JPS58991B2 - 印刷機のインキ・水量自動調整装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、オフセット印刷機において、インキ壺又は水
舟からローラ群を介して版胴に巻装される版の版面に塗
布されるインキ又は水量の自動調整装置に関するもので
ある。

一般的に上述印刷機は第１図に示した如く、版胴ａと、
ゴム胴すと、圧胴Ｃを具備する印刷部ｄと、上記版胴ａ
に巻装される図示しない版の版面に対するインキ供給部
ｅと、水供給部ｆとを夫々備えて成るもので、上記イン
キ及び水の両供給部ｅ、ｆは、インキ壺ｇ及び水舟りと
版胴３間に夫夫ローラ群ｉ、Ｊを配列して構成されてお
り、版面に対し夫々のローラ群ｉ、ｊを介して適正量の
インキ又は水を塗布することにより適正インキ濃度の印
刷を可能にするものであるから、印刷画像に応じた適正
インキ濃度の印刷を得られるべくインキ・水量調整装置
を具備してなるものである。

従来、上述インキ・水量調整装置としては各種構造のも
のが実施されているが、これらは何れも調整ローラ上の
焼方向へ複数個のブレードを夫々独立して調整自在なる
よう配設し、各ブレードをブロック別に調整することで
、調整ローラ全体としてのインキ又は水の付着量を調整
するよう構成したものである。

しかし、かゝる構成によると、調練ローラに対するイン
キ・水量の微調整を可能ならしめる為には、上記ブレー
ドの数を更に増加する必要があるから機構は複雑となる
と共に各ブロック別に調整用のモータが必要となるので
設備費並びにドライビングコストがアップするばかりで
なく、調整操作は煩雑となり、又特に各ブレードによる
調整ローラのインキ、水かき取りはローラの軸方向に対
して直角方向に行なうから、調整ローラに対してインキ
・水は横縞的に寸断して調整されることとなってどうし
てもローラの幅方向において調整むらを生じ易い難点が
あった。

そこで本発明は上述従来の難点に鑑みて検討の結果、単
一ブレードと単一モータとにより簡単かつ安価に製作で
きて、しかも調整ローラの幅方向にわたって均一に微調
整できることを目的としたインキ・水量自動調整装置を
得たものであって、その要旨とするところは、インキ壺
又は水舟と版胴間に配列されるローラ群の一個を調整ロ
ーラに設定し、該調整ローラに接触して同ローラからイ
ンキ又は水をかき取るブレードが、変速モータにより駆
動回転される二条ねじバーに沿って上記調整ローラの軸
方向へ往復移動し、その移動速度を任意に変化させるこ
とにより調整ローラからのインキ又は水のかき取り量を
調整自在なるよう上記ブレードを二条ねじバーに直接若
しくは間接的に螺合したことにある。

以下本発明をインキ量自動調整装置の一実施例に基いて
詳述すれば第２図に示したようにインキ供給部１は複数
個のローラ２ａ、２ｂ、２Ｃ。

２ｄ、２ｅ、２ｆ…を配列したローラ群２から形成され
ていて、インキ壺３と図示しない版胴との間において、
第３図に示したフレーム４，４に各ローラ２ａ、２ｂ…
は回転自在に夫々軸支してあって、インキ壺３に関与配
設したフォンテンローラ２ａから各ローラ２ｂ…へ順番
にインキを転移させて版面に塗布するようになっている
。

かくして、上記ローラ群２の中の一個のローラを調整ロ
ーラとするもので、図示例では２ｅを調整ローラとして
いるが、この外任意のローラを調整ローラとすることが
できる。

上記調整ローラ２ｅは第３図に示したように軸５により
フレーム４，４に他のローラ２ａ…と同様に支持されて
いて、印刷機の本機（図示せず）を始動することにより
本機駆動部と適宜動力伝達機構を介して駆動回転され、
これが前位のローラ２ｄからインキが転移されて、後位
のローラ２ｆに転移するようになっている。

