JP3366860B2 - 原子力発電所安全保護装置 - Google Patents

原子力発電所安全保護装置

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JP3366860B2
JP3366860B2 JP15557698A JP15557698A JP3366860B2 JP 3366860 B2 JP3366860 B2 JP 3366860B2 JP 15557698 A JP15557698 A JP 15557698A JP 15557698 A JP15557698 A JP 15557698A JP 3366860 B2 JP3366860 B2 JP 3366860B2
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  • Safety Devices In Control Systems (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所安全保護
装置に係り、特に、電磁弁等を駆動して安全保護機器を
動作させる原子力発電所安全保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の原子力発電所安全保護装置は、リ
レーを用いて駆動回路を構成しているものである。しか
しながら、近年、信頼性や保守性のより一層の向上のた
めに、リレーをマイクロプロセッサに置き換えられつつ
ある。マイクロプロセッサを適用する場合には、その入
力信号が所定値になって、保護動作のための信号を出力
するまでの応答時間は、最大でマイクロプロセッサの演
算周期の約2倍にもなる。原子力発電所安全保護装置と
しては、所定期間内(例えば、50ms)で動作しなけ
ればならない。このため、マイクロプロセッサを適用す
る場合には、電磁弁を駆動するスイッチング回路に、半
導体素子を用いて、マイクロプロセッサの出力信号に対
して遅れ時間がないように動作させる必要がある。マイ
クロプロセッサを適用した原子力発電所安全保護装置の
一例としては、例えば、特開昭63−14035号公報
に記載の装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】半導体素子を用いたス
イッチング素子の信頼性は、10-6/時間程度であり、
1年は約104時間であるため、故障の発生確率は10
0年に1回というように低いものである。さらに、も
し、このスイッチング素子に故障が発生したとしても、
一般に開状態になってフェイルセーフ機能が働くように
回路は構成されており、安全保護は充分に機能する。
【0004】しかしながら、かかるスイッチング素子に
ついて詳細に検討した結果、次のような事態が発生する
可能性があることが判明した。即ち、安全保護機器を駆
動するために、電磁弁や電動機やポンプを駆動する時、
これらの電磁弁等には、通常時に交流電圧が印加されて
いる。そして、電磁弁等を駆動するスイッチング回路を
半導体素子を用いて構成すると、電磁弁等に断続状態,
例えば、片極の電流、即ち、正の半波電流若しくは負の
半波電流が流れるように、スイッチング回路が故障する
可能性があることが考えられる。電磁弁に片極の電流が
流れると、電磁弁は電流が流れない半周期でオフにな
り、片極の電流が流れる半周期でオンになる。この結
果、電磁弁は、スイッチング回路の故障時に、短時間
(例、20ms)でオン・オフを繰り返し、電磁弁を構
成する機械的可動部に不必要な機械的ストレスが加わる
可能性があることが考えられるということが、今回新た
に判明した。また、電動機やポンプについても、それら
の駆動がスムーズでなくなる。
【0005】本発明の目的は、電磁弁等に流れる交流電
流が断続状態になった場合にも、電磁弁等に対して悪影
響を与えることのない原子力発電所安全保護装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、交流電源により駆動される電磁弁と、こ
の交流電源と電磁弁との間に配置されたスイッチング回
路と、原子力プラントの状態を検出する複数のセンサ
と、これらのセンサからの検出値が所定値となったとき
に、上記スイッチング回路を開状態にするマイクロプロ
セッサとを有する原子力発電所安全保護装置において、
上記スイッチング回路は、半導体スイッチ素子によって
構成され、上記交流電源から上記電磁弁に流れる電流が
断続状態となったことを検出する状態検出手段を備え、
この状態検出手段からの信号に基づいて、上記スイッチ
ング回路を開状態となるようにしたものである。
【0007】また、上記目的を達成するために、本発明
は、交流電源により駆動される電磁弁と、この交流電源
と電磁弁との間に配置されたスイッチング回路と、原子
力プラントの状態を検出する複数のセンサと、これらの
センサからの検出値が所定値となったときに、上記スイ
ッチング回路を開状態にするマイクロプロセッサとを有
する原子力発電所安全保護装置において、上記スイッチ
ング回路は、半導体スイッチ素子によって構成され、上
記電磁弁のオン・オフを上記電磁弁に流れる電流に基づ
いて検出する状態検出手段を備え、この状態検出手段か
らの信号に基づいて、上記スイッチング回路を開状態と
なるようにしたものである。
【0008】また、上記目的を達成するために、本発明
は、交流電源により駆動される電磁弁と、この交流電源
と電磁弁との間に配置されたスイッチング回路と、原子
力プラントの状態を検出する複数のセンサと、これらの
センサからの検出値が所定値となったときに、上記スイ
ッチング回路を開状態にするマイクロプロセッサとを有
する原子力発電所安全保護装置において、上記スイッチ
ング回路は、半導体スイッチ素子によって構成され、上
記交流電源から上記電磁弁に流れる電流が片極の電流と
なったことを検出する状態検出手段を備え、この状態検
出手段からの信号に基づいて、上記スイッチング回路を
開状態となるようにしたものである。
【0009】また、上記目的を達成するために、本発明
は、交流電源により駆動される電磁弁と、この交流電源
と電磁弁との間に配置されたスイッチング回路と、原子
力プラントの状態を検出する複数のセンサと、これらの
センサからの検出値が所定値となったときに、上記スイ
ッチング回路を開状態にするマイクロプロセッサとを有
する原子力発電所安全保護装置において、上記スイッチ
ング回路は、半導体スイッチ素子によって構成され、上
記電磁弁の励磁コイルの両端電圧を検出し、この検出し
た両端電圧が断続状態であるか否かを判別する状態検出
手段を備え、この状態検出手段からの信号に基づいて、
上記スイッチング回路を開状態となるようにしたもので
ある。
【0010】上記原子力発電所安全保護装置において、
好ましくは、上記状態検出手段は、上記交流電源から上
記電磁弁に流れる電流を検出し、この検出した電流が所
定値を越えたことを判別する手段から構成するように
たものである。
【0011】上記原子力発電所安全保護装置において、
好ましくは、上記状態検出手段は、上記交流電源から上
記電磁弁に流れる電流を検出し、この検出した電流が半
波波形であるか否かを判別する手段から構成するように
したものである。
【0012】上記原子力発電所安全保護装置において、
好ましくは、上記スイッチング回路は、2つの半導体ス
イッチング素子により構成され、かつ上記状態検出手段
を2つ備えたものである。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明では、交流電源により駆動される電磁弁
と、この交流電源と電磁弁との間に配置されたスイッチ
ング回路と、原子力プラントの状態を検出する複数のセ
ンサと、これらのセンサからの検出値が所定値となった
ときに、上記スイッチング回路を開状態にするマイクロ
プロセッサとを有する原子力発電所安全保護装置におい
て、上記スイッチング回路は、半導体スイッチ素子によ
って構成され、上記交流電源から上記電磁弁に流れる電
流が断続状態となったことを検出する状態検出手段を備
え、この状態検出手段からの信号に基づいて、上記スイ
ッチング回路を開状態となるようにすることにより電磁
弁に流れる電流が断続状態となった場合でも、電磁弁に
