JPS5850674B2 - 金属類を含有する重質油の水素化処理方法 - Google Patents

金属類を含有する重質油の水素化処理方法

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JPS5850674B2
JPS5850674B2 JP54062242A JP6224279A JPS5850674B2 JP S5850674 B2 JPS5850674 B2 JP S5850674B2 JP 54062242 A JP54062242 A JP 54062242A JP 6224279 A JP6224279 A JP 6224279A JP S5850674 B2 JPS5850674 B2 JP S5850674B2
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    • C10PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は有機金属化合物等の可溶性金属類(以下、単に
金属類という)を含む重質油の水素化処理方法に関する
さらに詳しくは本発明は脱メタル活性に較べて脱硫活性
の高い触媒からなる第1触媒層と、脱硫活性に較べて脱
メタル活性の高い触媒からなる第2触媒層を用い、2段
処理方式により重質油を接触処理することを特徴とする
重質油の新規な組合せ水素化処理方法に関する。
重質油、就く常圧残渣油あるいは減圧残渣油などには原
油中に含まれる金属類、アスファルテン類、あるいは残
留炭素先駆物質などのほとんどが濃縮され、さらに硫黄
および窒素なども高濃度に濃縮されているために、これ
らの用途はきわめて限られている。
重質油に含まれる種々のへテロ元素等のうち、特に金属
類は、これらの重質油を接触処理する場合に触媒の永久
被毒物質となることが知られている。
このためにこれらの金属類を除去する多くの方法が提案
されている。
これら公知の水素化処理、いわゆる水素化脱硫あるいは
水素化膜メタル法として知られている方法は高率で金属
類およびアスファルテン類、硫黄、窒素弁などの少ない
処理油が得られる優れた方法である。
またこれらの処理に用いられる触媒として主としてアル
ミナあるいはアルミナシリカを担体とする脱硫触媒は脱
硫活性の充分高い、かつ長寿命のものが開発されている
が、金属類の多い原料油の脱メタル用としても兼用する
ことは必ずしも適当でない。
即ち水素化脱硫油をたとえば接触分解原料として用いる
場合においては、接触分解用触媒の劣化を避けるために
あらかじめ原料中の金属含有率をlQppm以下、好ま
しくは数卿程度にまで低減せしめる必要がある。
このような徹底的な脱メタルは技術的には苛酷な反応条
件下において徹底的な脱硫処理を行うことによって可能
であることが知られているが脱硫触媒によるこのような
徹底的脱硫・脱メタル処理は、脱硫率の向上に伴って化
学的水素消費量が著しく増加し望ましくない。
通常の残渣油の水素化脱硫においては、単位脱硫量あた
りの化学的水素消費量は脱硫率60〜70%以上におい
て徐々に増加し、脱硫量80多以上、特に90係以上と
なると激増することが認められている。
一方接触分解原料中の硫黄含有量については触媒再生帯
からの廃ガス中の硫黄酸化物量を低減せしめるためには
少ないことが好ましいが、軽質油を高収率で得る目的の
ためには特に制限がない。
また接触分解工程において製造される軽質油の脱硫は混
和な反応条件下、かつ少ない化学水素消費量で容易に行
うことが可能である。
従って可溶性金属類の多い重質油から接触分解原料等を
得る場合には、脱硫よりむしろ徹底的脱メタルが必要と
されその際の化学水素消費量の増加を抑えるためにむし
