JPS5910057Y2 - 吹込口弁を有する袋 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、セメントなどを容れるための吹込口弁（ベ
ーツロ）を有する袋に関するものである。

織布または合或樹脂フイルムと、紙の２層からなる袋本
体を備え、この本体の口部および底部をミシン縫いによ
って閉塞した吹込口弁を有する袋がセメント用として考
えられているが、充填時にセメントは空気と共に吹込口
弁から袋内に吹き込まれるために、袋内から空気が外部
に抜けないと充填が困難である。

各種の試験の結果、織布、合或樹脂フイルムのような柔
軟な材料からなるシートは、腰が弱いために、セメント
の充填時に袋が膨んで内部に空気がこもってしまうとい
う問題がある。

これを解決するためには、紙層の数を多くするなどによ
り剛性を高めることが考えられるが、これは高価となり
、また柔軟な材料からなるシートと紙層の２層では剛性
が不足し、内容物充填後の積重ねなどにより内圧がかか
ると折り込まれた吹込口弁が飛び出してしまう恐れがあ
る。

この考案は、前述した事情に鑑みてなされたもので、袋
本体の口部および底部を補強紙で補強することにより、
ミシン縫い部を補強すると共に、セメントのような内容
物の充填時の袋内がらの空気抜きが良好にできるように
し、さらに吹込口弁の袋外への飛び出しを確実に防止で
きるようにした袋を安価に提供しようとするものである
。

以下この考案の一実施例につき図面を参照して説明する
。

第１図に示すようにクラフト紙などからなる剛性の大き
い紙１，２と、ポリエチレンなどの合或樹脂フイルム３
とを、それぞれコイル状に巻いたものから繰り出し、後
者の紙２に所定の間隔で順次接着剤を糊着機ａで塗布し
、前者の紙１をカツタｂで所定長さに切断し、前記紙２
に重ねプレスＣで加圧して貼りつける。

この場合に第２図に示すように紙１を切断した帯状の補
強紙４は一側縁部を残して後者の紙２の幅方向にずらし
て貼着するものとし、接着剤５は補強紙４の全面に塗布
することなく、縦縞状にすることができる。

前記のようにして補強紙４を貼り付けた紙２およびこの
紙２に重ね合せたフイルム３を第３図Ａのように鎖線ｃ
，ｃから折り曲げ、これらの両側総部を重ね合せてそれ
ぞれ貼り合せることにより第３図Ｂのようにチューブ状
にする。

次に同図裁漸線Ａから切り離すと共に、第３図に斜線を
施した部分Ｂを切除することにより、口部と底部の内面
に補強紙が貼着された紙２を内層とし、合或樹脂シ一ト
３を外層とするチューブが得られる。

このチューブは第４図，第５図に示すように両側部にま
ち部６ａ，６ｂを備え、口部及び底部の内面に周方向に
沿って前記まち部６ａ，６ｂの幅とほぼ等しい高さ寸法
で補強紙７ ａ ，７ ｂが貼着された筒状の袋本体８
となる。

この袋本体８は口部の一側に突起部９を備えており、こ
の部分を第４図の鎖線に示すように該突起基端コーナー
Ｐから袋本体８の側縁に延びる略４５゜の折曲線ｂに沿
い第６図に示すようにまち部６ａの谷線を中心として袋
本体８の幅方向中央側に前記まち部６ａ内に挾み込むよ
うに折り込み吹込口弁１４を形戒する。

次に第７図に示すように、袋本体８の口部及び底部にこ
れらの前後面に跨がる当て紙１０．１１を当て、これら
を糸１２．１３で袋本体８にミシン縫いすることにより
、口部及び底部を閉塞し、袋を得るものである。

以上説明したようにこの考案は、両側部にまち部を有し
かつ口部に吹込口弁を設けた袋本体を、内層紙と、合或
樹脂フイルムのような柔軟な材料からなる外層シートと
、内層紙の口部および底部内周面に周方向の実質的に全
長にわたって前記まち部の幅とほぼ等しい高さ寸法で貼
り付けた剛性の大きい紙製の補強紙とから構戊すると共
に、袋本体の口部および底部をミシン縫いで閉塞したも
のである。

従ってこの考案によれば、口部および底部に補強紙が貼
り付けられていることにより、ミシン縫い部が補強され
るばかりでなく、該内層紙と補強紙とによって袋に剛性
が与へられセメントなどの内容物が空気と共に吹込口弁
から袋内に吹き込まれても袋が膨らんでしまうことなく
ミシン縫部の内側合せ部が通気性のある紙のため良好に
空気が袋外に抜き出される。

さらに吹込口部に補強紙があることから内容物充填後の
積重ね時など荷扱い中に袋本体に荷重がかかつてもその
内圧により濫りに吹込口が飛出すこともない。

そして袋本体の全体を合或樹脂フイルムと２層以上の紙
とから構戒するのに比べ紙の材料が少なくてすむので安
価に提供できるなどの効果がある。

すなわち、この考案では、補強紙の高さ寸法をまち部の
幅とほぼ等しくしたので、これより寸法が短いと内容物
の充填時に口部が内圧で丸くふくらんでしまい袋本体内
の空気の排出を良好にできないのと異なり、充填時に口
部がふくらまないようにして袋本体の内圧を高め、迅速
に空気を袋外に抜き出すことができ、かつ寸法が長いと
補強紙を多く必要とするだけで充填時の口部のふくらみ
を防止する効果はあまり向上しないので、補強紙にむだ
ができるのを、前述の寸法にすることにより補強紙を必
要最低減にし、安価に提供できるようにしたものである
。

尚この考案は外層と内層とを前もって貼合せたクロスク
ラフト或いは部分的に接着剤により貼合せたものを随時
使用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し第１図は柔軟な材料と
紙との重ね合せ接着状態を説明するための概略的側面図
、第２図は同要部の平面図、第３図Ａは裁断状態を説明
するための一部の平面図、第３図Ｂは筒状体の裁断状態
の一部平面図、第４図は吹込口折り込み前の袋本体の正
面図、第５図は第４図のＶ一■線に沿う断面図、第６図
は吹込弁部の折り込み状態を示す説明図、第７図は完威
した袋の正面図、第８図は第７図Ｖｌｌｌ−Ｖｌｌｌ線
に沿う内容物を容れた状態の断面図である。 ２・・・・・・紙、３・・・・・・合或樹脂フイルム、
７ａ，７ｂ・・・・・・補強紙、８・・・・・・袋本体
、１０．１１・・・・・・当て紙、１２．１３・・・・
・・糸、１４・・・・・・吹込口弁。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 内層紙と合或樹脂フイルムのような柔軟な材料の外層シ
   ートとによって構或され且つ両側部にまち部を有する筒
   状体の口部上端一側部に一体に形威された吹込口弁形威
   用突出部を内側に折込んで吹込口弁とした袋本体を含み
   、該袋本体が前記筒状体口部および底部における前記内
   層紙内面に周方向の実質的に全長に亙って貼着された剛
   性の大きい補強紙を備え、該各補強紙が前記筒状体口部
   および底部の各端縁からの高さを前記まち部の幅とほぼ
   等しい寸法とされ、更に前記筒状体口部における前記補
   強紙が前記吹込口弁となる前記突出部の内面に及んで貼
   着されてなり、前記袋本体の口部および底部をミシン縫
   いで閉塞したことを特徴とする吹込口弁を有する袋。