JPS5858309B2

JPS5858309B2 - 工業窯炉の補修方法

Info

Publication number: JPS5858309B2
Application number: JP55116065A
Authority: JP
Inventors: 浩高杉; 弘加藤; 寿小谷
Original assignee: Tsurumi Gosei Rozai Co Ltd
Current assignee: Tsurumi Gosei Rozai Co Ltd
Priority date: 1980-08-22
Filing date: 1980-08-22
Publication date: 1983-12-24
Also published as: JPS5741576A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、新規にして産業利用性多大な工業窯炉の補修
方法に関する。

従来、高炉出銑樋、溶銑樋、転炉、電気炉、タンプッシ
ュ等の溶融金属容器や加熱炉、均熱炉等の雰囲気炉を初
めとする工業窯炉の補修方法としては、熱間吹付方法或
は冷間におけるパッチング、キャスチング等の施工方法
が行われているが、これらの従来法は、何れも母材即ち
溶損部分と新規充填部分との接着強度が充分でなく、為
に補修された工業窯炉の使用中に、補修部に地金侵入、
剥離、崩落等の現象が早期に発生して、耐火物本来の耐
用性を充分発揮し得ない現状である。

本発明者は、従来、金属アルミニウム、酸化剤、増量剤
等を配合した発熱性物質か、溶鋼鋳込時の保温用、補修
耐火物の上部に被覆して発熱させる乾燥用或は流し込み
耐火物施工時に金属アルミニウムを数多添加して、水と
の化学反応によりＨ２ガスを発生させ早期内枠脱型を計
る脱型用に用いられるに止まっていることについて再検
討の末、この揮発熱性物質を焼結用発熱剤として耐火物
素材に直接混合して成る発熱性不定形耐火物を工業窯炉
の溶損部に充填して、該充填不定形耐火物自体の発熱反
応により工業窯炉溶損部分と新規充填部分とを溶着せし
めれば、上述の従来補修方法の欠点を完全に除去し得る
のみならず、工期の短縮やコストダウンに資するところ
多大であり、依で以て割勘的な効果を招来し得るという
新知見に基き、本発明を完成したのである。

次に本発明方法の構成を具体的に説明する。

本発明方法は、粒度調整した耐火材の１種又は２種以上
に、金属アルミニウム粉末等の易燃性物質と酸化鉄等の
酸化剤とを基剤とする焼結用発熱剤を１０／４０重量％
（以下、重量多を単に優という。

）添加して成る発熱性不定形耐火物を、工業窯炉の溶損
部分に熱間又は冷間で充填し、熱間における自然発火又
は冷間における着火の何れかに伴う充填耐火物自体の発
熱反応により焼結して、溶損部分と充填耐火物とを溶着
せしめることを特徴とするものである。

本発明方法における粒度調整した耐火材としては、工業
窯炉に一般的に使用される酸性、中性又は塩基性のもの
の凡てが使用可能で、具体的には、珪石、脈石、粘土、
高アルミナ、アルミナ、クローム、炭化珪素、窒化珪素
、マグネシャ、ドロマイト等が挙げられ、これらの耐火
材の粘度調整は、後述の焼結用発熱剤の粒度と併せて発
熱性不定形耐火物全体としてなされる必要があるが、大
体において、前記の耐火材は、０．５％以上の中・粗粒
とし、焼結用発熱剤は、０．５％以下の微粉とする構成
が、脱水、脱気、強度、気孔率等の関係よりして好まし
い。

本発明方法に用いられる焼結用発熱剤は、金属アルミニ
ウム粉末等の易燃性物質と酸化鉄等の酸化剤とを基剤と
するものであって、該焼結用発熱剤と前記耐火材との混
合により得られる発熱性不定形耐火物中における焼結用
発熱剤の割合は、１０〜４０係になる如くなすものとす
る。

この場合において、焼結用発熱剤の割合を１０〜４０％
に限定したのは、１０％以下では、所期の発熱反応が起
りにくく、また４０％以上では、発熱反応が急激となっ
て、耐火物物性を損ってポーラスにする可能性かあるか
らであるが、一般的に云って、焼結用発熱剤の添カロ量
は、熱間、冷間その他の施工条件に対応して、反応進行
可能な最小量にするのが適当である。

前記の焼結用発熱剤の基剤の−たる易燃性物質としては
、金属アルミニウム粉末、就中高純度（ＡＩ含有量９０
％以上）の金属アルミニウム微粉か最も望ましいが、溶
損部分の母材の成分に即応して、マグネシウム、シリコ
ン、フェロシリコン、マンガン、カルシウムシリサイド
等を使用しても良く、これらの１種又は２種以上を施工
部の母材の材質に対応して選択するのが効果的である。

次に、焼結用発熱剤のいま一つの基剤たる酸化剤として
は、酸化鉄、酸化マンガン、硝酸ナトリウム、・硝酸カ
リウム等の硝酸塩、硫酸ナトリウム・硫酸バリウム等の
硫酸塩等が挙げられ、これらの１種又は２種以上が用い
られる。

