JPS5851775B2 - 回転鍛造機のラム案内装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は転動圧縮加工により部品を製造する回転鍛造機
のラム案内装置に関する。

従来、適寸に切断した素材を上型のすりこぎ運動により
局部的に加圧し、これを徐々に変型させて所望形状の部
品を製造する回転鍛造機では、上型に対して下型を昇降
させるため、下型を保持するスライダが垂直方向に昇降
するようにラム案内装置が配設されている。

このラム案内装置は、前記スライダに水平断面が略■字
状のガイド溝を設け、これに対応した水平断面形状を有
する昇降ガイドに沿ってスライダを摺動させるように構
成されている。

そのため、スライダのガイド溝と昇降ガイドの案内面と
が完全に面接触するように成形されておらねばならない
ばかりか、ガイド溝も互いに平行に位置しておらねばな
らず、少しの誤差でも生じておればスライダが昇降途中
で摺動しなくなり、下型が所定の位置に達せず、所望形
状の製品が製造できなくなる等の欠点が生じている。

本発明は上記欠点の除去を目的とするもので、以下実施
例を図面について説明する。

第１図ないし第３図において、１は回転鍛造機の機台で
あり、その両側に一定間隔をおいて一対のコラム２が固
定されている。

このコラム２の上端にはヨーク３がタイロッド４により
固定され、このヨーク３上にブラケット５を介して駆動
源６が取付けられている。

駆動源６の回転はベルト機構７を介して前記ヨーク３の
中心位置に配置された主軸８に伝達されている。

この主軸８の下端には揺動軸（図示せず）が主軸８の回
転に伴ってその軸心の周囲を回転するように連結され、
さらにこの揺動軸の他端にはボルスタ１０が取付られて
いる。

前記ボルスタ１０の突出端は円錐形の上型１１を保持し
、上型１１はその頂点が主軸８の軸心と一致するように
配置されて、駆動源６の回転を受け、すりこぎ運動を行
うように構成されている。

一方、機台１には二段ストロークシリンダ１２が取付け
られ、第１シリンダ系と第２シリンダ系とを有している
。

第１シリンダ系は第１シリンダ筒１３と第１ラム１４と
からなり、第１ラム１４は第２シリンダ系の第２シリン
ダ筒を兼用している。

第１ラム１４は第２ラム１５を有し、この第２ラム１５
は後記する下型１６内で製造された部品の排出を行うノ
ックアウトピン１７と連結されている。

又、前記第１ラム１４の外周には雄ねじ部が設けられ、
これにギヤ付ナツト１８が螺合されている。

このギヤ付ナツト１８のギヤにはギヤ機構（図示せず）
を介してバンドル１９が連結され、バンドル１９の回転
に伴ってギヤ付ナツト１８が第１ラム１４に対して昇降
し、第１ラム１４が上端に達した時の下型１６の最上位
置が可変となるように構成されている。

又、このギヤ付ナツト１８は内側に段付部２０を有し、
この段付部２０でシリンダ継手２１を保持している。

このシリンダ継手２１はスライダ２２に固定されており
、このスライダ２２は二段ストロークシリンダ１２を包
囲するように配置されている。

このスライダ２２の上面には冷却器取付装置２３を介し
て下側ボルスタ２４が取付けられている。

この下側ボルスタ２４の下面には環状溝２５が刻設され
ており、この環状溝２５に連通して冷却液供給口２６及
び冷却液排出口２７が穿設されて、冷却器２８が構成さ
れている。

又、前記下側ボルスタ２４の上部には下型１６が取付け
られ、下型１６の中心位置に前記ノックアウトピン１７
が貫通可能な貫通穴２９が穿設され、さらにこのノック
アウトピン１７の上端は下型１６の一部を構成している
。