悪影響を与えないようにし得るものとなる。
【0018】また、本発明では、交流電源により駆動さ
れる電磁弁と、この交流電源と電磁弁との間に配置され
たスイッチング回路と、原子力プラントの状態を検出す
る複数のセンサと、これらのセンサからの検出値が所定
値となったときに、上記スイッチング回路を開状態にす
るマイクロプロセッサとを有する原子力発電所安全保護
装置において、上記スイッチング回路は、半導体スイッ
チ素子によって構成され、上記電磁弁のオン・オフを上
記電磁弁に流れる電流に基づいて検出する状態検出手段
を備え、この状態検出手段からの信号に基づいて、上記
スイッチング回路を開状態となるようにすることによ
り、電磁弁に流れる電流がオン・オフする場合でも、電
磁弁に悪影響を与えないようにし得るものとなる。
【0019】また、本発明では、交流電源により駆動さ
れる電磁弁と、この交流電源と電磁弁との間に配置され
たスイッチング回路と、原子力プラントの状態を検出す
る複数のセンサと、れらのセンサからの検出値が所定
値となったときに、上記スイッチング回路を開状態にす
るマイクロプロセッサとを有する原子力発電所安全保護
装置において、上記スイッチング回路は、半導体スイッ
チ素子によって構成され、上記交流電源から上記電磁弁
に流れる電流が片極の電流となったことを検出する状態
検出手段を備え、この状態検出手段からの信号に基づい
て、上記スイッチング回路を開状態となるようにするこ
とにより、電磁弁に流れる電流が片極の電流となった場
合でも、電磁弁に悪影響を与えないようにし得るものと
なる。
【0020】また、本発明では、交流電源により駆動さ
れる電磁弁と、この交流電源と電磁弁との間に配置され
たスイッチング回路と、原子力プラントの状態を検出す
る複数のセンサと、これらのセンサからの検出値が所定
値となったときに、上記スイッチング回路を開状態にす
るマイクロプロセッサとを有する原子力発電所安全保護
装置において、上記スイッチング回路は、半導体スイッ
チ素子によって構成され、上記電磁弁の励磁コイルの両
端電圧を検出し、この検出した両端電圧が断続状態であ
るか否かを判別する状態検出手段を備え、この状態検出
手段からの信号に基づいて、上記スイッチング回路を開
状態となるようにすることにより、電磁弁の励磁コイル
の両端電圧が断続状態となった場合でも、電磁弁に悪影
響を与えないようにし得るものとなる
【0021】また、状態検出手段は、上記交流電源から
上記電磁弁に流れる電流を検出し、この検出した電流が
所定値を越えたことを判別する手段から構成することに
より、容易に電磁弁に流れる電流が断続状態等になった
ことを検出し得るものとなる。
【0022】また、状態検出手段は、上記交流電源から
上記電磁弁に流れる電流を検出し、この検出した電流が
半波波形であるか否かを判別する手段から構成すること
により、容易に電磁弁に流れる電流が断続状態等になっ
たことを検出し得るものとなる。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1,図2,図
3及び図4を用いて説明する。
【0029】図1は、本発明の一実施例による原子力発
電所安全保護装置の構成図である。
【0030】この原子力発電所安全保護装置は、一般に
多重化構成となっているが、理解を容易にするために、
図1では一系統のみを示している。多重化構成について
は、例えば、上述した従来例である特開昭63−140
35号公報等に記載されているとおりである。
【0031】原子力発電所安全保護装置は、センサS1
〜SNにより、プラントの状態を検出する。センサS1
Nの出力信号は、信号処理回路10に取り込まれる。
信号処理回路10は、マイクロプロセッサを用いて構成
されている。信号処理回路10は、センサS1〜SNから
の出力信号が所定値を越えたか否かを判定し、その結果
に基づき、電磁弁60を動作させるための信号を出力す
る。
【0032】信号処理回路10の出力は、通常は、論
理”1”である。この信号は、アンドゲート20の一方
の入力端子に入力する。アンドゲート20の他方の入力
端子には、通常は、論理”1”の信号が入力しているの
で、アンドゲート20の出力も、論理”1”となってい
る。アンドゲート20の出力は、駆動回路30に入力す
るが、アンドゲート20の出力が論理”1”の時には、
駆動回路30の出力も論理”1”となる。
【0033】駆動回路30の出力は、スイッチング回路
40に入力する。スイッチング回路40は、交流電源5
0と電磁弁60の間に接続されており、駆動回路30の
出力が論理”1”の時、即ち、信号処理回路10の出力
が論理”1”の時には、スイッチング回路40を閉状態
として、交流電源50からの電流を電磁弁60に通電し
ている。即ち、通常の状態では、電磁弁60には交流電
流が流れている。電磁弁60は、励磁コイル62及び弁
64から構成されている。従って、通常は、励磁コイル
62が交流電源から供給される交流電流によって励磁さ
れた状態となっている。
【0034】次に、安全保護動作状態について説明す
る。
【0035】センサS1〜SNからの出力信号の内、いづ
れかが所定値を越えると、信号処理回路10は、そのセ
ンサからの信号により、出力を論理”0”にするので、
アンドゲート20及び駆動回路30の出力も論理”0”
となり、スイッチング回路40は開状態となり、交流電
源50からの電流は、電磁弁60には、流れなくなる。
従って、電磁弁60の励磁コイル62の励磁が解除され
るため、弁64が動作することになる。
【0036】次に、フェイルセーフ機能について説明す
る。
【0037】例えば、信号処理回路10若しくは駆動回
路30等に異常が発生すると、それぞれの出力は、論
理”0”の状態となるので、スイッチング回路40は開
状態となり、交流電源50からの電流は、電磁弁60に
は、流れなくなる。従って、電磁弁60の励磁コイル6
2の励磁が解除されるため、弁64が動作することにな
る。
【0038】また、停電のときには、交流電源50の電
圧が0となるため、電磁弁60には、電流は流れなくな
る。従って、電磁弁60の励磁コイル62の励磁が解除
されるため、弁64が動作することになる。
【0039】次に、電磁弁60に流れる電流が片極とな
るように、スイッチング回路40に故障が発生する場合
について説明する。
【0040】スイッチング回路40は、図1に示したよ
うに、2個の半導体素子である電界効果形トランジスタ
FET1,FET2が直列に接続されて構成されてい
る。電界効果形トランジスタFET1のドレイン・ソー
ス間には保護ダイオードD1が接続されており、この電
界効果形トランジスタFET1は、正の半波の電流の開
閉用に使用される。また、電界効果形トランジスタFE
T2のドレイン・ソース間には保護ダイオードD2が接
続されている。保護ダイオードD2の極性は、保護ダイ
オードD1の極性と反対となっており、従って、電界効
果形トランジスタFET2は、負の半波の電流の開閉用
に使用される。
【0041】これらの電界効果形トランジスタFET
1,FET2のいづれか一方のみが開状態になるように
故障すると、電磁弁60を流れる電流は、片極の電流と
なる。この状態を検出するのが、状態検出回路100で
ある。
【0042】最初に、状態検出回路100の回路構成に
ついて説明する。状態検出回路100において、抵抗R
1とホトカプラ110の直列回路がスイッチング回路4
0に並列に接続されている。また、抵抗R2とホトカプ
ラ112の直列回路がスイッチング回路40に並列に接
続されている。ここで、ホトカプラ110の内部の発光
ダイオードの極性は、正の極性であり、正の電圧を検出
する。また、ホトカプラ112の内部の発光ダイオード
の極性は、負の極性であり、負の電圧を検出する。ホト
カプラ110,112の出力は、それぞれ、オアゲート
120に入力し、論理積を取って出力する。即ち、電磁
弁60を流れる電流は、片極の電流となると、ホトカプ
ラ110,112のいづれか一方から出力が出て、それ
が、オアゲート120の出力となる。
【0043】オアゲート120の出力信号は、状態信号
発生回路130に入力し、状態信号発生回路130の中
のワンショットマルチバイブレータ132によって波形
