JP3039775U

JP3039775U - 胸部用パッド

Info

Publication number: JP3039775U
Application number: JP1997000143U
Authority: JP
Inventors: 三枝菊池
Original assignee: 三枝菊池
Priority date: 1997-01-20
Filing date: 1997-01-20
Publication date: 1997-07-31
Anticipated expiration: 2003-01-20

Abstract

(57)【要約】【課題】簡単、快適に胸部のバランスをとることので
きる胸部用パッドを提供する。【解決手段】胸部用パッド１０は、主に、胸部にあて
がわれる台座部１と、台座部１の上に隆起するように設
けられる隆起部３とから構成されている。隆起部３は台
座部１の上に、台座部１に所定幅のつば部２を残すよう
に設けられている。また、隆起部３の頂上部分には、ズ
レ阻止部４が形成されている。このような胸部用パッド
１０を胸部と肌着のバスト保持部との間に入れて胸部の
膨らみを調整する場合、台座部１を胸部にあてがい、隆
起部３を肌着のバスト保持部内に収納する。このとき隆
起部３の周りに所定幅に残されたつば部２が肌着のバス
ト保持部の縁と胸部との間に挟まれるので、胸部用パッ
ド１０がしっかりと固定される。また、隆起部３の上に
取り付けられたリボン５は、胸部用パッド１０を装着す
るときに向きを示す目印の役目も果たす。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は胸部用パッドに関し、特に胸部と肌着との間に入れて胸部の形状を調整する胸部用パッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

女性の乳癌を治療する手術が行われる際、乳房を切除される場合がある。この場合、健康な乳房のある側と乳房を切除された側とでは左右のバランスが崩れてしまうため、手術を受けた後、不快感を覚える患者は多い。

【０００３】現在、乳房の大きさや形状を補正するためのパッドは存在するが、片方の乳房のみを切除された後の不快感に対応するには、形状、大きさ等の点で問題があり、使用者の満足できるような製品はなかった。

【０００４】そのため、手術を受けた患者の多くが、着替えの度に、丸めた布をブラジャーに詰める等の対応策を採っている。簡単なパッドを肌着自体に設けた例等もあるが、乳房を切除された側と、健康な乳房のある側とのバランスをとることには、対応しきれていない。

【０００５】また、特に乳房切除の手術を受けていなくても、胸部の形状を調整したいという要望は存在する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、ただ丸めた布を詰める程度の対応策では、ズレたり落ちたりといった問題が頻繁に起きてしまう等の問題があった。また、詰める布に関しても、肌に直接触れても湿疹等の異常を引き起こさないものを選ぶ必要があった。

【０００７】そして、健康であっても胸部の形状を調整したい場合にもこのような不都合は存在した。本考案はこのような点に鑑みてなされたものであり、簡単に、かつ快適に胸部のバランスをとることのできる胸部用パッドを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案では上記課題を解決するために、胸部と肌着のバスト保持部との間に入れて胸部の形状を調整する胸部用パッドにおいて、前記胸部にあてがわれる台座部と、前記台座部上に、前記台座部の周縁に所定幅のつば部を残して前記肌着側に隆起するように設けられる隆起部と、を有することを特徴とする胸部用パッドが提供される。

【０００９】このような胸部用パッドを胸部と肌着のバスト保持部との間に入れて胸部の形状を調整する場合、台座部を胸部にあてがい、台座部から肌着側に隆起している隆起部を肌着のバスト保持部内に収納する。

【００１０】このとき隆起部の周りに所定幅に残されたつば部が肌着のバスト保持部の縁と胸部との間に挟まれるので、胸部用パッドがしっかりと固定される。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面を参照して説明する。図１は、本考案の胸部用パッドの外観を示す斜視図である。

