JPS5857890B2 - セイシユウドウキ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、２次巻線を直列あるいは並列に切換えて接
続替する際に、電圧が、たとえば、６ＫＶ〜３ＫＶのご
とく大幅に変化させ、かつそれと同じ側の巻線で電圧調
整する静止誘導器に関し、特に、直列変圧器の小型化を
計ったものである。

第１図は直列および並列切換が行なわれる場合の従来の
静止誘導器のうち、タップ切換器付変圧器の結線図を示
すもので、同図における符号１は変圧器、２はその１次
巻線、３ａ、３ｂはその２次側に設けた接続替え巻線で
ある。

接続替え巻線３ａ、３ｂは２次巻線用切換端子６で切換
えることにより、直列接続あるいは並列接続に切換えら
れるようになっている。

また、４はタップ巻線、５は直列変圧器、７は直列変圧
器用切換端子、８はタップ切換器の可動接点である。

このような構成をなす静止誘導器は、２次巻線用切換端
子６で接続替え巻線３ ａ ＋ ３ ｂを直列または並
列に切換え、これに合せて直列変圧器５０巻線を直列変
圧器切換端子７で切換えることにより、接続替え巻線３
ａ ＊ ３ｂの直並列の如何にかかわらず、２次電圧の
調整電圧の割合を一定に保つようにするものである。

即ち、要求される電圧調整幅は、通常、回路電圧を一定
（例えば±１０％）の電圧変動率内に抑えることから決
定されるからである。

ところが、このような静止誘導器において、たとえば、
２次調整電圧の変動率が±１０％となるようにした場合
、直列変圧器５の容量は２次巻線３ａ 、３ｂの容量の
ほぼ１０％必要であり、このため誘導器全体が大きくな
り、高価格になる欠点があった。

この発明は、上記従来の欠点を除去するためになされた
もので、上記直列変圧器に相当する変圧器を単巻変圧器
とすることにより、小形化を計り、ひいては価格の低減
化を期し得る静止誘導器を提供するものである。

次に、この発明の静止誘導器の一実施例について図面に
基づき説明すれば、第２図はその回路図であり、主変圧
器１は１次巻線２および接続替え巻線３ａ 、３ｂを有
する点は第１図の場合と同様である。

この２次巻線３ａ 、３ｂは接続替え巻線切換用端子６
により、直列あるいは並列接続に接続替されるようにな
っている。

すなわち、この２次巻線切換用端子６は端子ａ ＋ ｂ
ｔ ｃ ｓ ｄを有し、この端子ａとｂおよびＣとｄ
が接続されると並列接続であり、端子すとＣが接続され
ると直列接続となる。

また、４は複数のタップを有するタップ巻線であり、こ
のタップ巻線４の両端はそれぞれスイッチ９の固定端子
ａ、ｂに接続されている。

そして、スイッチ９の可動端子Ｃは端子Ａに接続されて
いる。

５は単巻変圧器であり、その一端はタップ切換器の可動
端子８に接続されており、この可動端子８はタップ巻線
４の各タップに切換接続されるものである。

単巻変圧器５の他端は端子りに接続され、単巻変圧器５
の中点には中間タップが設けられており、この中間タッ
プは端子Ｃに接続されている。

なお、図中のＢは端子であり、この端子Ｂは接続替え巻
線３ｂの一端に接続されている。

これらの端子Ａ〜Ｄにより、切換スイッチ７を構成して
おり、接続替え巻線３ａ 、３ｂが直列になっていると
きは、切換スイッチ７の端子ＡとＢを接続し、接続替え
巻線３ａ 、３ｂが並列になっているときは、切換スイ
ッチ７の端子ＡとＤおよびＢとＣをそれぞれ接続するこ
とにより、接続替え巻線３ａ、３ｂが直列のときはタッ
プ巻線４からの電圧を単巻変圧器５を介さずそのまま接
続替え巻線３ａ 、３ｂの電圧に加算または減算し、接
続替え巻線３ａ、３ｂが並列のときはタップ巻線４から
の電圧を一且単巻変圧器５の両端々子間に加え、中点端
子を介してその電圧を半分にして、接続替え巻線３ａ、
３ｂの電圧に加算または減算いずれの場合にも調整電圧
の割合が一定になるようになっている。