整形される。ワンショットマルチバイブレータ132の
出力パルスは、カウンタ134に入力し、計数される。
カウンタ134のクリア端子には、パルス発振回路13
6から一定周期のパルス信号が入力しており、このパル
ス信号がクリア信号となって、一定周期毎に、カウンタ
134の内容をクリアしている。カウンタ134の計数
値が、パルス発振回路136から一定周期のパルス信号
によってクリアされる前に、所定数に達すると、カウン
タ134から信号が出て、フリップフロップ138の出
力が論理”1”から論理”0”に変わる。
【0044】その結果、電磁弁60を流れる電流は、片
極の電流となると、アンドゲート20の一方の入力が、
論理”0”となるため、アンドゲート20の出力も論
理”0”となる。その結果、駆動回路30の出力も論
理”0”となるため、スイッチング回路40が開状態と
なる。
【0045】従って、電磁弁60の励磁コイル62の励
磁が解除され、弁64が動作して、安全保護動作状態と
なる。
【0046】なお、フリップフロップ138の出力は、
状態表示器150にも入力されているため、電磁弁60
を流れる電流は、片極の電流となると、フリップフロッ
プ138の出力が論理”1”から論理”0”に変わるこ
とによって、その状態の変化を表示できる。
【0047】また、リセットスイッチ160は、スイッ
チング回路40の修理交換後などに、フリップフロップ
138をリセットして、フリップフロップ138の出力
を論理”1”となるようにするのに用いられる。
【0048】図2は、図1に示す実施例の各部の波形図
である。図2の(a)〜(l)は、それぞれ、図1中に
符号(a)〜(l)にて示した部分の波形である。
【0049】図2を用いて、図1に示す実施例の各部の
動作について説明する。
【0050】図2(a)は、信号処理回路10の出力信
号を示している。信号処理回路10は、センサS1〜SN
の検出値が所定値に達しない時(通常状態)には、論理
“1”の信号の出力する。信号処理回路10の出力信号
は、アンドゲート20の一方の入力端子に入力する。ま
た、アンドゲート20の他方の入力端子には、状態検出
回路100のフリップフロップ138の出力信号が、入
力している。フリップフロップ(F/F)138は、リ
セットスイッチ160の初期操作により、図2(l)に
示すように、論理“1”の信号が、最初に出力されてい
る。
【0051】このため、ANDゲート2は、図2(b)
に示すように、論理“1”の信号を出力する。駆動回路
30も、同様に、図2(c)のように、論理“1”の信
号を出力する。従って、スイッチング回路40は、閉状
態となり、図2(d)に示すような交流電流が、励磁コ
イル62に流れている。ここでは、50Hzの交流電圧
であるため、交流電流の周期は、20msである。
【0052】ここで、時刻t1に、スイッチング回路4
0の電界効果形トランジスタFET1が開故障になった
とする。時刻t1までは、図2(d)に示すように、交
流電流が励磁コイル62に流れているが、電界効果形ト
ランジスタFET1が開故障することにより、負の半波
を有する片極の電流が流れるようになる。この時の電流
波形は、図2(d)に示すとおりであるが、半波電流の
ピーク値は、電界効果形トランジスタFET1の開故障
前より大きくなる。その理由は、片極の電流が遮断され
ることにより、電磁弁の機械的可動部が動作し、電磁弁
の磁気回路の磁気抵抗が変わることによって発生するた
めである。
【0053】この点について、図3を用いて説明する。
図3は、電磁弁60の印加電圧と励磁電流の関係を示し
ている。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、原子力発電所安全保護
装置において、電磁弁等に流れる交流電流が断続状態
なった場合にも、電磁弁等に対して悪影響を与えること
のないようにし得るものとなる。
【0055】また、電界効果形トランジスタFET1が
開故障して、負の半波を有する片極の電流が流れる結
果、スイッチング回路4の両端電圧は、図2(e)に示
すように、時刻t1以降で、正の半波を有する片極の電
圧が発生する。この正の半波を有する片極の電圧がホト
カプラ110に印加され、ホトカプラ110は、図2
(f)に示すパルス信号を出力する。一方、この片極の
電圧は、正の半波を有するため、ホトカプラ112の出
力は、図2(g)に示すように、論理“0”のままで変
化はない。
【0056】ホトカプラ110,112は、1次側と2
次側が光で絶縁されており、1次側のダイオードに所定
以上の電流が流れた時に、論理“1”を出力するもので
ある。つまり、ホトカプラ110,112は、スイッチ
ング回路4の両端電圧が零ではなく、所定の電圧以上に
なった時に、論理“1”の信号を出力する。なお、抵抗
R1,R2は電流制限用の抵抗であり、ここでは、20
kΩの抵抗を用いている。交流電源5が、50Hzの交
流電圧であるため、ホトカプラ110の出力信号は20
ms周期となり、出力信号のパルス幅は、約10msと
なる。なお、負の半波を有する片極の電圧が発生する
と、ホトカプラ112の出力が、論理”1”となる。
【0057】オアゲート120には、ホトカプラ110
とホトカプラ112の出力信号が入力しており、オアゲ
ート120の出力信号は、図2(h)に示すように、ホ
トカプラ110の出力信号と同じパルス信号が出力す
る。
【0058】このホトカプラ110の出力信号であるパ
ルス信号には、チャタリングが含まれている場合があ
り、チャタリングを含んだパルス信号が直接カウンタ1
34に入力すると、カウンタ134が誤作動して、誤っ
て信号を出力するすることになるので、その防止のため
に、ワンショットマルチバイブレータ(M/M)132
が設けられている。
【0059】ホトカプラ110,112の1次側に印加
される電圧の周期は、20msと比較的ゆっくりした周
期であるため、ホトカプラ110,112の出力である
パルス信号は立上がり時に、図4(a)に示すようなチ
ャタリングが含んで可能性がある。しかしながら、この
ようなチャタリングを含んでいたとしても、このパルス
信号によって、ワンショットマルチバイブレータ(M/
M)132は、図4(b)に示すようなパルス幅が1m
sと一定のパルス幅の信号を出力する。
【0060】従って、ホトカプラ110の出力パルス信
号の先頭にチャタリングが含まれていたとしても、ワン
ショットマルチバイブレータ(M/M)132からは、
波形整形された1個のパルスが出力するだけとなる。ワ
ンショットマルチバイブレータ(M/M)132から出
力するパルスの幅は1msとなるようにしておけば、十
分にチャタリングを吸収できる。この結果、ワンショッ
トマルチバイブレータ(M/M)132の出力信号は、
図2(i)に示すように、20ms周期で、パルス幅1
msのパルス信号となる。
【0061】ワンショットマルチバイブレータ(M/
M)132の出力パルス信号は、カウンタ134の入力
端子に入力し、計数される。一方では、発振回路136
は、所定周期のパルス信号を出力するが、これはカウン
タ134のクリア入力端子に印加される。ワンショット
マルチバイブレータ(M/M)132の出力信号は、電
界効果形トランジスタFET1が開故障した時には、2
0ms周期のパルスであり、電界効果形トランジスタF
ET1が正常な時には、パルスは出力されない。従っ
て、発振回路136の出力信号であるパルスの周期を、
20msよりも長い周期に予め定めておくことにより、
カウンタ134は、発振回路136の出力信号であるパ
ルスが入力される前に、カウンタ出力として論理“1”
の信号を出力することができる。
【0062】この例では、発振回路136の出力信号で
あるパルスの周期は、図2(j)に示すように、45m
sとし、カウンタ134は、カウント入力であるワンシ
ョットマルチバイブレータ(M/M)132の出力信号
であるパルスを2個カウントした時に、論理“1”の信
号を出力するようにしている。
【0063】従って、カウンタ134の出力信号は、図
2(k)に示すように、時刻t2に、論理“1”にな
る。この結果、フリップフロップ138の出力は、時刻
2以降は、論理“0”になり、この出力は、アンドゲ
ート20に入力されるため、駆動回路30の出力信号も
