JPS5910172Y2 - 透過式消波堤 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は港湾内外の波の消波効果を目的とした消波堤
に関するものである。

従来の消波堤として、浮消波堤および混戊堤などがある
が、浮消波堤の場合は周期の大きな波がやってきた場合
共振現象を起こして消波効果が悪く、水深の深い場所に
設置した場合、係留の方法，装置に問題がある。

また混或堤の場合は捨石造或を行なう必要があり、また
海水の交流が完全に遮断される欠点がある。

この考案はこれら上記の問題点に対処すべく開発された
もので、以下図示した実施例に基づいて説明する。

この考案の透過式消波堤は柱状体等（例えば鋼管等）で
組んだ支持台の前面，内部および後部に任意寸法の消波
版２を間隔をおき、上下高さを違えて水流が透過可能な
ように取り付けてあるものであるが、実際の施工におい
ては、寸法配置等は、水深、波圧、波のエネルギーの拡
散、支持台の耐力、どの程度の消波効果を期待するか、
その他種々の検討により決定されることが望ましい。

支持台に関しては種々の形式が考えられるが、第１図〜
第３図はテンプレート工法により構築する場合を示した
もので、テンプレート３のガイド管を通して鋼管杭１を
打ち込み、テンプレート３とこの鋼管杭を溶接したもの
が支持台となる。

なお、この支持台は第１図において仮想線（二点鎖線）
で示すように連続的に配置する場合と、単位支持台に分
け断続的に配置する場合とがある。

また消波版２としては鋼板、コンクリート板、ゴム、プ
ラスチック等が考えられ、また波のエネルギーの拡散、
抵抗の軽減等のため、多数の小孔あるいはスリットを有
する消波版２′を使用する場合もある。

（なお支持台の配置および消波版については以下に述べ
る他の形式においても同様である。

）第４図〜第６図はジャケットエ法を利用して構築され
た支持台に消波版２を取り付けた場合を示したもので、
この支持台は、ジャケットを運搬して現場に据え付けジ
ャケットの柱を通して杭を打ち込んで海底に固定される
。

第７図〜第９図は捨石５を設けその上部に箱体６または
ブロックを底版として、それに鋼管柱１′等を取りつけ
た支持台に消波版２を取り付けてある場合を示したもの
である。

なおこの箱体６にはさらに中詰め割石または中詰コンク
リート７が充填され支持台の安定を保つようになってい
る。

この考案は以上の構戊からなり、支持台内部の消波版間
をぬって海水の交流が行なわれ、また、そのため、消波
版にかかる波力も混戊堤のように完全に遮断する場合に
比べ小さい。

また複数の消波版で段階的に消波ができ、かつ消波版間
でエネルギーの拡散の効果も期待できるので効率の良い
消波が行なわれる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示したもので第１図はテンプ
レート工法を使用した場合の平面図、第２図はその正面
図（有孔消波版を用いた場合も示す）、第３図はその側
面図、第４図はジャケットエ法を使用した場合の平面図
、第５図はその正面図、第６図はその側面図、第７図は
捨石がある場合の平面図（一部断面図）、第８図はその
正面図、第９図はその側面図を示す。 １・・・・・・鋼管杭、１′・・・・・・鋼管柱、２・
・・・・・消波版、２′・・・・・・有孔消波版、３・
・・・・・テンプレート、４・・・・・・ジャケット、
５・・・・・・捨石、６・・・・・・箱体、７・・・・
・・中詰め割石または中詰コンクリート、８・・・・・
・蓋。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）柱状体からなる支持台に段階的な消波が行なわれ
   るよう複数の消波版を間隔をおいて、前面のみならず支
   持台内部あるいは後部にも高さを違えて取り付けてある
   ことを特徴とする透過式消波堤。
2. （２）消波版に通水用の多数の小孔あるいはスリットを
   設けてある実用新案登録請求の範囲第１項記載の透過式
   消波堤。