JPS5851959B2 - プラチナ化合物とその医薬組成物 - Google Patents

プラチナ化合物とその医薬組成物

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JPS5851959B2
JPS5851959B2 JP55078783A JP7878380A JPS5851959B2 JP S5851959 B2 JPS5851959 B2 JP S5851959B2 JP 55078783 A JP55078783 A JP 55078783A JP 7878380 A JP7878380 A JP 7878380A JP S5851959 B2 JPS5851959 B2 JP S5851959B2
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    • C07F15/0006Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table compounds of the platinum group
    • C07F15/0086Platinum compounds
    • C07F15/0093Platinum compounds without a metal-carbon linkage
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    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般式(1) 〔ただしRは水素原子、メチル基、アルカリ金属原子を
示す〕 で示されるプラチナ化合物及びその医薬組成物に関する
ものである。
近年プラチナ化合物の抗腫瘍効果が注目され臨床への適
用が期待されている。
例えばシス−〔ジアミン ジクロログラチナム(II)
、l(以下cis −ddpと称する)がある。
このものは水に不溶性で、腎毒性がある。
そのために使用が制限されている。
そこでこの欠点を改良すべく検討がなされている。
例えばジャナル、オブ、ザ、ナショナル、キャンサー、
インステイテユート(J、NATL。
CANCERIn5t1、)57841〜845゜(1
976):ガン(Gann)、69263〜265、(
1978)に開示されている。
しかるに水溶性化と、腎毒性の低下において必らずしも
十分でない。
そこで、更にこれらの欠点を改良すべく鋭意努力した結
果、アミノ酸誘導体を配位子としたプラチナ錯体が好ま
しい事を知り本発明を完成した。
本化合物はグリシンの2量体を配位子としたものである
そのカルボキシル基をエステル又は塩に転換させること
により、水に対する溶解性が高くなり、副作用が低減す
ることを知った。
一般式(1)におけるRは水素原子、メチル基、又はア
ルカリ金属原子を示す。
ここで、アルカリ金属原子は、ナトリウム、カリウム、
又はリチウム原子を示す。
次に本化合物の製造方法について述べる。
本化合物は一般式(2) 〔ただしR,R1はメチル基を示す〕 で示される化合物〔該化合物はJ CS : Chem
comm、238、(1977)に記載されている公知
物質〕をメタノール又はエタノール等のアルコールに溶
解し、酸例えば塩酸、硫酸等を上記溶液に加え、還流下
に0.5〜10時間、好ましくは1〜5時間反応させる
しかる後、反応物を減圧濃縮し、有機溶媒例えばメタノ
ール、エタノール、7”crパノール、n−へキサン、
ジオキサン等の混合溶媒中で再結晶して、化合物(3)
を得る。
〔ただしRは(2)式と同じ意味〕 次に化合物(3)を水に溶解する。
この溶液に塩化第1白金酸塩を水に溶解した溶液と炭酸
水素塩を加える。
ここで塩化第1白金酸塩の塩はナトリウム又はカリウム
塩を、炭酸水素塩の塩はナトリウム、カリウム、カルシ
ウム、マグネシウム塩を示す。
5分〜3時間、室温で反応後、析出物を採取する。
水に溶解し、再結晶化する。
該化合物の構造式(4)は下記に示される。
〔ただしRは(2)式と同し意味〕 次に化合物(4)を水に分散溶解し、等モルの金属水酸
化物(例えば水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム)を
加える。
60〜100℃に加熱し、10〜180分反応させる。
絞液に水溶性有機溶媒例えばアセトン、ジオキサン、D
MSOl等を加え沈澱物を得る。
得られた沈澱は本化合物のナトリウム又はカリウム塩で
ある。
更に該金属塩を酸性水溶液例えば塩酸水溶液(pH1〜
4)に加えることにより、カルボン酸化合物にすること
が出来る。
次に得られた本化合物の特性を第1表に示す。
次に本化合物の急性毒性について述べる。
ICR−JCL系マウスを用い、腹腔投与経路(ip
)における急性毒性を調べた。
本化合物を生理食塩水に溶解したものをマウスに投与し
た。
投与後中毒症の観察を続け、7日間までの経時死亡を求
めた。
