JPS5853711B2 - ニッケル−クロム−モリブデン系圧力容器用高強度高じん性厚肉鋼 - Google Patents
ニッケル−クロム−モリブデン系圧力容器用高強度高じん性厚肉鋼Info
- Publication number
- JPS5853711B2 JPS5853711B2 JP54008207A JP820779A JPS5853711B2 JP S5853711 B2 JPS5853711 B2 JP S5853711B2 JP 54008207 A JP54008207 A JP 54008207A JP 820779 A JP820779 A JP 820779A JP S5853711 B2 JPS5853711 B2 JP S5853711B2
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- Japan
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- steel
- strength
- pressure vessels
- tempering
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は、Ni−Cr−Mo系圧力容器用高強度高じん
性厚肉鋼に関するものである。
性厚肉鋼に関するものである。
従来、圧力容器用材料としてMn−Mo系、Mn−Mo
−Ni系、Cr−Mo系、Ni −CrMo系等種々の
低合金鋼が用いられているが、特に、Ni−Cr−Mo
系鋼はNiを3%程度含有しているため、極めて焼きも
どしぜい化感受性の高い鋼種であり、従って、その元来
保有している高強度、高じん性を圧力容器、特に、厚肉
の圧力容器に適用することができないでいた。
−Ni系、Cr−Mo系、Ni −CrMo系等種々の
低合金鋼が用いられているが、特に、Ni−Cr−Mo
系鋼はNiを3%程度含有しているため、極めて焼きも
どしぜい化感受性の高い鋼種であり、従って、その元来
保有している高強度、高じん性を圧力容器、特に、厚肉
の圧力容器に適用することができないでいた。
本発明は、従来のNi−Cr−MO系低合金鋼における
このような著しい焼きもどしぜい化感受性を低減させる
と共に焼入性が大きく、溶接後熱処理に耐え得る高強度
及び高じん性を有し、製造可能な肉厚においても優れて
いる圧力容器用調質型Ni−Cr−Mo系鋼を得ること
を、その目的とするものである。
このような著しい焼きもどしぜい化感受性を低減させる
と共に焼入性が大きく、溶接後熱処理に耐え得る高強度
及び高じん性を有し、製造可能な肉厚においても優れて
いる圧力容器用調質型Ni−Cr−Mo系鋼を得ること
を、その目的とするものである。
この目的を達成するために、本発明による鋼は、重量%
としてC0,15〜0.23%、SiO,10%、以下
、Mn 0.20〜0.60%、Ni2.50〜3.9
0%、Cr 1.50〜2.00%、MOo、40〜0
.60%、AIo、030%以下を含有し、また、不可
避元素であるP、Sb、Sn、Asの含有量を極力制限
し、残部がFeから成ることを特徴とするものである。
としてC0,15〜0.23%、SiO,10%、以下
、Mn 0.20〜0.60%、Ni2.50〜3.9
0%、Cr 1.50〜2.00%、MOo、40〜0
.60%、AIo、030%以下を含有し、また、不可
避元素であるP、Sb、Sn、Asの含有量を極力制限
し、残部がFeから成ることを特徴とするものである。
以下、本発明をその実施例及びその性状を示す添付の線
図などに基づいて詳細に説明する。
図などに基づいて詳細に説明する。
本発明による鋼は、上記のような化学成分を有している
が、まず、本発明鋼における各成分元素含有量の限定理
由を説明すると、次ぎのとおりである。
が、まず、本発明鋼における各成分元素含有量の限定理
由を説明すると、次ぎのとおりである。
C:焼入性及び強度レベルを維持する上で必要な元素で
あるが、0.15%以下では本発明鋼の目的を達成する
ことができない。
あるが、0.15%以下では本発明鋼の目的を達成する
ことができない。
一方、0.23%以上では、溶接性が維持できなくなり
、溶接構造用材料としての性能が損なわれる。
、溶接構造用材料としての性能が損なわれる。
従って、0.15〜0.23%とする。
Si:Niを後記のように2.50〜3.90%と高く
とったためにSiが高いと、焼きもどしぜい化感受性が
極めて大きくなり、切欠きじん性が損なわれる。
とったためにSiが高いと、焼きもどしぜい化感受性が
極めて大きくなり、切欠きじん性が損なわれる。
従って、Siは低い程好ましいが、その上限値を極端に
低く定めると、製造上の裕度が小さくなり、実用的でな
い。
低く定めると、製造上の裕度が小さくなり、実用的でな
い。
この主旨から、0.10%以下とする。
Mn:焼戻しぜい化感受性の低減のために0.60%以
下にする必要がある。
下にする必要がある。
また、低温じん性の確保のために0.20%以上の含有
を必要とする。
を必要とする。
従って、上記理由により、0.20〜0.60%とする
。
。
Ni:焼入性及び強度レベルを維持する上で必要である
。
。
しかしながら、2.50%以下では強度を得る上で問題
があり、一方、焼入性の面からは3.90%以下で充分
にその目的を達することができる。
があり、一方、焼入性の面からは3.90%以下で充分
にその目的を達することができる。
従って、2.50〜3.90%とする。Cr:高強度化
の面から、1.50%以上の含有を必要とする。
の面から、1.50%以上の含有を必要とする。
一方、Niを多量に含むことから2.00%以下の含有
で充分である。
で充分である。
従って1.50〜2.00%とする。
Mo:強度を保持し、かつ、じん性を確保する上で0.