次に本発明の要部について説明する。

第２図及び第４図において、スライダ２２の軸心を囲む
４ケ所にその昇降方向に延びる滑動面を有するウェッジ
３０が取付けられており、この滑動面は同一コラム２に
取付けられたウェッジ３０の滑動面とにより略Ｖ字状の
ガイド溝３１をなすように構成されている。

又、このウェッジ３０は、スライダ２２にその昇降方向
と直交する方向に設けられたキー溝３８に沿って位置調
整可能に取付けられており、スライダ２２に螺入されて
内方向に作用する第１ボルト３２及び外方向に作用する
第２ボルト３３によりウェッジ３０の位置は調整される
ように構成されている。

一方、コラム２には前記ウェッジ３０と対応した位置で
ウェッジ３０を案内するガイドプレート３７を有する昇
降ガイド３４が配置されている。

又、この昇降ガイド３４はコラム２に前記スライダ２２
の昇降する方向と直交する方向に削設されたキー溝３８
に沿って位置調整自在に取付けられており、コラム２に
螺入された第１ボルト３２及び第２ボルト３３により昇
降ガイド３４の位置が調整されるように構成されている
。

この昇降ガイド３４は夫々の対応するウェッジ３０の滑
動面とほぼ平行な面を有し、その面の中央に昇降ガイド
３４と同方向に延びる凹溝３５が穿設され、この凹溝３
５にガイドロッド３６が昇降ガイド３４とともに、一体
移動できるように配置されている。

さらに、前記ガイドロッド３６には前記ウェッジ３０を
その滑動面に沿って案内するガイド面を有するガイドプ
レート３７がガイドロッド３６の軸心に対して回転自在
となるように昇降ガイド３４と若干の間隙をおいて配置
されている。

上記回転鍛造機において、部品を鍛造する前に、第１ラ
ム１４にギヤ付ナツト１８及びシリンダ継手２１を介し
て連結したスライダ２２をウェッジ３０とガイドプレー
ト３７とが接するように配置する。

このとき、第５図に示すように前記滑動面が同コラム２
上のウェッジ３０の滑動面とのなす略■字のガイド溝３
１の角度が所定角よりも若干誤差を含んでいて、ガイド
プレート３７と昇降ガイド３４とが面接触していなくと
も、ウェッジ３０の位置を第１ボルト３２と第２ボルト
３３とにより調整することにより、ガイドプレート３７
ががイドロッド３６の軸心に対して若干回転し、ガイド
プレート３７とウェッジ３０との完全な面接触が得られ
る。

又、ガイドロッド３６が機台１に対して直立せずに傾斜
していても、昇降ガイド３４のコラム２への取付位置を
第１ボルト３２と第２ボルト３３とを調整して昇降ガイ
ド３４の上、下端を前後させ、ガイドロッド３６を機台
１に対して直立させる。

同様に、ウェッジ３０についてもその滑動面を機台１に
対して直立させ、ガイドプレート３７とウェッジ３０と
の完全な面接触が得られる。

従って、すりこぎ運動を行う上型１１に対して下型１６
に保持された素材が二段ストロークシリンダ１２の第１
シリンダ系の動作により円滑に所定の加工位置まで達し
、その位置で上型１１により極部的に加圧され、徐々に
変形して、所望形状の部品が製造される。

以上説明したように、本発明はラムと一体に取付けられ
たスライダにその昇降方向に延びるウェッジを取付け、
このウェッジに夫々対応して昇降ガイドを配置し、この
昇降ガイドにより回転自在のガイドプレートを保持し、
このガイドプレートにより前記ウェッジを案内するよう
構成しているため、ウェッジの滑動面が同一コラム上の
ウェッジの滑動面とのなす略■字状のガイド溝の角度は
厳密に規定する必要がなく、極めて加工が簡単となるば
かりか、組立時にガイド面に薄板を挿入することも全く
必要とせず、組立工数も削減できる利点がある。

