JPS585650B2

JPS585650B2 - ジンコウサンヨウシリヨウ

Info

Publication number: JPS585650B2
Application number: JP49108194A
Authority: JP
Inventors: 鵜野恒夫; 岡本清; 今西康作; 児玉礼次郎; 内藤謙一
Original assignee: Takeda Chemical Industries Ltd
Current assignee: Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1974-09-18
Filing date: 1974-09-18
Publication date: 1983-02-01
Also published as: JPS5139287A

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、人工蚕用飼料に関するものである。

最近、人工蚕用試料の研究が盛んに行なわれ、実験的に
は天然桑葉による飼育にかなり近い飼育成績が得られて
いるが、未だ満足できるものではない。

一般に、人工蚕用飼料は腐敗しやすいものであり、これ
を摂食した蚕は成長が阻害され繭層重、全繭重に影響を
与える。

このため、一般に防腐、防黴剤を添加することが行なわ
れているが、これらは有効量の投与により蚕の成長を阻
害し、ひいては繭層重、全繭重にも悪影響を及ぼす傾向
があり、人工蚕用飼料による飼育時、特に４〜５令壮蚕
での開放的飼育の一つの大きな問題点である。

本発明者らは、このような現状に鑑み種々検討した結果
、メチルベンズイミダゾール２−カ−バメートおよびそ
の塩、および８−ヒドロオキシキノリンおよびその塩の
少なくとも１種を、人工蚕用飼料に添加すると、このよ
うな飼料を蚕が忌避しないだけでなく、人工蚕用飼料の
防腐、防黴が行なわれて、蚕の発育を促進せしめ、繭層
重、全繭重を増大せしめることができるという新知見を
得、これに基づいて本発明を完成した。

すなわち、本発明は、以下のうちの少なくとも１種を含有してなる人工蚕用飼
料、（１）メチルベンゾイミダゾール−２−カーバメイトま
たはその塩（２）８−ヒドロキシキノタンまたはその塩メチルベン
ズイミダゾール２−カ−バメートおよび８−ヒドロオキ
シキノリンの塩としては、たとえば塩酸、硫酸、リン酸
、ホウ酸、硝酸などの無機酸との塩、酢酸、クエン酸、
ベンゼンスルホン酸などの有機酸との塩などが用いられ
る。

これらの有効成分は、単独でまたは併用して人工飼料に
含有させる。

含有量は、メチルベンズイミダゾールまたはその塩の場
合は通常乾燥飼料１ｇ当り１０〜２００ｍｃｇ好ましく
は１０〜１００ｍｃｇであり、８−ヒドロオキシキノリ
ンまたはその塩の場合は通常乾燥飼料１１当り１０００
〜４０００ｍｃｇ好ましくは１０００〜２０００ｍｃｇ
である。