50%の含有が望ましい。
50%の含有が望ましい。
しかしながら、工業的に製造を行なう上で裕度が必要で
あり、0.50%±0.10%とする。
あり、0.50%±0.10%とする。
従って、0.40〜0.60%とする。
Al:結晶粒度の微細化による低温じん性の向上※泉
及び焼きもどしぜい化感受性の低減のために必要である
。
。
しかし、経験上0.030%以上の添加を行なうと鋼材
の清浄度が低下し、Al2O3を主体とする介在物によ
る巨視的欠陥の発生することが多い。
の清浄度が低下し、Al2O3を主体とする介在物によ
る巨視的欠陥の発生することが多い。
このために鋼材の歩留まりが低下し、経済性が損なわれ
る。
る。
従って0.030%以下とする。
P、Sb、Sn、As:これらの元素は、本鋼種の焼き
もどしぜい化感受性に著しい影響を与え、含有させない
ことが望ましいが、工業的及び経済的な面から必ずしも
零とすることは不可能であり、従って、極力制限するも
のとする。
もどしぜい化感受性に著しい影響を与え、含有させない
ことが望ましいが、工業的及び経済的な面から必ずしも
零とすることは不可能であり、従って、極力制限するも
のとする。
次ぎに、本発明鋼を実施例について説明する。
表1に示すような化学成分を有する本発明による試験鋼
塊を塩基性電気炉によって35を溶製した。
塊を塩基性電気炉によって35を溶製した。
これに熱間加工を施し、鋼塊からの断面減少率を約3.
4とした。
4とした。
これに焼きならし・焼きもどし処理を施した後、肉厚2
0mmの試材を採取し、これに厚肉材を想定した再オー
ステナイト化処理を施した後、急冷し、引き続き焼きも
どしを行なった。
0mmの試材を採取し、これに厚肉材を想定した再オー
ステナイト化処理を施した後、急冷し、引き続き焼きも
どしを行なった。
第1及び2図に得られた試材の機械的性質を示しである
が、第1図には室温における0、2%耐力並びに引張強
さに及ぼすオーステナイト化温度からの冷却速度の影響
を示してあり、また、第2図には、焼きもどし温度並び
に焼きもどし温度を600℃に保持した場合における焼
きもどし保持時間の機械的性質に及ぼす影響を示しであ
る。
が、第1図には室温における0、2%耐力並びに引張強
さに及ぼすオーステナイト化温度からの冷却速度の影響
を示してあり、また、第2図には、焼きもどし温度並び
に焼きもどし温度を600℃に保持した場合における焼
きもどし保持時間の機械的性質に及ぼす影響を示しであ
る。
なお、第1及び2図において、焼きもどしパラメータは
ここにT:絶対温度(0K)
t:焼きもどし保持時間(h)
を現わすものである。
これらの図から、本発明鋼は、いずれの冷却速度におい
ても焼きもどし後の強度にほとんど差はなく、700m
m相当(3℃/分の冷却)までの超極厚材として充分な
焼入性を有していることが分かる。
ても焼きもどし後の強度にほとんど差はなく、700m
m相当(3℃/分の冷却)までの超極厚材として充分な
焼入性を有していることが分かる。
ただし、焼きもどし温度を600℃以下にすると、溶接
後の応力除去焼鈍温度を低くしなげればならず、そうす
ると残留応力が高くなり、また、溶接熱影響部の最高硬
さを高めることになり、最終製品に悪影響を与える。
後の応力除去焼鈍温度を低くしなげればならず、そうす
ると残留応力が高くなり、また、溶接熱影響部の最高硬
さを高めることになり、最終製品に悪影響を与える。
従って、本発明鋼においては、焼きもどし温度は、60
0℃以下にはしないことが肝要である。
0℃以下にはしないことが肝要である。
次ぎに、第3図は、オーステナイト化温度からの冷却速
度20°C/分、630°CXl0時間の焼きもどしの
場合の高温短時間引張性質と、試験温度との関係の1例
を示すものである。
度20°C/分、630°CXl0時間の焼きもどしの
場合の高温短時間引張性質と、試験温度との関係の1例
を示すものである。
同図から、本発明鋼は高温強度も高く、引張延性も充分
高いことが知られる。
高いことが知られる。
また、第4図は、オーステナイト化温度からの冷却速度
20℃/分、605℃×15時間の焼きもどし、600
℃×12時間、24時間及び36時間の溶接後熱処理の
場合における2mmVmm用ピー衝撃遷移曲線及び延性
破面率を示すものである。
20℃/分、605℃×15時間の焼きもどし、600
℃×12時間、24時間及び36時間の溶接後熱処理の
場合における2mmVmm用ピー衝撃遷移曲線及び延性
破面率を示すものである。
第4図から、本発明鋼は低温じん性も良好であることが
分かる。
分かる。
以上のことから、本発明鋼は、以下のような特徴及び効
果を有しているものであることが分かる。
果を有しているものであることが分かる。
すなわち
(1)常温における0、2%耐力及び引張強さがそれぞ
れ60kg/m4.74kg/m4以上の高強度鋼であ
ること (2)低Si化、Al添加及びP、Sb、Sn、Asの
含有量を極力制限することによって炉冷中の焼きもどし
ぜい化感受性を低減させ、溶接構造による圧力容器材料
として適用が可能であること (3)第3図からも明らかであるように、高温強度も高
いこと (4)−29℃において5 kg−m以上の高いシャル
ピー衝撃値が得られること (5)表1に示した成分範囲に成分調整することにより
、約700mm程度の肉厚まで製造が可能であること (6)本発明鋼によって肉厚200mm以上の圧力容器
を製造する場合、強度上昇による設計肉厚の低減によっ
て価格の低減に有効であることなどである。
れ60kg/m4.74kg/m4以上の高強度鋼であ
ること (2)低Si化、Al添加及びP、Sb、Sn、Asの
含有量を極力制限することによって炉冷中の焼きもどし
ぜい化感受性を低減させ、溶接構造による圧力容器材料