論理“0”になる。
【0064】従って、時刻t2以降では、励磁コイル6
2の電流は、図2(d)に示すように、零となり、スイ
ッチング回路40の両端電圧は、図2(e)に示すよう
に、交流電圧となる。つまり、励磁コイル62が励磁さ
れたり、励磁解除になったりする期間(時刻t1から時
刻t2の期間)は、わずか約40msと短かいため、電
磁弁60がオン・オフを繰り返し続けて、電磁弁自体に
機械的ストレスが発生するということはない。
【0065】電磁弁60は、1分間程度の期間に亘って
オン・オフを20ms周期で繰り返えすと、機械的スト
レスをかなり受けることになる。つまり、励磁コイル6
1の電流が片極になったことを検出して、スイッチング
回路40を開状態にする機能がなければ、電磁弁は機械
的ストレスを受けてしまうが、本発明により、この問題
を解決できるわけである。
【0066】なお、フリップフロップ138の出力は、
時刻t2以降は、論理“0”になり、この出力は、状態
表示器150によって、電界効果形トランジスタFET
1又はFET2が開故障になったことが表示される。従
って、電界効果形トランジスタFET1又はFET2の
開故障を容易に識別できるため、メインテナンスも容易
となる。
【0067】上記実施例では、カウンタ134は、ワン
ショットマルチバイブレータ(M/M)132からのパ
ルスを2個カウントした時に、論理“1”の信号を出力
して、スイッチング回路40を動作ならしめるようにし
ているが、これは、電界効果形トランジスタFET1,
FET2が、電気的なノズル等により非常に短かい期間
だけ開状態となっただけでは、スイッチング回路40全
体を開状態にしないためである。つまり、電界効果形ト
ランジスタFET1,FET2が短期間で一時的に開状
態になっても、電磁弁60がオン・オフを繰り返すこと
はなく、機械的ストレスを受けることはないため、不必
要にスイッチング回路40を開状態にして電磁弁60を
動作させることのないようにしている。
【0068】また、一方では、カウンタ134で計数す
るパルス数を多くすると、それだけ、電磁弁60が開閉
を繰り返すことになり、不要な機械的ストレスを与える
ことになる。従来のように、スイッチング回路の代わり
にリレーを用いる場合でも、リレーの動作時に、電磁弁
が数回開閉することは発生しておいり、数回程度の開閉
では異常が発生しないものであるため、カウンタ134
で計数するパルス数は数回程度までが、好ましい。
【0069】なお、ここでは、2回としているため、電
界効果形トランジスタの発生する不要な電気的なノイズ
で誤作動することもなく、また、不要に多数回の開閉を
電磁弁に生じさせることなく、スイッチング回路40の
故障時に速やかにスイッチング回路40を開状態にする
ことができる。
【0070】また、以上の例では、電界効果形トランジ
スタFET1が開状態に故障した場合を説明したが、電
界効果形トランジスタFET2が開状態に故障した場合
には、ホトカプラ112からの出力パルスを、オアゲー
ト120、ワンショットマルチバイブレータ(M/M)
132を介して、カウンタ134で計数することで同様
な動作を行わせることができる。
【0071】なお、以上の説明では、電磁弁を交流電圧
で駆動する場合について説明したが、被駆動体として
は、電磁弁に限らず、電動機やポンプに対しても適用で
き、スイッチング回路の故障時の電動機等のスムーズで
ない回転を避けることができる。
【0072】本実施例によれば、電磁弁等に流れる交流
電流が片極の電流のみになった場合にも、電磁弁等に対
して悪影響を与えることのないようにし得るものとな
る。
【0073】また、スイッチング回路の故障をスイッチ
ング回路の両端電圧から検出するようにしたため、ホト
カプラを2個用いることにより、簡単な回路で検出が可
能となる。
【0074】また、信号処理回路の出力信号をアンドゲ
ートの一方の入力端子に入力し、他方の入力端子に状態
検出回路からの制御信号を入力するようにしたため、信
号処理回路の動作状態に拘らず、スイッチング回路を開
状態にすることができる。
【0075】また、カウンタでパルス数を計数するが、
この回数を2回としているため、ノイズ等で誤動作する
ことなく、しかも、片極の電流となった時は、速やかに
スイッチング回路を開状態にできる。
【0076】次に、図5,図6及び図7を用いて、本発
明の第2の実施例について説明する。
【0077】図5は、本発明の第2の実施例による原子
力発電所安全保護装置の構成図である。図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0078】図1と異なる点は、状態検出回路100の
出力でスイッチング回路40を開動作させる機能を、マ
イクロプロセッサで構成している信号処理回路10にも
たせていることである。これは、図1におけるアンドゲ
ート20を不要にし、この機能をマイクロプロセッサの
ソフトウェア処理で実現することにより、ハードウェア
量を削減できるものである。
【0079】また、状態表示器152を信号処理回路1
0の出力信号によって、動作させるようにしている。
【0080】図6は、本発明の第2の実施例による信号
処理回路1の処理フロー図を示している。
【0081】ここに示す処理フローは、周期的に実行さ
れる。まず、ステップ180にて、入力信号の取込みを
行なう。次に、ステップ182において、入力信号のう
ち、センサSI〜SNからの出力信号が、規定値を越えた
か否かを判定し、YESであればステップ188に移
り、NOであればステップ184に移る。ステップ18
2において、規定値を越えている信号が1個でもあれ
ば、ステップ188に移るが、その条件はプラントの安
全保護の観点からあらかじめ定められている条件とす
る。
【0082】ステップ184では、入力信号のうち状態
検出回路100からの出力信号が論理“0”であるか否
かを判定し、YESであればステップ188に移り、N
Oであればステップ186に移る。ステップ186で
は、論理“1”の信号を出力する。ステップ188では
論理“0”の信号を出力する。つまり、ステップ186
では、プラントの安全保護動作や電磁弁の機械的ストレ
ス回避動作は必要ではなく、ステップ188でプラント
の安全保護動作や電磁弁の機械的ストレス回避がなされ
ることになる。
【0083】図7は、図5に対する各部の動作波形を示
した図であり、図7(a)〜(k)は、図5中の(a)
〜(k)の各部の信号波形である。
【0084】図2と異なる点は、信号処理回路10から
電磁弁の機械的ストレス回避のための信号を出力するこ
とである。図6(k)に示すように、時刻t2で状態検
出回路100のフリップフロップ138の出力信号が論
理“0”になると、この信号に基づき、図6の処理に従
って、図6(a)に示すように、信号処理回路10から
論理“0”の信号を出力する。これによって、電界効果
形トランジスタFET1が開状態となって、電磁弁60
に片極の電流が流れても、これを検出してスイッチング
回路40を開状態にするために、電磁弁60がオン・オ
フを繰り返し続けることはなく、電磁弁60の機械的ス
トレスを回避できる。
【0085】本実施例によれば、電磁弁等に流れる交流
電流が片極の電流のみになった場合にも、電磁弁等に対
して悪影響を与えることのないようにし得るものとな
る。
【0086】また、スイッチング回路の故障をスイッチ
ング回路の両端電圧から検出するようにしたため、ホト
カプラを2個用いることにより、簡単な回路で検出が可
能となる。
【0087】また、状態検出回路からの信号を信号処理
回路に取り込むようにしたため、アンドゲートを不要に
でき、ハードウエアが簡単になるとともに、信号処理回
路の出力で状態表示器を駆動できるため、フリップフロ
ップの論理が”0”の状態でも表示器の駆動を容易にで
きる。
【0088】また、カウンタでパルス数を計数するが、
この回数を2回としているため、ノイズ等で誤動作する
ことなく、しかも、片極の電流となった時は、速やかに
スイッチング回路を開状態にできる。
【0089】次に、図8及び図9を用いて、本発明の第
3の実施例について説明する。
【0090】図8は、本発明の第3の実施例による原子
力発電所安全保護装置の構成図である。図1と同一符号