即ち第２図において、２次巻線３ａ 、３ｂの並列接続
時はスイッチ７はＡ（！：Ｄ、ＢとＣが接続されている
ため、タップ巻線４の電圧は単巻変圧器５の両端に印加
され、これに伴い単巻変圧器５の中点タップと右側巻線
の端子間にはタップ巻線４の電圧の７２の電圧が誘起し
、これが接続替え巻線３ａ 、３ｂに加算又は減算され
る。

このときの直列変圧器である単巻変圧器５は、たとえば
、２次調整電圧が±１０％の場合は線路容量が１０％で
あり、したがって、その自己容量は５％となる。

これは変圧比を２としたとき、単巻変圧器の等価容量（
自己容量）−′／２×（２巻線変圧器の等価容量）なる
関係から生じるものである。

これより明らかなように、第１図の場合と比べると、自
己容量は半分で済むので、直列変圧器（単巻変圧器５）
が小さくなり、このため、誘導器全体として小型にでき
ることになる。

・また、単巻変圧器５の自己容量と線路容量の比、則ち
公比は、 （但し、■Ｌ二低圧側電圧、■Ｈ：高圧側電圧、■Ｈ：
高圧側電流である） となり、巻数分化が小さくなる程、換言すれば高圧側と
低圧側の電圧が近くなるほど、単巻変圧器５の自己容量
が減少し、変圧器重量を減少できる。

ところで、タップ切換器は相間絶縁のほとんど必要のな
い３相星形中性点用タップ切換器が広く用いられている
。

そして、第１図のように、タップ回路が主回路から電気
的に絶縁されているような場合は、このような中性点用
タップ切換器を適用することは容易であるが、第２図の
実施例のように、タップ回路が主回路に電気的に接続さ
れているときは、接続方法を工夫しないと、中性点用タ
ップ切換器を適用できないことが多い。

この第２図の実施例では、タップ切換器の可動端子８が
出力側の一端に接続されているので、２次巻線が星形結
線のときは、可動端子側が中性点となるよう３相結線す
れば、中性点用タップ切換器を用いることができる。

さて、第３図はこの発明の他の実施例であり、この第３
図の場合は、単巻変圧器５の他端は切換スイッチ７の端
子Ｃに接続し、単巻変圧器５の中間タップを端子りに接
続したものである。

そして、接続替え巻線３ａ 、３ｂが直列のときは、切
換スイッチ７の端子Ａとり、ＢとＣをそれぞれ接続し、
接続替え巻線３ａ、３ｂが並列のときは、切換スイッチ
７の端子ＡとＢを接続することにより、接続替え巻線３
ａ、３ｂが直列のときはタップ巻線４から単巻変圧器５
の中間タップと右側巻線端間に印加される電圧を単巻変
圧器５により２倍にして接続替え巻線３ａ、３ｂの電圧
に加算または減算し、また接続替え３ａ 、３ｂが並列
のときはタップ巻線４からの電圧を単巻変圧器５を介さ
ずそのまま接続替え巻線３ａ、３ｂの電圧に加算または
減算し、いずれの場合にも調整電圧の割合が一定になる
ようにしている。

この第３図の実施例の場合、第２図の実施例の場合と同
様、単巻変圧器５の等価容量（自己容量）は第１図の場
合に比べて半分に済むので、この単巻変圧器を小さくす
ることができ、したがって、誘導器量体が小型になる。

また、タップ切換器の可動端子８は単巻変圧器５の出力
側の一端に接続されているので、接続替え巻線３ａ、３
ｂが星形結線のときはこの可動端子８側が中性点となる
よう３相結線すれば、中性点用タップ切換器を用いるこ
とができる。