ろ脱硫率を低くすることが好ましいことになる。
脱硫触媒を用いる脱硫・脱メタル法の第2の欠点は、原
料中の金属類が触媒上に堆積するに従って活性が低下し
、これに伴って処理油中の硫黄および金属類含有率で代
表される性状が連続的に変化することにある。
しかし連続的に接触分解原料として利用するためには、
性状が一定に保たれることが好ましい。
即ち性状が変化する場合にこれらを連続的に供給して行
う接触分解処理工程の操業条件および製品性状、収率等
が変動するためきわめて好ましくない。
他方、いわゆる水素化膜メタル法においてはセピオライ
ト系膜メタル触媒のごとくきわめて長寿命の触媒が提案
され、これらの触媒を用いた場合化学水素消費量も少な
く重質油の脱メタル法としては優れている。
しかし長寿命の脱メタル触媒を用いる場合においても、
脱硫触媒を用いる場合と同様に急激ではないとしても触
媒の劣化に伴って処理油の性状が徐々に変化することが
認められる。
さらにまた脱メタル触媒を用いる徹底的脱メタルにおい
ては相当量の硫黄も除去されしかも過剰の化学水素消費
量が必要であることが認められるが、原料油の性状に応
じて脱硫率を任意に設定することはできない。
従って主に脱メタルが起きる脱メタル触媒を用いるいわ
ゆる水素化膜メタル法も又、重質油の脱メタル・脱硫法
としては必ずしも好適とは言えない。
発明者は既に特開昭53−98308号において特定の
物性を有する脱硫触媒と脱メタル触媒との組合せを特徴
とする、いわゆる脱メタル・脱硫法を開示している。
この方法は脱メタル油の水素化脱硫においては、従来の
常識による予想とは全く逆に、通常重質油の処理に適す
るとされている平均細孔直径の太きい、直接脱硫用触媒
が著しく劣化しやすいのに対して、むしろ平均細孔直径
の小さい留出油脱硫用触媒が高活性、かつ長寿命である
という驚くべき実験事実に基いたものである。
また上記の方法は、軽質留分中の金属が特に減少するこ
とに着目したもので、この脱メタル油の脱硫処理におい
ては脱硫率に較べて脱メタル率は著しく低く、二段処理
後でも重質留分中には、かなりの金属分が残存すること
が認められている。
従って処理油全体の金属レベルを著しく低減せしめ、か
つ硫黄レベルをも任意の値にまで低下せしめるためには
、まず水素化膜メタル工程において徹底的に脱メタルし
、しかるのちにさらに脱硫することが必要であった。
しかし水素化膜メタルによるこのような徹底的脱メタル
処理は、水素化脱硫触媒による徹底的脱メタル処理と同
様に、きわめて苛酷な反応条件を要する。
さらに発明者は特開昭52−90503号において脱メ
タル油の脱硫工程において生成する硫化水素の少なくと
も1部を脱メタル工程に循環せしめる脱メタル・脱硫方
法を開示している。
これはいわゆる脱メタル触媒の活性が、従来の常識に反
して、硫化水素分圧の向上によりかえって大きくなると
いう現象の発見に基ずいている。
発明者はこれらの知見を、主として金属含有率の著しく
低い処理油を得るために応用すべくさらに詳細な検討を
行ない本発明方法に到達したものである。
即ち脱メタル工程において硫化水素分圧を高めるために
、公知方法とは逆に、予め水素化脱硫し、次いで脱メタ
ル処理し、金属含有率の著しく低い処理油を容易に得る
ことを目的とする方法である。
脱硫油を、いわゆる脱メタル触媒を用いて処理する効果
は(1)脱メタル反応性が向上する:(2)脱硫工程に
おいて生成する硫化水素を脱メタル工程に供給した場合
には脱メタル触媒の活性が向上する;(3)脱硫選択率
が低下し、きわめて選択的な脱メタル反応が起る:(4
)各工程の触媒劣化によらず、触媒層の湯度制御のみで
脱硫、脱メタル油の金属含有率と硫黄含有率との比等の
性状を一定に保つことがきわめて容易である;(5)化