インキ量の調整は、調整ローラ２ｅに接触配設されるブ
レード６により、ローラ２ｅ上に付着しているインキを
かき取ることによって行なうが、本発明による時は単一
ブレード６を調整ローラ ２ｅの軸方向（幅方向）へ往
復移動させて、当該ローラ２ｅ上に付着しているインキ
７を第４図に示したようにスパイラル状にかき取るよう
に構成されている。

即ち、上記フレーム４，４に軸受け８，８を介して二条
ねじバー９は変速モータ１０により回転自在に、かつ上
記調整ローラ２ｅと並行に支持してあり、この二条ねじ
バー９に沿って上記ブレード６は往復移動自在なるよう
に支持されている。

こゝで、上記ブレード６は二条ねじバー９に直接螺合す
るか、又は図示例のように、二条ねじバー９に螺合した
移動ブロック１１に支持して設けられるもので、何れの
場合も、二条ねじバー９を回転した時、これと共動しな
いように、フレーム４．４に二条ねじバー９と並行に架
設したガイド杆１２に摺動自在に嵌挿させである。

又二条ねじバー９の螺条９ａ、９ｂは、調整ローラ２ｅ
の幅よりも僅かに長く設けてあって、ブレード６は少な
くとも調整ローラ２ｅの幅だけ又はそれ以上移動できる
ようにしであると共に、２本の螺条９ａ、９ｂは第５図
に明示したように夫夫逆向きに刻設して夫々の端部で連
続させてあり、この螺条９ａ、９ｂにブレード６又は移
動ブロック１１から突設した突起１３を係嵌し、三条ね
じバー９を一方向へ回転することにより、移動ブロック
１０と共にブレード６は調整ローラ２ｅに接触した状態
でその幅方向へ往復移動するようになっている。

又、上記ブレード６は横断面略凹字形状にかつ比較的幅
狭く形成してあって、調整ローラ２ｅ上のインキ７を帯
状にかき取ると共に、かき取ったインキはインキ溜１４
に収容できるようにして、再びインキ壺３にうつしかえ
て使用できるようになっている。

更に上記変速モータ１０は、印刷物のインキ濃度を検知
するよう設けられた図示しない複数個のインキ濃度計に
接続させてあり、該濃度計によりインキ濃度を検知し、
予め設定されたインキ濃度と比較し、その濃淡に応じて
パルス等を変速モータ１０に送り、このパルス数によっ
て変速モータ１０は高速又は低速にと適宜速さに回転し
てブレード６の移動速度を変化させることによりインキ
７のかき取り量を調整するようになっている。

而して上記構成において、印刷機の本機を始動すること
によりインキ供給部１のローラ群２は夫夫駆動回転され
るので、インキはフォンテンローラ２ａから順番に各ロ
ーラ２ｂ、２ｃ…へと転移されて調整ローラ２ｅに付着
する。

こ５で、変速モータ１０は、予め印刷画像に合わせた適
正なインキ濃度に合わせて回転させると、二条ねじバー
９の回転により移動ブロック１１はブレード６を伴なっ
て調整ローラ２ｅ上を、その幅方向へ移動し、同ローラ
２ｅ上のインキ７を第４図に示したようにスパイラル状
にかき取る。

今、ブレード６が第３図に示す右端から図中矢印Ａで示
した左方向へ移動すると、インキ７のかき取り軌跡は第
４図に示すよう一条のスパイル状となり、ブレード６が
調整ローラ２ｅの左端まで移動すると、螺条９ａ、９ｂ
は端部で連続させであるのでブレード６の移動は図中矢
印Ｂで示した方向となり、このようにして往復移動され
る。

又、二条の螺条９ａ、９ｂは、相互に逆向きに設けであ
るので、ブレード６によるかき取り軌跡は上述とは逆向
きのスパイラル状となるからブレード６を一往復させる
と、上記かき取り軌跡は二条ねじバー９の第５図に示し
た螺条９ａ、９ｂと同様の形状となる。

