JPS588326B2 - 着色木材およびその製造方法 - Google Patents

着色木材およびその製造方法

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JPS588326B2
JPS588326B2 JP53042827A JP4282778A JPS588326B2 JP S588326 B2 JPS588326 B2 JP S588326B2 JP 53042827 A JP53042827 A JP 53042827A JP 4282778 A JP4282778 A JP 4282778A JP S588326 B2 JPS588326 B2 JP S588326B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は木質材料を全体に白色化し、或いは任意の色彩
に着色化すると共に木質材料の伸縮を防止し、耐摩耗性
その他の諸物性を改善した着色木材およびその製造方法
に関するものである。
木質材料はそれ自身が有する木材色をなくして使用され
るようにするために、一般に、塗装その他の木材色を完
全に隠蔽する着色法が行われているが、木質材料の木目
等を生かした状態で任意の色彩に着色するのが困難であ
り、又、このような方法としては木材を漂白した上で着
色することが考えられるが、漂白時に木材の成分である
リグニンその他が除去されて木質材料の強度その他の物
性が低下する欠点がある。
本発明は、木質材料に合成樹脂液を注入硬化させること
によって木質材料を白色化或いは任意の色に着色でき、
しかも木質材料の物性を改善することを目的とするもの
である。
従来から、木質材料に合成樹脂液を注入硬化してその物
性を改善したものがW.P.C(woodplasti
cs composite)として知られているが、木
質材料に樹脂を注入して木材細胞を合成樹脂によって充
填する結果、木材細胞部分の断面形状が第4図の顕微鏡
写真に示されるように鏡面状となって木質材料が全体的
に透明性を帯び、その上に木材の色が加わって濃色とな
る傾向が生じ、又、透明性を帯びるために木材中の欠点
、シミ或いは基材等に貼着した場合における基材面の欠
点や変色等が透視できるといった難点がある。
このような透明感をなくするには、木質材料に着色合成
樹脂液を注入すればよいが、相当濃色の樹脂液を注入す
る必要があり、その結果、全体が暗色の外観を呈し、所
望の着色を得ることは困難である。
又、このようなW.P.Cは樹脂の硬化時に収縮が起る
ために、木質材料によっては割れ、反り、ねじれ等の変
形が生じることがあり、これを防止するには合成樹脂液
に可塑剤を添加して硬化樹脂に可塑性を与え、弾性率を
下げればよいが、可塑剤を添加した合成樹脂注入処理に
よって得られたW.P.Cは一般に耐候性が劣る欠点が
ある。
本発明はこのような諸欠点をなくするために、木質材料
に対する合成樹脂液の注入、硬化という処理は従来のW
.P.Cと略々同一であるが、木材内部での樹脂体の形
成を全く異にして任意の着色が可能となり且つ割れ、反
り等の発生が殆んと生じない着色木材およびその製造方
法を提供するものである。
即ち本発明は、木質材料に附加重合型合成樹脂液と熱可
塑性重合体とからなる混合樹脂液を注入後、該注入樹脂
液を硬化させて木質材料中に空隙部の混在する樹脂体を
形成することを特長とするものである。
木質材料に前記混合樹脂液を注入すると、木質材料中で
の樹脂体は顕微鏡写真第1〜3図に示すように、木材細
胞中において樹脂と空隙部が混在した状態を形成し、そ
の結果、光線は乱反射して樹脂注入量の多い春材部は著
しく白色化され、樹脂注入量の少ない秋材部は僅かに白
色化され、その結果、木目が浮き上って美しい白木調に