は、同一部分を示している。
【0091】この実施例は、電磁弁60の励磁コイル6
2に流れる電流を検出し、この結果に基づて電磁弁60
の保護を実現するものである。
【0092】電磁弁60の励磁コイル62に流れる電流
は、状態検出回路200の抵抗210により検出され、
増幅器212に入力する。増幅器212で増幅された出
力は、比較器214,216に入力する。各比較器21
4,216には、あらかじめ定めた電圧を出力する基準
電圧源218,220が接続されている。基準電圧源2
18,220の極性は互いに逆極性であり、比較器21
4は、正の半波の検出用であり、比較器216は、負の
半波の検出用である。比較器216の出力は、ノットゲ
ート222を介してオアゲート224に入力し、比較器
214の出力はそのままオアゲート224に入力する。
オアゲート224の出力は、状態検出回路130に入力
する。状態検出回路130の回路構成は、図1と同一で
ある。
【0093】次に、図9を用いて、図8の実施例の動作
について説明する。
【0094】図9(a)は、信号処理回路10の出力信
号を示している。信号処理回路10は、センサS1〜SN
の検出値が所定値に達しない時(通常状態)には、論理
“1”の信号の出力する。信号処理回路10の出力信号
は、アンドゲート20の一方の入力端子に入力する。ま
た、アンドゲート20の他方の入力端子には、状態検出
回路100のフリップフロップ138の出力信号が、入
力している。フリップフロップ(F/F)138は、リ
セットスイッチ160の初期操作により、図9(l)に
示すように、論理“1”の信号が、最初に出力されてい
る。
【0095】このため、アンドゲート20は、図9
(b)に示すように、論理“1”の信号を出力する。駆
動回路30も、同様に、図9(c)のように、論理
“1”の信号を出力する。従って、スイッチング回路4
0は、閉状態となり、図9(d)に示すように、抵抗2
10の両端電圧で示されるような交流電流が、励磁コイ
ル62に流れている。抵抗210は、電流検出用のもの
であり、励磁コイル62のインピーダンスに比べて抵抗
値が十分に小さい。このため、増幅器212を用いてい
る。
【0096】ここで、時刻t1に、スイッチング回路4
0の電界効果形トランジスタFET1が開故障になった
とする。時刻t1までは、交流電流が励磁コイル62に
流れており、抵抗210で検出された電圧は、図9
(d)に示すようになっているが、電界効果形トランジ
スタFET1が開故障することにより、負の半波を有す
る片極の電流が流れるようになる。
【0097】この時の電流波形は、図9(d)に示すと
おりであるが、半波電流のピーク値は、電界効果形トラ
ンジスタFET1の開故障前より大きくなる。その理由
は、片極の電流が遮断されることにより、電磁弁の機械
的可動部が動作し、電磁弁の磁気回路の磁気抵抗が変わ
ることによって発生するためである。そこで、正常時の
電流のピーク値より高い電流が流れたか否かで、電界効
果形トランジスタFET1,FET2の故障を判定する
ことが可能である。
【0098】その比較基準となる値が、比較器214,
216の基準電圧源218,220である。基準電圧源
218,220の電圧値は、次のように設定されてい
る。即ち、抵抗210を流れる電流値は、通常は、図3
で説明したように、電流I0であるが、電界効果形トラ
ンジスタの一方が開状態になると、その時の電流値は、
図3のピーク値であるIpとなる。従って、基準となる
電流I1は、I0<I1<Ipとなるように選ばれる。この
電流値I1に抵抗210の抵抗値を掛け、さらに、増幅
器212のゲインを掛けたものを、基準電圧源218,
220の基準電圧値とする。
【0099】電界効果形トランジスタFET1の開故障
により、比較器214,216の出力は、図9(e),
(f)に示すようになる。ノットゲート222の出力
は、比較器216の出力を反転したものとなるため、図
9(g)に示すようになる。従って、オアゲート224
の出力は、図9(h)のようになる。オアゲート224
の出力は、状態信号発生回路130に入力し、ワンショ
ットマルチバイブレータ(M/M)132の出力は、図
9(i)に示すようになり、発振回路136の出力が、
図9(j)に示すようになっているので、時刻t2にお
いて、カウンタ134の出力が論理“1”となる。そし
て、時刻t2でワンショットマルチバイブレータ(M/
M)132の出力が、論理“0”となることにより、ア
ンドゲート20の出力も論理“0”となるため、スイッ
チング回路40は開状態となる。この結果、時刻t2
おいて、励磁コイルの電流がしゃ断され、電磁弁60が
オン・オフを繰り返し続けることはなく、電磁弁60の
機械的ストレスを回避できる。
【0100】なお、ここでは、励磁コイル62の励磁電
流を抵抗210によって検出していたが、安全保護装置
の高信頼化の観点で非接触で検出できる変流器(カレン
ト・トランス)を抵抗210の代わりに用いて検出して
もよい。変流器は、励磁電流の検出のために、通常は備
えられているため、この変流器の出力を利用することが
できる。
【0101】なお、以上の説明では、電磁弁を交流電圧
で駆動する場合について説明したが、被駆動体として
は、電磁弁に限らず、電動機やポンプに対しても適用で
き、スイッチング回路の故障時の電動機等のスムーズで
ない回転を避けることができる。
【0102】本実施例によれば、電磁弁等に流れる交流
電流が片極の電流のみになった場合にも、電磁弁等に対
して悪影響を与えることのないようにし得るものとな
る。
【0103】また、スイッチング回路の故障を、電磁弁
の励磁コイルに流れる電流から検出するようにしたた
め、電界効果形トランジスタの開故障以外にも、交流電
源自体が片極の電流(電圧)のみを出力するように故障
した場合にも電磁弁の保護を図ることが可能である。
【0104】また、信号処理回路の出力信号をアンドゲ
ートの一方の入力端子に入力し、他方の入力端子に状態
検出回路からの制御信号を入力するようにしたため、信
号処理回路の動作状態に拘らず、スイッチング回路を開
状態にすることができる。
【0105】また、カウンタでパルス数を計数するが、
この回数を2回としているため、ノイズ等で誤動作する
ことなく、しかも、片極の電流となった時は、速やかに
スイッチング回路を開状態にできる。
【0106】次に、図10及び図11を用いて、本発明
の第4の実施例について説明する。
【0107】図10は、本発明の第4の実施例による原
子力発電所安全保護装置の構成図である。図8と同一符
号は、同一部分を示している。
【0108】この実施例は、電磁弁60の励磁コイル6
2に流れる電流を検出し、この結果に基づて電磁弁60
の保護を実現するものであるが、図8では、電流のピー
ク値が電界効果形トランジスタの開故障によって大きく
なることに着目したが、図10では、電界効果形トラン
ジスタが開故障した時に、片極の電流が喪失することに
着目して状態検出回路を構成している。
【0109】電磁弁60の励磁コイル62に流れる電流
は、状態検出回路200の抵抗210により検出され、
増幅器212に入力する。増幅器212で増幅された出
力は、比較器214,216に入力する。各比較器21
4,216には、あらかじめ定めた電圧を出力する基準
電圧源318,320が接続されている。基準電圧源3
18,320の極性は互いに逆極性であり、比較器21
4は、正の半波の検出用であり、比較器216は、負の
半波の検出用である。比較器216の出力は、ノットゲ
ート222を介して状態信号発生回路330に入力し、
比較器214の出力は、そのまま状態信号発生回路33
0に入力する。
【0110】状態信号発生回路330は、2個のカウン
タ332,334を備えており、このカウンタ332,
334は、発振回路336が出力するパルス信号を計数
する。比較器214の出力信号は、カウンタ332のク
リア端子に入力し、カウンタ332の計数値をゼロクリ
アする。また、ノットゲート222の出力信号は、カウ
ンタ334のクリア端子に入力し、カウンタ334の計
数値をゼロクリアする。カウンタ332及びカウンタ3
34の出力は、オアゲート338を介して、フリップフ
ロップ340に入力する。フリップフロップ340の出