学水素消費量が少ない;(6)一部の原料油を除き、一
定性状の処理油を得るために一定触媒寿命における各工
程の合計液空間時間は、脱メタル触媒のみを用いる場合
とほぼ同じか、かえって短い;ことにある。
本発明はさらにまた(1)処理油の金属含有量および硫
黄含有量を任意に設定することができ、著しく金属含有
量の少ない低硫黄油を比較的低水素消費量で得られる;
(2)各工程における触媒の劣化に拘わらす温度制御と
いう簡単な操作により、第1段からの処理油の硫黄含有
量を一定に、又第2段からの処理油の金属含有量を一定
に保持することにより処理油中の金属類および硫黄含有
量が長時間にわたり一定にすることができる、などを特
徴とする。
本発明方法によって処理する原料としては可溶性金属類
を多量に含む重質油であればいずれでもよいが、特に常
圧残渣油、減圧残渣油、プロパンあるいはブタン税源ア
スファルト、あるいは残渣油比率の高い重質原油などが
挙げられる。
先に指摘しているようにこれらの残渣油類は金属含有率
が多く、シかも脱メタル反応性が小さいために、従来公
知の水素化脱硫法、脱メタル法あるいは脱メタル・脱硫
法などを適用することは必ずしも好適とは言えないが、
本発明方法によるといずれも容易に処理することが可能
である。
本発明による水素化2段処理工程においては、性能の異
った2種類の触媒が用いられ、第1段の脱硫選択率は第
2段の脱硫選択率より大きいことを特徴とする。
即ち硫黄および金属含有率がS。およびMoなる重質油
を水素化処理して、硫黄および金属含有率がSおよびM
なる処理油が得られたとして、触媒の脱硫選択率γを次
のように定義して、 7=(1nSo/S )/(lnMo/M)発明者は脱
硫選択率γが反応率によらずほぼ一定であることを見出
している。
またγは触媒の劣化によっても徐々に変るが、少なくと
も触媒寿命の1 百〜百程度の反応時間内においては、反応条件(水素圧
、流度なと)および原料の種類などによって大巾には変
らないことが認められる。
ところが、脱硫選択率γは触媒の種類によって大巾に変
化し、アルミナを担体とする残渣油脱硫用触媒では丁二
0.7〜1,2程度、いわゆる留出油脱硫触媒ではγ=
1.2〜3程度またいわゆる脱メタル触媒ではγ< 0
.5 、通常0.4〜0.1程度である。
また脱硫選択率γは触媒の物理構造とも相関し、脱硫触
媒の場合、平均細孔直径の小さい、金属類の堆積によっ
て劣化しやすいものほど大きなγを持つことが確認され
た。
またγは主として担体の種類、組成および担体金属の種
類に依存する。
通常のアルミナ、アルミナシリカ、あるいはシリカを担
体とし、これにCu、Zn、Y、ランタニドから選ばれ
た1種以上を酸化物として0.1〜30、好ましくは0
.5〜10重量%担持してなる触媒のγはきわめて小さ
い。
また水素化膜メタル触媒として公知のアクパルジャイト
、アロフェン、セピオライト、ボーキサイト、マンガン
ノジュール、赤泥、ニッケル鉱石、鉄鉱石などおよびこ
れらの成形品あるいはこれらにCu 、V、Mo 、N
i 、Coなどを担持してなる触媒もγはきわめて小さ
く、通常0.1〜0.3程度である。
これらは倒れもいわゆる脱メタル用触媒として使用され
ることがこの値から明らかである。
これに対しアルミナあるいはアルミナシリカを担体とし
て、これにV、Mo、Wからなる群から選ばれた1種以
上と、Niおよび/あるいはc。
とを担持してなる触媒の脱硫選択率γは犬きく、これら
が通常、脱硫触媒として用いられることはこの値から裏
付けられる。
本発明による水素化処理工程においては、脱硫触媒から
なる第1触媒と脱メタル触媒からなる第2触媒とに遂次
接触せしめる。
即ち第1触媒および第2触媒の脱硫選択率が各々γ1お
よびγ2であるときγ1〉γ2なるように各触媒が選択
