JPS5913210Y2 - 和服着装用体型補正具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は女性が和服を着る際に和服の下に着装する体型
補正具に関し、さらに評言すれば、身体の胸部から眉に
至る窪み部分にふくらみをもたせるように体型補正する
ものに係るものである。

一般に女性の上半身の体型は起伏に富むものであって、
左右の乳房部が隆起する一方、乳房上部から肩部に至る
部分や左右の乳房の谷間部分は落ち窪んでいるものであ
る。

ところが和服の作りは洋服の作りとは異なり、身体の起
伏に柔軟に適合するようになっておらないので、一般に
和服は起伏型の体型よりも起伏の乏しい体型によく適合
するものである。

従って起伏に富んだ体型の女性が和服を美くしく、また
着崩れを生じないように着るためには、和服の下に当て
部材を着用する一方乳房を押さえつけて体型の起伏を補
正し所謂４鴨型にする必要がある。

この補正の方法として旧来より行なわれてきている古典
的方法は、予じめ円形成いは惰円形の薄形バットを多数
準備し、これを身体の窪み部分の窪み深さに応じて幾重
にも重ね合わせ一般にキャミソールと呼ばれる胸部ガー
ゼでバットを保持する方法がとられる。

また現今一般に行なわれている方法は、肌襦袢の胸部に
タオルやバットを縫いつけるか或いは胸部に作ったポケ
ット・バットを収納する等の方法をである。

ところが上記の方法は、本人自身が独りで着物を着るこ
とはとうていできない上、体型補正に大変時間がかかる
という欠点を有する。

また後者の方法は着装は簡単であるが、肌襦袢が移動し
易いために着崩れが生ずる上、さらに乳房をしっかりと
固定できないという欠点を有する。

本考案の目的は上記したような体型補正方法の欠点を除
去しようとするもので、例えて云えば洋服着装の際使用
するブラジャーと類似の形式に構成して、極めて簡単に
着装できるとともに身体の起伏を確実に補正し尚かつ着
崩れを確実に防ぐ和服着装用補正具を提供することであ
る。

上記の目的を達するための本考案の要旨とするところは
、乳房を押さえる左右一対のふくらみを有する肉薄の乳
房押さえ部材と、上記乳房押さえ部材の左右各上部に夫
々連接するとともに、身体の胸部から肩部に至る窪み部
分に連続的に当てるようにした一対の相互に分離した舌
状の肉厚部材と、上記乳房押さえ部材の両側及び肉厚部
材の夫々先端と連接する二組上の背面部材とを備え、身
体の背面において上記背面部材を相互に連結して着装す
ることを特徴とする和服着装用体型補正具に存する。

しかして本考案は、上記した乳房押さえ部材のふくらみ
で乳房を押さえつけると同時に一定位置に固定する一方
一対の肉厚部で胸部から肩部に至る左右の窪み部を適当
にふくらませ、以って肩部から胸部に至る体型をなだら
かにするものである。

一般に和服を着る人の肩幅は相違するので、上記一対の
肉厚部材は、相互に拡縮できるように構成するのが好ま
しい。

また和服を着装した場合、和服の襟は正面首下で略■字
状に重ね合わされるものである。

従って肉厚部材の内側縁部は相互にＶ字状を構成するよ
うにするのが好ましい。

また乳房押さえ部材の下縁は伸縮性を有する紐で構成す
るのが好ましく、このようにすれば乳房を押える効果及
び乳房を固定する効果が良好である。

上記背面部材は種々の変形が可能で従来より女性下着に
採用されいてる公知の手段を講じればよいものであるが
、例えば丸首シャツの如く頭から被る形式のものは、髪
型を乱すので不適当である。

つまり本考案の背面部材は一対の乳房押さえ部材の両側
及び肉厚部の先端を身体の背面にて、帯状体或いは紐状
体或いは幅広部材等の部材で連結できる構成であればよ
い。

以下、図面に例示した実施例について本考案を具体的に
説明する。

第１図は第１実施例に係る体型補正具を平面的に見た状
態を示す。

本図において、１は左右一対の乳房を押さえる乳房押さ
え部材で、１枚布地或いは二枚布地程度のもので、後述
する肉厚部材に比べて厚みを薄く構成し、かつ乳房のふ
くらみに沿うべく、その上方を左右一対の円弧状に形成
するとともに下方左右にダーツ２ａ、２ｂをとって前方
（紙面手前方向）に若干突出する左右一対のふくらみｌ
ａ、ｌｂを形成している。