として適用が可能であること (3)第3図からも明らかであるように、高温強度も高
いこと (4)−29℃において5 kg−m以上の高いシャル
ピー衝撃値が得られること (5)表1に示した成分範囲に成分調整することにより
、約700mm程度の肉厚まで製造が可能であること (6)本発明鋼によって肉厚200mm以上の圧力容器
を製造する場合、強度上昇による設計肉厚の低減によっ
て価格の低減に有効であることなどである。
第1図は本発明鋼の0.2%耐力並びに引張強度に及ぼ
す調質時の肉厚の影響を示す線図、第2図は本発明鋼の
常温引張強度に及ぼす焼きもどし保持時間の影響を示す
線図、第3図は本発明鋼の高温引張強度を示す線図、第
4図は本発明鋼のシャルピー衝撃遷移曲線図である。
す調質時の肉厚の影響を示す線図、第2図は本発明鋼の
常温引張強度に及ぼす焼きもどし保持時間の影響を示す
線図、第3図は本発明鋼の高温引張強度を示す線図、第
4図は本発明鋼のシャルピー衝撃遷移曲線図である。
Claims (1)
- 1 重量%とじてC0,15〜0.23%、Si0.1
0%以下、Mn 0.20〜0.60%、Ni2.50
〜3.90%、Cr 1.50〜2.00%、Mo0.
40〜0.60%、AIo、030%以下を含有し、不
可避元素として含まれるP、Sb、Sn、Asの含有量
を極力制限し、残部がFeから成ることを特徴とするニ
ッケルークロム−モリブデン系圧力容器用高強度高じん
性厚肉鋼。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP54008207A JPS5853711B2 (ja) | 1979-01-29 | 1979-01-29 | ニッケル−クロム−モリブデン系圧力容器用高強度高じん性厚肉鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP54008207A JPS5853711B2 (ja) | 1979-01-29 | 1979-01-29 | ニッケル−クロム−モリブデン系圧力容器用高強度高じん性厚肉鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS55100963A JPS55100963A (en) | 1980-08-01 |
JPS5853711B2 true JPS5853711B2 (ja) | 1983-11-30 |
Family
ID=11686791
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP54008207A Expired JPS5853711B2 (ja) | 1979-01-29 | 1979-01-29 | ニッケル−クロム−モリブデン系圧力容器用高強度高じん性厚肉鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5853711B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0360362B1 (en) * | 1986-07-29 | 1992-07-22 | Showa Aluminum Kabushiki Kaisha | Condenser |
US5190100B1 (en) * | 1986-07-29 | 1994-08-30 | Showa Aluminum Corp | Condenser for use in a car cooling system |
US4936379A (en) * | 1986-07-29 | 1990-06-26 | Showa Aluminum Kabushiki Kaisha | Condenser for use in a car cooling system |
US5482112A (en) * | 1986-07-29 | 1996-01-09 | Showa Aluminum Kabushiki Kaisha | Condenser |
US5246064A (en) * | 1986-07-29 | 1993-09-21 | Showa Aluminum Corporation | Condenser for use in a car cooling system |
US5458190A (en) * | 1986-07-29 | 1995-10-17 | Showa Aluminum Corporation | Condenser |
JP2733807B2 (ja) * | 1991-06-07 | 1998-03-30 | 株式会社日本製鋼所 | 耐硫化物応力腐食割れ性および低温靱性に優れた溶接構造用鋼 |
CN102445031A (zh) * | 2010-09-30 | 2012-05-09 | 苏州三星电子有限公司 | 冰箱高效冷凝器 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4914971A (ja) * | 1972-05-22 | 1974-02-08 |
-
1979
- 1979-01-29 JP JP54008207A patent/JPS5853711B2/ja not_active Expired
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS4914971A (ja) * | 1972-05-22 | 1974-02-08 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS55100963A (en) | 1980-08-01 |
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