JPS5850817B2 - 自動工具交換装置を備えた工作機械 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動工具交換装置を備えた工作機械、特にスピ
ンドルヘッドを上下動可能に装架したコラム内に工具貯
蔵マガジンを収容した工作機械に関するものである。

本発明の主たる目的は、工具貯蔵マガジンをコラム内に
収容して所要の工具をコラムに形成した開口部を通して
コラム外に引出すように構成することにより、工具貯蔵
マガジンをスピンドルヘッドに接近して設けることを可
能にし、以って工具交換時間の短縮を図ることである。

一般に、スピンドルヘッドをコラムの側面に上下動可能
に装架した工作機械の自動工具交換装置においては、そ
の工具貯蔵マガジンをスピンドルヘッド上に設けたり、
コラムの上面あるいは側面に設けたりしたものが多い。

工具貯蔵マガジンをスピンドルヘッド上に設けた自動工
具交換装置付工作機械は、スピンドルヘッドの任意の位
置で工具交換できる特徴を有するが、反面工具の収納本
数を著しく制限され、しかもスピンドルヘッドの重量が
工具貯蔵マガジンにより相当大きくなる欠点がある。

また工具貯蔵マガジンをコラムの上面または側面に設け
た自動工具交換装置付工作機械は、工具貯蔵マガジンが
スピンドルヘッドより遠ざかり、そのために例えばコラ
ムの上面に工具貯蔵マガジンを設けたものにおいては、
スピンドルヘッドを工具交換のたびに上昇端位置まで移
動させなければならず、工具交換のためのロスタイムが
長くなるとともに、工具貯蔵マガジンに対する作業性が
悪くなり、またコラムの側面に工具貯蔵マガジンを設け
たものにおいては、工具貯蔵マガジンとスピンドルヘッ
ドとの距離が大きくなり、そのために工具貯蔵マガジン
より交換アームによって交換し得る位置まで搬送する特
別な工具搬送装置を付設しなければならず、構造が複雑
になるとともに、工具交換時間も長くなる問題がある。

本発明は上述した従来の問題点に鑑み、工具貯蔵マガジ
ンをコラム内に収容する独特な構成を採用することによ
り、スピンドルヘッドへの工具貯蔵マガジンの可及的な
接近を容易に可能ならしめた自動工具交換装置を備えた
工作機械を提供せんとするものである。

以下本発明の実施例を図面に基いて説明する。

まず第１図および第２図をもとにして工作機械の概要に
つき述べると、１０はベッドで、このベッド１０上には
スライドテーブル１１がＺ軸（前後）方向に移動可能に
装架され、送り制御モータ１２により送り制御される。

スライドテーブル１１上にはサドル１３がＺ軸（左右）
方向に移動可能に装架され、囲路の送り制御モータによ
り送り制御される。

サドル１３上にはインデックステーブル１４が回転割出
し可能に装架され、このテーブル１４上にワークが取付
けられるようになっている。

前記ベッド１０の後方にはコラム１５が設置され、この
コラム１５の一側面にスピンドルヘッド１６がＹ軸（上
下）方向に移動可能に装架され、送り制御モータ１７に
より送り制御される。

スピンドルヘッド１６には工具を着脱可能に挿着するス
ピンドル１８が前記Ｚ軸と平行な水平軸線の周りに回転
可能に軸承され、スピンドル駆動モータ１９により回転
駆動されるようになっている。

前記スピンドルヘッド１６は後述する工具交換装置によ
る工具交換のために、予め定められた位置２０に位置決
めされるようになっている。

かかる定位置２０はスピンドルヘッド１６のＹ軸方向ス
トロークＳのほぼ中間位置に定められ、これによってス
ピンドルヘッド１６は加工完了位置より上昇もしくは下
降して最大Ｓ／２のストロークで前記中間定位置２０に
到達できるように構成されている。