乳房押さえ部材１は、ブラジャーの作用とは異なり、乳
房を押さえつけることを目的とするものであるから、上
記ふくらみｌａ、ｌｂは上記したように若干のふくらみ
でよい。

乳房押さえ部材１の下縁には若干上方に凸に彎曲した横
方向に伸縮性をもつゴム紐３を縫い付け、また乳房押さ
え部材１の左右両側には夫々横方向に伸縮性をもつゴム
帯４ａ、４ｂを縫い付けている。

このゴム帯４ ａ 、４ ｂの先端部には相互に対をな
す留め具が付けられている。

すなわち例えば図に示す如く、ゴム帯４ｂの先端裏面に
引っ掛は金具５を縫い付ける一方、ゴム帯４ａの先端表
面には上記引っ掛は金具５の相手方たるリング６が縫い
付けられている。

乳房押さえ部材の上部一対の円弧状部には夫々舌状の肉
厚部材７ａ、７ｂが連接している。

この一対の肉厚部材７ ａ 、７ ｂは乳房上部から肩
部に至る体型上の凹部に当接して、体型を補正するもの
で、第４図の断面図によく示されるように、表布９ａと
裏布９ｂとで袋体を構成し、該袋体の内部に上記凹部を
適応するように厚みを調整したパット９を挿入している
。

またこの一対の肉厚部材は、第１図に示されるように、
相互に分離して構成され、夫々の内側縁部８ ａ 、８
ｂが、平面的にみて、Ｖ字状を形成するとともに該内
側縁部８ａ、８ｂの下部が重ね合わされ、その重ね合せ
部の下部の位置１３で相互に縫い合せている。

即ち、このＶ字状は和服を着装した場合正面首下に形成
される両側の襟の重ね合わせ形状に適合させるものであ
り、また内側縁部８ ａ 、８ ｂの重ね合わせ部は、
その下部の縫せ合わせ部１３を支点として、肉厚部７ａ
、７ｂの夫々の全体を一定程度自由に広げることができ
るようにしているものである。

肉厚部７ａ ７ｂの上部先端には、夫々伸縮性を有す
るゴム紐１０ａ、１０ｂが連接されており、該ゴム紐１
０ ａ 、１０ ｂの先端には引っ掛は金具１１ａ、ｌ
ｌｂが付設されている。

この引っ掛は金具１１ ａ、１１ ｂは、当該体型補正
具自体を身体に着装したとき、身体の背面で前記したゴ
ム帯４ ａ 、４ ｂの一部に引っ掛けるもので、該ゴ
ム帯４ ａ 、４ ｂの上端に管状に形威した布材１２
ａ、１２ｂが夫々縫い付けられている。

上記構成の補正具の着装方法は次のとうりである。

第２図の正面図、第４図の背面図に示す如く、左右一対
の肉厚部材７ ａ 、７ ｂの乳房の上部から肩部の窪
み部分に当接させるとともに、乳房押さえ部材１ａ、ｌ
ｂを乳首近傍から乳房下部にかけて乳房を包むように被
い、次いで、第３図の背面図に示す如く、ゴム帯４ａ、
４ｂを背面に廻し、該ゴム帯の先端部に付設した引っ掛
は金具５とリング６とを掛は止める。

この際、ゴム帯４ ａ 、４ ｂ及び乳房押さえ部材１
ａ、ｌｂの下縁に付設したゴム紐３は適当に引っ張られ
て乳房を押さえ付けるとともに乳房の位置を確実に固定
する。

左右一対のゴム帯４ ａ 、４ ｂを背面で相互に結合
した後、ゴム紐１０ａ、１０ｂを背面で交叉して、適度
に引っ張りながら、ゴム帯４ａ、４ｂの管状布材１２
ａ 、１２ ｂに引っ掛は部材１１ ａ、１１ ｂを差
し込んで、肉厚部材７ａ、７６の先端部と背面のゴム紐
４ ａ 、４ ｂとを相互に結合する。

従って乳房上部の窪み及び肩部の窪みに肉厚部材７ａ、
７ｂを確実に当接させることができる。

第５図は、本考案の他の実施例を示すもので、乳房上部
及び肩部の窪み部を補正するのみならず、乳房の谷間部
をも補正しようとするものである。

すなわち、乳房押さえ部材７ ａ 、７ ｂの何れか一
方の内側下部を乳房の谷間に沿って弧長し、該乳房の谷
間部分にもバットを収納したものである。

この実施例によれば一対の乳房間の起伏を補正して均一
なふくらみ形状とすることができる。

第６図はさらに他の実施例を示すもので、背面部材を二
枚の幅広部材で構成したものである。

すなわち、同側の肉厚部材の先端部と乳房押さえ部材の
側端とを結合するとともに腕通し部１４ａ、１４ｂ首下
えぐり部１５ ａ 、１５ ｂを夫々備え、かつ身体背
面の中央に位置する側部にファスナー１ｊ） ａ 、１
６ｂを夫々備えた幅広部材１７ ａ 、１７ ｂで構成
したものである。