される。
従って本発明方法によって通常、第1触媒として脱硫触
媒が、また第2触媒としては脱メタル触媒が選ばれるが
、特殊な目的のためには、それぞれにγ1〉γ2なるよ
うにいわゆる脱硫触媒のみ、あるいは脱メタル触媒のみ
を選ぶこともできる。
このような特別な例としては、それぞれ高硫黄・低金属
油の徹底的脱メタル・脱硫、あるいは高金属油・低硫黄
油の徹底的脱メタル・脱硫などを目的とする場合が挙げ
られる。
本発明方法はγ1〉γ2である第1触媒および第2触媒
層に原料油を順次接触せしめることによって充分にその
特徴が発揮されるが、γ1≧0.5好ましくは0.65
□γ1〈3およびγ2〈0.5好ましくはγ2=0.3
5なるように組合せるのが好ましい。
第2触媒においてγが小さいものが好ましい主たる理由
は、脱硫油の脱メタル処理において、γの小さい触媒は
ど選択的な脱メタルが行なわれ、従って各触媒の劣化に
よらず一定性状の処理油が得られやすいためである。
また第1触媒としてγが太きいものが好ましい理由は脱
硫活性が充分に高いことによる。
しかしγ1が大きい程、一般に高活性であるが触媒寿命
が短いために0.65□γ1≦1.5、さらに好ましく
は0.75.γに1.0なるような触媒との組合せが、
触媒の活性および寿命の点から好適である。
尚ここでτ1.γ2はいずれも新原料に対する各触媒の
脱硫選択率であるが、本発明者は脱硫油に対する第2触
媒の見掛の脱硫選択率γ2′は、γ2よりもさらに小さ
く、第1触媒層での脱硫率が大きい程、γ2′がさらに
減少することを知見している。
従って本発明方法においては第2触媒として特に選択的
脱メタル触媒が選らばれることのほかに脱硫油が選択的
に脱メタルされ易いために、第2工程においてはきわめ
て選択的な脱メタルが行なわれることが理解されよう。
本発明方法においてはγが大きい触媒を用いても原料油
から除去される金属類の相当部分が金属によって活性低
下し易い第1段の水素化処理層の脱硫触媒上に堆積する
ことは避けられない。
従って本発明方法は多くの利点が認められるものの、触
媒寿命の点からはかえって不利となることが危惧される
ところが脱硫触媒を低脱硫率となるような条件で用いる
と、予想に反し、比較的高脱硫率および高脱メタル率で
運転される場合に較べて、(1)劣化に至るまでに堆積
する金属量が著しく多くなる;(2)脱硫油の脱メタル
処理においては触媒へのコーク堆積が少なくなり、この
ために残存金属類が容易に除去される;ことが認められ
た。
本発明方法において第1触媒の第2触媒の量に対する比
率が高く、かつ第1触媒層で著しく高度に脱メタルが行
われる場合には、公知方法に較べて触媒全体の消費量が
多量となる場合もあるが、原料油および設定された処理
油の性状に応じて第1触媒および第2触媒の比率を選び
、それぞれを最も好ましい反応条件で運転を行うことに
よって公知方法に比較して全触媒所要量がかえって少な
くすることができる。
これにより本発明方法における第1ならびに第2触媒の
割合は単に処理油の性状のみならず、触媒所要量にとっ
ても重要な因子であるが、通常、高硫黄、低金属原料か
ら低硫黄、低金属処理油を得る場合には第1触媒の第2
触媒に対する割り合を高く設定するのが好ましい。
また第1触媒の量は必要とされる脱硫率に応じて決めら
れるが、低硫黄高金属原料から低硫黄、低金属油を得る
場合においては高硫黄、低金属油の処理に較べて第2触
媒の量に比較して低く設定される。
一般に目的とする脱硫率をx%に設定するとき、第1触
媒層における脱硫率x1は0.8x≦x1〈xであるの
が好ましい。
また本発明方法は、全体の金属類および硫黄分のいずれ
の除去率をもきわめて高くする目的の場合においても好
適であるが、特に金属類除去率が80φ以上、好ましく
