JPS5911586B2 - α−アミノ−ε−カプロラクタムの単離法 - Google Patents

α−アミノ−ε−カプロラクタムの単離法

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JPS5911586B2
JPS5911586B2 JP49107615A JP10761574A JPS5911586B2 JP S5911586 B2 JPS5911586 B2 JP S5911586B2 JP 49107615 A JP49107615 A JP 49107615A JP 10761574 A JP10761574 A JP 10761574A JP S5911586 B2 JPS5911586 B2 JP S5911586B2
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JP
Japan
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caprolactam
amino
butanol
solvent
rearrangement
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JP49107615A
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JPS5136475A (en
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健 世古口
善弘 芝井
文男 市村
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はα−アミノシクロヘキサノンオキシムを硫酸に
より々ツクマン転位して得られた転位混合物から遊離の
α−アミノーε一カプロラクタムを取得する方法に関す
るものであり、さらに詳しくは前記転位混合物を水で希
釈し、アンモニアによりPH9.5以上に調整した水溶
液からn−プタノール、sec−ブタノール、iso−
ブタノールから選ばれた溶媒を用いて遊離のα−アミノ
ーε−カプロラクタムを抽出する方法に関するものであ
る。
α−アミノーε一カプロラクタムは加水分解に10より
容易に必須アミノ酸の一つであるリジンにすることが出
来る。
近年リジンの需要は急速に増加しているが、現在工業的
に生産されている方法は発酵法でありスケールメリット
の大きい化学的合成法の開発が望まれている。その化学
的合成法の15中で有望なものの一つにα−アミノシク
ロヘキサノンオキシムを硫酸によりベツクマン転位させ
α−アミノーε一カプロラクタムに変え該α−アミノー
ε一カプロラクタムを加水分解した後光学分割するか、
あるいはあらかじめ該α−アミノーεク0−力プロラク
タムを光学分割した後に加水分解しL−リジンを製造す
る方法があるが、後者の方法をとる場合にはα−アミノ
ーε一カプロラクタムー硫酸混合物から遊離のα−アミ
ノーε一カプロラクタムを単離取得する操作は必要不可
欠である。25従来一般に当モル以上の酸性物質を含む
系からの遊離の塩基性物質を単離する場合には中和操作
が必要であり、単離する塩基性物質の塩基性の強さによ
り中和剤およびPHの選定が行なわれている。
そして用いる中和剤は工業的見地から中和剤30が安価
であること、中和反応時における操作性が容易であるこ
と、中和により副生する塩が工業的付加価値が出来るだ
け高いことおよび過剰の中和剤は回収出来ること等の諸
条件を満足するようなものが好ましく、工業的に実施す
るに際してはア35ンモニアが最も有利である。かかる
利点に基ずきナイロン6の出発原料であるシクロヘキサ
ノンオキシムを硫酸などの鉱酸でベツクマン転位して得
た転位混合物からε一カプロラクタムを分離取得する場
合には一般にアンモニアが中和剤として用いられる。
この場合該転位混合液をアンモニアで中和することによ
りε一カプロラクタム相と生成塩の相とに容易に分液す
るため遊離のε一カプロラクタムを取得することが可能
になる。しかしながらα−アミノシクロヘキサノンオキ
シムを硫酸によりベツクマン転位して得た転位混合物を
アンモニアで中和する場合においてはα−アミノ−ε一
カプロラクタム相と硫酸アンモニウム水溶液相との二相
に分液することはない。これはd−アミノ−ε一カプロ
ラクタムの場合には塩基性のアミノ基を有することに基
因する大きな相違点である。かかるα−アミノシクロヘ
