
巻層５の重合を確実なものとし、端部の形崩れを防止す
ることが考えられるが、この場合、ロール体１端部の折
返し点７においてバンド３が大きく屈曲されるため、該
折返し点７で塑性変形を生じ、巻き戻したとき、第７図
に示すように蛇行を生じ、バンド引出し金目８につまっ
たり、その他梱包作業において不都合を生じ、この方法
は好ましいものではなく、またこの方法ではバンド３を
緻密なロール体１に巻き取ることができなかった。

またロール体１の端面６に形崩れ防止プレートを添設す
ることも考えられるが、単に添設するのみでは、上記す
べての問題を解決することができなかった。

そこで、本考案は、上記問題点に鑑みて案出されたもの
であり、構造簡単にして保管、運搬、取引及び作業中に
おいて、ロール体の形崩れを防止し、かつ取扱いが至便
なる合成樹脂バンドのロール体の形崩れ防止構造を提供
することを目的とする。

従って、その特徴とする処は、合成樹脂製バンドを螺旋
状に軸方向に往復周回して形成した円筒状ロール体の端
面全域にわたってプレートが添設されると共に、該端面
とプレート間に、端面の凹凸に入り込んで端面に形崩れ
を防止する充填剤層が介在された点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基づき詳述する。

（尚、便宜上、上述の従来例と構成が同じものは同一符
号を用いて説明する。

）第８図は本考案の実施例を示し、合成樹脂製のバンド
３を螺旋状に軸方向に往復周回して成形した円筒状ロー
ル体１の端部における軸方向断面図である。

同図において、上記バンド３は紙管等からなる芯材９上
に巻き取られている。

このバンド３は断面がほぼ扁平矩形状で、その幅は約５
〜１９ｍｍであるが特に限定されない。

巻取り螺旋ピッチはバンド３の幅寸法に比べて差程大き
くなく、同一巻層５における隣接するバンド３は、はぼ
密着接当している。

バンド３は定ピツチの螺旋で往復周回しているため、同
一断面のロール体１端部において、折返し点７が周期的
な層に表われる。

この折返し点７がロール体１の外端面を形成する。

その他の層５は、その断面内においては外端面より順次
内方に入り込んである。

従ってロール体１の端面６は凹凸面に形成されている。

また、ロール体１端部における各巻層５のバンド３は、
その上下巻層５，５間に完全に重合された状態でない。

従って、各巻層５のバンド３は、ロール体１端部におい
て不安定保持されている。

なおロール体１の端面の凹凸は第９図のように表われる
こともあり、また、第８図、第９図の組合せ状態で表わ
れる場合もある。

上記ロール体１の端面６全域にわたってプレート１０が
添設されている。

このプレート１０は段ボール紙、画用紙程度の厚みの紙
または合成樹脂製板等からなる厚みの薄い環状プレート
である。

上記プレート１０とロール体１の端面６間に、該端面６
の凹凸に僅かに入り込んで端面の形崩れを防止する充填
剤層１１が介在されている。

この充填剤層１１は、例えば、軟質合成樹脂から成る充
填剤によって形成されている。

この充填剤は軟質であり、端面６の凹所に僅かに入り込
むように端面６に塗り込められ、又は押圧されその後プ
レー１−１０が付着されるか、又は、プレート１０端面
に層をもって付着され、該プレー） １０を端面６に押
圧することにより、充填剤が凹所に僅かに入り込むよう
にして介在されている。

プレー１−１０と充填剤層１１とは剥離しないよう接着
されるのが望ましいが、接着することなく添設するだけ
で充填剤層１１と端面６との離反を防止する機能を有し
ていれば十分である。

一般的に、充填剤が凹凸面に入り込んでいるため、充填
剤層１１全体が端面６から剥離し難く、従って、充填剤
層１１にプレー） １０を接着するだけで十分であるが
、芯材９とプレート１０とを周知の固着手段により固定
することが望ましい。

充填剤とバンド３とは単独では接着されることなく、ま
た接着されたとしても極く僅かな力で剥離されるもので
ある。

なお上記充填剤層１１として、熱可塑性合成樹脂、合成
粘土、ニカワ、石膏、または建築材等として使用される
ガラスパテ、コーキング材、弾性シーラント等からなる
充填剤によって形成されたものであってもよい。

