JPS58750B2 - クロマイズド処理方法 - Google Patents
クロマイズド処理方法Info
- Publication number
- JPS58750B2 JPS58750B2 JP55073492A JP7349280A JPS58750B2 JP S58750 B2 JPS58750 B2 JP S58750B2 JP 55073492 A JP55073492 A JP 55073492A JP 7349280 A JP7349280 A JP 7349280A JP S58750 B2 JPS58750 B2 JP S58750B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- chromized
- layer
- treatment
- phase
- thickness
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- Expired
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- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明はクロマイズド処理方法に関し、更に詳しくはボ
イラの過熱器管、再熱器管あるいはレキュペレータなど
の高温雰囲気中に晒されるオーステナイト系ステンレス
鋼成品表面に予めNi層を形成せしめた後クロマイズド
処理をする方法に関する。
イラの過熱器管、再熱器管あるいはレキュペレータなど
の高温雰囲気中に晒されるオーステナイト系ステンレス
鋼成品表面に予めNi層を形成せしめた後クロマイズド
処理をする方法に関する。
従来より、高温腐食あるいは水蒸気酸化の対策として行
なわれているCr合金化表面処理即ちクロマイズド処理
では、合金化熱処理中にCr−Fe合金化が進行し、6
00℃〜900℃温度域で容易にσ相(脆化相)が形成
され、そのために過酷な曲げ加工時や高温使用時、或は
溶接施行時に熱影響部に割れ又は剥離が発生する欠陥が
あった。
なわれているCr合金化表面処理即ちクロマイズド処理
では、合金化熱処理中にCr−Fe合金化が進行し、6
00℃〜900℃温度域で容易にσ相(脆化相)が形成
され、そのために過酷な曲げ加工時や高温使用時、或は
溶接施行時に熱影響部に割れ又は剥離が発生する欠陥が
あった。
この現象を第1図に示すFe、Cr及びNiの3元素合
金の状態図(600℃)によって説明すれば、従来のク
ロマイズド処理方法による処理後のクロマイズド層組成
は、例えば母材が5US321Hの場合、図中の斜線を
施こした個所にあり、主としてCrとFeとの相互元素
拡散によつ600℃で(σ+γ)域即ち脆化域となる。
金の状態図(600℃)によって説明すれば、従来のク
ロマイズド処理方法による処理後のクロマイズド層組成
は、例えば母材が5US321Hの場合、図中の斜線を
施こした個所にあり、主としてCrとFeとの相互元素
拡散によつ600℃で(σ+γ)域即ち脆化域となる。
又第3図は、従来のクロマイズド処理の場合にCrとF
eとの相互元素拡散によってσ相(脆化相)が析出する
状態(母材として5US321Hを使用)を示すもので
あるが、クロマイズド層の略々全域に亘ってσ相が出現
していることが判る。
eとの相互元素拡散によってσ相(脆化相)が析出する
状態(母材として5US321Hを使用)を示すもので
あるが、クロマイズド層の略々全域に亘ってσ相が出現
していることが判る。
尚、第2図は従来より一般に行なわれているクロマイズ
ド処理の熱処理パターンを示すもので、Aは合金化処理
(加熱→炉冷)、Bは溶体化処理(加熱→水冷)を示す
。
ド処理の熱処理パターンを示すもので、Aは合金化処理
(加熱→炉冷)、Bは溶体化処理(加熱→水冷)を示す
。
以上に説明しまたように従来一般に行なわれているクロ
マイズド処理方法は合金層(クロマイズド層)がσ相(
脆化相)に変態する欠点を有するのに対し、本発明は、
Ni中へのFeの拡散がCrのそれよりも比較的小さい
と言う特性を利用することによって、即ちオーステナイ
ト系ステンレス鋼の管また板等の成品の表面に予め5μ
以上の厚さのNi層を形成し母材中へのFeのNi層へ
の拡散を抑制する状態でCrを合金化させることによっ
て合金層(クロマイズド層)中にσ相が生成するのを防
止することを特徴とするもので、上記の従来のクロマイ
ズド処理方法の有する重大な欠陥の除去を可能にしたも
のである。
マイズド処理方法は合金層(クロマイズド層)がσ相(
脆化相)に変態する欠点を有するのに対し、本発明は、
Ni中へのFeの拡散がCrのそれよりも比較的小さい
と言う特性を利用することによって、即ちオーステナイ
ト系ステンレス鋼の管また板等の成品の表面に予め5μ
以上の厚さのNi層を形成し母材中へのFeのNi層へ
の拡散を抑制する状態でCrを合金化させることによっ
て合金層(クロマイズド層)中にσ相が生成するのを防
止することを特徴とするもので、上記の従来のクロマイ
ズド処理方法の有する重大な欠陥の除去を可能にしたも
のである。
以下に、図面を参照して本発明のクロマイズド処理方法
の構成部に予め母材上に下地層として形成するNi層の
厚さを5μ以上に限定する理由について詳細に説明する
