JPS588154B2

JPS588154B2 - 超電導磁石装置

Info

Publication number: JPS588154B2
Application number: JP53145777A
Authority: JP
Inventors: 市川隼男; 諸星光喜; 松田正治; 渡辺朝紀
Original assignee: Tokyo Shibaura Electric Co Ltd
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1978-11-25
Filing date: 1978-11-25
Publication date: 1983-02-14
Also published as: JPS5572089A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は超電導磁石の常電導転移による焼損等を効果的
に防ぐようにした超電導磁石装置に関する。

超電導磁石は核融合プラズマ装置や磁気浮上列車の駆動
装置等に用いられ、多大な効果を発揮している。

この種の装置に用いる超電導磁石にあって、常電導転移
、即ちクエンチによる同磁石の破損は大きな事故を招く
もので、クエンチに対して即時、適切な処置を構じる必
要がある。

そこで従来では、例えば第１図に示すように超電導磁石
（超電導コイル）のクエンチを検出して電磁スイッチを
開成制御するようにしていた。

即ち、液体ヘリウムによって極低温に保冷された容器１
に収納された超電導コイル２を電磁スイッチ３を介して
直流電源４にて駆動するようにしている。

尚、５は超電導コイル２に並列接続され、クエンチ電流
（エネルギ）を吸収する保護抵抗である。

このような超電導コイル２に対してバランス抵抗６を並
列接続してブリッジ回路を形成している。

そしてこのブリッジ回路の出力をクエンチ検出回路７に
入力し、前記超電導コイル２のクエンチによるブリッジ
回路の不平衡による電位差から上記クエンチを検出して
いる。

この検出信号は検出器７にて増幅され、スイッチ制御回
路８に入力されて前記電磁スイッチ３の開成制御に供さ
れている。

ところがこのような従来の保護回路にあっては、クエン
チ検出器７の作動に別電源を要し、しかも微弱なブリッ
ジ出力を増幅して保護機能の制御に用いなければならな
かった。

つまり外部電源等を要する為に構成が複雑化し、また微
弱なブリッジ回路出力を検出している為に誤動作を招き
易すかった。

更にはクエンチ検出器７の増幅器自体、雑音等によって
誤動作する虞れが多分にあり、効果的な超電導コイル２
の保護を行えなかった。

特に高速走行中にある磁気浮上列車での上記誤動作は極
力避ける必要がある。

本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、そ
の目的とするところは、超電導コイルに代表される超電
導磁石のクエンチを適格に検出して、誤動作を招くこと
なく効果的な保護を行い得る超電導磁石を実現し、提供
することにある。

即ち、本発明は超電導磁石のクエンチを、そのクエンチ
によって放出されるエネルギ、例えばクエンチ電流を抽
出することによって検出し、上記エネルギの一部を用い
て例えばリレーを駆動することによって直接的に保護機
能を作用させ、上記リレー出力によって超電導コイル駆
動回路の機能を停止させると共に、クエンチエネルギを
速やかに回収して超電導磁石を破損（焼損）から保護し
ようとするものである。

以下、本発明装置の実施例を図面を参照して説明する。

第２図は第１の実施例を示す概略構成図で、図中１１ａ
，１１ｂ〜１１ｆは直列に接続された超電導コイルであ
る。

これらの超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆには熱式
電流スイッチ１２ａ，１２ｂ〜１２ｆと、クエンチエネ
ルギ吸収の為の保護抵抗１３ａ，１３ｂ〜１３ｆがそれ
ぞれ並列に接続されている。

これらの各素子は、例えば液体ヘリウムについて極低温
に保冷された極低温容器１４内に収納されている。

そして前記各超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆはそ
れぞれ極低温下において超電導化され、所定の機能を果
している。

一方、前記各超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆの各
中点出力はリード線を介して容器１４の外部に導出され
ている。

そして超電導コイル１１ａ，１１ｂからの出力はダイオ
ードブリッジ回路１５ａ１超電導コイル１１ｃ，１１ｄ
からの出力はダイオードブリッジ回路１５ｂ、超電導コ
イル１１ｅ，１１ｆからの出力はダイオードブリッジ回
路１５ｃにそれぞれ供給され、全波整流されている。

これらのダイオードブリッジ回路１５ａ，１５ｂ，１５
ｃの出力は共通に接続されており、リレー１６の駆動コ
イルにその出力を供給するようになっている。

このリレー１６は前記超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１
１ｆを駆動する図示しない駆動回路の作動を制御するも
のである。

しかしてこのように構成された装置によれば、超電導コ
イル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆが正常動作状態で運転され
ているとき、仮りに超電導コイル１１ｃにクエンチが生
じると次のようにして保護機能が働く。

クエンチ発生時に各永久電流スイッチ１２ａ，１２ｂ〜
１２ｆが閉成状態にある限り、各超電導コイル１１ａ，
１１ｂ〜１１ｆの両端には電圧が発生することはない。

ところが、超電導コイル１１ｃの中点と両端間にはそれ
ぞれクエンチェネルギによる電圧が発生する。

この電圧によってブリッジ回路１５ｂは導通し、この導
通によって超電導コイル１１ｃに発生したクエンチ電流
の一部が前記リレー１６を介して流れることになる。

このリレー１６の通電電流によってリレー１６の接点が
開閉制御され、例えば磁気浮上列車の保護回路が付勢さ
れる。

しかして列車に対する保護作用が働くと共に、また前記
永久電流スイッチ１２ａ，１２ｂ〜１２ｆの開成制御が
なされ、保護抵抗１３ａ，１３ｂ〜１３ｆによる超電導
コイル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆのエネルギ回収が行われ
る。