キサノンオキシムの硫酸によるベツクマン転位して得た
転位混合物からd−アミノ−ε一カプロラクタムを効率
良く単離する具体的な方法については、(1)該中和液
にメタノールまたはエタノールを添加して析出する硫酸
アンモニウムを分離する方法、(2)該中和液にフエノ
ール、クロロホルム、塩化メチレン、酢酸エチルなどの
溶媒を用いて抽出分離する方法などが知られている。し
かしながら(1)の方法については大量のメタノールま
たはエタノールを必要とすることおよび水一メタノール
、水一エタノール系からメタノールまたはエタノールを
回収することが困難であることなどから工業的には不利
である。
また(2)についてはフエノールは公害問題上好ましく
なく、クロロホルムは水共存系において不安定であるた
め分解などの問題が残り、他の溶媒については抽出効率
が劣る。これ等の点に留意し、公害の少ない、安定な、
しかも抽出効率の良い溶媒について鋭意研究の結果本発
明に到達したものである。また、実験の結果から抽出に
供する中和液のPHについては9.5以上が望ましいこ
とがわかつた。つまり硫酸と当モルのアンモニアを加え
て中和した場合d−アミノ−ε一カプロラクタムは完全
には遊離せず従つて抽出効率も劣る。これは中和により
遊離されたα−アミノ−ε一カプロラクタムは共存する
硫酸アンモニウムと反応して硫酸塩に戻るためである。
これを防止するために過剰のアンモニアを加えておく必
要があるためPH9.5以上が選ばれる。すなわち本発
明は (a)α−アミノシクロヘキサノンオキシムを硫酸によ
りベツクマン転位させて得られた転位混合物に、水およ
びアンモニアを添加することによりPHが9.5以上で
かつ生成する硫酸アンモニウムの量が60〜10重量%
である水溶液を得、(b) n−ブタノール、Sec−
ブタノール、IsO−ブタノールの群から選ばれた1種
又は2種以上の溶媒を前記水溶液と混合し2層の液相を
形成せしめ(c)前記水溶液からα−アミノ−ε一カプ
ロラクタムを抽出分離することを特徴とするα−アミノ
−ε一カプロラクタムの単離法である。
本発明において、出発原料であるα−アミノシクロヘキ
サノンオキシムは塩を形成しているものであつても良い
゛d−アミノオキシム塩としては、たとえば塩酸塩、硫
酸塩、酢酸塩、炭酸塩などが挙げられる。転位条件につ
いては周知の方法で良くこれにこだわるものではないが
転位剤である硫酸は前記d−アミノシクロヘキサノンオ
キシムに対し2〜4倍モル使用され、その濃度は100
〜115%であり反応温度は65〜110℃である。ま
た転位剤の硫酸については発煙硫酸およびクロルスルフ
オン酸などを含んでもさしつかえない。かくして得られ
た転位混合物の中和は該転位混合物をあらかじめ水で希
釈した後アンモニアガスを吹き込むことによつてPH9
.5以上に調整するか、あるいは該転位混合液をアンモ
ニア水によつてPH9.5以上に調整することが出来る
。中和に際して使用する水の量は、以降の溶媒で抽出す
るための操作性および抽出効率を良くするために、生成
する硫酸アンモニウムの量が60〜10重量%(系全体
における比率)となるような量である。この場合硫酸ア
ンモニウム濃度の高い所では過飽和状態になり一部結晶
が析出するが抽出にはなんらさしつかえない。本発明に
よつて使用される溶媒、すなわちn−ブタノール、Se
c−ブタノール、IsO−ブタノールでありその使用量
は特に制約はない。また他の異性体(Tert−ブタノ
ール)については水に溶解することから本発明からは除
外される。n−ブタノールなど本発明の溶媒は若干水を
溶媒するが、あらかじめ水を飽和させた溶媒を用いて抽
出しても何ら抽出効率上問題はなく、また溶媒中に硫酸
アンモニウム水溶液中の水が溶け込んでも溶媒中にはS
O4イオンが認められない。従つて溶媒を蒸留などによ
つて回収する場合も水と溶媒とを分離する必要はなくそ
のままくり返し使用出来る。以下、本発明を実施例によ
つて詳細に説明する。
実施例 1純α−アミノ−ε一カプロラクタムとして1
28.2yと硫酸アンモニウム462.07、水753
.9yからなる混合液を10等分したもの(以下試料と
略称)を用いてα−アミノ−ε一カプロラクタムの単離
を行つた。
(1)かくはん機温度計のついた200m1ビーカに試
料を入れ20℃でアンモニアを加えてPHlO.Oに調
整し、析出硫酸アンモニウム結晶も含めて1000m1
の分液ロードにn−ブタノール268.87を用いて洗
