JPS585253B2 - タイホウデンシヨウモウセイデンキセツテン

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【発明の詳細な説明】本発明は耐放電消耗性の電気接点（以下単に接点と記す
）に関する。

接点により電流を開閉すると接点間で放電が生じ、この
結果接点材料が移転し、接点の一方に穴が、他方に突起
が生ずる。

一度突起が生じるとそこに電界が集中し、次の放電が突
起の部分でおこりやすくなり、移転の結果、突起はます
ます高くなり、穴はますます深くなりやすい。

この放電消耗のため、接点材料が薄い場合はパーマロイ
等の下地が現われ接触障害の原因となるし、また、突起
と穴のかみ合いや突起の相手側接点への接触による開離
不良障害の原因となる。

しかし、放電点が一点に集中せず広い範囲に分散して、
広い範囲が消耗するような接点であれば下地が現われに
くく、突起や穴による開離不良も生じない。

そこで、放電痕が平面になるような接点材料の出現が望
まれている。

本発明はＰｄとＳｉの合金により、放電痕が平坦になる
消耗特性を実現したものである。

以下に本発明の詳細な説明する。本発明による接点材料
はＰｄにＳｉを８〜２３ａｔ％加えて得られる合金であ
る。

通常の溶解法で造られるＰｄＳｉ合金はＳｉが約２ａ
ｔ％以上の組成において極めて脆く、圧延等の加工が不
可能となり、接点材料として使用することは困難である
。

また５ｉ２ａｔ％以下の組成では放電消耗特性を改善す
ることはできない。

ところが、ＰｄＳｉ合金はＳｉ５．５〜２３ａｔ％に
おいて非晶質にすることが可能であり、この場合、弾性
および靭性が生じ、バルク接点材料として使用すること
が可能となる。

非晶質の金属を製造する方法のひとつにロール急冷法が
ある。

本発明者らはロール急冷法により、ＰｄＳｉ合金を製造
し、Ｓｉ成分８〜２３ａｔ％において弾性および靭性を
有するテープを得た。

ここでＳｉ８〜１５．５ａｔ％のＰｄＳｉ合金は非晶
質と結晶質の混合体である。

これらの合金から成る接点について、Ｎ２ガス中におい
てケーブルチャージによる放電実験を行ったところ、Ｓ
ｉ量が多いほど放電痕の突起の高さおよび穴の深さが小
であった。

５ｉ２０ａｔ％以上においては特に効果が大きく、単位
放電エネルギーあたりの放電痕の突起の高さおよび穴の
深さは、ＡｇＰｄ６０ｗｔ％接点と比較して、１／１０
０以下であった。

ＰｄＳｉ２０．８ａｔ％とＡｇＰｄ６０ｗｔ％
の場合について、放電痕の二次電子像の一例についてそ
れぞれ第１図、第２図に示す。

なお、多量のＳｉを含有するにもかかわらず、２００万
回の開閉において、接触抵抗の増大は認められなかった
。

また、可動接点、固定接点のうち、一方がＰｄＳｉ接点
であり、他方がＡｇＰｄ６０ｗｔ％接点であっても同
様の効果を得た。

以上においてはロール急冷法により製造する場合につい
て述べたが、他の製造方法によっても差しつかえない。

以上の説明から、本発明によるＰｄＳｉ合金接点は放電
痕の平坦性が極めて良好な放電消耗特性を示し、耐放電
消耗接点材料として優れた材料であることが明白である
。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるＰｄＳｉ合金接点のうち、Ｓｉが
２０．８ａｔ％の場合の放電痕の二次電子像の一例の図
であり、第２図は従来から使用されているＡｇＰｄ６０
ｗｔ％接点の放電痕の二次電子像の一例の図である。

【特許請求の範囲】