JPS5910231B2 - スキ−・ブレ−キ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はスキー・ブレーキに関するものであって、スキ
ーの横軸を中心として回動可能に支持された回動環を有
し、その回動軸の前方に延びる回動環の両端部を制動片
となす一方前記回動軸の後方にあって前記回動環の両端
部を結合する部分を支持片となし、前記支持片は回動軸
に向ってスキーの長手方向に延びる部材を有し、前記部
材は回動環の制動位置においてスキー表面に対して、前
記支持片を含む平面のなす角とは異なる角度を形成する
一方、非制動位置ではバネ力に抗して支持片と同一平面
に押圧されるようにしたスキー・ブレーキに関する。

スキー・ブレーキの目的は一般に、何らかの事情たとえ
ばスキーヤーの転倒などでスキーが靴から外れたときで
きるだけ速やかにこれを制動静止させることであり、し
かもこれをできるだけスキーヤーの転倒空間内で行うこ
とが必要である。

これによって第三者およびスキーヤー自身の傷害を防ぐ
ことが企図されている。

スキーヤ一本人を保護するという点についても公知の捕
捉ベルトでは必ずしも安全でなかったので、近年ますま
す捕捉ベルトの代りにスキー・ブレーキを用いる傾向が
強くなっている。

靴がスキーから外れると制動片を有する回動環がスキー
に対してほぼ直立する型のもので、特別のバネを設けず
回動環自身の変形（ねじれまたは曲げ）によって生じる
バネカを使うものは従来数種公知となっている。

この種のものは組立て取付けともに安価でスキー・ブレ
ーキには最適と目されているが、バネカを生ずるために
回動環が変形することにより、軸受けとバネとして働く
回動環に極めて大きな応力が作用し、このために作動の
確実性が損われるとともに個々の部材が大巾に摩耗して
しまうという欠点がある。

たとえば西独公開公報第２，４ １ ７，２ ７ ９号
には、円形に屈曲したバネをその両端が適当な距離で離
れるよう配置しこれを回動環の起動力としたものが開示
されている。

このバネは両端を固設したので、捩れ及び曲げ応力のた
めにバネ自身に非常に高い張力が生じ、２つのバネ軸受
けはスキーの長手方向にもまたこれに対して直角方向に
も強い力を受ける。

この結果バネが破損しやすくまた軸受の固着部が時間の
経過とともにゆるんで脱落したり軸受自体が損傷したり
することになる。

さらに西独公開公報第２，４ １ ３，０ ９ ９号に
より、バネ鋼線を数ケ所屈曲させて回動環となし、この
バネ鋼線をそれぞれスキーの長手方向からみて後方の一
個の固定回動軸および前方の２個の摺動可能な回動軸に
回動可能に配設したものも知られている。

この場合には、前方の軸受はスキーの長手力向に働く力
を受けることがなく、バネの役目を果す回動環に主とし
て捩れ応力が作用するのみであるという点で、前述した
例に比べて有利である。

しかしながらこの２番目の公知例の欠点として、前方の
２個の軸受にスキーの長手方向に対して直角に繰返し荷
重が加わるという点と、回動環の後方端部をスキー中央
部に固設するため支持片の横木にはわずかのトーション
・バー長さしか付与できないので、十分な捩れ力が得ら
れないという点がある。

さらに、上述の両公知例のいずれも、回動環の非制動位
置で制動片がスキーの脇に出るよう（こなっており、こ
のためスキー走行中左右のスキーの制動片が互いに干渉
し合ったり或いは制動片に別の障害物が引っかかったり
する恐れがある。

西独公開公報第２，４ １ ２，２ ６ ３号において
は、支持片が下降するとき制動片をスキー表面内方に揺
動させることによりこの問題を解決している。

以上に鑑み、本発明の目的は簡易な構造で高度の作動の
確実性を備え、できるだけ少数の軸受を用いてしかもこ
れらの軸受に加わる外力を最少限にとどめるよう構成さ
れたスキー・ブレーキを提供することである。

さらに本発明の目的は、格別に組付け費用を要すること
なく、非制動位置において制動片がスキー表面に載るよ
うなスキー・ブレーキの構造を供することである。

本発明によればこの目的は以下の構成により達成される
。

すなわち回動環の一部をなすブリツヂが、回動環の制動
位置においてスキー表面に対して、支持片を含む平面の
なす角よりも大きい鋭角を形成し、このブリッヂを支持
片の横材に結着するとともにスキー表面上にスキーの長
手方向に摺動可能に支持する。

