JPS5851689B2 - 音叉型水晶振動子 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は薄い音叉型水晶振動子の電極構成に関する。

本発明の目的は音叉型水晶振動子の先端振幅を改善する
ことにより長期信頼性のある高性能音叉型水晶振動子を
提供するものである。

近年、時計用水晶振動子、殊に音叉型屈曲水晶振動子の
開発が急速に進められ、現在完全に実用期を迎えている
。

これによって腕時計の時間精度は飛躍的に向上した。

音叉型屈曲水晶振動子は低い共振周波数を提供すること
ができ、しかも小型化できるという特徴を有するため腕
時計用に用いられている。

音叉型水晶振動子を形成する方法は現在では機械加工に
よる方法とＩＣの技術を導入したエツチングの方法が採
用されている。

機械加工による音叉型水晶振動子は音叉加工精度が悪い
、そのため周波数調整量が多く、しかも周波数調整は手
作業で音叉の先端を削りとるため作業工率が悪く、低コ
スト化のネックとなっていた。

更に機械加工による音叉型水晶振動子は音叉腕を励振さ
せるために電極を形成しなければならないが、電極形成
が難しい等の欠点を有していた。

しかし、最近、ＩＣの技術を導入したフォトエツチング
によって電極形成と音叉型水晶振動子を一度に形成する
方法が採用され、低コスト化が可能になった。

しかし、これらの音叉型水晶振動子はエツチングによっ
て音叉形状を作るため薄い水晶板を必要とする。

通常、５０μ〜１００μの厚みのものが使用される。

このタイプの音叉型水晶振動子は従来のものと比較して
、非常に薄いため、殊に音叉腕の先端振幅の大きさが長
期信頼性に大きく影響してくる。

本発明は音叉型水晶振動子の音叉腕の先端振幅を制御す
ることによって長期信頼性のある音叉型水晶振動子を提
供するものである。

第１図はエツチングによって形成された従来の音叉型水
晶振動子の切り出し角度とその電極形状を示す。

１は薄い水晶、２は一方の励振用電極、３は他の一方の
励振用電極である。

Ｘ、Ｙ、Ｚ軸は各々水晶の電気軸、機械軸、光軸を示し
、Ｚ軸を回転軸としてα度回転したときＹ軸、Ｚ軸の作
る新軸をｙ／、 ｚ／軸とする。

通常αは０８〜１０’の範囲に選ばれる。

第２図は第１図の音叉型水晶振動子の電極構成図を示し
、音叉腕の電極は各々３分割されている。

今、仮に端子４，５に正負の電圧を印加したとすれば、
電界は第２図において電極２から電極３に働く。

この場合、音叉腕の中心を境にして左側半分と右側半分
ではＸ軸方向の電折成分が逆となるため、今仮に左側半
分が伸びの届を生じれば、右側半分は縮みの歪を生じる
ため飛開を起こすことができる。

端子４，５に交番電圧を印加すれば容易に屈曲振動を持
続することができる。

第２図かられかるように、従来の音叉型水晶振動子は音
叉腕の中央全面に励振用電極を設けるため音叉腕の歪量
が大変大きい。

このため、Ｃ−ＭＯ８ＩＣを使った時計用発振回路（電
源電圧１．５７Ｖ）で励振させると音叉腕の先端振幅が
約２０μと大変に大きい。

又、このタイプの音叉型水晶振動子は非常に薄いため音
叉腕の先端振幅を大きくしすぎると疲労現象、あるいは
非線形現象を生じるのでエージング特性に悪い影響を与
える第３図は従来の電極構成によるエージング特性を示
し、ｏｆ／（は周波数の変化量を縦軸に横軸には日数を
とる。

従来のものは最初は大変安定したエージング特性を示す
が、ある日突然に周波数の変化を起こし、そのまま安定
状態を続けるものや、ある日突然周波数の遅れを示し発
振停止を起こすものがある。

