JPS58864B2 - 高濃度糖類等の品質改善法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、高濃度糖類系食品に係るものであって、高
濃度の糖類を含む食品及び高濃度の糖類系食品の物理性
を工業的に有利に改良するものである。

高濃度糖類たとえば水飴、液糖、異性化糖液、蜂蜜、ソ
ルビット、ソルビット、キジローズ液などは呈せ味剤で
あり、流動性に優れているから、それ自体食品としであ
るいは多種の食品への甘味料、固形分などとして広く、
しかも多量に利用されている。

しかしながら、高濃度糖類は易流動性のものであるとこ
ろから、残留性が悪く、また、高濃度糖類溶液は低温に
保存したとき、糖の再結晶を起すこともあり、その用途
は制限があるという欠点がある。

発明者は、長年に亘って、高濃度糖類及び賦形剤として
の有機糊料を研究し、高濃度糖類にこれと相溶性のある
しかもそれからなるゲル状として、保形性に優れた糊料
を使用すれば高濃度糖類の流動性を改良して、高濃度糖
類は難流動性を付与することができる。

またかかるものゝ水系物の低温での糖の再結晶性を改善
するために用途を拡げることができるし、更に従来には
見られない食感、又は組織を有せる食品ができると言う
知見を得て、この発明を完成した。

つぎに、この発明の詳細な説明する。

この発明にあって高濃度糖類の流動性を改善して、これ
に難流動性を与える物質として採用するものは、キサン
タンガムである。

キサンタンガムの添加量は、高濃度糖類の重量にたいし
て５％（重量、以下同じ）以下の量でよい。

この際、キサンタンガムは、高濃度糖類にたいして、極
めて高い相溶性を示す。

しかるに他の糊料、例えば、ローカストビンガム、グア
ールガムカラヤガム、カラギナン、などをもってキサン
タンガムに代える場合には、これらの物質は高濃度糖類
にたいして相溶性を示さない。

こゝに、高濃度糖類は、グリセリンを除いたものゝ総称
である。

この点がこの発明の特徴である。

キサンタンガムの添加量は、上記規定値内において高濃
度糖類の難流動度にたいする希望如何によって任意に決
められる。

高濃度糖類の流動性は、キサンタンガムの使用量が多け
れば吐く少なければ高くなる。

このように高濃度糖類に相溶性を有するキサンタンガム
を加えることにより低温に保存した場合、又は高濃度糖
類の空気に触れる部分の水分蒸発などにより糖の再結晶
が見られない。

これは、キサンタンガムの網目構造での被ふく、保水性
によるものである。

この発明に係る高濃度糖類系食品は、それ自体食品であ
り、また多種食品への添加物として有用である。

多種食品への添加態様としては、キャラノル類、飴類、
千ヨコレート類、セシュマロゼリー類、手ニーインガム
類、あめだき類、その他ねり状食品などその他多様のも
のに採用される。

◎溶状 キサンタンガムを添加したものは、高濃度糖類の全部に
ついて完全溶解し、ゲル状となり流動性は全くない。

ローカストビンガム、ファールガム、ｃＭｃを添加した
ものは高濃度糖類の全部について全熱溶解しない。

そのため流動性あり。上記実験は、各々の糖液９９．５
部（重量、以下同じ）にたいして試料０．５部を加え１
００℃１０分間攪拌した後、２０℃まで冷却し、これを
Ｂ型粘度計で粘度を測定及び溶状を観察した。

つぎに、この発明の実施の態様を説明する。

例 １．ソフトキャラメル 砂糖１６部、練乳３４部、水飴３８部、油脂６部、キサ
ンタンガム０．３部、水５部をなべに入れ、加熱攪拌溶
解し、水分８％まで煮詰香料を適量添加した後、冷却盤
に流し冷却し、整形する。

キサンタンガムを添加したものは、食感がソフトで保存
中の“泣き”（形くずれ）がみられなかったのに比べ、
無添加のものはソフトキャラメルが硬く、保存中に“泣
き”が見られた。

例 ２．ヌガー 水飴５００部、粉糖５０部、全脂粉乳５０部油脂２部、
膨張剤３部、水２５部、キサンタンガム１．８部を混合
機に入れ、加熱しながら泡立てる。

よく泡立った所でトＶ−に流しこみ冷却固化する。

キサンタンガムを添加したものは、食感がソフトで歯に
くっつくことがなく、また保存中の“泣き”が見られな
いのに比べ、無添加のものはソフト感に欠け、歯に耐着
する。

また保存中の“泣き”が見られた。

列 ３．ドロップ 砂糖６５部、水飴３５部、キサンタンガム０．１部を煮
詰釜に入れ、これを１０５℃で煮つめ、これにクエン酸
４部、香料、色素を適量加えて成形ロールを通し冷却す
る。

キサンタンガムを添加ものは、ドロップの割れが少なく
、吸湿性が少ないが、無添加のものは割れやすく混成性
が大であった。

例 ４．ソフト手ヨコレート スィート千ヨコレート１７部、全脂加糖煉乳５６部、水
飴１７部、ソルビット液５部、油脂５部、乳化剤１．３
部、キサンタンガム０．５部を精練機で６０°〜８０℃
で２４時間練り上げる。

キサンタンガムを添加したものは、流動性がなく、ゲル
状であるが無添加のものは流動性があるため衣服を汚し
たりした。

例 ６．壬ニーインガム ガムベース２８部をニーグーに入れ加熱溶融し、ガムベ
ースがなめらかになるまで混捏する。

これに、水飴２５部、ソルビット４部、液糖４部、粉糖
１７部、キサンタンガム０．２部を添加加熱混捏し、加
熱を中止して粉糖１８部、調湿剤２部、香料２部を加え
て混捏する。

これをローラーに通し冷却し切断する。

キサンタンガムを添加したものは壬ユーイング性に富み
折れもない。

しかし、無添加のものは硬く耐折性かない。

例 ７．棒状ゼリー 砂糖５０部、蜂蜜１０部、フル１フ１２０部、寒天７部
、キサンタンガム２部、煮アズキ１０部を２重釜に入れ
加熱攪拌溶解をする。

これを棒状の型に流しこみ、冷却しゼリー化させる。

キサンタンガムを添加したものは、保存中のシャリが出
すく、口どけがよいが無添加のものは保結果（１） 砂糖７０％、溶液９９６５部、糊料０．５部の場合在中
にシャリが出て、口どけがよくなかった。

例 ８．サツマイモのあめだき サツマイモをタンザク形に切り弱火でやく。

砂糖５０部、水飴４０部、異性化糖液１０部、キサンタ
ンガム０．４部を２重釜で加熱し溶解し、上記サツマイ
モをつけこみ金網ですくいあげ冷却する。

キサンタンガムを添加したものは金網ですくい上げた時
の糖液の切れがよく、また製品のベトっきがない。

しかし無添加のものは糖液の切れが悪いため、時間がか
ゝるし製品が早くベトついてしまった。

実施例９ ■糖液９９．５部、糊料０．５部を１００℃で１０分間
攪はん溶解したものを２０℃まで冷却。

■シャーレ（直径８５ｍｍ）に直径４０ｒｎｖｔ、高さ
２０ｍｍの円筒の金属製のわくを入れ、これに上記の糖
類、糊料高波を１５ｍ１入れ、ただちに金属製わくをと
りのぞき、状態テストを行った。

結果（３）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ キサンタンガムを５％以下量均質に添加してなる食
   品水飴、液糖、異性化糖液、蜂蜜、ソルビット、ソルビ
   ット又はキジローズ液。