JPS589749B2 - 樹脂射出成形用型装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、パンブゲートを有するホットランナ方式樹脂
成形金型に関する。

熱可塑性樹脂の射出成形法の一つとしてホットランナ方
式が知られている。

この方式は樹脂材料の歩留り向上、成形サイクルの速度
向上に適するので広く用いられている。

しかし粘度が低く流動し易い樹脂が用いられるので、い
わゆるハナクレ現象と称する成形品のゲート部に糸状の
樹脂が付着したりするので何等かの対策が必要となる。

また、ゲート部が凝固し易く、また樹脂材料中に混入し
た異物などによりゲート閉塞を生じたりするのでバルブ
ゲート方式が推奨されている。

第１図は一般に用いられているバルブゲートを有するホ
ントランナ方式樹脂成形金型の部分断面図である。

図において１は固定取付プレート・Ａ２はホットランナ
ブロック、３はキャビティプレートである。

１と２、２と３の間にはそれぞれ断熱プート４が挿入さ
れており、ボルト等で一体に締付けられて、射出成形機
の固定テーブル側に取付けられている。

ホットランナ５が設けられているホットランナブロック
２は図示されていない熱電線ヒータにより、使用樹脂の
溶融温度に加温制御されている。

断熱プレート４はホットランナブロック２からの熱の電
導による散逸を防止している。

ホットランナ５の下端にはゲート孔７を有するノズルプ
ッシュ６が固定されており、この孔７を介してキャビテ
イ部８への樹脂の射出が行なわれる。

ニ一ドルバルブ９の上端と取付プレート１間には押し下
げ用のばね１０が設けられており、射出圧力がホットラ
ンナ５に加えられていないときはバルブ９の先端の錘状
部がゲート孔７に密接し、ホットランナ５内には溶融さ
れた樹脂が充填されている。

ホットランナ５内の溶融樹脂に射出力が加えられると、
ニードルバルブ９の上側の径Ｄは、下部の径ｄよりも大
きいのでこの面積の差に原因する押上力が前記ばね１０
の押下力より大きくなったときにニ一ドルバルブ９は押
上げられる。

その結果ゲート孔７は開放されホットランナ５内の溶融
樹脂は、ゲート孔７を介してキャビティ８中へ射出され
る。

射出完了時にホットランナ５内の溶融樹脂圧は減圧され
、ニ一ドルバルブ９はばね１０により下方へ押されゲー
ト孔７は閉じられる。

以上説明したホットランナ５内の溶融樹脂圧を利用して
ニ一ドルバルブ９の開閉を行なう方式は金型構造がきわ
めて簡単であるという秀れた特徴をもっている。

しかし、下記のような新しい高度の要求を満すためには
不充分な点が多い。

■．適正射出力が低い場合でも、二一ドルバルブを開く
ためには、強力なばね圧力に打ちかつためにそれ以上の
過犬な溶融樹脂圧力を加える必要がある。

そのため、希望する適正射出力が得がたく、希望する製
品が得られにくいことが多い。

２．ニードルバルブの移動を円滑にするためには樹脂の
流動性を大きくしなければならない。

そのためホットランナの温度を高くする必要があり、高
温のために樹脂が変質する可能性がある，３，生産性を
向上させるために射出前に溶融樹脂を圧縮しておいて射
出時間を短縮したいという要請があるが、ホットランナ
中の樹脂圧で二一ドルバルブの開閉を制御する前記方式
ではこの要請を満足させることができない。

本発明の目的は前記従来装置において諸問題をすべて解
決し、高度な要請を十分に満すことができる樹脂射出成
形型装置を提供することにある。

前記目的を達成するために本発明による樹脂射出成形用
型装置は、樹脂射出成形用型装置において、ホットラン
ナブロック内で射出ゲートの中心軸に沿って移動可能に
設けられているニ−ドバルブと、前記二一ドバルブの先
端が前記ゲートに密着する閉位置に付勢する二一ドバル
ブの移動方向に垂直に摺動可能に支持され、ニードバル
ブの他端側の結合部材に係脱可能な斜面を有するスライ
ドブロックを摺動進退させる外部付勢手段とを含み、前
記外部付勢手段によりスライドブロックを進めたときに
前記斜面により二一ドルバルブを開位置にもたらし、退
出させたときに閉位置にもたらすように構成してある。