本発明人工蚕用飼料を製造するには、通常用いられる人
工蚕用飼料の製造法が用いられ、製造過程のいかなる段
階で前記有効成分を含有せしめてもよい。

たとえば乾燥飼料に所定量の有効成分を添加練合する方
法あるいは調整済の飼料に有効成分を水溶液として添加
する方法等が適宜採られる。

人工蚕用飼料としては、たとえば寒天、カルボキシメチ
ルセルローズ、メチルセルローズ、アルギン酸、大豆粉
、キナコ、脱脂大豆粉、オカラ、豆腐粉、納豆乾燥粉末
、脱脂乾燥味噌、米粉、大麦粉、小麦粉等の穀類または
その処理物、しよ糖、ぶどう糖、乳糖、ラフィノーズ、
果糖等の糖類、藁灰、酵母またはその処理物、魚粉等の
希釈剤兼栄養剤に、たとえばグルタミン酸、アスパラギ
ン酸、ロイシン、リジン、チロジン、トリプトファン、
バリン、スレオニン、ゼリン、プロリン、グリシン、ア
ラニン、イソロイシン、フエニルアラニン、アルギニン
、メチオニン等のアミノ酸、タウリンあるいはこれらの
塩、または各種動植物性のたん白質、パントテン酸、ニ
コチン酸、ビタミンＢ１、ビタミンＢ２、ビタミンＢ６
、ビタミンＢ１２、ビタミンＣ，ビタミンＤ，ビオチン
、葉酸、ビタミンＫ、ビタミンＥ、ビタミンＰ、イノシ
トール、オロット酸、リポ酸等のビタミン類あるいはこ
れらビタミン類と同様に作用するもの（たとえばこれら
の誘導体、塩等）、核酸または核酸の加水分解により得
られる核酸類縁物質、たとえばアデニル酸、グアニル酸
、ウリジル酸、シチジル酸、イノシン酸、チミジル酸、
デソキシアデニル酸、デソキシチミジル酸、アデニン、
グアニン、シトシン、ヒポキサンチン等のヌクレオタイ
ド類、ヌクレオシド類、核塩基類、これらにポリリン酸
の付加したもの、核酸の加水分解の中間生成物、あるい
はこれらの粗製品またはこれらの塩、リン酸ナトリウム
、第一リン酸カリウム、第三リン酸ナトリウム、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウム、塩化ナ
トリウム、塩化カルシウム、リン酸マグネシウム、リン
酸水素二カリウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、
リン酸二水素アンモニウム、ポリリン酸塩等、特にマグ
ネシウム、カルシウム塩等の無機物類、蜂密またはその
加工品、あるいはペクチン、ジアスターゼ、パパイン、
トリプシン等の酵素、テトラサイクリン、クロルテトラ
サイクリン、オキシテトラサイクリン、ネオマイシン、
デキストロマイシン、カナマイシン、トリコマイシン、
ミカマイシン、ペニシリン、スルファイソミジン、スル
ファインキサゾール、メトキシピリダジン、セファロス
ポリンまたはこれらの塩等の抗菌性物質、特に、たとえ
ば、ジヒドロストレプトマイシン、ストレプトスライシ
ン、ストレプトマイシン等のストレプトマイシン類、ク
ロラムフエニコール、オレアンドマイシン、ロイコマイ
シン、エリスロマイシン、ピクロマイシン等の巨大ラク
トン環抗性物質あるいは、たとえばニトロフリルアクリ
ル酸アミド、ヒノキチオール、フラゾリドン、ニトロフ
ラゾン、パラオキシ安息香酸ブチルエステル、パラオキ
シ安息香酸プロピルエステル等の化学物質、たとえばグ
ルクロン酸またはそのナトリウム塩、カルシウム塩、ア
ンモニウム塩、有機アミン塩、抗生物質塩等の塩類、あ
るいはグルクロン酸エチルエステル、グルクロン酸アミ
ド、２−アミノ−２−デソキシ−Ｄ−グルクロン酸また
はその塩、Ｎ−グルクロノシドグルコサミンやその塩等
さらには、クロロゲン酸、レゾルシン酸、ゲンチジン酸
、ホモゲンチジン酸、ピペリン酸、没食子酸、カフェイ
ン酸またはこれらの塩、エステル、エーテル誘導体等、
キナ酸、グロン酸、シキミ酸またはこれらの塩、エステ
ル、エーテル誘導体およびワニリン、プロトカテキュア
ルデヒド等のポリフェノールアルデヒド類を配合したも
のであって、桑葉を全然用いないか、あるいは部分的に
用いるか、あるいは少量の桑粉を添加するだけのものが
用いられる。

前記のごとき人工蚕用飼料は、給餌期全般に摂取せしめ
るか、特に４〜５令期に摂取させると大きな効果が望ま
れる。

また、他の抗菌性物質と併用すると相乗的効果が認めら
れる。

給餌方法、回数、その他の条件は、通常の蚕飼育で用い
られる条件が適宜用いられる。

かくのごとき本発明人工蚕用飼料での蚕の飼育は、蚕の
噛咬性、嚥下性、摂食性を低下せしめることなく、飼料
の腐敗、黴発性に影響されることなく、かつ繭層重、全
繭重を増大させることができる。

実施例１メチルベンズイミダゾール２−カーバメート塩酸塩（以
下、ＢＣＨと略称する）、８−ヒドロオキシキノリン硫
酸塩（以下、ＱＳと略称する）を添加した壮蚕用飼料で
、１区１００頭の５令起蚕を開放飼育し、その全繭重、
繭層重を測定した。