以上述べたように本発明は前記の欠点を除去したもので
あり、殊に音叉型水晶振動子の音叉腕の先端振幅を小さ
くすることによって解決を与えるものである。

第４図は本発明に係る音叉型水晶振動子の電極構成図を
示し、１ａは音叉型水晶で音叉腕には各各４つの電極が
形成されている。

ｌは音叉腕の長さであり、電極６と電極９は同極で音叉
腕の先端６ａによって接続されている。

電極７と電極８は同極で音叉基部付近で接続されている
。

電極７と電極８には分割溝１４が設けられている。

又電極１０．１３は電極７，８と同極で、電極１０と電
極１３は１０ａによって接続されている。

電極１１．１２は電極６，９と同極であり、電極１１と
電極１２の間には分割溝１５が設けられている１裏面電
極も全く同様に形成されている。

（第５図参照）第５図は第４図の電極構成図を示してい
る。

今仮に端子１６．１７に正負の電圧を印加すれば前記し
た原理に従って屈曲振動を生じさせることができる。

即ち、今、一方の音叉腕を考えると音叉腕の電極７から
電極６へと電界は働き、電極８から電極９へと電界は働
く。

他の一方の音叉腕も全く同様である。

本発明では電極７と電極８の間には分割溝１４を設は全
く電界が働かないように設計されているので、音叉腕の
中心部付近には全く歪が生じない。

本発明では音叉腕の外側付近にのみ歪を生じさせ励振を
行なうことにより音叉腕の先端振幅を小さくすることが
できる。

更に本発明では分割溝を音叉の先端から０．６１より長
い位置に設け、且つ分割溝は音叉腕幅の１／１０〜ｌ／
２０にすることフ によって本発明の目的を達づること
かできる。

又、音叉型水晶振動子の動インピーダンスは音叉腕の外
側付近の歪によって決定されるため、動インピーダンス
を劣化させることなく音叉腕の先端振幅を小さくするこ
とができる。

本発明では基本周波！数３２ＫＨｚ、厚み５０μの音叉
型水晶振動子で音叉腕の先端振幅は約５μ〜１０μにし
ている。

第６図は本発明の音叉型水晶振動子をＣ−ＭＯ８ＩＣを
使った発振回路に於けるエージング特性を示す。

（電源電圧１．５７Ｖ）本発明による音叉型水晶振動子
は長期に渡って周波数シフトの少ない安定したエージン
グ特性を示している。

以上述べたように本発明は音叉型水晶振動子の励振電極
を４つ設けることによって音叉腕の振幅の小さい長期安
定した音叉型水晶振動１子を提供することができる。

更に本発明はＩＣの技術を導入したフォトエツチングに
よって電極形成と音叉形状を一度に成形するため小型で
安価な水晶振動子を提供することができるようになった
。

即ち、小型で安価なしかも長期安定性のある音叉型水晶
振動子を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の音叉型水晶振動子の概観図を示す。 第２図は第１図の電極構成図である。第３図は従来の音
叉型水晶振動子のエージング特性である。 第４図は本発明の音叉型水晶振動子の概観図を示し、第
５図は第４図の電極構成図である。 第６図は本発明の音叉型水晶振動子のエージング特性を
示す。 １．１ａ・・・・・・音叉型水晶、２，３，６，７，８
゜９．１０，１１，１２，１３・・・・・・電極、１４
゜１５・・・・・・分割溝、４，５，１６，１７・・・
・・・端子、Ｘ、Ｙ、Ｚ・・・・・・結晶軸。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 音叉型水晶振動子の表裏面にのみ電極を有する薄い
   音叉型水晶振動子において、前記音叉型水晶振動子の音
   叉腕の表裏面には各々４個の電極を有し、一方の音叉腕
   の２電極と他方音叉腕の２電極を短絡し、更に一方の音
   叉腕の残りの２電極と他方音叉腕の残りの２電極を短絡
   し、両音叉腕振動部の中心部付近には電極を設けず、音
   叉腕の長さをｌとしたときに、音叉腕中央部の２電極の
   間の分割溝は音叉先端から０．６７より長い位置に設け
   、分割溝は音叉腕幅の１／１０〜１／２０にするととも
   に、前記表裏面電極はおおよそＺ軸に垂直な面に配置し
   たことを特徴とする音叉型水晶振動子。