上記構成によれば、本発明の目的は完全に達成できる。

以下図面を参照して、本発明による型装置をさらに詳し
く説明する。

まず、基本的な構成を第２図および第３図を参照して説
明する。

第２図は二一ドルバルブ９が閉じている状態で示してあ
る。

固定側取付プレート１に摺動空間１１を設け、この空間
１１にスライドブロック１２を挿入する。

スライドブロク１２には、ニードルバルブ９の入る空孔
１３および斜面１４が設けられている。

ニードルバルブ９はホットランナ５内の溶融樹脂の射出
圧力により上下方向の変位をしないようにホットランナ
５に面する部分は同一断面形状としてある。

なお径はきわめて小であるので、先端の錘状部の形状に
よる影響は無視できる程度に小である。

ニードレバルブ９の上部に引上ピン１５が設けられてい
る。

このように金型装置を構成すると第２図の状態では、ば
ね１０により二一ドルバルブ９は、押し下げられてゲー
ト７は閉じられた状態にある。

第２図の状態ではスライドブロック１２は左方に位置し
引上ピン１５は自由な状態にある。

この状態でホットランナ５内の溶融樹脂の圧力を上げて
も二一ドルバルブ９は不動の状態を維持できる。

第３図は、スライドブロック１２を油圧シリンダなどの
外力により矢印方向へ摺動変位させた状態で示されてい
る。

引上ピン１５は、スライドブロック１２の斜面１４に沿
って上方へ変位し二一ドルバルブ９は引き上げられて、
ゲート孔７は開放され、キャビテイ部８への溶融樹脂の
充填が行なわれる。

次に本発明による構成を多数個取りの型装置に適用した
場合について説明する。

第４図は４個取りの型装置に適用した場合の断面図、第
５図はホットランナープレートと取付プレート、スライ
ドブロック部分の展開的斜視図である。

４本の二一ドルバルブ９に対応する斜面を有するスライ
ドブロック１２は一体に構成され、外部付勢装置である
唯一つの油圧シリンダ１６により進退させらヘ，４個の
二一ドルバルブの射出の制御を同時に可能たらしめるの
である。

以上説明したように本発明による装置では、ニドルバル
ブ９をホットランナ５内の溶融樹脂の温度、圧力条件と
は無関係にスライドブロック１２により機械的に自在に
上下させてゲート孔７の開閉を行なわせる構造とするこ
とにより、前述の欠点は解決される。

すなわち、ホットランナ５内の溶融樹脂の予圧による成
形速度の向上が可能となる。

また同時にホットランナ５内の溶融樹脂の温度、圧力な
どの諸条件を任意の最適値に制御することが容易になる
。

成形作業管理、成形品の品質の安定化にも寄与すること
ができる。

また、多数個取りの型装置にも好適に利用でき、本発明
の実用的効果はきわめて太きいということができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のバルブゲートを有するホットランナ方式
樹脂射出成形金型の固定側金型の部分断面図、第２図お
よび第３図は本発明による同上金型の実施例を示す部分
断面図であって、第２図はゲートを閉じた状態、第３図
は開いた状態で示してある。 第４図は本発明を４個取りの型装置に応用した場合の断
面図、第５図は第４図に示す実施例の取付プレート、ス
ライドブロック、ホットランナブロックの展開的斜視図
である。 １・・・・・・固定側取付プレート、２・・・・・・ホ
ットランナブロック、３・・・・・・固定側キャビテイ
プレート、４・・・・・・断熱プレート、５・・・・・
・ホットランナ、６・・・・・・ノベレフンシュ、７・
・・・・・ゲート（−）、８・・・・キャビテイ、９・
・・・・・ニードルバルブ、１０・・・・・・圧縮ばね
（ニードルバルブ付勢手段）、１１・・・・・・摺動空
間、１２・・・・・・スライドブツノク、１３・・・・
・・ニードルバルブ挿入子，１４・・・・・・斜面、１
５・・・・・・ニードルバルブ引上ピン、１６・・・・
・・油圧シリンダ（外部付勢手段）、１７・・・・・・
樹脂加圧注入子，１８・・・・・・キャビテイ、１９・
・・・・・イジエクタピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 樹脂射出成形用型装置において、ホットランナブロ
   ック内で射出ゲートの中心軸に沿って移動可能に設けら
   れている二一ドルバルブと、前記ニードルバルブの先端
   が前記ゲートに密着する閉位置に付勢するニードルバル
   ブ付勢手段と、前記ニードルバルブの移動方向に垂直に
   摺動可能に支持され、ニードルバルブの他端側の結合部
   材に係脱可能な斜面を有するスライドブロックと、前記
   スライドブロックを摺動進退させる外部付勢手段とを含
   み、前記外部付勢手段によりスライドブロックを進めた
   ときに前記斜面によりニ一ドルバルブを開位置にもたら
   し、退出させたときに閉位置にもたらすように構成した
   ことを特徴とする樹脂射出成形用型装置。