力は、アンドゲート20に入力するが、通常は、論理”
1”であり、スイッチング回路が開状態になると論理”
0”に転じて、アンドゲート20を非導通にして、スイ
ッチング回路40を開状態にする。
【0111】次に、図11を用いて、図10の実施例の
動作について説明する。
【0112】図11(a)は、信号処理回路10の出力
信号を示している。信号処理回路10は、センサS1
Nの検出値が所定値に達しない時(通常状態)には、
論理“1”の信号の出力する。信号処理回路10の出力
信号は、アンドゲート20の一方の入力端子に入力す
る。また、アンドゲート20の他方の入力端子には、状
態検出回路100のフリップフロップ138の出力信号
が、入力している。フリップフロップ(F/F)138
は、リセットスイッチ160の初期操作により、図11
(l)に示すように、論理“1”の信号が、最初に出力
されている。
【0113】このため、ANDゲート2は、図11
(b)に示すように、論理“1”の信号を出力する。駆
動回路30も、同様に、図11(c)のように、論理
“1”の信号を出力する。従って、スイッチング回路4
0は、閉状態となり、図11(d)に示すように、抵抗
210の両端電圧で示されるような交流電流が、励磁コ
イル62に流れている。抵抗210は、電流検出用のも
のであり、励磁コイル62のインピーダンスに比べて抵
抗値が十分に小さい。このため、増幅器212を用いて
いる。
【0114】ここで、時刻t1に、スイッチング回路4
0の電界効果形トランジスタFET1が開故障になった
とする。時刻t1までは、交流電流が励磁コイル62に
流れており、抵抗210で検出された電圧は、図11
(d)に示すようになっているが、電界効果形トランジ
スタFET1が開故障することにより、負の半波を有す
る片極の電流が流れるようになる。この時の電流波形
は、図11(d)に示すとおりであるが、半波電流のピ
ーク値は、電界効果形トランジスタFET1の開故障前
より大きくなる。その理由は、片極の電流が遮断される
ことにより、電磁弁の機械的可動部が動作し、電磁弁の
磁気回路の磁気抵抗が変わることによって発生するため
である。
【0115】この電圧値が、正極又は負極において、基
準値を越えるか否かを比較器214,216で検出す
る。その比較基準となる値が、比較器214,216の
基準電圧源318,320である。基準電圧源318,
320の電圧値は、次のように設定されている。即ち、
抵抗210を流れる電流値は、通常は、図3で説明した
ように、電流I0であるが、電界効果形トランジスタの
一方が開状態になると、半波の電流となる。従って、正
常な交流が流れているか、それとも、片方の極性の電流
が喪失したかを検出するようにしている。そのために、
基準となる電流I2は、I2<I0となるように選ばれ
る。この電流値I2に抵抗210の抵抗値を掛け、さら
に、増幅器212のゲインを掛けたものを、基準電圧源
318,320の基準電圧値とする。
【0116】この電圧値が、正極又は負極において基準
値を越えるか否かを、比較器214,216で検出す
る。この場合には、比較器214の出力は、図11
(e)に示すような結果となり、比較器216の出力
は、図11(f)に示すような結果となる。即ち、電界
効果形トランジスタFET1が開故障すると、正の半波
がなくなるため、比較器214の出力がゼロとなる。
【0117】比較器214の出力信号は、カウンタ33
2のクリア信号として、カウンタ332に入力する。一
方、比較器216の出力信号は、ノットゲート222を
介して、カウンタ334のクリア信号として、カウンタ
334に入力する。
【0118】各カウンタ332,334のクリア信号で
あるパルスの立上がりに、図4に示したようなチャタリ
ングがあっても、極めて短かい期間で何度もカウンタを
クリアするのみであるため、ワンショットマルチバイブ
レータ(M/M)は不要である。カウンタ332,33
4には、発振回路336の出力信号が入力されてカウン
トされる。発振回路336が出力するパルス信号の周期
は、45msに選択されている。
【0119】従って、図11(i)に示すように、時刻
1において、電界効果形トランジスタFET1が開故
障になった後、時刻t2において、時刻t1以降に入力し
た発振回路336の出力パルスを2個計数するため、カ
ウンタ332の出力信号が、論理“0”から論理“1”
になる。一方、カウンタ334の出力は、図11(j)
に示すように理論“0”のままである。
【0120】この結果、ORゲート10の出力信号は図
11(k)に示すようになり、フリップフロップ340
の出力信号は、図11(l)に示すようになる。従っ
て、時刻t2において、アンドゲート20の出力も論理
“0”となり、スイッチング回路40が開状態となり、
励磁コイルの電流がしゃ断され、電磁弁60がオン・オ
フを繰り返し続けることなく、電磁弁60の機械的スト
レスを回避できる。
【0121】なお、ここでは、励磁コイル62の励磁電
流を抵抗210によって検出していたが、安全保護装置
の高信頼化の観点で非接触で検出できる変流器(カレン
ト・トランス)を抵抗210の代わりに用いて検出して
もよい。変流器は、励磁電流の検出のために、通常は備
えられているため、この変流器の出力を利用することが
できる。
【0122】なお、以上の説明では、電磁弁を交流電圧
で駆動する場合について説明したが、被駆動体として
は、電磁弁に限らず、電動機やポンプに対しても適用で
き、スイッチング回路の故障時の電動機等のスムーズで
ない回転を避けることができる。
【0123】本実施例によれば、電磁弁等に流れる交流
電流が片極の電流のみになった場合にも、電磁弁等に対
して悪影響を与えることのないようにし得るものとな
る。
【0124】また、スイッチング回路の故障を、電磁弁
の励磁コイルに流れる電流から検出するようにしたた
め、電界効果形トランジスタの開故障以外にも、交流電
源自体が片極の電流(電圧)のみを出力するように故障
した場合にも電磁弁の保護を図ることが可能である。
【0125】また、信号処理回路の出力信号をアンドゲ
ートの一方の入力端子に入力し、他方の入力端子に状態
検出回路からの制御信号を入力するようにしたため、信
号処理回路の動作状態に拘らず、スイッチング回路を開
状態にすることができる。
【0126】また、ワンショットマルチバイブレータ
(M/M)を用いることなく、チャタリング対策を施せ
る。
【0127】また、カウンタでパルス数を計数するが、
この回数を2回としているため、ノイズ等で誤動作する
ことなく、しかも、片極の電流となった時は、速やかに
スイッチング回路を開状態にできる。
【0128】次に、図12及び図13を用いて、本発明
の第5の実施例について説明する。
【0129】図12は、本発明の第4の実施例による原
子力発電所安全保護装置の構成図である。図10と同一
符号は、同一部分を示している。
【0130】この実施例は、励磁コイル62の両端電圧
を検出し、この結果に基づて電磁弁60の保護を実現す
るものである。
【0131】励磁コイル62の両端電圧は、状態検出回
路400の中の増幅器410によって、増幅される。増
幅器410で増幅された出力は、比較器414,416
に入力する。各比較器414,416には、あらかじめ
定めた電圧を出力する基準電圧源418,420が接続
されている。基準電圧源418,420の極性は互いに
逆極性であり、比較器414は、正の半波の検出用であ
り、比較器416は、負の半波の検出用である。比較器
416の出力は、ノットゲート422を介して状態信号
発生回路330に入力し、比較器414の出力は、その
まま状態信号発生回路330に入力する。
【0132】状態信号発生回路330は、2個のカウン
タ332,334を備えており、このカウンタ332,
334は、発振回路336が出力するパルス信号を計数
する。比較器414の出力信号は、カウンタ332のク
リア端子に入力し、カウンタ332の計数値をゼロクリ
アする。また、ノットゲート422の出力信号は、カウ
ンタ334のクリア端子に入力し、カウンタ334の計
数値をゼロクリアする。カウンタ332及びカウンタ3
34の出力は、オアゲート338を介して、フリップフ
ロップ340に入力する。フリップフロップ340の出
