JPS5852321Y2 - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関の吸・排気作用を行う動弁装置に関す
る。

更に詳しくは、吸気ポート、排気ポートの軸線に対して
ロッカーアームの揺動軸心を直交させず、適宜な角度傾
斜させ、吸気側、及び排気側のブツシュロッドが互いに
近接し、これらを夫々の吸気用バルブ、排気用バルブか
らオフセットした場合、このオフセット量を可及的に小
さくしてロッカーアームの強度を向上させ、且つロッカ
ーアームの成形加工の簡単化を図ることができるように
した内燃機関の動弁装置に関する。

第３図は従来の動弁装置を示す。

この図面は平面図であり、紙面の表裏方向にエンジンの
燃焼室が設けられている。

このエンジンは４サイクルの０ＨＶ（頭上弁式）の内燃
機関であり、燃焼室の上部に吸気ポート１と排気ポート
２とが形成され、ロッカーアーム３，４の揺動運動と連
動して上下動（紙面の表裏方向）する吸気用、及び排気
用パルプによってこれら１，２は開閉される。

ロッカーアーム３，４は夫々ロッカーアームシャフト５
゜６に枢支され、このシャフト５，６に巻装したスプリ
ング７．８の弾発力が付与されている。

吸気、排気ポート３，４は同じ軸線Ｘ、−Ｘ１上に配設
され、且つロッカーアーム３，４の揺動軸心Ｙ１−Ｙ１
はこの軸線Ｘ１−Ｘｌと直交し、ロッカーアーム３゜４
の相対向する端部にはカムの押上刃が作用するブツシュ
ロッド９，１０が取り付けられている。

以上において、内燃機関のシリンダー容量が小さい場合
などには吸気側ブツシュロッド９と排気側ブツシュロッ
ド１０とが近接し、干渉する虞れがあるため、吸気用パ
ルプ、排気用バルブ側に夫夫設けたアジャストスクリュ
ーｉｔ、１２から距離１１分だけ図示の如くブツシュロ
ッド９，１０を互いに反対方向にオフセットする必要が
あり、ロッカーアーム３，４の形状をオフセット量Ｌ１
分だけ屈折させなければならない。

ロッカーアーム３，４にはブツシュロッド９，１００押
上荷重が作用して前記シャフト５，６を支点として揺動
し、吸・排気側バルブを開閉させるため、充分な強度、
剛性が必要であり、これを得るためにはプツシュロツド
９，１０とアジャストスクリュー１’ｌ、１２とをオフ
セットさせず、同一線上に配設することが理想的である
。

然し乍ら既述の如く吸気ポート１、排気ポート２がとも
に軸線Ｘ１−Ｘｌに設けられ、ブツシュロッド９．．１
０が互いに近接している以上、必然的にオフセット量Ｌ
１が要求され、このオフセット量Ｌ□が太きいとロッカ
ーアーム３，４の強度、剛性の点で問題が生じる。

又ロッカーアーム３゜４の形状をオフセット量し□分だ
け屈折させることはロッカーアーム３，４の形状が複雑
となり、これ３，４の製作が難しくなり、製作の点から
もオフセット量Ｌ□を小さくすることが望ましい。

本考案者は以上の如き従来の動弁装置の問題に鑑み、こ
れを有効に解決するために本考案を成したものであり、
特に上記オフセット量を少さくすることができるように
本考案を成したものである。

本考案の目的とする処は、□吸気ポート、排気ポートを
同じ軸線上に配設し、吸気用及び排気用のロッカーアー
ムの夫々のブツシュロッドを近接し、該ブツシュロッド
を吸気用バルブ、排気用バルブに対してオフセットさせ
た内燃機関の動弁装置において、上記ロッカーアームの
揺動軸心を吸気ポート、排気ポートが配設された軸線に
対して傾斜させるようにした内燃機関の動弁装置を提供
する。

従って本考案の目的とする処は、ロッカーアームの揺動
軸心を従来の如く吸気ポート、排気ポートの軸線と直交
させず、適宜な角度傾斜させることにより、同じ軸線上
に吸気ポート、排気ホートカ配設すレ、夫々のロッカー
アームのブツシュロッドが互いに近接していても吸気用
バルブ、排気用バルブと該夫々のブツシュロッドとをそ
れ程大きくオフセットさせることなくブツシュロッド相
互が干渉するのを防止することができ、小さなオフセッ
ト量で充分な間隔を開けてブツシュロッドを配設するこ
とが可能となり、これによりロッカーアームの強度、剛
性は向上し、且つロッカーアームの形状も単純化して製
作の簡単化を図ることができるようにした内燃機関の動
弁装置を提供する。

以下に本考案の好適一実施例を添付図面に従って詳述す
る。

第１図は本考案に係る動弁装置を示し、第２図はロッカ
ーアームの側断面図である。

本考案に係る動弁装置は４サイクル、ＯＨＶ式内燃機関
に用いられ、第１図は従来例を示す第３図と同様に平面
図であり、内燃機関エンジンの燃焼室が紙面の表裏方向
に設けられ、ロッカーアームはこの表裏方向に揺動自在
である。

