JPS589530Y2 - 逆流防止機構付塗布式容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は容器に関するものであり、特に注出口を有する
首部を備えた容器本体と、該首部の外周に螺合される外
枠、及び該注出口と連通可能な流出孔並びに塗布面を有
し該首部に沿って上下方向へ移動自在な中栓とから成り
、外枠を首部に螺合した状態では塗布面が該外枠によっ
て密封されるとともに容器本体の注出口が閉塞され、ま
た外枠を取りはずした状態では該注出口が開放されて内
容物が塗布面に達し得るようにした、主に化粧料用の塗
布式チューブ容器に関するものである。

この種の容器は、化粧料などを容器の塗布面に含浸させ
て被塗布面へ塗布することができるので、手を汚すこと
なく簡単に化粧を行うことができ、多忙な現代生活に適
したものとして最近開発されたものである。

ところでまた、最近のチューブ容器は、上記したタイプ
のものを含めて、合成樹脂などのフレキシブルな材質で
形成され、手などで押圧すると化粧料等が押し出され、
この手を離すと容器が原形に復元するようにしたものが
一般的であるが、この場合、手を離すと容器内部に負圧
が生じて一旦注出された化粧料などが再びチューブ内に
吸入されてしまうので、使用中はずつと手などで押圧し
ていなければならず不便であるという欠点があった。

また、この際、化粧料とともに外気も容器内へ吸入され
るので、内部の化粧料がこの吸入された外気によって酸
化したり腐敗、変質するおそれがあって衛生面での問題
を有しているのみならず、容器内部に外気が吸入される
と、押圧した際化粧料などがこの外気と混合して注出さ
れるので該化粧料が飛散するという現象が起ることがあ
った。

また更に、容器内部の化粧料などの残存量が少なくなる
とそれに反比例して空気の量が多くなるが、容器を押圧
した場合この空気が注出された後に内容物が注出される
ので、注出する化粧料の量を調節することが困難となり
、特に上記したタイプの容器においては化粧料などが塗
布面から直接顔などへ塗布されるので、この注出量の調
節ということは大きな問題となっていた。

本願考案は主として上述のような事情に鑑みなされたも
ので、その目的は容器内部に負圧が生じた場合に、一旦
注出された化粧料が再び容器内へ吸入されることがない
とともに、外気が容器内へ吸入されることを防止して衛
生上及び実用上の様々な問題点を解消した、逆流防止機
構付の塗布式容器を提供することにある。

以下、本願考案をチューブ容器に実施した場合の好適な
実施例を示す図面を参照して詳述する。

１は流動性を有する化粧料などが収容された略円筒状の
オレフィン系合成樹脂などの材質から成るフレキシブル
な容器本体であり、該本体の先端には首部２がこれと一
体的に形成されている。

この首部の外周面には肩部３が周設されて該首部を小径
の上方首部４と大径の下方首部５とに区分しており、該
上方首部の外周には係止用突条６が、また該下方首部に
は螺条７が、それぞれ周設されている。

８は上方首部４の頂部９よりもやや下方において該上方
首部の内側に形成された天板であって、この天板のほぼ
中央部に注出口１０が穿設されている。

そして、天板８の上方にはリブ１１が上方首部４の側壁
内面に沿って放射状に複数個設けられている。

上方首部４の外方には中栓１２が該首部に沿って上下方
向へ移動可能に嵌着されており、該中栓の下端部には上
方首部４の係止用突条６と係合可能な凸部１３が周設さ
れている。

また、中栓９の上面１４には複数の流出孔１５が形成さ
れており、更に該上面の外側には織布などから成る塗布
面１６が設けられている。

この塗布面１６は、好ましくは中栓９と同材質の合成樹
脂からインサート成型により該中栓と一体的に成形する
こととする。

そして、１７は上面１４のほぼ中央部から下方へ向かっ
て突出した円柱状の突起であり、首部の注出口１０と対
向しているとともに該注出口の径よりも太きな直径を有
するよう形成されている。

一方、上方首部４の天板８の上面には弾力性のある材質
で形成された弁シート１８が載置されており、上記中栓
１２の突起１７の下端面はこの弁シート１８を挾んで注
出孔１０と対向しているのである。

好ましくはこの弁シート１８はそのほぼ中央部が注出口
１０の上方に位置し、従って該注出口と対向する突起１
７ともそのほぼ中央部において当接可能となるようにす
ることである。

次に、首部２と中栓１２の間には弾性部材が挿入されて
該中栓を常時上方向へ付勢している。

この弾性部材としては種々のものが採用され得るが、こ
の実施例においては弾性を有するＯリング１９が該部材
であって首部２の肩部３と中栓９の下端面の間に挿入さ
れて該中栓を上方向へ付勢している。