なお、上記各実施例では、主変圧器１の２次側にタップ
切換器がある場合について述べたが、１次側にあっても
同様である。

即ち、上記第２図及第３図の事例とは逆に巻線２を２次
巻線、巻線３ａ 、３ｂ 、４を１次巻線とするような
場合は、１次入力電圧が、例えば６ＫＶ／３ＫＶと変化
しても２次側にはほは一定の電圧を出力させ得る。

また、本発明方式は３巻線形の変圧器、即ち１次、２次
巻線をＹ−Ｙ結線し、安定巻線として３次△巻線を設け
た変圧器にも同様に適用できる。

さらに、大幅切換として、直並列切換の場合について例
示したが、たとえば、３：１などの切換の場合も直列変
圧器（単巻変圧器５）の中間タップを適当にとれば、上
記実施例の場合と同様にこの発明を適用することができ
、それに応じて直列変圧器の等価容量を小さくすること
ができる。

なお、タップ巻線４の容量は第１図、第２図、第３図と
も同一である。

以上のように、この発明によれば、タップ切換器の付い
ている側の巻線が直並列切換などにより大幅に電圧が切
換される静止誘導器において、直列変圧器として単巻変
圧器を用いるようにしたので、直列変圧器の等価容量を
小さくでき、したがって、静止誘導器の寸法、重量、価
格、損失のいずれをも低減できるとともに、広く利用さ
れている３相星形中性点用タップ切換器を適用できる効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のタップ切換器付変圧器の結線図、第２図
はこの発明の静止誘導器の一実施例を示す結線図、第３
図はこの発明の静止誘導器の他の実施例を示す結線図で
ある。 １・・・・・・主変圧器、３ａ 、３ｂ・・・・・・接
続替え巻線、４・・・・・・タップ巻線、６・・・・・
・２次巻線用切換端子、７・・・・・・切換スイッチ、
８・・・・・・タップ切換器の可動端子、なお、図中同
一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 閉路をなす鉄心に共通に巻回される直列あるいは並
   列に接続替する接続替え巻線３ａ 、３ｂおよびタップ
   巻線４を有する静止誘導機器において、上記タップ巻線
   の有効巻数を選択するためのタップ切換器、該タップ切
   換器を通して該タップ巻線４に接続され、中間端子およ
   び両端の第１、第２端子を有する単巻変圧器を具備し、
   上記タップ巻線出力端子の一方を上記単巻変圧器の第２
   端子に接続し、上記接続替え巻線３ａ 、３ｂが直列に
   接続されたとき該直列巻線の一端を上記タップ巻線出力
   端子の他方に接続し、これにより上記タップ巻線４から
   の電圧を上記単巻変圧器を介さずに接続替え巻線３ａ
   、３ｂの電圧に加算もしくは減算し、上記接続替え巻線
   ３ａ 、３ｂが並列に接続されたときは該並列巻線の一
   端を上記単巻変圧器の中間端子に、単巻変圧器の第１端
   子をタップ巻線出力端子の他方にそれぞれ接続するか、
   もしくは上記接続替え巻線３ａ 、３ｂが直列に接続さ
   れたときは該直列巻線の一端を上記単巻変圧器の第１端
   子に、その中間端子を上記タップ巻線出力端子の他方に
   それぞれ接続し、これにより上記タップ巻線４からの電
   圧を上記単巻変圧器を介して上記接続替え巻線３ａ 、
   ３ｂの電圧に加算もしくは減算し、さらに上記接続替え
   巻線３ａ、３ｂが並列に接続されたときは該並列巻線の
   一端を上記タップ巻線端子の他方に接続し、上記タップ
   巻線４からの電圧を上記単巻変圧器を介さずに上記接続
   替え巻線３ａ 、３ｂの電圧に加算もしくは減算するた
   めの切換スイッチを設けたことを特徴とする静止誘導器
   。