回動環はバネ鋼線を数個所屈曲させることにより容易に
供し得るがこの場合前記ブリッジは支持片の横材を直角
に屈曲させることにより形成することが望ましい。

さらに本発明の他の実施例によれば、ブリツヂ部または
支持板に摩耗防止用ライニングを設けるかまたはブリツ
ヂ部にローラまたは摺動子を取付けてもよい。

このことが可能なのはブリツヂをスキーに対して垂直方
向上方に支持する必要がなく従って支持板の厚さに応じ
て比較的ゆとりある組付高さを利用できるからである。

さらに本発明の他の実施例によれば、ブレーキの非制動
位置で制動片がスキーから突出するのを防ぐために、支
持片の横木を屈曲させてがるブリツヂ部を、スキーの長
手方向に所定の距離をおいて延びる２本の脚部を以って
構成し、この２本の脚部の間に、回動環が非制動位置に
来たとき横材の付近に位置するようスキーに固着した拡
張部材を設け、ブリツヂ脚部をスキーに対して斜め外方
に拡張するようにする。

このとき、回動環の回動軸の軸受はこの回動軸がスキー
の横方向に対して所定の角をなすよう設定される。

また回動環が非制動位置に達する直前にブリツヂ脚部が
当接部材に当接すること（こより、支持片をスキーの横
方向に拡張するようにしてもよい。

この場合もやはり軸受は回動軸がスキーの横方向に対し
て所定の角をなすよう配置する。

以下添付図面に従って本発明実施例を詳細に説明する。

図面において１は回動環若しくはスキー・ブレーキ、２
はスキーを示す。

第１図および第２図の実施例において、スキー・ブレー
キは、回動軸３の前方に延びる２個の制動片１１および
回動軸３の後方に位置し、前記制動片１１を連結する支
持片１２を有する回動環１より成る。

回動環は、丸形バネ鋼線を数個所で屈曲させて形成する
のが望ましく簡便な構成で所望のバネカを得ることがで
きる。

とりわけ回動環を一個の連続した部材で形成することが
でき、またその回動軸は制動片１１と支持片１２の境界
付近の屈曲部１３より成ることが構造の簡素化に寄与し
ている。

回動軸を固定するために、支持板４をスキーに組付け、
その両側に２個の軸受環４１により屈曲部１３を支承す
る。

特に重要なのは支持片１２の形状であって、ここでは横
材１４およびこれより屈曲して回動軸１３に向ってスキ
ーの長手方向に延びるブリツヂ部１５より成る。

ブリツヂ菖１５は、回動環１が制動位置にあるときスキ
ー表面に対して支持面１２の平面がなす角α２よりも大
きい鋭角α１をなすとともにスキー表面に達してこれに
当接するだけの長さを有するよう構成されている。

以上述べた実施例によるスキー・ブレーキの作用を以下
に説明する。

スキーの走行位置（第１図）から制動位置（第２図）に
スキー・ブレーキを動かす力は主として支持片１２の２
つの横材１４の捩り力に基づくものである。

すなわち回動環が非制動位置に移動したときブリツヂ部
１５が支持片１２の平面に押圧され、このため横材１４
自身がその軸線を中心に捩れることによりこの力が生じ
る。

すなわち横材における捩り応力はスキー走行位置で最犬
になる。

これに対して、靴がスキーからすなわちスキー・ブレー
キから外れると、横材の捩れのためにこれに生じた捩り
応力が解放され、直ちに回動軸３を中心に回動環が立上
る。

こ゛のときブリツヂ部１５はスキー表面に当接して回動
軸から遠去かる方向にこの上を摺動ずる。

バネカが捩れによって生じるためと、ブリツヂ部が支持
片と異なる屈曲角を以ってスキー表面上に摺動可能に当
接しているために、軸受４１はスキーの長手方向に働く
力の影響を殆ど受けずにすむと同時に、スキー表面自身
以外にブリツヂ部を支持する部材を別個に設ける必要が
なく、従って支持板に余計な力が加わることがない。

特に支持板および軸受部に働く力が最少限にとどめられ
るので作動の確実性が著しく高められるという長所があ
る。

しかも回動軸の固定軸受がスキーの外側方部に位置して
いるため、トーション・バーの作用をする横材１４の長
さが十分長くとれるので、捩れ角（α１−α２）を等し
いものと仮定するとより大きな捩り力従ってより大きな
復元力が得られる。

さらに本発明スキー・ブレーキによれば、スキー表面の
ブリツヂ部１５後方に傾斜面を有する楔５を設け、回動
環１がその制動位置に動くときその少し手前でブリツヂ
部１５が前記楔５に乗上るようにしてもよい。

これによって制動位置の安定化および回動環の位置の調
整が可能になり制動性能が改善される。

またブリツヂ部が摺動する際生じる摩擦を減少するため
に、これをスキー表面に直接摺動させる代りに摩擦防止
ライニングを張った当接板４２上を摺動させるようにし
てもよい。

或いはブリツヂ部自身に摩擦防止用ライニングやローラ
６（第１図参照）または摺動子を取付けてもよい。

種々の異なったスキーの巾にスキー・ブレーキを合わせ
る必要がある場合は、ブリツヂ部１５をその当接部付近
で２つに分割し、巾を調節しうる支持板と組合せて各々
のスキーの巾に合せるようにしてもよい。