そして２０は下面が開口した外枠であって、その内面下
方部には螺条２１が形成されており、これによって下方
首部５に螺合可能となっている。

また、外枠２０の上面からは内周壁２２が下方へ延長し
て周設され、その下端面は中栓１２の上端部２３と当接
して該中栓を下方へ押圧可能に形成されている。

上記した構成の塗布式チューブ容器にあっては、外枠２
０を首部２に螺合していくと、中栓１２は該外枠の内周
壁２２によって押圧され弾性Ｏリング１９を圧縮変形し
ながら該首部に沿って下方へと摺動する。

そして、外枠２０を完全に螺合した中栓１２の下方位置
では、第１図に示されているように、弁シート１８は該
中栓の突起１７によって天板８の上面へ強制的に当接さ
せられ、特に該弁シートの注出口１０の上方部分は該突
起の下端面と直接当接しており、これによって注出口１
０は完全に閉塞される。

また、この状態では、中栓１２の塗布面１６は外枠２０
によって外気から密封されており、更に中栓１２と首部
２の間は圧縮変形された弾性Ｏリング１９により密閉さ
れている。

従って、外枠２０を螺着した状態では、容器本体が閉塞
されて内部の化粧料などの漏洩が防止されるとともに、
塗布面１６が密封されて化粧料などがここで乾燥、固化
することがなく、また化粧料が中栓１２の外へ漏出する
こともない。

上記の状態から外枠２０を取りはずすために弛めていく
と、該外枠の内周壁２２によって押圧されていた中栓１
２がＯリング１９の弾性復元力によって上方へと摺動し
、該中栓の凸部１３が上方首部４の突条６と係合するこ
とによって静止する。

すると、弁シート１８を天板８へ強制的に当接させてい
た突起１７も上方へ移動するので、該弁シートは該天板
の上面で自由な状態となる（第２図参照）。

この状態から容器本体１を手などで押圧すると、弁シー
ト１８は注出口１０から押し出される化粧料などによっ
て上方へと押し上げられ、こうして該注出口が開放され
る。

そしてこの押し出された化粧料等は、第３図に矢印で示
すように、弁シート１８と天板８の間にできた空間から
該弁シートと上方首部４の側壁内面の間及び該弁シート
とリブ１１の間の空間を通って、中栓１２の上面１４に
形成された流出孔１５から塗布面１６へ達することがで
き、被塗布面への塗布が可能となる。

一方、上方へ押し上げられた弁シート１８は、中栓１２
の突起１７の下端面と当接することによりそれ以上の上
昇が制止され、以後容器本体１が押圧されて内部の化粧
料などが押し出され続けている間、第３図に示された位
置に保持される。

そして、前述のようにこの弁シート１８は弾力性のある
材質で形成されているので、容器本体１を強く押圧して
内圧が高まり、化粧料などの押出圧力が増大すると、第
４図に示されているように該弁シートの周縁部がこの押
し出された化粧料などによって上方へ湾曲するようにな
る。

すると該弁シートと上方首部４の側壁内面の間及び該弁
シートとリブ１１の間の空間が広がって流路が拡張され
、化粧料などの流量が増加するので、流出孔１５から塗
布面１６へ到達する量も増大する。

この逆に、容器本体１を押圧する力を弱めると、弁シー
ト１８は再び第３図に示された状態に戻り、化粧料など
の流量が減少するのである。

即ち、容器本体１を押圧する力を加減することによって
、塗布面１６へ押し出す化粧料の量を正確に調節するこ
とができるものである。

尚、弁シート１８をそのほぼ中央部が突起１７の下端面
と当接するように天板８及び注出口１０の上方に載置す
ることとすれば、該弁シートの上記した周縁部の湾曲に
伴う流路の拡張を全周に互って効率良く行うことができ
好ましい。

次に、容器本体１から手を離して押圧を中止すると、該
容器本体には原形に復元する作用が働き内部に負圧が生
じる。

この負圧によって注出口１０には逆流現象が発生するの
であるが、この時、弁シート１８は該負圧により突起１
７から離れて直ちに天板８上へ下降させられて該天板の
上面に当接するので、注出口１０はこの下降した弁シー
トによって閉塞される。

この状態は第５図に示されているが、このように容器本
体１の押圧を中止すると弁シート１８が直ちに下降して
注出口１０を閉塞するので、一旦注出された化粧料が容
器内へ逆流したりそれと共に外気が吸入されたりするこ
とが防止され、化粧料などの内容物の酸化、腐敗、変質
といった問題が解消される。

また、第５図に示された状態から再び容器本体１を押圧
すれば、弁シート１８が押し出された化粧料によって上
昇して注出口１０を開放し塗布可能な状態となるのであ
るが、この場合、容器内部には外気が吸入されていない
ので、化粧料が外気と混合して注出される際に起る飛散
現象が生じることもなく、更には容器を押圧すると始め
から化粧料が注出されてくるため注出量の加減を簡単に
行うことができるのである。