次に上記構成の工作機械に備えられる工具交換装置の工
具貯蔵マガジン、工具引出装置および工具転送装置につ
き以下順に説明する。

第３図、第４図および第５図において、２１は工具貯蔵
マガジンを示し、この工具貯蔵マガジン２１のベースを
なす水平なマガジンベース２２の一端は前記コラム１５
の後部壁２３に形成された開口部２４よりコラム１５内
に収容され、コラム内に設置された支持ブラケット２５
上に固設されている。

マガジンベース２２の他端は第２図に示すようにコラム
１５の後方に延在され、床上に設置された支持枠２６に
載置せるギヤボックス２７上に固設されている。

マガジンベース２２の両端上には支持体２９，３０がそ
れぞれ設置され、これら支持体２９．３０に回転軸３１
および駆動軸３２が垂直方向に回転軸承され、この駆動
軸３２は前記ギヤボックス２７に設置された割出し駆動
モータ３３により囲路の歯車機構を介して回転駆動され
るようになっている。

前記回転軸３１および駆動軸３２にはスプロケット３５
，３６がそれぞれ係止され、これらスプロケット３５．
３６間にエンドレスチェーン３７が緊張されている。

チェーン３７は所定長さの多数のチェーンリンク３８を
連接してなり、このチェーンリンク３８の１つおきにソ
ケット支持体３９がそれぞれ固着され、これらソケット
支持体３９に工具（工具ホルダ）４０を着脱可能に挿着
した工具ソケット４１が離脱可能に保持されるようにな
っている。

すなわち、ソケット支持体３９にはチェーン３７の駆動
方向に所定の間隔を有して相対向する一対のプレート４
２．４２（第５図参照）が形成され、このプレート４２
，４２の間に工具ソケット４１の下部が嵌合され、工具
４０を上向きにした姿勢で支持される。

ソケット支持体３９に嵌合支持された工具ソケット４１
はチェーン３７の駆動により、前記支持ベース２２上に
架設された内側案内プレート４３と外側案内プレート４
４との間を搬送され、コラム１５の前部壁４５に対向す
る所定の割出位置４６に順次割出されるようになってい
る。

そしてかかる割出位置４６において工具ソケット４１を
傾倒し得るように前記外側案内プレート４４の一部は切
欠かれている。

また前記ソケット支持体３９を固着した各チェーンリン
ク３８の下面にはローラ４７を軸承したローラ支持体４
８が固着され、これらローラ４７は前記チェーン３７に
沿って支持台２９．３０間に掛渡された支持レール４９
上に転勤可能に支持されている。

また前記各工具ソケット４１には外方に向って係合片５
０が突設され、これら係合片５０は後述する工具引出装
置に順次係合されるようになっている。

前記回転軸３１にはインデックスプレート５１が取付け
られ、このインデックスプレート５１の円周上に複数の
係合凹部５２が等角度間隔に形成されている。

前記支持台２９にはその係合凹部５２に離脱可能に係合
するピストンロッド５３を摺動可能に嵌装した位置決め
用シリンダ５４が固設されている。

この位置決め用シリンダ５４によるピストンロッド５３
の係合凹部５２への係合により所要の工具４０を挿着し
た工具ソケット４１を前記割出位置４６に正確に位置決
めできるようになる。

前記コラム１５の前部壁４５には開口部６１が形成され
、この開口部６１を通してコラム１５内の工具貯蔵マガ
ジン割出位置４６より所要の工具４０がコラム１５の外
側に引出されるようになつている。

以下第４図および第５図によりその工具引出装置６２に
ついて述べる。

前記コラム１５の前面には支持フレーム６３がその開口
部６１の下方に固設されている。

支持フレーム６３上には支持ブロック６４．６５が所定
の間隔を有して設置され、これら支持ブロック６４゜６
５間に支持軸６６が前記スピンドル軸線と直角な水平軸
線の周りに回動可能に支持されている。

