JPS589609Y2 - 充填層濾過器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、充填層濾過器、特にＴ＠流逆粒度濾過器の
改良に関するものである。

下向流逆粒度構成の濾過器は、第１図に、その縦断面図
で示すように、例えば鏡層が三層構成の場合、鏡層支持
板２上における最下段に比重が犬で粒径の小な濾材から
なる鏡層を、中段に中程度の比重で中粒径の濾材からな
る鏡層を、上段に比重が小で粗粒の濾材からなる鏡層を
積層し、被処理水を上方から下向きに流下濾過せしめる
方式であり、被処理水中の比較的大きな浮遊物、繊維状
汚濁物質等は上層の鏡層で、微細な浮遊物は中段または
下段の鏡層で捕捉され、鏡層の全層にわたって濾過機能
が発揮され、いわゆる全層濾過を可能とし、浮遊物含有
量の大きな原廃水を高速で濾過し、長時間の濾過作業を
可能とするもので、その採用が増加して来ている。

鏡層が浮遊物質で目詰りすると、濾過器内の圧力上昇が
起り捕捉されていた汚濁物質が流出するいわゆるブレー
クスルーの現象が起るので、適当な時間後、または鏡層
の上部と底部との差圧が増大したとき濾過を中断し、鏡
層の洗浄を行なう必要がある。

下向流の濾過器においては、一般的に逆洗操作即ち鏡層
下方から洗浄水を上方に流し、必要により圧縮空気を吹
上げて鏡層をほぐして後、鏡層の洗浄を行ない、洗浄水
を濾過器の上部から排出する操作を行なう。

逆洗操作は、鏡層内に捕捉された汚濁物質を洗浄水によ
り濾材から剥離し、濾過器外に排出するものであるが、
この逆洗操作においては、最初に鏡層上面までの原水を
原水槽に抜き出すことが一般的に行なわれ、この操作を
中段抜きと称している。

中段抜きを行なう理由は、そのまま逆洗を行なった場合
に比べて濾過器の上部フリーボード容量だげ逆洗排水量
が少なぐなることと、空気を吹上げて鏡層をほぐす場合
、同様にフリーボード高さ分だけ逆洗用送風機の吐出圧
力が低くて済み、濁質付着量の多い鏡層上面で気泡が大
気圧下に開放されるので汚濁物質の剥離に有効であるか
らである。

従来の中段抜き配管は、第１図に示すように４器壁から
配設し、上向きとした先端部にストレーナを取付け、逆
洗時に濾材が中段抜き配管から、流出することを防いで
いるが、濾過器の上部塔フッーボード４にある汚濁物質
により閉塞され、ストレーナの目詰りが多く、クリーニ
ングの頻度が多い欠点があり、ストレーナのメックを粗
くすれば、濾材が逆洗時に中段抜き配管中に入り込むの
で濾材の損失となる。

側方から取付けた配管の影響で塔内の液が偏流し、鏡層
に乱れが生じ、あるいはフリーボードに存在した高濃度
の被濾過液の汚濁物質が部分的に沈降するなどの問題が
ある。

次に、波層支持板２は、鏡層の濾材重量及び被処理水の
波層通過によって生ずる圧力損失を伴なう荷重の支持が
必要なため、その支持構造に特に考慮が必要とされてい
る。

さらに、逆洗用空気／逆洗用水配管１５を器壁を貫いて
取付け、ノズルから水、空気を噴出させているが、濾過
器の器底近くの中央部から、一様に放射状に噴出させる
ことは困難であり、均一に分散板を通して、鏡層を偏り
なく洗浄することができないため、器底に多数の散水ノ
ズルを備えた集合管と、多数の散気ノズルを備えた集合
管を設置する必要があり、このため複雑となる欠点があ
った。

この考案は、上述のそれぞれの欠点を解決した充填層濾
過器、特に下向流逆粒度構成の改良された内部構造を有
する濾過器を提示するものである。

この考案を図面に基いて説明すると、第２図は本考案に
よる改良された濾過器の内部構造を示す断面図であって
、濾過器本体１の器底中央から中段抜き配管７を立ち上
げ、その開口部を複合波層３の波層表面８から突出させ
、開口部にはストレーナ１０が取付けられている。