尚、使用後は外枠２０を下方首部５へ螺合するだけで、
前述のように塗布面１６が密封されるとともに注出口１
０が突起１７により弁シート１８を介して閉塞され、容
器を保管状態におくことができる。

そしてこの際、中栓１２と首部２の間に挿入された弾性
０１Ｊング１９が圧縮変形して該中栓と首部の間を密閉
するため気密性が一層高められるのであるが、弾性部材
としてＯリングを採用した場合には更に、中栓１２を上
下方向へ移動させるために複雑な突条や螺条を設ける必
要がなくなり、製作や組立が容易となってコストも少な
くてすむといった利点がある。

上述のように、本願考案では、注出口を有する首部を備
えた容器本体と、該首部の外周に螺合される外枠、及び
該注出口と連通可能な流出孔並びに塗布面を有し該首部
に沿って上下方向へ移動自在な中栓とから成る容器にお
いて、該中栓と該首部の間に該中栓を上方向へ常時付勢
する弾性部材を設けるとともに、該中栓には突起を形成
して該首部の該注出口に対向させ、該突起の下端と該注
出口との間に弾力性を有する弁シートを介挿し、−古註
外枠はその内壁が該中栓を下方へ押圧可能となっており
、該外枠を該首部に螺合すると該中栓が該弾性部材の弾
性に抗して下方へ移動して該突起が該弁シートを該注出
口に圧接させて該注出口を閉塞し、また該外枠を螺脱す
ると該中栓が該弾性部材により上方へ移動して該弁シー
トの該圧接が解除されて容器本体内部の内圧に応じて該
弁シートが該注出口と該突起の下端の間で上昇または下
降して該注出口を開放または閉塞可能としてなるので、
該外枠を取りはずした状態で容器本体を押圧すると該弁
シートが該突起の下端まで上昇して該注出口が開放し化
粧料などが該塗布面に達し得るとともに、押圧する力を
加減することにより該弁シートの弾力性によって流出量
を正確に調節することができ、また押圧を中止すると該
弁シートが容器内部の負圧により直ちに下降して該注出
口を閉塞するので一旦注出された化粧料などの逆流や外
気の吸入が防止され、前述した実用上及び衛生上の種々
の問題点が解消される。

尚、該弁シートが上昇した際にそのほぼ中央部が該突起
の下端と当接するように該弁シートを介挿することとす
れば、周縁部の湾曲による流路の変化が効率良く行われ
、化粧料などの流出量を調節するのに一層具合がよいも
のとなる。

更には、該中栓と首部の間に挿入される弾性部材をＯＩ
Ｊングとすれば、外枠螺合時に気密性がより高まるとと
もに、シンプルな構造ですむので製作や組立が簡単でコ
ストも減少させることができ、実用上非常に便利である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る逆流防止機構付塗布式
容器を外枠を螺合した状態で示す要部縦断面図、第２図
は該容器を外枠を取りはずした状態で示す縦断面図、第
３図及び第４図は該容器を押圧した状態を、また第５図
は押圧を中止した状態を、それぞれ示す一部縦断面図で
ある。 １・・・・・・容器本体、２・・・・・・首部、１０・
・・・・・注出口、１２・・・・・・中栓、１５・・・
・・・流出孔、１６・・・・・・塗布面、１７・・・・
・・突起、１８・・・・・・弁シート、１９・・・・・
・弾性Ｏリング、２０・・・・・・外枠。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）注出口を有する１首部を備えた容器本体と、該首
   部の外周に螺合される外枠、及び該注出口と連通可能な
   流出孔並びに塗布面を有し該首部に沿って上下方向へ移
   動自在な中栓とから戊る容器において、該中栓と該首部
   の間に該中栓を上方向へ常時付勢する弾性部材を設ける
   とともに、該中栓には突起を形成して該首部の該注出口
   に対向させ、該突起の下端と該注出口との間に弾力性を
   有する弁シートを介挿し、−古註外枠はその内壁が該中
   栓を下方へ押圧可能であり、該外枠を該首部に螺合した
   該中栓の下方位置では該突起が該弁シートを該注出口に
   圧接させて該注出口を閉塞し、また該外枠を螺脱した該
   中栓の上方位置では該弁シートの該圧接が解除されて容
   器本体、内部の内圧に応じて該弁シートが該注出口と該
   突起の下端の間で上昇または下降して該注出口を開放ま
   たは閉塞可能としてなることを特徴とする逆流防止機構
   付塗布式容器。
2. （２）前記弁シートを、該弁シートのほぼ中央部が前記
   突起の下端と当接可能に該突起の下端と前記注出口との
   間に介挿してなることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の逆流防止機構付塗布式容器。
3. （３）前記弾性部材が前記中栓と前記首部の間に挿入さ
   れたＯリングであることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項または第２項記載の逆流防止機構付塗付式
   容器。