支持軸６６上には引出アーム６７が一体的に係止され、
この引出アーム６７の一端に前記割出位置４６に割出さ
れた工具ソケット３８の係合片５０の上面に接合する接
合片６８が形成されている。

また引出アーム６７には工具ソケット３８の係合片５０
を挟んで接合片６８と相対向する位置にクランプ用シリ
ンダ６９が固着され、このシリンダ６９に前記工具ソケ
ット３８の保合片５０の下面に離隔可能に接合するピス
トンロッド７０が摺動可能に嵌装されている。

前記支持軸６６の一端にはピニオン７１が取付けられ、
このピニオン７１は前記一方の支持ブロック６４に固設
された同時の引出用シリンダにて作動されるラック７３
に噛合されている。

これにより前記工具ソケット４１は通常引出アーム６７
の接合片６８とピストンロッド７０との間を自由に通過
できるようになっている。

そして所要の工具４０を挿着した工具ソケット４１が割
出位置４６に割出されると、クランプ用シリンダ６９に
よってそのピストンロッド７０と接合片６８との間に係
合片５０が挟持され、その状態で引出アーム６７が引出
用シリンダによりラック７３、ピニオン７１を介して支
持軸６６とともに９０’旋回されることにより、工具ソ
ケット４１はチェーン３７のソケット支持体３９より離
脱されてコラム１５の前壁開口部６１よりコラム１５外
の交換位置７５まで引出される。

またこのような工具引出作用により工具ソケット４１に
挿着された工具４０の軸線がスピンドル軸線と平行にさ
れる。

なお、７４は前記支持フレーム６３上に設けられた引出
アーム旋回角度規制用のストッパボルトである。

前記コラム１５には前記工具貯蔵マガジン２１より引出
された工具ソケット４１とスピンドル１８との間で工具
４０を交換する工具転送装置７６が取付けられている。

工具転送装置７６にはスピンドル軸線と平行に旋回軸７
７が摺動かつ回転可能に支持され、この旋回軸７７の先
端には交換アーム７８の中央部が固設されている。

交換アーム７８の両端部には工具４０を把持する把持爪
７９．８０がそれぞれ開閉可能に枢着され、これら把持
爪７９゜８０の開閉機構としては例えば実開昭４８−１
０４０６７（物品転送装置）に開示されたものを利用で
きる。

次に上述したように構成された本発明の工作機械におけ
る工具交換動作について説明する。

スピンドル１８に挿着された工具４０による所定の加工
が完了すると、スライドテーブル１１が工具４０より遠
ざかる方向に移動されるとともに、スピンドルヘッド１
６が中間定位置２０に向って上昇もしくは下降される。

一方工具貯蔵マガジン２１においては予め次に使用する
工具４０を挿着した工具ソケット４１が割出位置４６に
割出されており、その係合片５０が引出アーム６７の接
合片６８とピストンロッド７０とによって挟持されてい
る。

前述したようにスピンドルヘッド１６が中間定位置２０
に向って移動されると、同時に同時の引出用シリンダに
より引出アーム６７が支持軸６６とともに第４図の反時
計廻りに旋回され、これによって工具ソケット４１がソ
ケット支持体３９の一対のプレート４２，４２の間より
離脱され、コラム前部壁４５の開口部６１よりコラム１
５の外側に引出される。

引出アーム６７がストッパボルト７４に衝合する位置ま
で旋回されると、これに保持された工具ソケット４１は
中間定位置２０に位置決めされるスピンドルヘッド１６
のスピンドル１８と横方向に整夕１ル、かつスピンドル
軸線と平行になる交換位置７５に持たらされる。

このようにして工具ソケット４１が交換位置７５に旋回
され、かつスピンドルヘッド１６が中間定位置２０に位
置決めされると、交換アーム７８の両把持爪７９，８０
が閉止されてスピンドル１８および工具ソケット４１に
挿着された両工具４０゜４０を把持し、しかる後交換ア
ーム７８が軸線方向に前進されるとともに１８０°旋回
される。