本考案に使用される充填剤の一般的性質として、ロール
体１の端面６に設ける場合に端面６の凹凸に追従して変
形する柔軟性を有し、且つ外力を除去しても一定形状を
保持し得るものであればよく、その後硬化してもよい。

更に、バンド３とは完全に接着されることなく、たとえ
接着しても極くわずかな力で離反するものであればよい
。

従って、上記例示したもの以外として合或せんたく糊等
であってもよい。

上記熱可塑性合成樹脂を充填剤層１１とする場合、プレ
ー） １０と充填剤層１１とを一体物とすることも可能
である。

この場合、プレートの一側面を加熱して軟質化し、それ
を端面６に押圧する。

次に上記本考案の実施例の作用効果を説明すれば、ロー
ル体１の端面６は充填剤層１１によって塗り固められた
ような効果を有し、又はバンド３側縁が充填剤層１１に
よってブリッジのように保持される効果を有し、従って
運搬途中において、不慮にバンド３の端がロール体１か
ら離れるような事があっても、その表面の巻層５のみが
巻戻されることになり、ロール体１の端部において、そ
の巻戻しは阻止される。

従って従来のようにロール体１がバラバラになるおそれ
はない。

また、ロール体１の端面６に不慮の外力が作用しても、
プレート１０と充填剤層１１によってその外力は阻止さ
れると共に、ロール体１の形崩れは防止される。

梱包作業機において巻き戻される場合は、第１０図に示
すように、ロール体１端部において、バンド３は矢印ａ
方向に引き出されるため、硬化した充填剤層１１があっ
ても、何ら支障なく巻戻され縦割れの生ずるおそれはな
い。

また軟質の充填剤層１１であれば、なお容易に巻戻しす
ることができる。

そして梱包作業中のバンド３の張力の変化によっても、
従来例で説明した第３図及び第５図のような現象を生じ
ないことは明らかである。

本考案は上記実施例に限定されるものではなく、例えば
、粘性が高く、表面張力の強い合成のりを端面６に塗布
し、該のりを硬化させることにより、プレートと充填剤
層を一体的に構成するものであってもよい。

また、充填剤層１１が端面６の凹所全体に入り込むもの
であってもよい。

また、芯材９の両端にフランジが固着されたボビンにバ
ンド３を巻き取る場合にも本考案は利用される。

即ち第８図に示すプレート１０が、芯材９に前もって固
着されたフランジとした場合、該フランジ内面に充填剤
層１１を所定厚みで塗付し、その後、この充填剤層１１
に接触しないようバンド３を芯材９に巻き取りロール体
１を形成する。

この後、フランジを両側から押圧し、充填剤層１１をロ
ール体端面６に喰い込ませるのである。

その後フランジの押圧力を解除しても充填剤層１１が端
面６の凹所に喰い込んでいるので、フランジは元の状態
に復元しない。

もつともこの場合、フランジは弾性復元性の劣しいもの
が用いられる必要がある。

以上実施例からも明らかなように、本考案によれば、構
造簡単で且つ保管、運搬、取引及び作業中において、ロ
ール体の形崩れが防止され、しかも取扱いが至便である
等、実用に供して多大の効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図から第７図までは従来例を示し、第８図乃至第１
０図は本考案の実施例を示すもので、第１図はロール体
の斜視図、第２図及び第３図は使用状態図、第４図はロ
ール体の断面図、第５図は使用状態図、第６図及び第７
図は比較例を示す側面図、第８図乃至第１０図は断面図
で゛ある。 １・・・・・・ロール体、３・・・・・・バント、６・
・・・・・端面、１０・・・・・・プレート、１１・・
・・・・充填剤層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂製バンド３を螺旋状に軸方向に往復周回して形
   成した円筒状ロール体１の端面６全域にわたってプレー
   ト１０が添設されると共に、該端面６とプレー）１０間
   に、端面６の凹凸に入り込んで端面６の形崩れを防止す
   る充填剤層１１が介在されたことを特徴とする合成樹脂
   バンドのロール体の形崩れ防止構造。