。
の構成部に予め母材上に下地層として形成するNi層の
厚さを5μ以上に限定する理由について詳細に説明する
。
本発明の方法を要約すれば、従来のクロマイズド処理力
法によるり「−1マイズド層即ち第1図の状態図中の斜
線部分(σ1−γ相)を、該部分に於げるFeE−を減
少c’5−eて図中の矢印に示す方向即ち(α斗γ)或
は(γ)域の方向−\移動さ−けるものであり、其のF
e量を減少させる具体的手段として母材上に5μ以上の
厚さのNi層を形成した後クロマイズド処理を施行1゛
るものである。
法によるり「−1マイズド層即ち第1図の状態図中の斜
線部分(σ1−γ相)を、該部分に於げるFeE−を減
少c’5−eて図中の矢印に示す方向即ち(α斗γ)或
は(γ)域の方向−\移動さ−けるものであり、其のF
e量を減少させる具体的手段として母材上に5μ以上の
厚さのNi層を形成した後クロマイズド処理を施行1゛
るものである。
第4図乃至第6図は、5US321Hの母材」−に予め
夫々5μ、10μ及び20μの厚さのNi層を形成(−
だ場合に、それ等のNi層へFe及びCrが拡散する状
態を示すグラフで、第2図に示すクロマイズド処理の熱
処理パターンからNi層へのFe及びCrの拡散距離及
び濃度を計算することによって求めたものである。
夫々5μ、10μ及び20μの厚さのNi層を形成(−
だ場合に、それ等のNi層へFe及びCrが拡散する状
態を示すグラフで、第2図に示すクロマイズド処理の熱
処理パターンからNi層へのFe及びCrの拡散距離及
び濃度を計算することによって求めたものである。
第4図乃至第6図に於て明らかなように、CrはNi層
中に充分拡散1ろが、Feの拡散箱は極めて微小である
。
中に充分拡散1ろが、Feの拡散箱は極めて微小である
。
これを第7図の状態図(第1の状態図と同一条件のもの
)によって説明すれば、本発明の方法によるクロマイズ
ド層の組成は、N1層の厚さ5μの場合は図中のA点に
、10.tの場合はB点に、20μの場合は0点に夫々
該当し2て、執れも600℃で(α−+γ)域となる。
)によって説明すれば、本発明の方法によるクロマイズ
ド層の組成は、N1層の厚さ5μの場合は図中のA点に
、10.tの場合はB点に、20μの場合は0点に夫々
該当し2て、執れも600℃で(α−+γ)域となる。
従って、σ相(脆化相)は全く出現せず、従来のクロマ
イズド処理力法の有する脆化相発生の重大欠陥を除去り
ようとする当初に記載1〜た所ル」の目的を完全に達成
するものであく)。
イズド処理力法の有する脆化相発生の重大欠陥を除去り
ようとする当初に記載1〜た所ル」の目的を完全に達成
するものであく)。
又第4図乃卆第6図に於て明らかなように、母材のFe
はNi層界面。
はNi層界面。
1つ2μ〜3μ拡散侵入する。
Ni層の厚さが5μより薄い場合は、Ni層のクロム濃
度が末だσ相を形成するに十分な高い値となっているの
でクロマイズド層の一部でσが析出する。
度が末だσ相を形成するに十分な高い値となっているの
でクロマイズド層の一部でσが析出する。
このことから本発明のり[1マイズド処理方法は、予め
形成するNi層の厚さを5μ以上に限定するものである
。
形成するNi層の厚さを5μ以上に限定するものである
。
Ni層の成形力法はメッキ法の他に二−ツクル箔を被処
理鋼と屯ね冷延し、た後熱延して形成する方法等がある
。
理鋼と屯ね冷延し、た後熱延して形成する方法等がある
。
実施例
第1表に示す化学成分を有する鋼の管(50,8mmφ
X4.5mmtX1500mml)表面にNiメッキを
施した。
X4.5mmtX1500mml)表面にNiメッキを
施した。
Niメッキは通常用いられているワラ)・浴組成による
電解メッキ法によった。
電解メッキ法によった。
これらNiメッキ、および比較のための無処理鋼管を用
い、通常の粉末パンク法によりクロマイズド処理を施し
また。
い、通常の粉末パンク法によりクロマイズド処理を施し
また。
クロマイズド処理条件を第2表に示す6゜
上記方法で製作したクロマイズド処理鋼管より、光学顕
微鏡試料、および幅20mm×長200m1X肉厚管肉
厚のままの曲げ試験片を採取した。
微鏡試料、および幅20mm×長200m1X肉厚管肉
厚のままの曲げ試験片を採取した。
クロマイズド層の組織観察に際しては、10%KOH電
解エッチし、σ相の生成の有無を確認し、まとめて表3
に示した。
解エッチし、σ相の生成の有無を確認し、まとめて表3
に示した。
また、曲げ試験片を600℃X1QOOh、r。
時効処理後、曲げ半径R=10mmで180°曲げを行
ない、被膜にクラックが発生しているかどうかで判定し
、○(割れなし)、×(割れ発生)で表わした。
ない、被膜にクラックが発生しているかどうかで判定し
、○(割れなし)、×(割れ発生)で表わした。
第3表より明らかなようにニッケル層を5μ以上の厚さ
にした場合、クロマイズド後の時効処理した組織はすべ
てα+γとなり曲げ試験は各鋼種ともクラックの発生は
認められなかった。
にした場合、クロマイズド後の時効処理した組織はすべ
てα+γとなり曲げ試験は各鋼種ともクラックの発生は
認められなかった。
一方比較法としてニッケル層の厚さを2μ、4μとした
場合2μの場合は、クロマイズド処理後時効処理した組
織はσ単相、4μニッケル層の場合はα+γとなり、曲