焼結用発熱剤中における易燃性物質及び酸化剤の割合に
ついては限定はないが、易燃性物質を焼結用発熱剤全体
の５０〜８０φとし、両糸の２０〜５０％を酸化剤とす
るのか好適である。

即ち、易燃性物質が５０φ以下では、発熱反応が進行せ
ず、８０％以上では、反応が急に進行して構築物がポー
ラスとなる可能性があり、一方、酸化剤が２０φ以下で
は、酸素供給量が不足して反応かスムーズに進行せず、
５０％以上では、耐食性において耐火物本来の機能を失
わしめる虞れがあるからである。

なお、易燃性物質及び酸化剤の焼結用発熱剤中に占める
割合が、それぞれ５０〜８０咎及び２０〜５０φである
場合は、焼結用発熱剤の発熱性不定形耐火物中に占める
割合が前述の如く１０〜４０％であることと相まって、
易燃性物質及び酸化剤が、発熱性不定形耐火物中におい
てそれぞれ５〜３２％及び２〜２０φを占めることとな
ること、云うまでもない。

上記構成を有する焼結用発熱剤の一般的な反応作用は、
次式の通りである。

（式中、ＭｅＯＸは酸化剤で、Ｍｅは金属を表わし、Ａ
は易燃性物質を表わす。

）上記反応式における酸化剤ＭｅＯｘは生成酸化物ＡＯ
ｘよりも生成自由エネルギーが小さい。

なお、易燃性物質Ａをアルミニウムとなした場合は、上
記反応式におけるＡＯｘとしてＡ１□０３を生ずるテル
ミット反応となる。

本発明方法における前記焼結用発熱剤には、反応促進剤
として、弗化ソーダ、弗化カリウム等の弗化物を本発明
方法に使用する発熱性不定形耐火物全体に対して２φ以
下添カロして、易燃性物質の酸化被覆を溶融して酸化剤
との反応を促進せしめることも考えられる。

この場合において、反応促進剤の添加が発熱性不定形耐
火物の２φ以上となると、反応が急激となって好ましく
ない。

本発明方法においては、前述の如き構成を有する発熱性
不定形耐火物を、粉末或は加水混練した湿式又は泥漿の
状態で、吹付、スタンプ、流し込み等の方法により補修
を要する工業窯炉溶損部に充填し、熱間であれば自然発
火、冷間ならばガスバーナ等の着火器具により着火する
が、この場合において、発熱性不定形耐火物充填部の端
部より発熱反応を起して、発生ガスを未反応部より脱気
せしめるよう配慮する必要がある。

本発明方法においては、充填耐火物は、その構成分たる
焼結用発熱剤が自然発火又は着火により直ちに発熱反応
を生起して、実施例に示す如き態様において、一挙にし
て極めて強固に焼結して緻密な構造体を生成するととも
に、溶損母材とも強固に溶着して、従来方法に見られる
地金侵入、剥離、崩落等の虞れがなく、補修構造体性能
の優越性、燃料による長時間乾燥の不必要性、補修コス
トの低廉性等、その産業利用性は実に多大である。

実施例臘石焼成原料５５％（５〜３％のもの２５条、３〜１％
のもの３０％）、炭化珪素（１％以下）１５多より成る
耐火物素材７０％に対して、金属アルミニウム粉（０，
０８８％以下）１９．５％、酸化鉄粉（０，０８８％以
下）５％、硝酸ソーダ（０，５％以下）５％及び弗化ナ
トリウム（０，５％以下）０．５％より成る焼結用発熱
剤３０％を添加して本発明に係る発熱性不定形耐火物を
形成し、次に、比較品として、臘石焼成原料７５％（５
〜３％のもの２５φ、３〜１％のもの３０％、１％以下
のもの２０多）に対して、炭化珪素（１％以下）１５宏
シリコン＜ｏ、５’Ａ以下）３％、本節粘土（０，５％
以下）６．５％、デキストリン（０，０８８％以下）０
．５％を添加して成る従来耐化物を形成した。

次に、如上の本発明に係る耐火物を用いた本発明補修方
法及び如上の従来耐火物を用いた従来補修方法を、下記
の表１の如〈実施した。

如上の実験にて得た構造体の物性並びに耐食性、母材と
の接着性をそれぞれ表２及び表３に示す。

Claims

【特許請求の範囲】

１粒度調整した耐火材の１種又は２種以上に、金属ア
ルミニウム粉末等の易燃性物質及び酸化鉄等の酸化剤を
基剤とする燃結用発熱剤を１０〜４０重量多添加して成
る発熱性不定形耐火物を、工業窯炉の溶損部分に熱間又
は冷間で充填し、熱間における自然発火又は冷間におけ
る着火の何れかに伴う充填耐火物自体の発熱反応により
焼結して、溶損部分と充填耐火物とを溶着せしめること
を特徴とする、工業窯炉の補修方法。