力は、アンドゲート20に入力するが、通常は、論理”
1”であり、スイッチング回路が開状態になると論理”
0”に転じて、アンドゲート20を非導通にして、スイ
ッチング回路40を開状態にする。
【0133】次に、図13を用いて、図12の実施例の
動作について説明する。
【0134】図13(a)は、信号処理回路10の出力
信号を示している。信号処理回路10は、センサS1
Nの検出値が所定値に達しない時(通常状態)には、
論理“1”の信号の出力する。信号処理回路10の出力
信号は、アンドゲート20の一方の入力端子に入力す
る。また、アンドゲート20の他方の入力端子には、状
態検出回路100のフリップフロップ138の出力信号
が、入力している。フリップフロップ(F/F)138
は、リセットスイッチ160の初期操作により、図13
(l)に示すように、論理“1”の信号が、最初に出力
されている。
【0135】このため、アンドゲート20は、図13
(b)に示すように、論理“1”の信号を出力する。駆
動回路30も、同様に、図13(c)のように、論理
“1”の信号を出力する。従って、スイッチング回路4
0は、閉状態となり、図13(d)に示すような交流電
流が、励磁コイル62に流れている。また、励磁コイル
62の両端電圧は、図13(e)に示すような交流波形
である。
【0136】ここで、時刻t1に、スイッチング回路4
0の電界効果形トランジスタFET1が開故障になった
とする。時刻t1までは、交流電流が励磁コイル62に
流れているが、電界効果形トランジスタFET1が開故
障することにより、負の半波を有する片極の電流が流れ
るようになる。この時の電流波形は、図13(d)に示
すとおりであるが、半波電流のピーク値は、電界効果形
トランジスタFET1の開故障前より大きくなる。その
理由は、片極の電流が遮断されることにより、電磁弁の
機械的可動部が動作し、電磁弁の磁気回路の磁気抵抗が
変わることによって発生するためである。また、励磁コ
イル62の両端電圧も、図13(e)に示すように、負
の半波を有する片極の電圧となる。
【0137】この電圧値が正極又は負極において基準値
を越えるか否かを比較器414,416で検出する。そ
の比較基準となる値が、比較器414,416の基準電
圧源418,420である。基準電圧源418,420
の電圧値は、通常時の電圧をV0とすると、基準電圧値
1は、V1<V0となるように選ばれる。
【0138】この電圧値が、正極又は負極において基準
値を越えるか否かを、比較器414,416で検出す
る。この場合には、比較器414の出力は、図13
(f)に示すような結果となり、比較器414の出力
は、図13(g)に示すような結果となる。即ち、電界
効果形トランジスタFET1が開故障すると、正の半波
がなくなるため、比較器414の出力がゼロとなる。
【0139】比較器414の出力信号は、カウンタ33
2のクリア信号として、カウンタ332に入力する。一
方、比較器416の出力信号は、ノットゲート422を
介して、カウンタ334のクリア信号として、カウンタ
334に入力する。各カウンタ332,334のクリア
信号であるパルスの立上がりに、図4に示したようなチ
ャタリングがあっても、極めて短かい期間で何度もカウ
ンタをクリアするのみであるため、ワンショットマルチ
バイブレータ(M/M)は不要である。
【0140】カウンタ332,334には、発振回路3
36の出力信号が入力されてカウントされる。発振回路
336が出力するパルス信号の周期は、45msに選択
されている。従って、図13(j)に示すように、時刻
1において、電界効果形トランジスタFET1が開故
障になった後、時刻t2において、時刻t1以降に入力し
た発振回路336の出力パルスを2個計数するため、カ
ウンタ332の出力信号が、論理“0”から論理“1”
になる。一方、カウンタ334の出力は、図13(k)
に示すように理論“0”のままである。
【0141】この結果、オアゲート338の出力信号は
図13(l)に示すようになり、フリップフロップ34
0の出力信号は、図13(m)に示すようになる。従っ
て、時刻t2において、アンドゲート20の出力も論理
“0”となり、スイッチング回路40が開状態となり、
励磁コイルの電流がしゃ断され、電磁弁60がオン・オ
フを繰り返し続けることなく、電磁弁60の機械的スト
レスを回避できる。
【0142】なお、以上の説明では、電磁弁を交流電圧
で駆動する場合について説明したが、被駆動体として
は、電磁弁に限らず、電動機やポンプに対しても適用で
き、スイッチング回路の故障時の電動機等のスムーズで
ない回転を避けることができる。
【0143】本実施例によれば、電磁弁等に流れる交流
電流が片極の電流のみになった場合にも、電磁弁等に対
して悪影響を与えることのないようにし得るものとな
る。
【0144】また、スイッチング回路の故障を、電磁弁
の励磁コイルの両端電圧から検出するようにしたため、
電界効果形トランジスタの開故障以外にも、交流電源自
体が片極の電流(電圧)のみを出力するように故障した
場合にも電磁弁の保護を図ることが可能である。
【0145】また、信号処理回路の出力信号をアンドゲ
ートの一方の入力端子に入力し、他方の入力端子に状態
検出回路からの制御信号を入力するようにしたため、信
号処理回路の動作状態に拘らず、スイッチング回路を開
状態にすることができる。
【0146】また、ワンショットマルチバイブレータ
(M/M)を用いることなく、チャタリング対策を施せ
る。
【0147】なお、図12に示した実施例の回路構成
は、図10に示した実施例と原理的に同じものであり、
検出している信号が異なっている。ここで、図13
(d)の信号波形と、図9(d)の信号波形とを比べて
みると明かなように、両者は相似のものであり、その縦
軸の電圧レベルに相違があるのみである。従って、図1
2に示したように電磁弁の励磁コイル62の両端電圧を
測定する方法においても、その検出した両端電圧を、図
8の比較器214,216に入力し、比較器214,2
16及びそれ以降に接続された状態検出回路200の回
路を用いることにより、図8及び図9にて説明したのと
同じようにして、励磁コイル62の両端電圧を基準電圧
と比較することにより、片極の電流が励磁コイルに流れ
ることを検出して、スイッチング回路40を開状態にす
ることができる。
【0148】また、図8,図10,図12に示した実施
例では、状態検出回路200,300,400の出力を
アンドゲート20に入力して、スイッチング回路40を
開状態にしているが、図5の実施例に示したように、こ
の状態検出回路200,300,400の出力を信号処
理回路10に入力し、信号処理回路10の出力により、
スイッチング回路40を開状態にしてもよい。
【0149】図14は、原子力発電所の安全保護装置の
スイッチング回路部と電磁弁部の構成図を示している。
【0150】これまでの実施例においては、理解を容易
にするために、一系統の構成で説明したが、実際の構成
においては、スイッチング回路40と電磁弁60の関係
は、図14のようになっている。スイッチング回路41
〜48は、それぞれ、図1のスイッチング回路40と同
一構成である。また電磁弁61〜6Nは複数個並列に接
続されている。図1,図5の実施例は、各スイッチング
回路41〜48にそれぞれ適用でき、図8,図10の実
施例は、A,B点の電流を検出する場合や、各スイッチ
ング回路41〜48に流れ電流を検出する場合に適用で
きる。さらに、図12の実施例は、並列接続された励磁
コイル62A1(62B1)〜励磁コイル62AN(62BN
の両端電圧を検出する場合に適用される。
【0151】図14においては、これまで説明したよう
に、スイッチング回路を構成する電界効果形トランジス
タが1個開故障となって、電磁弁を保護するために、そ
のスイッチング回路を開状態にしても、電磁弁を構成す
る2系統の励磁コイル(例:62A1,62B1)のうち一
方のみが励磁を解除されるだけである。電磁弁61〜6
Nはこの2系統の励磁コイルが共に無励磁になった時に
のみ動作するため、上記の電磁弁の保護動作では電磁弁
自体が動作することはない。つまり、高信頼性を確保
し、かつ電磁弁の保護が可能である。
【0152】これまでの説明においては、スイッチング