【００１２】胸部用パッド１０は、主に、胸部にあてがわれる台座部１と、台座部１の上に隆起するように設けられる隆起部３とから構成されている。ここで、台座部１はもっとも長い部分で１５ｃｍ、もっとも短い部分で１２ｃｍ、厚さ５ｍｍの楕円形に形成されている。４ｃｍの高さを持つ隆起部３は、台座部１の上に、台座部１に所定幅のつば部２を残すように設けられている。ここではつば部２の幅は、１５ｍｍで一定である。また、隆起部３の頂上部分には、ズレ阻止部４が形成されている。このズレ阻止部４は、面状ファスナーのフック側の小片４ａが取り付けられることにより形成されている。さらに、つば部２や隆起部３の上には、リボン５や飾りレース６が取り付けられている。リボン５は、胸部用パッド１０を装着するときに向きを示す目印の役目も果たす。

【００１３】ここで本考案の胸部用パッドの材質および具体的な構造について詳しく説明する。図２は、胸部用パッドの構造を示す断面図である。

【００１４】台座部１は、キルティングの芯１ａ，１ｂと、半楕円状のメリヤス布１ｃ，１ｄを順に重ね、バイアステープ１ｅで周囲を縫い合わせて形成されている。また、隆起部３は、予め面状ファスナーのフック側の小片４ａが縫い付けられたメリヤス布３ｂとメリヤス布３ｃとの間に化繊綿３ａを詰め、縫合して形成されている。そして、隆起部３がメリヤス布３ｃ側から台座部１に縫い付けられた後に、リボン５や飾りレース６等が縫い付けられる。

【００１５】ここでメリヤス布１ｃとメリヤス布１ｄは、台座部１の中心部分で端部１ｃａと端部１ｄａとが、互いに適度な幅で重ねられており、後述する調整部材を挿入するための挿入口１ｆを形成している。

【００１６】次に、この胸部用パッド１０の使用方法について説明する。図３は、本考案の胸部用パッドを、胸部と肌着のバスト保持部との間に入れる様子を示した図である。

【００１７】使用者は、胸部用パッド１０を胸部２０と肌着３０のバスト保持部３１との間に入れて胸部の形状を調整する場合、台座部１を胸部２０にあてがい、隆起部３を肌着のバスト保持部３１内に収納する。これにより、胸部用パッド１０は肌着のバスト保持部３１の位置で固定される。

【００１８】この図に示したように、肌着３０に装着した状態では胸部用パッド１０の存在は外見上判らない。図４は、上部から胸部を見下ろした状態を示す部分断面図である。

【００１９】つば部２の脇側部２ａは、胸部２０の脇の下の部分と、肌着３０のバスト保持部３１の体側部３１ａとの間に挟まれ、固定される。また、つば部２の体の中心側部２ｂは、胸部２０の中央部分と、肌着３０のバスト保持部３１の体央部３１ｂとの間に挟まれ、固定される。

【００２０】さらに、つば部２の下側（図示せず）は、胸部２０および腹部と、肌着３０のバスト保持部３１の縁との間に挟まれ、固定される。これにより、胸部用パッド１０のつば部２は、胸部２０と肌着３０のバスト保持部３１との間にしっかりと固定される。

【００２１】さらに、面状ファスナーのフック状側の小片４ａが肌着３０の布地に引っ掛かるので、左右および上下へのズレが阻止される。なお、ここでは肌着の例としてタンクトップタイプのものをあげたが、ブラジャーやビスチェ等のバスト保持部がよりしっかりした肌着を使用すれば、つば部２を固定する力はより強くなる。

【００２２】このように本考案の胸部用パッド１０を使用することによって、片側の乳房が切除され、左右のバランスがとれなくなった場合にも、このバランスの補正を個人で簡単に行うことができるようになる。

【００２３】また、この胸部用パッド１０は、メリヤス布で作られているので、洗濯の繰り返しに耐え、肌触りがよく、経済的でもある。なお、胸部用パッド１０を洗濯する際には、洗濯ネット等の中に入れることが望ましい。面状ファスナーのフック状側の小片４ａが他の洗濯物を引っ掛け、傷めてしまう心配があるためである。