着色される。
本発明において附加重合型合成樹脂液を使用するのは、
附加重合型合成樹脂は縮合型合成樹脂に比べて木材に注
入硬化した場合、硬化レジンの収縮が小さいために割れ
や変形等の発生の危険が少なく、又、縮合水が生じない
ために低圧で硬化さすことが可能であり、低圧での硬化
でも硬度、耐摩耗性、吸水性等の諸物性が改善できるた
めである。
この附加重合型合成樹脂液は硬化後の性質により熱硬化
性と熱可塑性に大別でき、これらの樹脂の一 方或いは
両者を混合使用することができる。
例えば、熱可塑性樹脂体を作る場合には1分子中に1ヶ
のビニル基を有するモノマー、例えばオレフイン系炭化
水素、アクリル酸モノマー、酢酸ビニル、ビニルアルコ
ール系モノマー、ハロゲンオレフイン系炭化水素、含窒
素ビニルモノマー、含硫黄ビニルモノマーあるいはこれ
らの混合液、プタジエン等の共役二重結合を有するモノ
マーあるいはこれらと1分子中に1ヶのビニル基を有す
るモノマーの混合液、熱可塑性ポリウレタン樹脂液があ
り、熱硬化性樹脂体を作る場合にはジビニルベンゼン、
ジアリルフタレート等の1分子中に2ヶ以上のビニル基
を有するモノマーあるいはこれらモノマー又は不飽和ア
ルキツド樹脂液と1分子中に1ヶのビニル基を有するモ
ノマーの混合液、熱硬化性ポリウレタン樹脂液、エポキ
シ樹脂液といったものが使用される。
又、これらの樹脂の形態はポリマー、モノマー、オリゴ
マー、又はこれらの混合物であってもよい。
一方、本発明において、前述した附加重合型合成樹脂液
に混合する樹脂として熱可塑性重合体を使用するもので
あるが、これは、溶解、膨潤が容易であると共に附加重
合型合成樹脂液中で微粒子化されるために重合体である
にも拘らず木材細胞組織の空隙部に容易に注入すること
ができるためである。
使用される熱可塑性重合体としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン等の炭化水素系樹脂やポリ
塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、
ポリビニルエーテル等のビニル系樹脂、ポリアクリレー
ト等のアクリル系樹脂、さらにはポリアミド等の含窒素
系樹脂、ポリスルホン樹脂等の含硫黄樹脂、熱可塑性ポ
リエステル、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂
などがある。
この熱可塑性重合体は附加重合型合成樹脂液に重量比で
1〜98%、好ましくは1〜30%の割合で添加される
これは経済性、粘度等による作業性、吸水性その他の着
色木材の物性、白色化の程度からみて充分実用に耐える
ものが得られることによる。
又、本発明において熱可塑性重合体と附加重合型合成樹
脂液の混合樹脂液には次に述べる各種の添加剤のいくつ
かが添加されることがある。
有機過酸化物、無機過酸化物、アゾ化合物、アルカリ金
属、フリーデルクラフト触媒その他の硬化剤。
コバルト系、マンガン系、第3級アミン系、有機金属化
合物、バナジュウム、メルカブタン、ビナコン誘導体そ
の他の反応促進剤。
キノン類、ハイドロキノン類、ヒドラジン塩類、アミン
類、ニトロ化合物、第4級アンモニウム塩類、フェノー
ル類、アミジン類、オキシム類その他の反応抑制剤、反
応禁止剤。
アゾ系、アントラキノン系、インジゴ及びチオインジゴ
系、螢光染料その他の染料。
アニオン系、カチオン系、両性、非イオン系の界面活性
剤。
フタール酸エステルその他のエステル系、エポキシ、ポ
リエステル系等の可塑剤、或いは塩素化パラフィン等の
含塩素可塑剤或いはポリエチレングリコール、高級脂肪
酸等の滑剤。
リン酸エステルその他の難燃剤。
メチルアルコール、エチルアルコール、アセトン、トル