は90φ以上であり、かつ脱硫率が90φ以下、好まし
くは80多以下となる場合において特に好適である。
これは脱硫°脱メタルの相乗効果が特に大きいこと、並
びに化学水素消費量が比較的少なく、かつ第1工程の触
媒劣化が少ないことによる。
第1第2の触媒は、γ1〉T2なる関係を有するものの
うち任意のものが選らばれるが、第1触媒層の処理目的
が脱硫・脱メタルにあるために脱硫活性が高く、かつ寿
命の長いものを用いるのが好ましい。
このために第1触媒は、それぞれ酸化物としてV、Mo
、Wから選らばれた1種以上、好ましくはMoを0.5
〜30%、さらに好ましくは6〜20重量φ重量上びN
iおよび/あるいはCoを0.1〜12重量係、好まし
くは1〜8重量φ含み、さらにMOを含む群と、Niを
含む群の割合原子比で(Niを含む群)/(Moを含む
群:0.1〜0.8好ましくは0.2〜0.6、比表面
積が80 m/ 9以上、好ましくは120 m/f1
以上、細孔容積が0.4 cc79以上、好ましくは9
.5 cc/g以上、平均細孔直径が60〜200人、
好ましくは90〜160人であるアルミナあるいはアル
ミナシリカを担体とする、いわゆる脱硫触媒が好適であ
る。
しかし処理目的に応じて、触媒担体としてボリア、リン
酸、チタンなどを含むアルミナ等でもよい。
本発明方法において第1触媒の性状は一般的に触媒寿命
の長い、細孔容積が大きく、かつ平均細孔径の太きいも
のが好ましいが、原料油の性状などに応じてカフジ減圧
残油等硫黄分の多い重質油に対しては通常の水素化脱硫
に高活性でありながら、触媒寿命の短いものが選らばれ
ることもある。
本発明の特徴の1つは、第2触媒として脱硫選択率の小
さい、いわゆる脱メタル触媒を用いることにある。
このような脱メタル触媒としては多くのものが公知であ
るが、本発明方法においては金属類の堆積許容量の太き
いものよりも、むしろ脱硫油の脱メタル活性の高いもの
が選らばれる。
このような高活性膜メタル触媒としてはアクパルジャイ
ト、ボーキサイト、アロフェンおよび赤泥から選らばれ
た1種以上を含むものが好ましい。
これらはそのまま、あるいは成形、焼成してから用いて
もよいが、更にCu、V、Cr、Mo+W+Ni、Co
なとの金属類を担持したものを用いてもよい。
第2触媒としては、新触媒状態において珪素を酸化物と
して25重量幅以上、好ましくは40重量φ以上含み、
かつ化学組成比で主要成分が珪素からなり、細孔容積が
0.3 cc/ 9以上、平均細孔直径が60A以上、
好ましくは90A以上であるものが特に優れている。
このような触媒の例としては、多孔質シリカ担体、ある
いはこれにCu 、V 、Mo 、Ni 、Coなどの
金属類を担持したものでもよいが、特に珪素の他にマグ
ネシウムを含む、多孔質マグネシウムシリケート担体、
あるいはこれに金属類を担持したものがよい。
発明者は特開昭52−113901号において、多孔質
マグネシウムシリケート、就く、セピオライト戒形体を
担体とする触媒を用いる水素化処理方法について開示し
た。
本発明方法における脱硫油の選択的膜メタル触媒として
も、上記のセピオライト系触媒が特に優れている。
従って第2触媒として天然セピオライト、合成セピオラ
イト、あるいはこれらを混練、成形して多孔化したもの
酸抽出によってマグネシウムの1部を脱離せしめた多孔
質化物あるいはこれらに金属類を担持せしめたものなど
を用いるのが好ましい。
金属類としては、周期律表1b、IIb、Ia、Va、
Viaおよび■族から選らばれた1種以上、就くCu、
V、Mo。
Ni、Coから選らばれたもの、さらに好ましくはV、
Moからなる群とCu、Ni、Coからなる群とのそれ
ぞれから1種以上選らばれたものを、酸化物として0.