【００２４】また、上記の説明ではメリヤス布を使用するとしたが、肌触り等の面で使用者の意図に沿えば、別の素材を使用して作成することも勿論可能である。ところで、本考案の胸部用パッド１０では、胸部サイズの個人差にも対応可能である。

【００２５】図５は、本考案の胸部用パッドにて胸部サイズの調節を行う様子を説明するための図であって、（Ａ）は、胸部用パッドおよび調節部材を台座部側から見た斜視図を示し、（Ｂ）は、胸部用パッドに調節部材を挿入した場合の側面図を示している。

【００２６】本考案の胸部用パッド１０には、付属品として調節部材７が添えられており、隆起部３の膨らみ方が足りない場合には、挿入口１ｆを介して台座部１にこの調節部材７を挿入し、膨らみ方を補正することができる。

【００２７】調節部材７は、図（Ｂ）に示すように台座部１のキルティング１ｂとメリヤス布１ｃとの間に挿入され、これにより使用者の必要に応じて胸部サイズの変更が可能となる。

【００２８】なお、調節部材７を挿入する挿入口１ｆを台座部１に設けたが、台座部１と隆起部３とを縫い合わせる際に一部を開けたままに残し、調節部材を挿入する挿入口としてもよい。

【００２９】図６は、調節部材７の側面図である。調節部材７は、２枚のメリヤス布７ａ，７ｂを縫い合わせて作成されており、中に化繊綿を詰めるための綿挿入口７ｃを有している。よって、使用者は任意の量の化繊綿を、綿挿入口７ｃから調節部材７の中に詰め込み、胸部サイズの調節を行うことができる。なお、調節部材７に綿挿入口７ｃを設けず、中の化繊綿の分量を一定としてもよい。

【００３０】次に、ズレ阻止部４の変形例について述べる。図７は、ズレ阻止部４の構成変形例を示す図であって、（Ａ）は、第１の変形例を、（Ｂ）は、第２の変形例を示す図である。

【００３１】まず、図（Ａ）の例では、面状ファスナーのフック側の２個の小片４ｂ、４ｃを取り付けてズレ阻止部４を構成している。これにより、面状ファスナーのフック側の小片が１個の場合よりも胸部用パッド１０の安定度は高くなる。一方、図（Ｂ）の例では、面状ファスナーのフック側の３個の小片４ｄ，４ｅ，４ｆを取り付けてズレ阻止部４を構成している。よって、胸部用パッド１０の安定度はさらに高くなる。

【００３２】次に、胸部用パッドのつば部の変形例について説明する。図８は、胸部用パッドのつば部の変形例を説明するための図であって、（Ａ）は、胸部用パッドの斜視図を示し、（Ｂ）は、胸部用パッドの台座部のキルティングの芯の型紙の形を示す。

【００３３】図（Ａ）に示した胸部用パッド４０は左胸専用パッドである。胸部用パッド４０は、主に、台座部４１と隆起部４３とから構成されている。また、隆起部４３の頂上部分には、ズレ阻止部４４が形成されている。隆起部４３の上にはリボン４５が形成されている。リボン４５は、この胸部用パッド４０を装着するときの向きを示す目印の役目も果たし、リボン４５の付いている位置を上にして胸部用パッド４０を使用する。

【００３４】ここで台座部４１は、もっとも長い部分で２０ｃｍ、もっとも短い部分で１３ｃｍ、厚さ５ｍｍの楕円形に近い形状に形成されている。また、隆起部４３は、胸部用パッド１０の隆起部３と同一の構成であって、台座部４１の上に、台座部１につば部４２を残すように設けられている。このとき、つば部４２は、図（Ｂ）の型紙から判るように、脇側部４２１が体の中心側部４２２に対して大きく幅がとられている。