エン等の極性ないしは非極性溶剤。
これらの添加剤は附加重合型合成樹脂液と熱可塑性重合
体との混合樹脂液に添加してもよく、又、いずれか一方
に添加したのち混合樹脂液を得てもよい。
又、附加重合型合成樹脂及び熱可塑性重合体は、その各
々の樹脂の組合せにより共溶性の液状混合物が得られる
場合とそうでない場合とがあるが、硬化生成物が相溶性
てなく不混和なものであれば使用可能である。
次に、こうして得た混合樹脂液は合板、単板、挽板、パ
ーティクルボード、木質繊維板、紙等の木質繊維を主体
とする木質材料に注入されるが、該混合樹脂の注入に先
立って木質材料を予め着色或いは漂白しておいてもよい
木質材料に前記混合樹脂液を注入して硬化させると、木
質材料は白色ないしは灰色を呈するようになって従来の
W.P.Cと異なり透明性が低下するものであり、その
ために、木質材料を予め着色すると春材部が着色され易
いので濃色を呈するが、次いで混合樹脂液が注入硬化さ
れるとその春材部は秋材部に比べて樹脂液が注入され易
いので淡色化され、一方、秋材部は細胞膜が厚いために
樹脂液の注入量の少々い部分が僅かな着色であっても強
調されて白地の中に着色された杢目が浮き上った化粧を
得ることができる。
又、木質材料を予め、過酸化水素、塩素酸ナトリウム、
次亜塩素酸ナトリウム、蓚酸その他の薬剤で洗浄処理し
て漂白すると、木材表面が脱色され且つ混合樹脂液の注
入が一層容易になって著しく白色化した製品が得られる
と共にその製品にヤニの滲出等が発生することなく化粧
性の低下を防止できるものである。
なお、前記混合樹脂液に着色剤を添加した樹脂液を木質
材料に注入する方法も採用でき、この場合、予め木質材
料を着色したものとは異なり、全体が樹脂と同じように
着色されて樹脂の注入量の少ない秋材部は木質材料本来
の色を呈するようになる。
混合樹脂液を木質材料に注入するには、一般に減圧法、
加圧法、減圧加圧法などの方法で行われ、通常のW.P
.Cの製造において注入されるのと略々等しい量の樹脂
液が注入されるものであり、次いで注入された混合樹脂
液は重合される。
樹脂液の重合に際して、注入した混合樹脂液の種類によ
っては加熱或いは加圧処理する場合があり、又、紫外線
、電子線、γ線等が重合のために使用されることもある
が、一般には触媒を使用して加熱により重合させる方法
が最も経済的であり、実施が容易である。
このようにして木質材料に注入した混合樹脂液は硬化し
、木質材料中で附加重合型樹脂体と熱可塑性重合体は分
離し、各々が硬化に際して体積変化を起し、空隙の混在
する樹脂体が形成される。
そして木質材料を白色化するには附加重合型樹脂液はモ
ノマー主体よりプレポリマー、オリゴマーの方が硬化時
間を短縮させ、良好なものが得られるので好ましい。
この樹脂体の形成状態を示したのが第1〜3図の顕微鏡
写真であり、通常のW.P.Cにおいては第4図の顕微
鏡写真にみられるように木材細胞が完全に樹脂で充満さ
れるのに対し、本発明によれば前記第1〜3図に示すよ
うに木材細胞中において樹脂が未充満の状態となって樹
脂中に空隙が混在している樹脂体が形成されるものであ
る。
このような空隙の混在する樹脂体が形成される結果、樹
脂の界面において光線の反射や拡散が生じ、透明度が低
下して木質材料全体が白く見えるものと考えられる。
そして、混合樹脂液に界面活性剤、可塑剤、溶剤を添加
することにより、附加重合型合成樹脂液と熱可塑性重合
体とが互いに相溶し或いは均一に分散して樹脂体中の空
隙を均等化することができ、又、このような添加剤の種
類と量を調節することにより木質材料の白色度をコント
ロールすることも可能である。
次に、このようにして得られる合成樹脂注入木質材料は
、その注入樹脂液の硬化と同時に適宜の基材表面に容易
に接着することができる。