ブリツヂの分割部はさらにローラ６で蔽い互いに付合わ
せるようにしてもよい。

第３図および第４図は本発明スキー・ブレーキの変形例
を示す。

この場合ブリツヂ部１５は支持片１２の横材１４を屈曲
させる代りに、横材とは別個でしかもこれに固着された
部材より成る。

また回動環の回動軸をその屈曲部により構成する代りに
、支持板４の軸受部４３に制動片１１を通し、締付けね
じ４４等により締結したものでもよい。

さらに本発明の他の実施例として、第５，６図は制動片
をスキー側方位置からスキー表面内方に揺動させる手段
を示す。

スキー・ブレーキはスキーの長手方向中心に関して対称
をなしているので便宜上その半分だけを示す。

また第１図と同じ部材および部分は同一の符号を付して
ある。

第１図と異なる点は、軸受部４１１が直円筒状でなくス
キーの斜外側方部に向いているということである。

制動片１１は以下に述べる態様で揺動ずる。

スキー・ブレーキを非制動位置に設定すると、スキーの
長手力向に摺動可能にスキー表面に支持されたブリツヂ
部１５が支持板４等に連設した当接部材４５の上に乗上
る。

これは回動環１が非制動位置に達する直前に行われる。

このとき当接部材４５の押圧力によりブリツヂ部１５の
前端部には軸受４１１を中心とした回転力が生じると同
時に、支持片１２はスキーの横方向に押し拡げられる。

これによって制動片１１が揺動しうるように、軸受４１
１の回動軸３１はスキーの横方向に対して所定の角をな
すよう配置されている。

次に回動環が制動位置に揺動すると当接部材４５を経て
ブリツヂ１５に働く力が解消するので、制動片はまず外
側方にそしてその制動位置へ揺動しうるのである。

第６図の実施例によっても同じく制動片を揺動させるこ
とができる。

スキー・ブレーキを非制動位置に動かすと、スキー表面
に向って傾斜した斜面を有する拡張部材４６がブリツヂ
の２つの脚部１５の間に進入するため、ブリツヂ脚部は
外方に拡張し、これとともに制動片１１が内方に揺動ず
る。

このため軸受部４１１は第５図と同様回動軸３がスキー
の横方向に対して所定の角をなすよう配置されている。

回動環が制動位置に来ると拡張部材４６によりブリツヂ
１５に働く力は解消して制動片はまず外方にそれから制
動位置に揺動する。

以上の如＜匍］動片を揺動させることにより、制動片は
スキー走行中にスキーから突出することもなく従って制
動片による走行の障害または損傷を防止することができ
る。

先に述べた西独公開公報第２，４ １ ２，２ ６ ３
号の構成と比べて優れた点は、制動片の内方への揺動と
回動環の上方への揺動が互いに独立しており、すなわち
制動片の揺動が制動力と無関係に行われることである。

【図面の簡単な説明】

第１図は走行状態における本発明スキー・ブレーキを示
す上面図、第２図は制動位置におけるスキー・ブレーキ
の側面図、第３図は本発明スキー・ブレーキの他の実施
例を示す上面図、第４図は第３図に示すスキー・ブレー
キの側面図、第５図及び第６図は制動片をスキー表面内
方に揺動させた状態を示す第１図と同様のスキー・ブレ
ーキの上面図である。 主な符号の説明、１・・・・・・回動環（スキー・ブレ
ーキ）、２・・・・・・スキー、４・・・・・・支持板
、５・・・・・・楔、６・・・・・・ローラ、１１・・
・・・・制動片、１２・・・・・・支持片、１３・・・
・・・軸受、１４・・・・・・横材、１５・・・・・・
ブリツヂ、４２・・・・・・当接板、４３・・・・・・
軸受、４５・・・・・・当接部材、４６・・・・・・拡
張部材、４１１・・・・・・軸受。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スキー表面に固着された支持板と、スキーの長手軸
   に直角に前記支持板中に載置された回動軸と、制動片と
   、前記回動軸から前記制動片と反対方向に伸びた回動環
   とを有し、前記回動環はバネ鋼線よりなりかつ制動状態
   から静止または中立状態に至る間はスキー表面に平行で
   弾力的に維持され、制動状態において前記回動環はスキ
   ーの上方に突き出し前記制動片はスキーの下方に突き出
   ｒスキーブレーキであって、前記回動環はブリッジ部及
   び支持片よりなり、前記ブリッジ部は回動環の中央で前
   記回動軸に向かって突き出ていてかつ制動状態において
   は前記制動片及び前記支持片によって画定される平面か
   ら離れ、前記支持部は前記ブリッジ部を囲みかつ制動状
   態においては前記ブリッジ部の画定する平面とスキー表
   面とのなす角度が前記支持片の画定する平面とスキー表
   面とのなす角度より大きくなり、前記回転軸はスキーの
   長手軸に関して固定され、前記ブリッジ部はスキー表面
   の当接板上をスキーの長手軸方向に動くように摺動自在
   に取り付けてあることを特徴とするスキーブレーキ。