1〜30重量饅重量型しくは0.5〜10重量φ重量上
担持るものが好ましい。
セピオライト鉱石を混練成形したもの、あるいはこれに
アルミナゾルあるいはアルミナシリカゾル、又はシリカ
ゾルを加えて成形したものを担体とする触媒は特に脱メ
タル活性が高く、従って本発明における第2触媒として
きわめて好適である。
さらにまた第2触媒層において硫化水素分圧を高めるこ
とによって、第2触媒の脱メタル活性がさらに向上する
ことが認められる。
この理由の1つとしては、新原料油を単に水素化脱硫あ
るいは脱メタル処理する方法に較べて、脱硫油の脱メタ
ル工程においては見掛の脱硫選択率がさらに低下し、こ
のために脱硫量がきわめて少なくなるために、硫化水素
分圧が低くなっており、これを高めることによって脱メ
タル活性の向上が得られるものと考えられる。
これは硫黄の少ない重質油の水素化分解あるいは多段工
程による徹底的脱硫などにおいて、供給水素に硫化水素
を加えることによって反応率が向上することが知られて
いるが、本発明による第2触媒層においてもこれらと類
似の効果及び作用によって硫化水素が働くものと推定さ
れる。
従って本発明においても第2触媒層の硫化水素分圧を積
極的に高めることによって、脱メタルの反応を高めるも
のと思われる。
好ましい硫化水素分圧は第2触媒層への供給原料の性状
および反応条件、触媒の種類などによって変わるが、通
常0.1〜50 kg/CIIL、好ましくは0.3〜
15kg/cr?を程度である。
第2触媒層の硫化水素分圧を実質的に高めるために硫化
水素源としては任意のものを用いることができるが、第
1触媒層からの反応生成ガスには硫化水素ガスが含まれ
ているので連続的にその硫化水素を利用するのが好まし
く、また本発明の利点でもある。
また第1触媒層からの硫化水素のみでは、十分な分圧が
得られない場合は、第2触媒層への供給原料中に2硫化
水素、メルカプタンなどの易反応性硫黄化合物を加えて
もよいが、通常、硫化水素を含む水素あるいは硫化水素
を単独で供給する。
さらに第2触媒層からの出ロガ゛スをそのまま循環せし
めてもよい。
本発明方法における第1触媒層および第2触媒層の反応
条件は、原料油の性状および設定された処理油の性状な
どに応じてそれぞれ任意に選らばれる。
しかし触媒の著しい劣化を避け、かつ過度の化学水素消
費量を避けるために、湿度320〜470℃、好ましく
は350〜430℃、水素圧30〜350kg/i、好
ましくは70〜200kg/dで行なう。
反応方式も任意であり、固定床、移動床あるいは沸騰床
など公知方法のいずれでもよい。
しかし第1触媒は第2触媒に比較して劣化しやすいこと
から、第1触媒層のみを移動床あるいは沸騰床などの連
続的に触媒交換が可能な方式とすることも得策である。
このような組合せ方式とすれば第2触媒がきわめて長寿
命である特徴を充分に発揮することが可能であり、また
広範囲の性状の原料油から任意の性状の処理油を得るこ
とが可能となる。
しかし通常本発明方法は、第1触媒層および第2触媒層
とも固定床反応装置を用いて実施される。
これは脱硫・脱メタル法によると、従来公知の固定床を
用いる反応方法における欠点とされている触媒の劣化に
伴って処理油の性状が変化することもなく各触媒が劣化
しても処理油中の硫黄、金属類含有率はもとより窒素、
アスファルテン類、残留炭素などの含有率を一定に保つ
ことがきわめて容易であるためである。
第1触媒層および第2触媒層の水素分圧は通常はぼ同一
に保たれるが、これらを任意に変えてもよい。
しかし水素化脱硫に要する化学水素消費量が水素分圧に
ほぼ比例することから、第1触媒層の水素分圧を低く、
第2触媒層のそれを高く保つことは、化学水素消費量を
低減せしめるためにも有利である。
さらに発明者によると脱硫選択率の大きい触媒はど低水
素圧においても劣化しにくいこと、およびきわめて驚く
べきことには低水素圧においてはかえって触媒寿命が延
ひる場合もあることが認められた。
米国特許第3,860,510号明細書によると、重質
油の2段水素化処理によるFCC原料の製造において、
前段を高水素匡、後段を低水素圧に保ち、さらに反応時