結果は、第１表に示す。

但し、対照としてｎ−吉草酸を４０００ｍｃｇ／ｇ（乾
物）添加したものを用いた。

用いた壮蚕用試料の組成：桑葉末１６部、脱脂大豆粉６５部、馬鈴薯殿粉１５部、
繊維素８部、ビタミン混合物０．５部、β−シトステロ
ール０．３部、イノシット０．５部、第二リンサンカリ
０．５部、アセチルコリン０．１部、ビタミンＣ１部。

実施例２乾燥人工蚕用飼料１ｇ当りストレプトコツカス・フエカ
リス−ストレプトコツカス・フエシウム中間体（Ｓｔｒ
ｅｐｔｏｃｏｃｃｕｓｆａｅｃａｌｉｓ−Ｓｔｒｅｐ
ｔｏ−ｃｏｃｃｕｓｆａｅｃｉｕｍｉｎｔｅｒｍｅ
ｄｉａｔｅ、以下Ｅ５と略称する）。

セラチア・マルセツセンス（Ｓｅｒｒａ−ｔｉａｍａ
ｒｃｅｓｃｅｎｓ、以下Ｅｂ８４と略称する）を各各１
００個宛及び薬剤抵抗性こうじ黴病菌（Ｋ−１：Ｓ−８
５＝１：１の混合物）を１０００個を塗布した飼料上に
、５令２日目の健康蚕児をのせて３時間食下させ、消化
管内に充分病原菌の侵入をおこさせ（この３時間中に蚕
児１頭当り平均飼料１００ｍｇ、病原菌Ｅ５を７個、Ｅ
ｂ８４を１８個、こうじ黴病菌を１００個食下したこと
となる）、次いで３時間後に４−ブロム−３−メチル−
５−ピラゾロン（以下、ＢＭＰと略称する）１５ｍｃｇ
／ｇ、タイロシン酒石酸塩（以下、ＴＮと略称する）５
０ｍｃｇ／ｇおよびネオマイシン（以下、ＮＭと略称す
る）１００ｍｃｇ／ｇ、塩酸クロルテトラサイクリン（
テレフタル酸二カリウム５００ｍｃｇ、クエン酸ソーダ
３００ｍｃｇとの混合組成物としてもちいる。

以下、ＣＭと略称する）１００ｍｃｇ／ｇまたはペニシ
リンＧカリウム塩（以下、ＰＧと略称する）１００ｍｃ
ｇ／ｇとＱＳ１５００ｍｃｇ／ｇとを添加した飼料に取
り替え開放飼育し、斃死蚕数、収繭数、収繭率、繭層重
を測定しその結果を第２表に示した。

用いた人工蚕用試料の組成：桑葉末１６部、脱脂大豆粉６５部、馬鈴薯殿粉１５部、
繊維素８部、ビタミン混合物０．５部、β−シトステロ
ール０．３部、イノシツト０．５部、第ニリンサンカリ
０．５部、アセチルコリン０．１部、ビタミンＣ１部。

実施例３実施例２と同様に、Ｅ５、Ｅ８４およびＫ−１とＳ−８
５の混合菌を接種した５令２日目の蚕児を供試蚕とし、
ＴＮ３０ｍｃｇ／ｇおよびＮＭ６０ｍｃｇ／ｇ、ＴＮ５
０ｍｃｇ／ｇおよびＮＭ１００ｍｃｇ／ｇまたはＰＧ１
００ｍｃｇ／ｇとＢＣＨ１５ｍｃｇ／ｇを添加した壮蚕
用人工飼料を、５令１、２、５、６日の４日間給与（第
１区）あるいは５令１、２、４、５、６日の５日間給与
（第２区）し、斃死蚕数、収繭数、収繭率、繭層重を測
定した。

その結果を第３表に示す。用いられた壮蚕用乾燥人工飼
料の組成：桑葉末２０％、大豆カス４５％、殿粉１５％、蔗糖１０
％、繊維素８％、ビタミン混合物０．５％、β−シトス
テロール０．５％、イノシット０．５％、ビタミンＣ０
．５％。

Claims

【特許請求の範囲】１以下のうちの少なくとも１種を含有してなる人工蚕
用飼料。（１）メチルベンゾイミダゾール−２−カーバメイトま
たはその塩（２）８−ヒドロキシキノリンまたはその塩。