JPS5912283Y2 - 擁壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコンクリート製矢板による擁壁に関するもの
で、その目的は水蜜性が良好なものを提供することにあ
る。

この種、矢板による擁壁においては、その水蜜性が要求
される場合には接合部分を剛性にした矢板が多く使用さ
れているが、水蜜性にはまだ不完全なところがあり、矢
板製作上も、手間とコストが高くつく等の難点があった
。

この考案は前記従来の難点を解消するために創案された
ものであり、以下、図示した実施例に基いて説明する。

１はこの考案に使用されるコンクリート製矢板を示すも
ので、この矢板１の左右側縁は接合部２，２′または２
″となっているが、それぞれの矢板はその一側縁、たと
えば右側縁２は上方部分より下方部分にかけて断面台形
の溝状の凹状接合部が形戊され、この凹状接合部の上方
部の溝内には断面Ｔ字状に突出形威したガイド金具３を
長さ方向、すなわち高さ方向に所要間隔をおいて複数個
設けられており、矢板の他方の側縁、たとえば左側縁は
上方部分に前記の凹状接合部２と同形状の断面台形の接
合部２′が形威され、また下方部分に前記凹状接合部２
に嵌合することができる断面台状に突出した凸状接合部
２″が形威されている。

さらにこの矢板１の上端面には左側縁２′側の上端面に
目地パイプ固定インサート４が埋設されている。

以上の矢板１は連続して順次並列的に所要本数、地中に
打設される。

すなわち打設時には予め他側凹溝状接合部２に当接して
断面六角形状の目地パイプ５が装着される。

この目地パイプ５はその上端部に目地パイプ固定金具６
が取付けられ、この固定金具６を介して前記固定インサ
ート４に枢着する目地パイプ固定ボルト７により矢板１
に着脱自在に取付られている。

また、目地パイプ５は装着時に外側を向く一側縁に上端
より下端にかけて前記ガイド金具３に対応する軸方向の
ガイド用スリット８が設けられている。

そして既に打設された矢板１に接して打設すれば、目地
パイプ５のスリット８部分が隣り合せた矢板１のガイド
金具３に挿通しガイドされ、下端部のみ実矧ぎ状に接合
され、矢板は目開きせずに確実に打設される。

このようにして順次所要本数の矢板１が打設され、打設
後は目地パイプ５は引抜かれ、目地部分には断面六角形
状の柱状目地が形或される。

そしてこの目地内には膨−張性モルタル等、止水性を有
する目地材９が充填される。

また、場合により形或された目地内にセメントペースト
漏出防止用のポリエチレン等の合或樹脂製袋体（図示せ
ず）挿入され、この袋体を介して目地材９が充填される
こともある。

この考案は以上述べた構戒からなり、一般に矢板の下半
部は漏水が少ない地盤中に打設されるため、余り水密性
を必要とせず、そのため打設中の正確さを実矧ぎ状に接
合されているので施工性が極めて良好であり、また上半
部は漏水の恐れが多いため、矢板同士が開かないように
切欠部を有する目地パイプを装着し、この切欠部に矢板
より突設されたガイド金具をガイドさせることにより上
部が開かないように正確に打設され、また接合部分には
目地が形或され、この目地内に止水材を充填してなるの
で非常に水密性が良好である。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示したもので、第１図は要部
の正面図、第２図はそのＡ−Ａ矢視断面図、第３図はそ
のＢ−Ｂ矢視断面図、第４図はＡ−Ａ矢視部分の接合状
態を示した横断面図、第５図はＢ−Ｂ矢視部分の接合状
態を示した横断面図である。 １・・・・・・矢板、２．２’，２”・・・・・・接合
部、３・・・・・・ガイド金具、４・・・・・・目地パ
イプ固定インサート、５・・・・・・目地パイプ、６・
・・・・・目地パイプ固定金具、７・・・・・・目地パ
イプ固定ボルト、８・・・・・・ガイド用スリット、９
・・・・・・目地材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート製矢板を連続して並列的に地中に打設した
   擁壁において、矢板には、その一側縁に凹状接合部を形
   或すると共に、打設時に目地内に挿入され打設後に引抜
   かれる目地パイプをガイドするためのガイド金具を前記
   凹状接合部の上半部溝内に突出形或し、他方の側縁の上
   半部に凹状接合部を、下半部凸状接合部を形戊すると共
   に、前記側縁の上端部に目地パイプ固定金具が着脱自在
   に取付けられており、この矢板は地中において側縁部が
   互に当接されその上半部の凹状接合部同士により目地が
   形或され、かつ下半部において凹状接合部と凸状接合部
   が互に実矧ぎ状に接合され、目地部分には目地が充填さ
   れてなる擁壁。