間の経過につれて温度を徐々に変化させることによって
、処理油の性状が触媒の劣化によらず一定に保たれるこ
とが認められている。
ところが驚くべきことには、本発明方法においてはこれ
とは逆に第2触媒層の水素圧が、第1触媒層のそれより
もむしろ高い場合において、触媒の劣化によらず単に触
媒層の温度を制御することによって処理油の性状を一定
に維持することが容易となることが判かった。
かかる公知の知見との逆の現象は、本発明方法において
は第2触媒層において脱メタル触媒が用いられることに
起因すると推定される。
従って本発明方法において第1触媒層の水素分圧を低く
第2触媒層のそれを高く設定する場合においては、単に
化学水素消費量が低減するのみならず、各触媒層の温度
を徐々に上昇せしめることにより、第1段で硫黄含有量
を、第2段で金属含有量を夫々一定となし、処理油の性
状が一定に保たれるためにきわめて好適である。
第1触媒層と第2触媒層との水素分圧の差は原料油の性
状、反応条件および触媒の種類、性状などによって任意
に決められるが通常10〜50kg/cffl程度でよ
い。
本発明方法による水素化処理油は金属含有率がきわめて
少すく、かつ硫黄、窒素、アスファルテン類なども少な
く、かつ残留炭素も減少せしめられているために、その
まま燃料油として用いることができるが、触媒の劣化に
よらず処理油性状が一定に保たれると、および金属類お
よびアスファルテン類などに較べて硫黄が比較的多いこ
となどから、むしろ水素化分解工程、水素化脱硫工程、
接触分解工程などの接触処理工程への供給原料として極
めて好適である。
例えば、発明者らの発明による特開昭53−98307
号ならびに特開昭53−101004号明細書に記載さ
れた脱メタル処理を含む水素化分解方法の、脱メタル処
理の代りに本発明の方法を適要することは、金属類の含
有量の多い重質油を容易に軽質油に転換する方法として
極めて有効であり、また先に示した特開昭53−983
08号の脱メタル・脱硫処理における脱メタル処理の代
りに適要することも極めて有効である。
本発明方法によって所定量まで金属および硫黄含有率の
低下した処理油は必要に応じさらに公知方法によって窒
素および残留炭素分などを除去してもよい。
原料油は接触工程において原料油は大過剰の微粒子状触
媒と混合され、430〜530℃ライザーおよび反応塔
において分解され、一方コークの堆積した触媒は分解ガ
スと分離されて焙焼再生塔へ循環される。
通常、コーク収率は原料中の残留炭素の1,2〜2.0
倍程度である。
触媒中のバナジウム、ニッケルなどの堆積金属量が多く
なるとコーク収率が漸増し、さらにガス収率が増加し、
逆に分解油収率が減少する。
従って原料中の金属量が多い場合には、接触分解触媒中
の堆積金属量を一定レベルに保つために廃触媒が抜き出
され、新触媒が供給される。
本発明方法において得られる処理油は金属類がきわめて
少ないために、接触分解触媒中の金属量は5ooopp
m以下、通常2000〜3000pHlこ保たれる。
反応塔から分離された触媒上のコーク量は、充分な活性
および選択性を維持するように数φ程度に保たれる。
従って残留炭素の多い原料の処理においては、ライザ一
部での触媒比率が多くなる。
コーク付着触媒は焙焼再生塔に循環される。
重質油の接触分解においてはコーク収率が多く、このた
めに再生塔において発生する熱量の1部が過剰スチーム
として回収される。
本発明方法による処理油の接触分解工程において用いる
触媒としては通常、イオン交換型X型またはY型ゼオラ
イトを数φ〜20係含む。
直径40〜80μ程度のシリカアルミナが好ましい。
本発明方法によって得られる処理油はまた、触媒の劣化
によらず性状が一定であるために、溶剤税源原料として
も極めて好ましい。
第1触媒層において減少したアスファルテン含有率は第
2触媒層においてさらに著しく減少し、しかも第1触媒
層でのアスファルテン分解率は、脱硫選択率γの小さい
触媒を用いるほど大きくすることができ、税源処理が有
効となる。
従って本発明による水素化処理に溶剤脱歴工程を組み合
せる場合、低金属油を高収率で得るためには0.75≦
γ≦が好ましい。