げ試験結果もすべて割れが発生した。
場合2μの場合は、クロマイズド処理後時効処理した組
織はσ単相、4μニッケル層の場合はα+γとなり、曲
げ試験結果もすべて割れが発生した。
以上のようにニッケル層の厚さを5μ以上としクロマイ
ズド処理をすることにより、高温状態での脆化が防止で
き優れた加工性及び耐食性を有する表面処理鋼を得るこ
とができる。
ズド処理をすることにより、高温状態での脆化が防止で
き優れた加工性及び耐食性を有する表面処理鋼を得るこ
とができる。
第1図及び第7図はFe、Cr及Niの3元素合金の6
00℃の状態図、第2図は従来行なわれているクロマイ
ズド処理の熱処理パターンを示す線図、第3図は従来行
なわれているクロマイズド処理の場合CrとFeとの相
互拡散の状態を示す線図、第4図乃至第6図は母材(S
US321)上に予め夫々5μ、10μ及び20μの厚
さのNi層を形成した後クロマイズド処理を施行した場
合に、それ等のNi層へFe及びCrが拡散する状態を
示す線図である。
00℃の状態図、第2図は従来行なわれているクロマイ
ズド処理の熱処理パターンを示す線図、第3図は従来行
なわれているクロマイズド処理の場合CrとFeとの相
互拡散の状態を示す線図、第4図乃至第6図は母材(S
US321)上に予め夫々5μ、10μ及び20μの厚
さのNi層を形成した後クロマイズド処理を施行した場
合に、それ等のNi層へFe及びCrが拡散する状態を
示す線図である。
Claims (1)
- 1高温雰囲気中で使用されるオーステナイト系ステンレ
ス鋼の成品表面に予め5μ以上の厚さのNi層を形成さ
せた後クロマイズド処理を行なうことを特徴とするクロ
マイズド処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55073492A JPS58750B2 (ja) | 1980-05-31 | 1980-05-31 | クロマイズド処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP55073492A JPS58750B2 (ja) | 1980-05-31 | 1980-05-31 | クロマイズド処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS56169767A JPS56169767A (en) | 1981-12-26 |
JPS58750B2 true JPS58750B2 (ja) | 1983-01-07 |
Family
ID=13519815
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP55073492A Expired JPS58750B2 (ja) | 1980-05-31 | 1980-05-31 | クロマイズド処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58750B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58177458A (ja) * | 1982-04-12 | 1983-10-18 | Sumitomo Metal Ind Ltd | ニツケル、クロム合金拡散浸透処理法 |
JPS59205469A (ja) * | 1983-05-02 | 1984-11-21 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | クロム拡散浸透処理法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4827934A (ja) * | 1971-08-17 | 1973-04-13 | ||
JPS4839335A (ja) * | 1971-09-27 | 1973-06-09 | ||
JPS5318437A (en) * | 1976-08-03 | 1978-02-20 | Seikosha Kk | Method of forming chromium carbide coating on carbon steel |
-
1980
- 1980-05-31 JP JP55073492A patent/JPS58750B2/ja not_active Expired
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4827934A (ja) * | 1971-08-17 | 1973-04-13 | ||
JPS4839335A (ja) * | 1971-09-27 | 1973-06-09 | ||
JPS5318437A (en) * | 1976-08-03 | 1978-02-20 | Seikosha Kk | Method of forming chromium carbide coating on carbon steel |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS56169767A (en) | 1981-12-26 |
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