なんとなれば、通常のW.P.Cは樹脂液の硬化に際し
て収縮するために基材に同時に接着すると木質材料と樹
脂並びに基材の収縮等の差により応力が生じ、割れや反
り、ねじれ等が発生するが、本発明における合成樹脂注
入木質材料は樹脂が硬化によって樹脂体に空隙を形成し
、該樹脂の界面が部分的に不連続となっているために変
形が容易となって発生する応力を吸収でき、従って割れ
や反り、ねじれ等の発生が極めて小さくなって注入樹脂
液の硬化と同時に基材への接着ができるものである。
この場合、木質材料表面に附着した樹脂液の接着性を利
用できるために一般に接着剤は不要であるが、より大な
る接着力を要する場合には接着剤を併用してもよいこと
は勿論である。
以上のように本発明は、木質材料に附加重合型合成樹脂
液と熱可塑性重合体を主体とする混合樹脂液を注入した
のち、該注入樹脂液を硬化させて木質材料中に空隙部の
混在する樹脂体を形成するものであるから、従来の樹脂
注入による木質材料の透明感をなくして全体を白木調の
美麗な外観にすることができ、この白木調の木材をその
まゝ使用することができる一方、該木質材料を着色し或
いは注入する混合樹脂液を着色することによって所望の
色彩を有する着色木材を得ることができるものであり、
このような着色に際しても樹脂注入木質材料のベースは
白色であるので、極く僅かの着色でも鮮明に着色でき、
しかも色調等も任意に仕上げることができるものである
又、本発明によれば、木質材料を予め着色したのち混合
樹脂液を注入硬化させることによって木質材料の春材部
を白色化することもできるので、杢目部の着色が目立つ
ようになって従来から困難であった杢目等の部分の着色
が可能となるものである。
さらに、本発明は前記混合樹脂液を木質材料に注入硬化
させることによって木材細胞中に空隙部の混在する樹脂
体を形成させるために、従来のW.P.Cとその外観は
異なると同時に木質材の性質を改善することができ、附
加重合型合成樹脂に熱硬化性のものを採用した場合には
耐熱性、耐薬品性、耐水性、強度、耐摩耗性、硬度、寸
法安定性等の各種の物性が熱可塑性のものよりも優れた
木材を得ることができ、その上、熱可塑性重合体を配合
したことによって従来のW.P.Cに比べて割れ、反り
、ねじれ等の発生が極めて少ない製品を得ることができ
る。
又、前述したように、本発明によれば附加重合型合成樹
脂液と熱可塑性重合体を主体とする混合樹脂液の注入硬
化によって木質材料を白色化するものであるから、単板
や合板においてはその効果が容易に理解できるが、この
樹脂注入処理をパーティクルボードや木質繊維板に利用
すれば、真白の成型阪を得ることができ、特に針葉樹材
から得られた材料についてはそれが顕著に現われ、又、
フレークチップを用いたものはその木目が生かされて特
別の処理をせずとも化粧板として家具、建材その他の化
粧材に広く使用できる。
さらに、クラフト紙などに本発明を適用すれば、チタン
等を添加した隠蔽力のあるバリヤー紙、バツカー紙と同
様の隠蔽性を与えることができ、又、厚紙に適用すれば
白色の屈曲性のある紙では得られない性質を有する板状
物を得ることができる。
さらに本発明においては、適宜の塗料が塗布されること
により樹脂注入だけでは得られない他の性質を与えるこ
とができる。
例えば、熱可塑性重合体は耐溶剤性が劣るためにアミノ
アルキッド樹脂、ウレタン樹脂等を塗布して耐溶剤性を
改善できるものである。
さらに、顕微鏡写真から明らかなように、本発明による
硬化樹脂は空隙を生じているため、しみやほこりがつき
易い傾向があるがこれらの表面に塗膜を形成することに
より、上記しみやほこりがつき難くなると同時にこれら
の塗膜は孔内部に浸透し固化しているため強固に密着し
、劣化を生じることがない。