中段抜き配管を濾過器内の中央部に設けることにより、
第１図にみられるような従来の濾過器に比べ、大きな利
点を有する。

すなわち、フリーボード４内の汚濁原水をより多く抜き
出すことができ、これにより、逆洗水の使用量を少なく
することができる。

又、従来の濾過器では配管７が波層上部を横ぎっている
ために、逆洗、濾過等において偏流を起し易く。

そのため濾過も不充分かつ不均一になりがちであったが
、この欠点を兄事に解決したものである。

ストレーナ１０はウェッジワイヤタイプのもので、目開
きの異なるものを２種乳上部に目開きの大きいものを、
下部に目開きの小さいものを取付ける。

勿論、濾材構成によっては、粗目のストレーナ１種類の
みでもよく、また、目開きの異なるストレーナを上部か
ら大きい順に３種類以上取付けてもよい。

外筒管１１は、中段抜き配管７を内部して、二重管の列
前を形威し、両端を波層支持板２と濾過器器底に固着せ
しめて、管としての作用と共に、波層支持板を支承する
作用も兼ねている。

さらに、この外筒管の器底近くには、放射状に空気、水
の噴出口１２が４個程度切欠かれている。

同、濾過器が大きり１列筒管も大きい場合は噴出口を切
欠く代りに放射状に多数のノズルを取付けてもよい。

この外筒管１１には、濾過水／逆洗水配管１３および逆
洗空気配管１４が連結され、逆洗時には、逆洗用空気及
び逆洗水は二重管の中間部を通って噴出口から噴出する
。

なお、濾過器内の部分では、−の配管で濾過水／逆洗水
配管１３と逆洗空気配管１４を兼用してもよい。

また、濾過水／逆洗水配管１３にブランチ１６を取り、
該ブランチを濾過運転時の濾過水流出口とする。

すなわち、濾過器器底部に集水された濾過水は前記した
噴出口１２を通じて外筒管１１内に流入し、濾過水／逆
洗水配管１３から、前記ブランチ１：６を通って器のに
流出する。

なお、逆洗空気配管１４にも、同様にブランチ１６を設
けてもよい○ この考案に係る濾過器の内部構造は、上述のような構成
を有するので、濾過水は、濾過器器底中心部から抜かれ
、前記したような濾過器内での偏流、鏡層の乱れが生じ
たり、液中の汚濁物質が部分的に沈降するおそれがなく
、またストレーナ上部は目開きが大きいので、付着した
汚濁物質は逆洗時に濾材の流動により逆浄される利点が
ある。

波層支持板は、中心部に取付けた中段抜き配管および外
筒管で支承され構造が簡単でしかも波層重量が前述の二
重管で支えられ、特別な支持構造を要しない。

逆洗水および逆洗空気は、底部噴出口から放射状に噴出
し均一に分散するので、鏡層を一様に洗浄することがで
き、さらにこの考案にかかる濾過器の内部構造は構造が
従来のものに比べ簡単であり、経済的に設置できるなど
の利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来の下向流逆粒度構成の濾過器の断面図を
示し、第２図は、同じく本考案に係る改良された濾過器
の断面図を示す。 １・・・・・・濾過器本体、２・・・・・・波層支持板
、３・曲・複合波層、４・・・・・・フリーボード、５
・曲・濾過水出口／逆洗水入口管、６・・・・・・原廃
水流入口／逆洗水流出口、７・・・・・・中段抜き配管
、１０・・・・・・ストレーす、１１・・・・・・例筒
管、 擦過水／逆洗水配管、 １２・・・・・・噴出口、１３・・・・・１４・・・・
・・逆洗空気配管、 １５・・・・・・逆洗用空気／逆洗用水配管、１６・・
・・・・フ ランチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 充填層濾過器において、濾過器本体の器底中央から中段
   抜き配管７を立上げて鏡層表面上に突出せしめ、該突出
   部にストレーナ１０を取付け、および前記中段抜き配管
   を内包し両端を鏡層支持板２と濾過器本体の器底に固着
   し、かつ器底近くに複数の噴出口１２を設けたの筒管１
   １を取付け。 該勺筒管に濾過水／逆洗水配管１３と逆洗空気配管１４
   を連結したことを特徴とする充填層濾過器。