このように構成すれば、補正具は肌着の役割も果す。

尚、図示していないが、上記各実施例における肉厚部材
７ ａ 、７ ｂの内側縁部８ａ、８ｂの下部を重ね合
わせず、両者をＶ字状に形威し、両者間を横方向に伸縮
自在な布で連結するようにしてもよい。

また、上記各実施例における肉厚部材７ａ、７ｂの厚み
を調整するために、肉厚部材７ａ、７ｂの裏布９ｂの裏
にさらに一枚の裏布を縫着するとともに適宜の個所に開
口部を設け、調整用のバットを上記開口から裏布９ｂと
さらに一枚の裏布の間の適宜の個所に挿入するようにし
てもよい。

以上の説明から明らかな如く、本考案に係る体型補正具
によれば、左右一対の肉厚部材により、肩部及び胸部を
起伏の少ない滑らかな形状に体型を整えることができる
とともに乳房を押さえつけることができるので、この補
正具の上に和服を着装すれば、和服に部分的な弛みがで
きず美くしい線を出すことができ、更に、乳房の移動が
止めれるので、着崩れが防止される。

更に本考案に係る補正具は、洋服の着装の際使用するブ
ラジャーと同じく、極めて簡単に着装することができる
ので、着付の容易化を図ることができる。

上記のように本考案は所期の目的を遠戚する実用的価値
大なるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例に係る体型補正具の平面図、
第２図、第３図は夫々第１図の体型補正具を身体に着装
した状態における正面図及び背面図、第４図は第２図の
Ａ−Ａ線断面図、第５図、第６図は夫々本考案の他の実
施例に係る体型補正具の平面図及び背面図である。 １・・・・・・乳房押さえ部材、ｌａ、ｌｂ・・・・・
・ふくらみ、２ａ、２ｂ・・・・・・ダーツ、３・・・
・・・ゴム紐、４ ａ 、４ ｂ・・・・・・ゴム帯、
５・・・・・・引っ掛は金具、６・・・・・・リング、
７ａ、７ｂ・・・・・・肉厚部、８ａ、８ｂ・・・・・
・肉厚部の内側縁部、９ａ 、９ ｂ・・・・・・表布
と裏布、９・・・・・・パッド、１０ ａ 、１０ ｂ
・・・・・・ゴム紐、１１ ａ、１１ ｂ・・・・・・
引っ掛は金具、１２ａ。

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）乳房を押える左右一対のふくらみを有する肉薄の
   乳房押さえ部材と、上記乳房押さえ部材の左右各上部に
   夫々連接するとともに、身体の胸部から肩部に至る窪み
   部分に連続的に押し当てるようにした一対の相互に分離
   した舌状の肉厚部材と、上記乳房押さえ部材の両側及び
   肉厚部材の夫々先端と連接する二組上の背面部材とを備
   え、身体の背面において上記背面部材を相互に連結して
   着装することを特徴とする和服着装用体型補正具。
2. （２）一対の舌状肉厚部材の各内側縁部が相互に大略Ｖ
   字状を構成するようにした第１項記載の和服用着装用体
   型補正具。
3. （３）乳房押さえ部材の下縁を伸縮性を有する紐で構成
   した第１項記載の和服着装用体型補正具。
4. （４）背面部材を乳房押さえ部材の左右両側に夫々連接
   した伸縮性を有する帯状体と、一対の肉厚部材の先端に
   夫々連接した伸縮性を有する紐状体とで構成するととも
   に、上記一対の帯状体及び一対の紐状体に夫々係止部材
   を設けて、身体の背面にて一対の帯状体の夫々先端を相
   互に係止するとともに、一対の紐状体を夫々帯状体に係
   止するようにした第１項記載の和服着装用体型補正具。
5. （５）背面部材を、同側の肉厚部材の先端と乳房押さえ
   部材の側部を夫々連結するとともに側縁に係止部材を設
   けた一対の幅広部材で構成した第１項記載の和服着装用
   体型補正具。