続いて交換アーム７８が軸線方向に後退されてスピンド
ル１８より離脱した旧工具４０を工具ソケット４１に、
また工具ソケット４１より離脱した工具４０をスピンド
ル１８にそれぞれ挿着する。

しかる後把持爪７９，８０が開放され、スピンドルヘラ
ド１６が新工具４０による加工のために下降もしくは上
昇される。

一方、工具ソケット４１に挿着された図工具４０は前記
引出アーム６７の前記と逆方向の旋回動作によりコラム
１５内の工具貯蔵マガジン２１に返還される。

ここで番地書き替え機能を有する工具選択方式において
は、工具ソケット４１を前記割出装置４６に割出されて
いる空のソケット支持体３９にそのまま返還せしめれば
よく、また固定番地の工具選択方式にあっては工具ソケ
ット４１に挿着された図工具の元の保管位置を割出位置
４６に割出し、しかる後に引出アーム６７を旋回して工
具ソケット４１を返還するようにすればよい。

しかしながら、かかる固定番地の工具選択方式の採用は
、上記実施例に示したように工具４０を挿着した工具ソ
ケット４１を工具貯蔵マガジン２１のチェーン３７より
一旦切離して交換位置７５まで引出すように構成するこ
とにより可能となるが、本発明にとってそのような工具
ソケット４１とチェーン３７との切離しは必ずしも必要
ではなく、例えば工具ソケット４１をチェーン等に傾倒
可能に枢着する構成とすることもできる。

以上述べたように本発明は、スピンドルヘッドを上下動
可能に装架したコラム内に工具貯蔵マガジンを収容し、
この工具貯蔵マガジン内の所望の工具をコラムに形成し
た開口部を通してコラムの外側に引出すようにした構成
であるので、スピンドルヘッドへの工具貯蔵マガジンの
接近性が高められ、これによって工具交換を容易に行い
得るようになるとともに、工具交換時間の短縮に寄与で
きるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は自動工具
交換装置を備えた工作機械の正面図、第２図はその側面
図、第３図は第２図の■矢視拡大図、第４図は第３図の
■−■線拡犬断面図、第５図は第４図の■−ｖ線断面図
である。 １０・・・・・・ベッド、１１・・・・・・スライドテ
ーブル、１３・・・・・・サドル、１４・・・・・・ワ
ークテーブル、１５・・・・・・コラム、１６・・・・
・・スピンドルヘッド、１８・・・・・・スピンドル、
２０・・・・・・中間定位置、２１・・・・・・工具貯
蔵マガジン、２２・・・・・・マガジンベース、３３・
・・・・・割出し駆動モータ、３７・・・・・・割出チ
ェーン、３９・・・・・・ソケット支持体、４０・・・
・・・工具、４１・・・・・・工具ソケット、４６・・
・・・・割出位置、６１・・・・・・開口部、６２・・
・・・・工具引出装置、６７・・・・・・引出アーム、
７５・・・・・・交換位置、７６・・・・・・工具転送
装置、７８・・・・・・交換アーム。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ベッドと、前面に工具通し用の開口部を形成したコ
   ラムと、工具を着脱可能に挿着するスピンドルを回転可
   能に軸承して前記コラムに上下動可能に装架されたスピ
   ンドルヘッドと、このスピンドルヘッドと少なくとも３
   次元方向に相対移動可能に前記ベッド上に支持されたワ
   ークテーブルと、前記コラム内に収容されスピンドルに
   挿着するべく用意された多数の工具を前記コラムの開口
   部に臨む位置に割出し可能に貯蔵する工具貯蔵マガジン
   と、この工具貯蔵マガジンに貯蔵された工具をスピンド
   ルとの間で交換する装置とによって構成してなる自動工
   具交換装置を備えた工作機械。