然るに変速モータ１０の回転を早くすると、ブレード６
の移動速度は早くなるのでかき取られるインキ量は少な
くなり、これとは反対に変速モータ１０の回転を遅くす
るとブレード６の移動速度も遅くなるのでかき取るイン
キ量は多くなる。

従って、上述のようにインキ濃度計（図示せず）を設け
ておき、これに変速モーフ１０を接続させておくことに
より、予め設定された濃度と検知した濃度を比較して、
その濃・淡に応じた信号例えば電圧、パルスを変速モー
タ１０に与えて回転速度を変化させ、これによりブレー
ド６の移動速度を変化させるようにすることで調整ロー
ラ２ｅ上のインキかき取り量は調整されるから、当該調
整ローラ２ｅ上のインキ量は設定値に自動調整されて、
適正インキ濃度を版面に転移させることができる。

以上はインキ量調整について述べたが。

水量調整の場合も上述と同様である。

第６図は水量調整の場合を示したもので、こゝでは水フ
ォンテンローラを調整ローラ２ｅとしており、他は上述
実施と同様に構成されている。

尚第６図において１５は水舟を示している。

以上説明したように本発明に係る印刷機のインキ・水量
自動調整装置によれば、インキ又は水の調整ローラ２ｅ
にブレード６を接触させ、変速モーフ１０により駆動回
転される二条ねじパー９に沿って調整ローラ２ｅの幅方
向へ往復移動し、その移動速度を任意に変化させること
でインキ又は水のかき取り量を変えて調整ローラ２ｅ上
のインキ又は水量を調整するよう構成したものであるか
ら、単一変速モーフ１０と、単一ブレード６のみにより
極めて構造簡単に構成できて装置自体を安価に製作でき
るのみならずドライビングコストも低減できるものであ
り、又特にブレード６は調整ローラ２ｅの全幅にわたっ
て移動してインキ又は水量を調整すると共に、該ブレー
ド６は、回転する調整ローラ２ｅの幅方向へ移動してイ
ンキ又は水のかき取りをスパイラル状に行なうから、調
整ローラ２ｅ上のインキ又は水の層が幅方向に寸断され
ることはないので、幅方向に対して均一に調整すること
ができるものであり、更に変速モータ１０の回転速度を
変化させるだけでローラ全体のインキ又は水量をむらな
く均一に、かつ微調整できる等の利点がある。

又、ブレード６の移動手段としては一個の変速モータ１
０で形成することができるから、印刷物のインキ、水濃
度針に接続し、予め設定された濃度と検知濃度を比較し
て変速モータ１０の回転を任意に変化させ、インキ又は
水量を自動的に調整できるようにする構成においても簡
単かつ容易に実施できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はオフセット印刷機の概略図、第２図は本発明に
係る印刷機のインキ・水量自動調整装置のインキ調整に
ついて示した側面図、第３図は同装置を一部断面して示
した平面図、第４図は同装置において調整ローラ上のイ
ンキをブレードによりかき取った状態を示す調整ローラ
の平面図、第５図は同装置における二条ねじパーと移動
ブロック及びブレードを一部切欠して示した拡大平面図
、第６図は同装置の水調整について示した側面図である
。 ２……ロ一ラ群、２ｅ……調整ローラ、３……インキ壺
、６……ブレード、９……二条ねじバー、１０……変速
モータ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ インキ壺又は水舟と版胴間に配列されるローラ群の
   一個を調整ローラに設定し、該調整ローラに接触して同
   ローラからインキ又は水をかき取るブレードが、変速モ
   ータにより駆動回転される二条ねじバーに役って上記調
   整ローラの軸方向へ往復移動し、その移動速度を任意に
   変化させることにより調整ローラからのインキ又は水の
   かき取り量を調整してインキ又は水量を調整自在なるよ
   う上記ブレードを二条ねじバーに直接若しくは間接的に
   螺合してなることを特徴とする印刷機のインキ・水量自
   動調整装置。