燃焼室の上部には吸気ポート２０と排気ポート２１とを
設け、これら２０．２１の軸線を一致させ、同じ軸線Ｘ
２−Ｘ２上に配設する。

吸気用、及び排気用ロッカーアーム２２，２３を揺動自
在に支持するロッカーアームシャフト２４，２５にはス
プリング２６゜２１を夫々に巻装してロッカーアーム２
２，２３に揺動弾発力を付与する。

カムの回転に伴って上下動する吸気側、排気側ブツシュ
ロッド２８，２９を夫々ロッカーアーム２２，２３の相
対向し、且つ近接する端部に取り付ける。

ロッカーアーム２２゜２３の他方の端部にはアジャスト
スクリュー３０゜３１を設け、これの下部（第１図中紙
面の裏面側）に吸気用バルブ、排気用バルブを設ける。

ロッカーアームシャフト２４．２５は吸気ポート２０、
排気ポート２１を配設した前記軸線Ｘ２−Ｘ２と直交さ
せず、直交方向から夫々同じ方向へ適宜角度ｏｉ頃斜さ
せる。

これにより吸気用、及び排気用ロッカーアーム２２．２
３の揺動軸心Ｙ２−Ｙ２を軸線Ｘ２−Ｘ２に対して傾げ
る。

この結果、夫々のロッカーアーム２２．２３の両端に設
けられたブツシュロッド２８．２９とアジャストスクリ
ュー３０，３１．即ち吸・排気用バルブとの離間距離は
Ｌ２となり、これがオフセット量である。

次に従来におけるオフセット量Ｌ０とこのオフセット量
Ｌ２とについて考察する。

この考察は排気用ロッカーアームについて行うこととし
、吸気用ロッカーアームはこれと同様であるため省略ス
る。

排気用ブツシュロッド２９の中心なａとし、アジャスト
スクリュー３１と吸・排気用パルプ両軸心結線との交点
をｂとする。

点ａから延びるロッカーアーム２３と平行な線分Ｃはロ
ッカーアーム２３の揺動軸心Ｙ２−Ｙ２の直角方向（軸
線Ｘ２−Ｘ２方向）に対して角度θビ頃斜し、この線分
Ｃに対し点ａ、ｂを結ぶ線分ｄは角度α２°傾斜する。

従って点ａ、ｂ間の距離をｔとすれば、オフセット量Ｌ
２は Ｌ 二、／：ｓｉｎα２ となる。

これに対して従来例においては本考案に対する角度α２
゜に相当する角度α１′はα２＋θであるためオフセッ
ト量Ｌ１は Ｌｌ ＝ｔ ｓｉｎ （α２＋θ） となり、本考案のオフセット量Ｌ２はこのオフセット量
Ｌ１よりも小さくすることができる。

以上において、吸気、排気ポートの軸線からブツシュロ
ッド中心までの長さＬ３は変更されておらず、この長さ
Ｌ３を変えることなく吸気、排気ホードの軸線に対して
ロッカーアームの揺動軸心を１頃斜させろことができる
。

以上の説明で明らかな如く本考案によれば、吸気ポート
、排気ポートが配設される軸線に対してロッカーアーム
の揺動軸心を直交させず、筒室な角度傾斜させるように
したため、ロッカーアームのブツシュロッドと吸・排気
用バルブとをオフセットさせる場合、このオフセット量
を小さくすることができ、これによってブツシュロッド
の押上荷重が作用してバルブの開閉を行わせるロッカー
アームの強度、剛性を向上させ、ロッカーアームの強度
上極めて有利である。

又、オフセット量が小さくなればロッカーアームの形状
は単純化し、ロッカーアームを例えば板金のプレス加工
で形成する場合などにおいてはロッカーアーム自体の製
作が容易となり、製作の簡単化に資する。

更に本考案によれば、動弁機構の基本的構造を変更する
ことなく構成することができ、吸気ポート、排気ポート
の軸線に対してロッカーアームの回動軸心を傾げるだけ
でよく、新らたな部品を加えて構造を複雑化することな
く構成することができるなどの諸特長を発揮する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は動弁装置の平
面図、第２図はロッカーアームの側断面、第３図は従来
の動弁装置を示す第１図と同様の図である。 尚図面中、２０は吸気ポート、２１は排気ポート、２２
，２３はロッカーアーム、２９，３０はブツシュロッド
、Ｘ２−Ｘ２は吸・排気ポートの軸線、Ｙ２−Ｙ２はロ
ッカーアームの揺動軸心、Ｌ２はオフセット量である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シリンダの軸線と直交する方向に共有の軸線を有する吸
   気ポート及び排気ポートを燃焼室上部に左右に離間して
   形成し、吸・排気用バルブをブツシュロッドの上下動に
   よりロッカーアームを介して駆動し、上記数・排気用バ
   ルブと夫々のブツシュロッドをロッカーアームの揺動軸
   線方向に離間された頭上弁式４サイクル内燃機関の動弁
   装置において、前記ロッカーアームの揺動軸線をシリン
   ダの軸線に垂直な平面内において前記吸・排気ポートの
   軸線と直交する方向に対して傾斜させたことを特徴とす
   る内燃機関の動弁装置。