さらに、昇降ガイド又はウェッジの滑動面が機台に対し
て直立しておらず、又、互いに平行に配置されておらず
とも簡単な調整作業で両者を平行に配置し、両者の面接
触が達成できる利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の正面図、第２図は第１図のＡＡ線に沿
った一部切欠き拡大断面図、第３図は第１図の要部縦断
面図、第４図は本発明の要部を示す拡大斜視図、第５図
は、本発明の動作を示す要部概略図である。 １・・・・・・機台、２・・・・・・コラム、３・・・
・・・ヨー久 ４・・・・・・タイロッド、５・・・・
・・ブラケット、６・・・・・・駆動源、７・・・・・
・ベルト機構、８・・・・・・主軸、９・・・・・・揺
動軸、１０・・・・・・ボルスタ、１１・・・・・・上
型、１２・・・・・・二段ストロークシリンダ、１３・
・・・・・第１シリンダ筒、１４・・・・・・第１ラム
、１５・・・・・・第２ラム、１６・・・・・・下型、
１７・・・・・・ノックアウトピン、１８・・・・・・
ギヤ付ナツト、１９・・・・・・バンドル、２０・・・
・・・段付部、２１・・・・・・シリンダ継手、２２・
・・・・・スライダ、２３・・・・・・冷却器取付装置
、２４・・・・・・下側ボルスタ、２５・・・・・・環
状溝、２６・・・・・・冷却液供給口、２７・・・・・
・冷却液排出口、２８・・・・・・冷却器、２９・・・
・・・貫通穴、３０・・・・・・ウェッジ、３１・・・
・・・ガイド溝、３２・・・・・・第１ボルト、３３・
・・・・・第２ボルト、３４・・・・・・昇降ガイド、
３５・・・・・・凹溝、３６・・・・・・ガイドロッド
、３７・・・・・・ガイドプレート、３８・・・・・・
キー溝。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 駆動源６からの回転を受け、すりこぎ運動を行う上
   型１１と、これに対応して配置された下型１６とを有し
   、この下型１６をスライダ２２の昇降により上型１１に
   対して昇降させ、部品の製造を行う回転鍛造機において
   、 スライダ２２の外周の複数箇所にこれを囲むようにウェ
   ッジ３０を固定し、このウェッジ３０にスライダ２２の
   移動する方向に延びる滑動面を設ける一方、 前記ウェッジ３０と対応する位置にこれを案内するガイ
   ドプレート３７を配置し、しかもこのガイドプレート３
   ７にガイドロッド３６を接して配置し、このガイドプレ
   ート３７とガイドロッド３６とを前記スライダ２２の周
   囲に配置された昇降ガイド３４により保持し、前記ガイ
   ドプレート３７をガイドロッド３６の外周に沿って回動
   自在に構成したことを特徴とするラム案内装置。 ２ 駆動源６からの回転を受け、すりこぎ運動を行う上
   型１１と、これに対応して配置された下型１６とを有し
   、この下型１６をスライダ２２の昇降により上型１１に
   対して昇降させ、部品の製造を行う回転鍛造機において
   、 スライダ２２の外周の複数箇所にこれを囲むようにウェ
   ッジ３０を固定し、このウェッジ３０にスライダ２２の
   移動する方向に延びる滑動面を設ける一方、 前記ウェッジ３０と対応する位置にこれを案内するガイ
   ドプレート３７を配置し、しかもこのガイドプレート３
   ７ｔこガイドロッド３６を接して配置し、このガイドプ
   レート３７とガイドロッド３６とを前記スライダ２２の
   周囲に配置された昇降ガイド３４により保持し、前記ガ
   イドプレート３Ｔをガイドロッド３６の外周に沿って回
   動自在に構成し、 しかも、前記昇降ガイド３４をスライダ２２の昇降する
   方向と交叉する方向に移動できるようにコラム２に固定
   し、コラム２に螺入された第１ボルト３２又は第２ボル
   ト３３により昇降ガイド３４をコラム２に対して移動す
   るように構成したことを特徴とするラム案内装置。