【００３５】例をあげると、つば部４２のうち、脇側部４２１の幅は５ｃｍ、体の中心側部４２２の幅は２．５ｃｍ、また、胸部の上方および下方にあてがわれるような部分の幅は２ｃｍ前後になる。

【００３６】このような形状の胸部用パッド４０を装着すると、脇側部４２１は、脇の下の部分と肌着のバスト保持部の縁との間に挟まれ、一方、体の中心側部４２２は、胸部の中央部分と肌着のバスト保持部の縁との間に挟まれることになる。

【００３７】このように胸部用パッド４０では、脇の下の部分と肌着のバスト保持部との間に挟まれる脇側部４２１を広く形成したので、胸部用パッド４０を装着時の快適さを損なわずに、より安定させることができる。

【００３８】なお、右胸専用の胸部用パッドが必要な場合は、胸部用パッド４０と対称になるように作成すればよい。また、本考案では乳房を切除された場合の対応策として胸部用パッドを作成したが、バスト補正用としての使用も可能である。

【００３９】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の胸部用パッドは肌触りの良い布を用い、形状を形成する隆起部と、肌着と胸部との間に挟まれ胸部用パッドを安定させるつば部とを持つような構成としたので、簡単かつ快適に胸部の左右のバランスをとることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の胸部用パッドの第１の実施の形態の外
観を示す斜視図である。

【図２】胸部用パッドの構造を示す断面図である。

【図３】本考案の胸部用パッドを、胸部と肌着のバスト
保持部との間に入れる様子を示した図である。

【図４】上部から胸部を見下ろした状態を示す部分断面
図である。

【図５】本考案の胸部用パッドにて胸部サイズの調節を
行う様子を説明するための図であって、（Ａ）は、胸部
用パッドおよび調節部材を台座部側から見た斜視図を示
し、（Ｂ）は、胸部用パッドに調節部材を挿入した場合
の側面図を示している。

【図６】調節部材の側面図である。

【図７】ズレ阻止部４の構成変形例を示す図であって、
（Ａ）は、第１の変形例を、（Ｂ）は、第２の変形例を
示す図である。

【図８】胸部用パッドのつば部の変形例を説明するため
の図であって、（Ａ）は、胸部用パッドの斜視図を示
し、（Ｂ）は、胸部用パッドの台座部のキルティングの
芯の型紙の形を示す。

【符号の説明】

１台座部２つば部３隆起部４ズレ防止部４ａ面上ファスナーのフック状（鉤状）側の小片５リボン６飾りレース

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】胸部と肌着のバスト保持部との間に入れ
て胸部の形状を調整する胸部用パッドにおいて、前記胸部にあてがわれる台座部と、前記台座部上に、前記台座部の周縁に所定幅のつば部を
残して前記肌着側に隆起するように設けられる隆起部
と、を有することを特徴とする胸部用パッド。
【請求項２】前記つば部が、前記肌着のバスト保持部
の縁と胸部との間に挟まれるように形成されていること
を特徴とする請求項１記載の胸部用パッド。
【請求項３】前期つば部のうち、前期胸部の脇の下の
部分にあてがわれる脇側部の幅が、前期胸部の中央部分
にあてがわれる体の中心側部の幅の２倍の長さを有する
ことを特徴とする請求項１記載の胸部用パッド。
【請求項４】前記隆起部の大きさを調整できる調整部
材の挿入可能な挿入口を有することを特徴とする請求項
１記載の胸部用パッド。
【請求項５】前記隆起部の肌着と接する面に、ズレを
阻止するズレ阻止部が設けられていることを特徴とする
請求項１記載の胸部用パッド。
【請求項６】前記ズレ阻止部は、面状ファスナーのフ
ック側の小片が取り付けられることにより構成されてい
ることを特徴とする請求項５記載の胸部用パッド。
【請求項７】胸部と肌着の間に入れて胸部の形状を調
整する胸部用パッドにおいて、胸部にあてがわれる隆起部の周りにつば部が設けられて
いることを特徴とする胸部用パッド。