回路を2個の電界効果形トランジスタFETを縦列に接
続して構成した場合について説明したが、電界効果形ト
ランジスタFETの代わりに、2個のサイリスタを並列
に接続して交流電圧をスイッチングするものであっても
よいし、他の半導体で交流電圧をスイッチングするもの
であってもよい。2個のサイリスタを並列に接続したも
のが、双方向サイリスタとして知られており、この双方
向サイリスタについても、適用できる。
【0153】以上説明したように、電磁弁等に流れる交
流電流が片極になった時に、電磁弁等に流れる電流を遮
断することにより、電磁弁がオン・オフを繰り返し続け
ることはないため、電磁弁の機械的ストレスを回避した
り、電動機やポンプの動きをスムーズに維持することが
可能となる。
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、原子力発電所安全保護
装置において、電磁弁等に流れる交流電流が片極の電流
のみになった場合にも、電磁弁等に対して悪影響を与え
ることのないようにし得るものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による原子力発電所安全保護
装置の構成図である。
【図2】図1に示す実施例の各部の動作波形図である。
【図3】本発明の一実施例による原子力発電所安全保護
装置に用いる電磁弁の印加電圧と励磁電流の関係を示す
図である。
【図4】本発明の一実施例による原子力発電所安全保護
装置に用いるワンショットマルチバイブレータ(M/
M)の動作を説明するための図である。
【図5】本発明の第2の実施例の原子力発電所安全保護
装置の構成図である。
【図6】図5に示す実施例における信号処理回路の処理
フロー図である。
【図7】図5に示す実施例の各部の動作波形図である。
【図8】本発明の第2の実施例の原子力発電所安全保護
装置の構成図である。
【図9】図8に示す実施例の各部の動作波形図である。
【図10】本発明の第3の実施例の原子力発電所安全保
護装置の構成図である。
【図11】図10に示す実施例の各部の動作波形図であ
る。
【図12】本発明の第4の実施例の原子力発電所安全保
護装置の構成図である。
【図13】図12に示す実施例の各部の動作波形図であ
る。
【図14】本発明の一実施例の原子力発電所安全保護装
置のスイッチング回路部の構成図である。
【符号の説明】
10…信号処理回路 20…アンドゲート 30…駆動回路 40,41〜48…スイッチング回路 50…交流電源 60,61〜6N…電磁弁 62,62A1〜62AN,62B1〜62BN……励磁コイル 100,200,300…状態検出回路 110,112…ホトカプラ 120,224,338…オアゲート 130,230,330…状態信号発生回路 132,232…ワンショットマルチバイブレータ 134,234,332,334…カウンタ 136,236,336…発振回路 138,238,340…フリップフロップ 210…抵抗 212,410…増幅器 214,216,414,416…比較器 218,220,418,420…基準電圧源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福家 肇 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 エネルギー研究 所内 (56)参考文献 特開 昭63−140305(JP,A) 特開 平7−20275(JP,A) 特開 平2−192316(JP,A) 特開 昭52−23641(JP,A) 実開 平2−26342(JP,U) 特公 昭62−15982(JP,B2) 特公 平6−60919(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/08 - 3/52 G05B 9/02 G21D 3/04 - 3/06

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交流電源により駆動される電磁弁と、 この交流電源と電磁弁との間に配置されたスイッチング
    回路と、 原子力プラントの状態を検出する複数のセンサと、 これらのセンサからの検出値が所定値となったときに、
    上記スイッチング回路を開状態にするマイクロプロセッ
    サとを有する原子力発電所安全保護装置において、上記スイッチング回路は、半導体スイッチ素子によって
    構成され、 上記交流電源から上記電磁弁に 流れる電流が断続状態
    なったことを検出する状態検出手段を備え、 この状態検出手段からの信号に基づいて、上記スイッチ
    ング回路を開状態となるようにすることを特徴とする原
    子力発電所安全保護装置。
  2. 【請求項2】交流電源により駆動される電磁弁と、 この交流電源と電磁弁との間に配置されたスイッチング
    回路と、 原子力プラントの状態を検出する複数のセンサと、 これらのセンサからの検出値が所定値となったときに、
    上記スイッチング回路を開状態にするマイクロプロセッ
    サとを有する 原子力発電所安全保護装置において、上記スイッチング回路は、半導体スイッチ素子によって
    構成され、 上記電磁弁のオン・オフを上記電磁弁に流れる電流に基
    づいて検出する状態検出手段を備え、 この状態検出手段からの信号に基づいて、上記スイッチ
    ング回路を開状態となるようにする ことを特徴とする原
    子力発電所安全保護装置。
  3. 【請求項3】交流電源により駆動される電磁弁と、 この交流電源と電磁弁との間に配置されたスイッチング
    回路と、 原子力プラントの状態を検出する複数のセンサと、れらのセンサからの検出値が所定値となったときに、
    上記スイッチング回路を開状態にするマイクロプロセッ
    サとを有する原子力発電所安全保護装置において、上記スイッチング回路は、半導体スイッチ素子によって
    構成され、 上記交流電源から上記電磁弁に流れる電流が片極の電流
    となったことを検出する状態検出手段を備え、 この状態検出手段からの信号に基づいて、上記スイッチ
    ング回路を開状態となるようにする ことを特徴とする原
    子力発電所安全保護装置。
  4. 【請求項4】交流電源により駆動される電磁弁と、 この交流電源と電磁弁との間に配置されたスイッチング
    回路と、 原子力プラントの状態を検出する複数のセンサと、 これらのセンサからの検出値が所定値となったときに、
    上記スイッチング回路を開状態にするマイクロプロセッ
    サとを有する 原子力発電所安全保護装置において、上記スイッチング回路は、半導体スイッチ素子によって
    構成され、 上記電磁弁の励磁コイルの両端電圧を検出し、この検出
    した両端電圧が断続状態であるか否かを判別する状態検
    出手段を備え、 この状態検出手段からの信号に基づいて、上記スイッチ
    ング回路を開状態となるようにする ことを特徴とする原
    子力発電所安全保護装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の原子力発
    電所安全保護装置において、 上記状態検出手段は、上記交流電源から上記電磁弁に
    れる電流を検出し、この検出した電流が所定値を越えた
    ことを判別する手段であることを特徴とする原子力発電
    所安全保護装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載の原子力発
    電所安全保護装置において、 上記状態検出手段は、上記交流電源から上記電磁弁に
    れる電流を検出し、この検出した電流が半波波形である
    か否かを判別する手段であることを特徴とする原子力発
    電所安全保護装置。
  7. 【請求項7】請求項4記載の原子力発電所安全保護装置
    において上記スイッチング回路は、2つの半導体スイッチング素
    子により構成され、かつ上記状態検出手段を2つ備えた
    ことを特徴とする原子力発電所安全保護装置。
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