JPS5912086Y2 - 圧延機における下側ワ＿クロ＿ル押下用シリンダの取付装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、たとえば熱間による帯板圧延機において、ロ
ールスタンドの下側ワークロールを下側バックアップロ
ールに向けて押下げるシリンダの取付装置に関するもの
である。

熱間による帯板圧延機のロールスタンドは、通常パスラ
インの上下にワークロールを配備し、上下のワークロー
ルには各々バックアップロールを摺接させており、圧延
精度を保持するため、特に下側ワークロールは軸受チョ
ツクを介して押下用のシリンダで下側バックアップロー
ルに押下げてパスラインを一定にしバランスを保つよう
にしている。

従来上記のような下側ワークロールを押下げるシリンダ
の、ロールスタンドへの取付けは、ハウジングの、下側
ワークロールを支持する軸受チョツクと対応する面に、
シリンダの収納部を形成し、このシリンダ収納部に納め
たシリンダの本体外面と、前記収納部の接触面に、シリ
ンダの軸方向と直交する半割状のノック孔を各々連通す
るように形或し、両側のノック孔にわたってノツクピン
を嵌挿することにより、シリンダをハウジングに取付け
ていた。

上記のように半割状のノック孔を、シリンダの本体およ
びハウジングの収納部に直接形威した従来の構造では、
シリンダ収納部に摩耗が生じると、ハウジングとシリン
ダ底部とに隙間ができ、シリンダに損傷が発生する。

また、ノック孔に摩耗が生じるとシリンダにガタ付きが
発生し、収納部の摩耗発生を増大することになる。

したがってノック孔とピンの間に摩耗が生じると、これ
を解消する手段として従来は、ノック孔に応じた現物合
せ加工によってノツクピンの取替を行う以外に手段はな
く、このためノック孔の摩耗を補修するには、多大の労
力と時間を要する問題があった。

本考案は、上記のような圧延機における下側ワークロー
ル押下げ用シリンダの取付部分に生じた問題を解消せん
としてなされたもので、その目的は、ハウジングにシリ
ンダの収納部と連なる凹入部を設け、この凹入部にボル
ト止めした座金とシリンダをノツクピンで結合するよう
にし、ノック孔の摩耗に対して座金の取替で対応し得る
と共に、シリンダ収納部の摩耗は座金の取付位置を調整
することによって行え、シリンダの耐久性を向上させ、
かつ補修作業の短縮化を可能とする取付装置を提供せん
とするものである。

次に本考案の実施例を添附図面に基づいて説明する。

図において、１はロールスタンドであり、ハウジング２
のライナー３に沿って上下動自在となるよう取付けた軸
受チョツク４で下側ワークロール５を可回動に支持し、
この下側ワークロール５の下部位置に、同じく軸受チョ
ツク６で可回動に支持した下側バックアップロール７を
配備し、前記下側ワークロール５の下部をこの下側バッ
クアップロール７に接合状となされている。

また、下側ワークロール５の上部に、パスラインを挾ん
で上側ワークロール８を、軸受チョツク９で上下動およ
び可回動となるよう゛支持して配備してあり、この上側
ワークロール８の上に図示略したが上側バックアップロ
ールが設けてある。

前記ハウジング２で軸受チョツク４の側面と対応する位
置に、下側ワークロール５を押下げるシリンダ１０が丁
度納まる形状の収納部１１を形或し、この収納部１１の
側部に半円形の凹人部１２を連通状に形或する。

１３は前記凹人部１２内に嵌め込む座金であり、この凹
入部１２よりも僅かに小径状として、上下に可動の状態
で納まる半円形に形或し、取付用のボルト１４を挿通す
る段付孔１５が複数穿設してある。

またハウジング２の凹入部１２には、この凹入部１２に
座金１３を同軸心状に嵌合させたとき、各段付孔１５と
連通する螺孔１６を穿設する。

この段付孔１５から螺孔１６にねじ込んで、凹入部１２
内に座金１３を固定するボルト１４の軸部は段付孔１５
よりも僅かに小径状となし、段付孔１５とボルト１４の
軸部に生じた差の範囲で座金１３の位置を調整し得るよ
うにする。

なお座金１３は凹入部１２内に嵌挿したとき、その直線
部がシリンダ１０の本体と接触することになり、この直
線部とシリンダ本体の接触部分には、半割状のノツク孔
１７を連通ずるように各々形或し、両ノック孔１７にわ
たって別体のノツクピン１８を嵌挿することにより、座
金１３を介してハウジング２にシリンダ１０を取付ける
ものである。

さらに、シリンダ１０はそのピストン杆１９が下向きと
なるよう取付け、ピストン杆１９の下端を軸受チョツク
４に突設した支持片２０へ圧接させ、下側ワークロール
５の押下げを行うものである。

また、座金１３とこの座金１３を収納する凹入部１２と
は図示のような半円形に限定されるものではなく、角形
等他の形状としてもよい。

本考案は上述したような構造を有するものであり、ハウ
ジング２へのシリンダ１０の取付けは、凹入部１２内に
座金１３を嵌合せ、段付孔１５に挿通したボルト１４を
螺孔１６にねじ込み、この座金１３をハウジング２に固
定する。

次に収納部１１内にシリンダ１０を嵌込み、シリンダ１
０および座金１３に連通状となるよう設けたノツク孔１
７内にノツクピン１８を挿入して行うものである。

このような取付状態において、収納部１１とシリンダ底
部とに隙間が生じた場合、ボルト１５を緩めて座金１３
を上方に移動させ、再びボルト１４を締付けることによ
りこれを解消するものである。

また、ノック孔１７が摩耗してノツクピン１８との間に
ガタ付が生じた場合は、座金１３を新たなものと取替え
ることにより解消することができる。

以上のように本考案は、圧延機のハウジングに下側ワー
クロールを押下げるシリンダの収納部と、この収納部に
連なる凹入部とを形威し、この凹入部に遊嵌する形状の
座金を嵌込んでボルトで固定し、座金とシリンダの接触
面に連通ずるよう設けたノック孔にノックピンを嵌挿す
るようにしたため、シリンダ収納部に生じた摩耗は、座
金の取付位置を調整することにより解消でき、また、ノ
ック孔の摩耗発生に対しては座金を新たなものと取替え
るのみで補修できるようになり、従ってシリンダの破損
発生がなくなり、シリンダの耐久性を向上させると共に
、補修作業に要する労力と時間を大幅に減少することが
できる優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は圧延機における押下げシリンダの配置状態を示
す一部切欠正面図、第２図は本考案に係る取付装置の使
用状態を示す側面図、第３図は同上要部の拡大側面図で
ある。 １はロールスタンド、２はハウジング、４は軸受チョツ
ク、５は下側ワークロール、７は下側バックアップロー
ル、１０はシリンダ、１１は収納部、１２は凹入部、１
３は座金、１４はボルト、１５は段付孔、１６は螺孔、
１７はノック孔、１８はノツクピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロールスタンドのハウジングに上下動可能となるよう取
   付けた軸受チョツクで下側ワークロールを支持し、前記
   ハウジングに軸受チョツクを介して下側ワークロールを
   下側バックアップロールに向けて押下げるシリンダを取
   付けた圧延機において、ハウジングにシリンダの収納部
   と連なる凹入部を形威し、この凹入部内に該凹人部へ遊
   嵌する形状の座金を嵌挿して取付ボルトで固定し、この
   座金とシリンダの接触面に各々半割状のノック孔を連通
   状に設け、このノック孔にわたってノツクピンを嵌挿し
   たことを特徴とする圧延機における下側ワークロール押
   下用シリンダの取付装置。