その結果よりリッチフィールド、ウイルコクソン(L
1tchfieldWilcoxθn)図計算法でLD
50値を求めた。
比較例の&5化合物のLD5o値は、50■/−であっ
た。
A1乃至慮4の本化合物のLD5o値は130■/kg
以上であった。
明らかに毒性が低下したことを示している。
本化合物は抗菌性及び抗腫瘍性を有する。
本化合物は各種の腫瘍に対して有効である。
例えばザルコーマ−180、P−388白血病、L−1
210白血病、エーリツヒ癌、書出肉腫などの動物癌、
更に卵巣癌、筆先腫瘍、頭頚部癌、膀胱癌、乳癌又は子
宮頚癌などに有効である。
又本物質は大腸菌、即ち、ダラム陰性菌に対して抗菌性
を有し、したがって感染症治療剤として用いられる。
特に抗菌剤として有用である。本物質は組成物として投
与される。
投与は経口又は非経口経路によって行なわれる。
組成物の形態は、錠剤、糖衣錠、丸剤、カプセル、散剤
、顆粒剤、トローチ剤、液剤、坐剤、注射剤などを包含
する。
そしてこれらの組成物は医薬上許容される担体(car
riers ) を配合してつくられる。
該担体の1例を示すと次のようなものがあげられる。
乳糖、しよ糖、ブドウトウ、ンルビトール、マンニトー
ル、ばれいしょでんぷん、とうもろこしでんぷん、アミ
ロペクチン、その他各種デンプンセルローズ誘導体(例
えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
セルロース)、ゼラチン、ステアリン酸マグネシウム、
ポリビニルアルコール、ステアリン酸カルシウム、ホリ
エチレングリコールワックス、アラビアゴム、タルク、
二酸化チタン、オリーブ油、ピーナツ油、ゴマ油等の植
物油、パラフィン油、中性脂肪基剤、エタノール、生理
食塩水、滅菌水、グリセロール、着色剤、調味着火濃厚
剤、安定剤、等張剤、緩衝剤等又その他医薬上許容され
る担体が含まれる。
該組成は本化合物を0.001〜85重量%好ましくは
0.005〜60重量%含有することが出来る。
本化合物の投与量は主として症状により左右されるが1
日成人体重1kg当り0.005〜100す、好ましく
は0.01〜501n9である。
以下実施例によって本発明を説明する。
実施例 I N−アセチル グリシン メチルエステルの2量体20
00■を80m7のメタノールに溶解し、約1 mlの
塩酸の存在下に3時間還流させる。
反応終了後、減圧濃縮した。
エタノール、n−ヘキサンにより再結晶を行なった。
1.51の(3)式でRがメチルで示される化合物を得
た。
収率は78%であった。
融点は158乃至159℃であった。
元素分析値はC(%) H(%) N(%) 理論値 28,92 5.65 1123実験値
29.10 5.60 11.00であった。
又本化合物は水、メタノール、エタノールに可溶でベン
ゼン クロロホルムに不溶であった。
赤外チャートを第1図に示す。
実施例 2 実施例1で得られた化合物400mgを1mlの水に溶
解する。
そこに540■の塩化第1白金酸カリウムを2mlの水
に溶解して加える。
更にNaHCO3の108■を徐々に粉末のまま加える
析出して来る結晶を採取し、水より再結晶を行なう。
400771pの粉末結晶を得る。本化合物は60℃の
温水に可溶で有機溶媒に不溶であった。
収率は56%であった。融点は253℃(分解点)であ
った。
元素分析値はC(%) H(%) N(%) 理論値 16,29 2,73 6.33実験値
16.30 2.60 6.20であった。
構造式は式(4)でRがメチルで示されるものである。
赤外チャートを第2図に示す。実施例 3 実施例2の化合物200■と等モルの水酸化ナトリウム
を水に加え、80℃で30分間処理した。
冷却後、アセトンを加えて沈澱として採取した。
乾燥して粉末を得た。
収率は53%であった。融点は265℃(分解点)であ
った。
本化合物は水に可溶で、有機溶媒ベンゼン、クロロホル
ム等に不溶であった。
赤外チャートを第3図に示す。本化合物は式(4)のR
がNaのものである。
同様にして水酸化ナトリウムのかわりに水酸化カリウム
を用いてカリウム塩の本化合物を得た。
融点は270℃(分解点)であった。
収率は55%であった。
赤外チャートを第4図に示す。本化合物は式(4)でR
がKのものである。
実施例 4 実施例3で得られたナトリウム塩の本化合物100m9
を5TLlの水に溶解する。
塩酸を加えpHが2〜3になるようにする。
結晶が析出して来る。結晶を採取した。
収率は45%であった。融点は250℃(分解点)であ
った。
このものは水によくとけた。
本化合物は式(4)でRがHのものである。実施例 5 マウス白血病P−388に対する抗腫瘍効果をD B
A/2マウスを用いて継代培養したP −388腹水細
胞を10匹からなる群の各CDF1マウスの腹腔内に1
×106個/匹移植した。
移植の24時間後から、本化合物のそれぞれを生理食塩
水に溶解したものを1日1回、5日間連続、合計5回各