次に本発明の実施例と比較例を示す。
実施例1 1m厚のスプルース材のスライス柾目単板を乾燥後、1
0mmHgの減圧下で不飽和ポリエステル樹脂(アルキ
ツド:スチレン=60:40)100部にM.M.Aポ
リマー10部とBPO(ベンゾイルパーオキサイド)2
部を配合した混合樹脂液を8時間かけて注入したのち、
該樹脂液注入単板を接着剤塗布パーティクルボード上に
載置し、ホットプレスによって10kg/cm3の圧力
下で130℃にて30分間加熱、圧締して注入樹脂液を
硬化させた。
こうして得た樹脂注入処理単板は、全体的に不透明感を
有する白色の外観を呈しているが、木目に沿って白色度
合に若干のムラが生じた。
その単板中での樹脂体の状態は、第1図の顕微鏡写真に
示す通りである。
又、30cmスパンの矢高に対する反りの発生状況は1
mmであり、寒熱繰返し試験の結果、2〜3本の割れの
発生が認められた。
実施例2 実施例1と同一の単板に同一条件下でスチレンモノマー
100部、酢酸ビニルポリマー20部、BPO2部の混
合樹脂液を注入硬化させた。
こうして得た樹脂注入処理単板は、全体的に不透明で前
記実施例1と同様の外観を呈するが、白色度は若干低い
感じであった。
なお、その単板中での樹脂体の状態を第2図の顕微鏡写
真に示す。
又、30cmスパンの矢高に対する反りの発生状況は3
mmであり、寒熱繰返し試験の結果、2〜3本の割れの
発生が認められ、矢高は約5mmになった。
実施例3 実施例1と同様の単板に同一条件下で不飽和ポリエステ
ル(アルキツド:スチレン=60:40)にM.M.A
ポリマー10部、界面活性剤としてPEG(ポリエチレ
ングリコール)10部、B.P.O2部を配合した混合
樹脂液を注入硬化させた。
こうして得た樹脂注入処理単板は全体的に不透明で白色
度も実施例1より高く、且つ白色度にムラのない均質な
ものであった。
これは、樹脂中に界面活性剤を添加したので、実施例1
に比べて樹脂体が細かく細胞内に分散するためであると
考えられる。
なお、単板中での樹脂体の状態を第3図の顕微鏡写真に
示す。
又、反りの発生状況は零であり、寒熱繰返し試験の結果
、割れの発生も認められなかった。
比較例1. 実施例1と同様の単板に同一条件下で不飽和ポリエステ
ル(アルキツド:スチレン=60:40)にB.P.O
2部を配合した樹脂液を注入硬化させた。
得られた単板は透明感を有し、春目部は黄褐色を呈した
この単板中での樹脂体の状態を第4図の顕微鏡写真に示
す。
又、30cmスパン矢高に対する反りの発生状況は8m
mであり、寒熱繰返し試験の結果、無数の割れが発生し
、反りの増大と共にねじれが認められた。
比較例2. 実施例1と同様の単板に同一条件下でスチレンモノマー
100部、B.P.O2部を配合した樹脂液を注入硬化
させた。
得られた樹脂注入処理単板は部分的に透明感を有し、該
透明部分は硬度が高いが他の部分はスチレンが揮散して
いるために硬度の低いものであった。
又、反りの発生状況は30cmスパンの天高で10mm
であり、寒熱繰返し試験の結果、無数の割れが発生し、
反りの増大と共にねじれが認められた。
実施例4 1mm厚の米松柾目単板及びセン板目単板にM.M.A
モノマー100部、スチレンポリマー15部、BPO4
部、ダイヤレジンブルー(三菱化成製油溶性染料)0.
01部の割合で配合した混合樹脂液を10mmHgの減
圧下で8時間注入したのち、5Kg/cm2の圧力下で
140℃にて20分間加熱圧締し、硬化させた。
その結果、均一な淡青色に染色された不透明な米松単板
及び淡青白色に染色され且つ春目の導管部分がやゝ青味
の強い仕上りの不透明なセン単板が得られた。
比較例3. 実施例4と同様の単板に同一条件下でM.M.Aモノマ
ー100部、B.P.O4部、ダイヤレジンブルー0.