い移し室温で5分間振とう抽出した後静置分液し、溶媒
相を抜き出した後更に268.8yCf)n−ブタノー
ルを加え同様に操作し、計5回くり返し抽出を行ないこ
の溶媒相を合せて減圧蒸留により溶媒を回収し残留物を
減圧乾燥器で乾燥して重量を知り純度を分析して純α−
アミノ−ε一カプロラクタムとして12.767を得た
(抽出収率99.5%)(2)試料のPH9.5に調整
した以外は(1)と同法によりα−アミノ−ε一カプロ
ラクタム12.607を得た。(抽出収率98.3%)
(3)試料のPH9.Oに調整した以外は(1)と同法
によりα−アミノ−ε一カプロラクタム11.037を
得た。
(抽出収率86.0%)(4) n−ブタノール268
.8yにあらかじめ水を飽和させたものを用いた以外は
(1)と同法によりα−アミノ−ε−カプロラクタム1
2.79Ii7を得た。
(抽出収率99,8%)(5)溶媒にSec−ブタノー
ルを用いた以外は(1)と同法によりα−アミノ−ε一
カプロラクタム12.61yを得た。
(抽出収率98.4%)(6)溶媒にIsO−ブタノー
ルを用いた以外は(1)と同法によりα−アミノ−ε一
カプロラクタム12.41yを得た。(抽出収率97.
1%)(7)溶媒にクロロホルムを用いた以外は(1)
と同法によりα−アミノ−ε一カプロラクタム12.6
47を得た。(抽出収率98.6%)(8)溶媒に酢酸
エチルを用いた以外は(1)と同法によりα−アミノ−
ε一カプロラクタム4.45yを得た。
(抽出収率34.7%)(9)溶媒にトリクレンを用い
た以外は(1)と同法によりα−アミノ−ε一カプロラ
クタム1.307を得た。
(抽出収率10.1%)(自)溶媒にベンゼンを用いた
以外は(1)と同法によりα−アミノ−ε一カプロラク
タム1.15yを得た。
(抽出収率9.0%)(以上の実施例中(2)、(3)
については硫酸アンモニウム結晶の析出がなかつた。
)実施例 2 d−アミノ−ε一カプロラクタムと硫酸アンモニウム、
水の混合液をアンモニアによりPHlO.Oに調整し、
この液を用いて代表的な溶媒についての分配係数(K)
を求めた結果を下記表に示す。
ただし、α−アミノ−ε一カプロラクタム10y1硫酸
アンモニウム357、水557の比による混合液を20
℃でアンモニアによりPHlOに調整した液に対し溶媒
を2.5倍(重量比)を用いて行なつたものであり、分
配係数(K)は次式による。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 (a)α−アミノシクロヘキサノンオキシムを硫酸
    によりベックマン転位させて得られた転位混合物に、水
    およびアンモニアを添加することによりpHが9.5以
    上でかつ生成する硫酸アンモニウムの量が60〜10重
    量%である水溶液を得、(b)n−ブタノール、sec
    −ブタノール、iso−ブタノールの群から選ばれた1
    種又は2種以上の溶媒を前記水溶液と混合し2層の液相
    を形成せしめ、(c)前記水溶液からα−アミノ−ε−
    カプロラクタムを抽出分離することを特徴とするα−ア
    ミノ−ε−カプロラクタムの単離法。
JP49107615A 1974-09-20 1974-09-20 α−アミノ−ε−カプロラクタムの単離法 Expired JPS5911586B2 (ja)

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JPS5136475A JPS5136475A (en) 1976-03-27
JPS5911586B2 true JPS5911586B2 (ja) 1984-03-16

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6244589U (ja) * 1985-09-05 1987-03-18

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5116658A (ja) * 1974-06-06 1976-02-10 Allied Chem

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JPS5116658A (ja) * 1974-06-06 1976-02-10 Allied Chem

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