マウスの腹腔内に注射した。
試料投与群の平均生存日数(T)および対照群の平均生
存日数Cを求めた。
そして延命率(T/CX100)を算出した。
結果から明らかのように本化合物はいずれもcis −
ddpと比較して延命率が高くなっている。
更に特筆すべきことは本化合物の水に対する溶解性がよ
くなり腎毒性、その他の副作用の低下がみられることで
ある。
すなわちcis −ddp群は10匹中10匹に高度の
体重減少、腎細胞破壊が観察されたが、本化合物は投与
中にやや体重減少がみられた。
投与終了後、体重はともに回復して腎障害も軽度のもの
であった。
実施例 6 ウサギV−7腫瘍に対する抗腫瘍効果 ウサギ大腿部に移植増殖した固型癌を摘出し、ハサミで
細切した後200メシユのステンレス製ふるいを通過さ
せて調整した癌細胞約15×107個70.4 mlを
ウサギ太腿部薄筋内に注射器を用いて移植し、移植後7
日、11日の2回投与を行ない、担癌無処置群との平均
生存日数の比より延命率を算出した。
更に、副作用、水に対する溶解性を調べた。
本実験において、コントロールは腎毒性の目安を示す蛋
白尿がひどく観察されたのに対し、本発明化合物はその
程度が軽度であった。
蛋白尿の所**見と化合物の溶解度について第4表にま
とめた。
同時に先行文献に開示の物質についても比較した。
本物質の水に対する溶解性の向上と腎毒性の低下が認め
られた。
実施例 7 抗菌作用 (7−1) 本化合物の2倍稀釈系列を作成しノ・−
トインフユージョン(Heart 1ntusion
)寒天培地(日本栄養化学株式会社製)と混和した*
ものを平板として作製した。
これにトリプト−ソイ(T rypto −soy )
ブイヨン中で37℃において18時間培養した大腸菌株
の1白金耳を塗抹し37℃で18始間培養後、菌株の生
育の有無を観察した。
in vitroで本化合物の抗菌作用が認められた
(7−2) 本化合物が、大腸菌に対して抗菌力を有
することから、本化合物の感染治療試験を行なった。
すなわち、動物としてマウスを用い大腸菌のlXl0”
個/マウス以上を腹腔内に接種し、1〜3時間経過後に
、本化合物17%〜io。
■/kyをそれぞれ腹腔内投与及び経口投与した。
投与後7日日まで毎日観察をし、生存率を調べ50%以
上の高い生存率を得た。
このことから、本化合物はIn Vitroノミテな
く実験感染症における化学療法薬でも有効であることが
わかった。
実施例 8 本化合物(A、]、) 50テ)乳糖
300グ ヒドロキシプロビルセルロース 1.59上記各成
分を各々とりよく混合した後、このものを直接に加圧す
るか、または、よく練合した後押し出し型製粒機のスク
リーンを通して顆粒成形を行い、十分によく乾燥したも
のを加圧して錠剤を製造した。
実施例 9 本化合物(憲2)の10m9を含有するようにバイアル
に無菌的に分配して、密封して水分及びバクテリアを除
いた。
使用前に5%注射用ブドウ糖液を5ml添加して注射剤
とする。
実施例 10 本化合物(憲4)の50■を含有するようにバイアルに
無菌的に分配し、密封して水分及びバクテリアを除いた
使用前に0.9%生理食塩水を5+711添加して注射
剤とする。
【図面の簡単な説明】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式 〔ただしRは水素原子、アルカリ金属原子、メチル基を
    示す〕 で示されるプラチナ化合物。 2 Rがメチル基である特許請求の範囲第1項記載のプ
    ラチナ化合物。 3 Rが水素原子である特許請求の範囲第1項記載のプ
    ラチナ化合物。 4 Rがナトリウム原子である特許請求の範囲第1項記
    載のプラチナ化合物。 5 Rがカリウム原子である特許請求の範囲第1項記載
    のプラチナ化合物。 6 一般式 〔ただしRは水素原子、アルカリ金属原子、メチル基を
    示す〕 で示されるプラチナ化合物を有効成分として含有する抗
    腫瘍用医薬組成物。 7 Rがメチル基である特許請求の範囲第6項記載の医
    薬組成物。 8 Rが水素原子である特許請求の範囲第6項記載の医
    薬組成物。 9 Rがナトリウム原子である特許請求の範囲第6項記
    載の医薬組成物。 10 Rがカリウム原子である特許請求の範囲第6項
    記載の医薬組成物。 11 一般式 〔ただしRは水素原子、アルカリ金属原子、メチル基を
    示す〕 で示されるプラチナ化合物を有効成分として含有する抗
    菌用医薬組成物。 12 Rがメチル基である特許請求の範囲第11項記
    載の医薬組成物。 13 Rが水素原子である特許請求の範囲第11項記
    載の医薬組成物。 14 Rがナトリウム原子である特許請求の範囲第1
    1項記載の医薬組成物。 15 Rがカリウム原子である特許請求の範囲第11
    項記載の医薬組成物。
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