JPS586912Y2 - コンクリ−ト製パネルによる擁壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はコンクリート製パネルによる擁壁に関するも
のであって、化粧パネル、フラットパネル、および側壁
パネルを使用し、各パネルの裏側に取着けたアームによ
って、各パネルを連結しながら一定の高さまで組立て、
その内側に生コンクリートを打設し、パネルを生コンク
リートと一体化し、従来のように型枠を使用することな
く簡単かつ容易に構築せんとするものである。

従来のこの種コンクリート擁壁は表側と裏側に鉄又は木
製型枠を組み立て、その内側に生コンクリートを打設し
、コンクリートが硬化した後型枠を取り外して構築して
いた。

したがって従来の構築では型枠を必要とし、さらにその
組立て、取り外しに多数の熟練工を必要としたため、構
築に日数がか・す、その上人件費が嵩み頗る不経済であ
つた。

この考案は上記従来の欠陥を除くため、種々研究の結果
開発せるものであって、表、裏、及び両側面を内側にア
ームを取り着けたパネルを使用し、これを垂直又は一定
の角度で立設し、パネルで形成された枠内へ、生コンク
リートを打設し、生コンクリートの硬化とともにパネル
を固着一体化させるものである。

すなわち、パネルを従来の型枠式りに使用し、その内側
に打設された生コンクリートの硬化と共にそのま・擁壁
の表、裏及び両側壁を構成させるもので、したがって従
来のように型枠を必要とせず、またその組み立て取り外
しに要する熟練工の必要もなく、さらに構築期間の短縮
、人件費の節約、また資材、重量機械等を使用しないた
め、その作業能率の向上、経費節約等の効果が頗る大で
ある。

次にこれを図示の一実施態様について説明する。

図面において、１は化粧パネル、２はフラットパネル、
３は側壁パネルを示す。

各パネルの裏面にアーム取着具４を埋設し、これにアー
ム５を嵌着する。

図示の実施例では化粧パネル１は縦５０ｃｍ、横１００
ｃｍ、厚さ６ｃｍで、表面に深さ１ｃｍの長方形凹み
６を凹設し、アーム取着金具４・・・・・・を裏面の上
、下に一対づつ埋込み、さらに必要に応じ鉄筋７を周縁
内側に沿って埋設する。

フラットパネル２は化粧パネルのように表面に長方形凹
み６を凹設しないで平面となし、その大きさは化粧パネ
ルとほぼ同一であるが、図示のように表側の化粧パネル
１に一定の角度をもたせ、裏側のフラットパネル２を垂
直にした場合、その角度に応じフラットパネル２の縦の
長さは幾分短かくなる。

また側壁パネル３は表側に面する端面を表側の化粧パネ
ルの傾斜に対応して傾斜させ、裏側に面する端面を垂直
とした梯形状となし、その内側に取着金具４・・・・・
・を裏面上下に一対づ・埋込み、これにアーム５の一端
を嵌着し、他端を表側化粧パネル１、および裏側フラッ
トパネル２の裏面の取着金具４・・・・・・に嵌着し固
定する。

これを構築する場合、ふつう地上に玉石又はグリ８を敷
設し、その上に基礎コンクリート９を打設し、その上に
上記化粧パネル１を三段（約１．５ｍ）目程度積み上げ
、この場合、下部の間隔ｌ、上部の間隔ｌ′を保って化
粧パネル面を傾斜させフラットパネル面を垂直に立設し
、両側に側壁パネルを固定し、その内側に生コンクリー
ト１０を打設し、また現場に応じ、上記の作業を上部又
は横側に繰返し積上げてゆき、所定の高さ又は長さに達
すると最上部に天場用アーム５を架設し構築を完了する
。

したがって、この考案によれば前述より明らかなように
、組立て作業が簡単で熟練工を必要とせず、さらに従来
の型枠組立てのように多量の資材や重量機械を必要とせ
ず、またパネルは簡単に現場に応じて成型でき、その大
きさ、厚みも自由であるから、現場の土質状況により設
計者が自由にその高さ、厚さを決めることができる特長
があってその技術的経済的効果は大きい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は一部欠
截正面図、第２図は同上の平面図、第３図は同側面図で
ある。 図中、１・・・・・・化粧パネル、２・・・・・・フラ
ットパネル、３・・・・・・側壁パネル、４・・・・・
・取付金具、５・・・・・・アーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一定の角度で立設した化粧パネルを表側に、その裏側に
   空間を保って垂設したフラットパネル、それらの両側に
   側壁パネルを設け、各パネルの裏面に上下に対設する取
   付金具を埋込み、それら取付金具にアームの各端を嵌着
   して各パネルを固定し、その内側に生コンクリートを打
   設したことを特徴とするコンクリート製パネルによる擁
   壁。