01部の樹脂液を注入し、硬化させた。
その結果、濃紺色の部分と淡青色ないしは淡黄色の部分
とがムラ状に現出した米松単板、及び濃紺色と淡青色な
いしは淡黄色が全体的にムラとなり部分的に硬度の低い
所が生じたセン単板が得られた。
このように前記実施例4においては、無染色では全体が
不透明な白色となるために着色樹脂液を使用することに
より全体が均一に着色できるが、比較例3.においては
、従来のW.P.Cと同様に透明化されるために、着色
した際に木材組織の粗密による注入の多少が着色のムラ
となって生じ、又透明化されることにより木材の色が加
算されて着色剤の色が透明度に左右されると考えられる
実施例5 1mm厚の米松スライス柾目単板を酸性染料(アシロン
ナフト−ルレツドG)4g/l、浸透剤(ネオコールS
W)3g/lの割合で添加した20℃の着色液中に15
時間浸漬して着色したのち水洗し、これを乾燥して着色
単板を得、次に該青色単板に不飽和ポリエステル30部
、スチレンモノマー70部、B.P.O4部、酢酸ビニ
ールポリマー10部、ブラウン系オイル染料0.03部
の配合の混合樹脂液を10mmHgの減圧下で2時間注
入し、さらに接着剤を塗布した合板上に載置し、ホット
プレスにより圧力10Kg/cm2温度140℃で20
分間加熱して硬化させることにより全体にピンクがかっ
た淡い茶色を呈し且つ冬目部が赤茶色の美麗な柾目模様
単板を得た。
このように樹脂注入前に単板を着色しておくことにより
着色が困難な冬目部に顕著な着色を施すことができる。
これは、春目部の方が実際には濃く着色されるのである
が、混合樹脂液も春目部に多く注入されて白色化される
ために混合樹脂液の注入が少ない冬目部に着色が顕著に
現われるのである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第3図は本発明の実施例における木質材料中
に注入、硬化した樹脂体の顕微鏡写真、第4図は従来の
W.P.Cにおける木材細胞部分の顕微鏡写真である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 木質材料に附加重合型合成樹脂液と熱可塑性重合体
    を主体とする混合樹脂液の注入、硬化による空隙の混在
    する樹脂体を形成してなることを特徴とする着色木材。 2 着色剤によって任意の色彩に着色したことを特徴と
    する特許請求の範囲第1項記載の着色木材。 3 着色木材を適宜の基材表面に一体的に接着したこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の着
    色木材。 4 木質材料に附加重合型合成樹脂液と熱可塑性重合体
    との混合樹脂液を注入した後、該注入樹脂液を硬化させ
    て木質材料中に空隙の混在する樹脂体を形成することを
    特徴とする着色木材の製造方法。 5 前記混合樹脂液に界面活性剤を添加していることを
    特徴とする特許請求の範囲第4項記載の着色木材の製造
    方法。 6 前記混合樹脂液に着色剤を添加していることを特徴
    とする特許請求の範囲第4項又は第5項記載の着色木材
    の製造方法。 7 前記附加重合型合成樹脂液が硬化した時、熱硬化性
    樹脂体を形成するものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第4〜6項のいずれか一つの項記載の着色木材の
    製造方法。 8 前記附加重合型合成樹脂液が硬化した時、熱可塑性
    樹脂体を形成するものであることを特徴とする特許請求
    の範囲第4〜6項のいずれか一つの項記載の着色木材の
    製造方法。 9 予め着色した木質材料を使用することを特徴とする
    特許請求の範囲第4〜8項のいずれか一つの項記載の着
    色木材の製造方法。 10 予め漂白した木質材料を使用することを特徴とす
    る特許請求の範囲第4〜8項のいずれか一つの項記載の
    着色木材の製造方法。 11 前記注入樹脂液の硬化と同時に基材に接着するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第4〜10項のいずれか
    一つの項記載の着色木材の製造方法。 12 木質材料中における空隙の混在した樹脂体を形成
    した後、木質材料表面を適宜の塗料で被膜を形成するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第4〜11項のいずれか
    一つの項記載の着色木材の製造方法。
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JPS4930507A (ja) * 1972-06-23 1974-03-19

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