JPS588958B2 - 電磁石用プランジャガイドの溶接方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電磁石用プランジャガイドの溶接方法に関する
。

コイルへの通電により可動鉄心すなわちプランジャを動
作して弁の開閉を行なう電磁弁においては、通常プラン
ジャを案内する管状のプランジャガイドが設けられてい
る。

そしてこのプランジャガイドを取り付ける方法として、
固定鉄心の円筒部外周にこのプランジャガイドの一端を
嵌合し、それらを互いに溶接する方法がある。

一方近年プランジャガイドの素材として磁性を有する析
出硬化ステンレス鋼（以下１７−７ＰＨステンレス鋼と
呼ぶ）が使用されるようになった。

ところでこの１７−７ＰＨステンレスはマルテンサイト
組織を有していて焼鈍するとオーステナイト組織に変態
（体心立方から面心立方に変態）して体積収縮を伴なう
性質を有する。

したがってこのような性質を有する１７−７ＰＨステン
レス鋼を用いたプランジャガイドに前述のような溶接式
固定方法を適用すると、プランジャガイドの溶接部およ
びその近傍は一度高温に加熱された後冷却されるため焼
鈍を受けたのと同じことになり部分的に体積収縮が生じ
る。

このためプランジャガイドの溶接部の歪をより一層増大
させることになり、耐久性が十分に得られない問題があ
った。

したがって本発明はこのような問題を解決し得るプラン
ジャガイドの溶接方法を提供することにある。

本発明によるプランジャガイドの溶接方法の特徴は、プ
ランジャガイドの溶接部およびその近傍を予めオーステ
ナイト組織に変態させておくことにある。

以下図面を参照して本発明の実施例について説明する。

図において１は電磁弁の本体又は電磁石のヨークであり
、２は本体又はヨーク１に取り付けられた円筒状の固定
鉄心である。

固定鉄心の端部には小径の嵌合部２ａおよび環状溝２ｂ
が形成されている。

この嵌合部２ａには１７−７ＰＨステンレス鋼製のプラ
ンジャガイド３の一端（左端）を嵌合し、その先端は環
状溝２ｂのほぼ中央で止める。

プランジャガイド３の他端にはストツパ４の嵌合部４ａ
を嵌合し、その先端も環状溝４ｂのほぼ中央で止める。

上記プランジャガイドは、固定鉄心への嵌合成はストツ
パの嵌合に先だって、端部の一定区間、例えば端面から
距離■，１′の区間だけ全周にわたって、焼鈍等によっ
て予めオーステナイト組織に変態させておく。

その後環状溝２ｂ，４ｂに沿って公知の方法でプランジ
ャガイドと固定鉄心およびストツパとを溶接する。

なお５はプランジャ、６はプランジャを手で押すプッシ
ュロツドである。

このように１７−７ＰＨステンレス鋼製プランジャガイ
ドの溶接部分およびその近傍を予めオーステナイト組織
にしておけば、溶接時にオーステナイト組織へ変態する
ことはなくなり、その変態に伴なう体積収縮による歪も
少なくすることができる。

しかも、耐久試１験の結果本発明の方法により溶接した
プランジャガイドは、オーステナイト組織化しないで溶
接したプランジャガイドよりも１０倍以上の耐久性を有
することが明らかとなった。

【図面の簡単な説明】

図は本発明によるプランジャガイドの溶接方法を説明す
る図である。 ２：固定鉄心、３：プランジャガイド、４：ストツパ、
５：プランジャ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 電磁石の固定鉄心又はヨークに析出硬化ステンレス
   鋼製プランジャガイドを溶接する方法において、該プラ
   ンジャガイドの溶接部分およびその近傍を予めオーステ
   ナイト組織にしておくことを特徴とした電磁石用プラン
   ジャガイドの溶接方法。