かくしてここに、受動素子からなるダイオードブリッジ
回路１５ｂを介して抽出された超電導コイル１１ｃのク
エンチエネルギを利用して装置の保護機能を作動させる
ことができる。

また前記各超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆは一般
的に数百キロジュールの電磁エネルギを有している為、
適切なリレー１６の設計を行えば同リレー１６を十分に
確実に動作させることができる。

一方、超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆが正常動作
しているにもかかわらず、永久電流スイッチ１２ｂ（１
２ａ〜１２ｆ）が誤動作によって開成することがある。

この場合でも超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１１ｆの機
能に重大な悪影響を及ぼす。

しかしながらこのような事態にあっては、開成した永久
電流スイッチに対応した超電導コイルの両端に同超電導
コイルのエネルギによって電圧が発生する。

この電圧は先に説明した場合と同様にリレー１６を作動
させる。

従って同様にして保護機能が作用し、適切な処置が構じ
られる。

以上、一つの超電導コイルにクエンチ等、異常事態が発
生した場合について述べたが、複数個の超電導コイルに
同時に異常事態が発生した場合でも同様に機能すること
は云うまでもない。

このように本装置は、ダイオードからなる受動素子を用
いて超電導コイル（磁石）のクエンチ等、その異常時に
おける超電導コイルのエネルギを有効に利用して保護機
能を直接的に作用させるようにしたものである。

従って増幅器を備えた検出器や、同検出器を作動させる
外部電源を必要とせず装置構成の大幅な簡略化をはかる
ことができる。

しかも、上記検出器、その増幅作用を必要としない為、
雑音等によって誤動作することがない。

従って磁気浮上列車に適用して走行の安全性を十分確保
することができる等、種々格別の絶大なる利点・効果を
発揮することができる。

また超電導コイルの蓄積エネルギを利用している為、異
常を生じた超電導コイルのエネルギ回収にも効果があり
異常に対する応答性が高い。

第３図及び第４図はそれぞれ本発明の他の実施例を示す
もので、同一部分には同一符号を付してある。

これらの各装置は、超電導コイル１１ａ，１１ｂ〜１１
ｆに対してそれぞれダイオードブリッジ回路１５ａ，１
５ｂ〜１５ｆを設けたもので、各超電導コイル１１ａ，
１１ｂ〜１１ｆの異常を格別に検出するようにしたもの
である。

このような構成であっても先の第１の実施例と同様な効
果を奏することは明らかである。

尚、第３図及び第４図に示すダイオード１７ａ，１７ｂ
〜１７ｆは各ダイオードブリッジ回路１５ａ，１５ｂ〜
１５ｆをアイソレートし、且つオア処理して検知出力、
即ちエネルギを共通に取り出すものである。

またここでは極低温容器１４は省略してある。

そしてこのような構成は特に超電導コイルを奇数個備え
た装置に効適である。

尚、本発明は上記各実施例に限定されるものではない。

例えば装置を構成する超電導磁石（コイル）の数やその
特性、また熱式永久電流スイッチや保護抵抗については
、装置の仕様に応じて定めればよい。

更にはエネルギの抽出手段も適宜定めればよく、ダイオ
ードブリッジによらなくてもよい。

またリレーを１駆動することなく、保護回路を直接的に
駆動するようにしてもよい。

要するに本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形
し、各種装置に幅広く用いることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来装置の一例を示す概略図、第２図は本発明
装置の一実施例を示す概略構成図、第３図及び第４図は
それぞれ本発明装置の他の実施例を示す概略構成図であ
る。１１ａ，１１ｂ〜１１ｆ・・・・・・超電導コイル（超
電導磁石）、１２ａ，１２ｂ〜１２ｆ・・・・・・熱式
永久電流スイッチ、’ｌ３ａ，１３ｂ〜１３ｆ・・・・
・・保護抵抗、１４・・・・・・極低温容器、１５ａ，
１５ｂ〜１１５ｆ・・・・・・ダイオードブリッジ回路
、１６・・・・・・リレー、１７ａ，１７ｂ〜ｉ７ｆ・
・・・・・ダイオード。

Claims

【特許請求の範囲】１超電導磁石と、この超電導磁石を駆動する駆動回路
と、前記超電導磁石の異常時に同超電導磁石から放出さ
れる電流エネルギの一部を抽出する手段と、この手段に
より抽出された電流エネルギにより駆動されて前記駆動
回路による前記超電導磁石の駆動を停止制御する手段と
、この手段により停止制御された前記超電導磁石の電流
エネルギを回収する手段とを具備したことを特徴とする
超電導磁石装置。２超電導磁石から放出される電流エネルギを抽出する
手段は、超電導磁石のクエンチ電流を整流して抽出する
受動素子からなるものである特許請求の範囲第１項記載
の超電導磁石装置。３駆動回路による超電導磁石の駆動を停止制御する手
段は、駆動回路の作動を停止制御するリレーからなり、
このリレーの駆動コイルに超電導磁石から抽出された電
流エネルギを通電して上記停止制御を実行するものであ
る特許請求の範囲第１項記載の超電導磁石装置。