先に示した特開昭53−115703号において、脱メ
タル工程での脱メタ率が大きい処理油はど同−説瀝油収
率においては、税源油に含まれる金属類の減少率が大き
くなることを指摘したが、本発明方法による脱硫・脱メ
タル油の溶剤税源処理においてもほぼ同様な現象が認め
られた。
本発明方法によると処理油中の金属類、アスファルテン
類および硫黄含有量を広い範囲で、かつ任意に設定する
ことが容易であるために、処理油をさらに溶剤税源して
、低金属油と税源アスファルトを同時に製造する場合に
はこれらの製品の用途および設定された性状に応じて、
水素化処理条件および溶剤税源条件を選ぶことができる
即ち、たとえば中東系減圧残油などの高硫黄、高金属、
高アスファルテン油から接触分解工程などに好適な超低
金属かつ低硫黄の税源油を高収率で得、かっ税源残渣を
低硫黄燃料への混合基材なととして利用する場合には、
本発明方法による水素化処理工程において金属類および
アスファルテン類の大部分を除去し、かつ硫黄分を所定
値にまで減少せしめたのち、比較的炭素数の大きい溶剤
で、税源処理すればよい。
溶剤脱歴工程においては公知の方法および装置が用いら
れる。
通常、溶剤としては炭素3〜4の炭化水素が選らばれる
が、本発明方法による水素化処理油を原料とする場合に
は、ブタン、ペンタンおよびヘキサンなどの比較的炭素
数の大きい溶剤を用い、税源油の収率がきわめて高い場
合においても金属含有率の著しく小さい税源油が得られ
る。
溶剤税源は温度10〜3000C,田力1〜50 kg
/cvts溶剤比1〜20において行なわれるが、ペン
タン、ヘキサンなどの炭素数の大きい炭化水素溶剤を用
いる場合には温度150〜250℃、圧力15〜40
kg/C77E、溶剤比1〜1oにおいて処理される。
本発明方法による水素化処理工程と溶剤脱歴工程との組
合せ処理は、従来の脱メタル・脱瀝工程あるいは脱硫・
税源工程などと比較してきわめて優れている。
即ち水素化処理油の性状が容易に一定に保たれるために
これらの税源処理によってほぼ一定収率で、一定品質の
製品が得られる。
これはこれらの製品の高度化処理にとってきわめて好適
である。
また水素化処理工程において、金属類およびアスファル
テン含有率の著しく小さい処理油が容易に得られるため
に、これを税源処理することによって容易にかつ高収率
で超低金属類含有油が得られることになる。
従来の脱メタル・溶剤税源処理においては高硫黄脱歴油
と比較的低硫黄の税源アスファルトが得られるが、本発
明方法においては脱歴油および税源残渣中の硫黄分をさ
らに任意に減少せしめることができるため、税源アスフ
ァルト中の硫黄含有率を充分に低下せしめることも容易
である。
このような低硫黄税源アスファルトは単に炭素材原料と
してのめならず、低硫黄燃料油の混合基材としてきわめ
て好適である。
本発明方法による重質油の水素化処理をまとめると、先
に定義した脱硫選択率γにおいてYt>丁2なるように
選らばれた第1触媒および第2触媒を用い第1工程にお
いて脱硫したのち、第2工程において脱メタルする方法
であり、処理順序が全く逆となっているが、下記の著し
い特徴がある:即ち(1)徹底的な脱メタルが容易であ
り、しかも処理油中の硫黄分を任意に設定することが容
易である;(2)各触媒の劣化によらず容易に一定性状
の処理油が得られる;(3)徹底的脱メタルに要する化
学水素消費量が少ない。
次に本発明方法を実施例によって詳しく説明する。
尚、本発明の新規方法は実施例に限定されるものではな
く詳細な説明において示した接続分解あるいは溶剤税源
などの工程との組合せを含むものである。
本実施例においては特に断らない限り、パーセント、、
ppmなどの比率は全て重量基準による。
実施例−1 下記表−1に示す性状の常圧蒸留残渣油を原料として表
−2に示す3種類の触媒を用いて水素化処理した。
表 −1 可溶性金属類(V+N i +F e )硫 黄 窒 素 n−へブタン不溶分(アスファルテン) コンラドソンカーボン ppI11177 係 2.62 係 0.36 係 3.0 % 8.9 これらの触媒のうち、触媒Iおよび■はアルミナを担体
とする留出油および残渣油用脱硫触媒であり、触媒■は
スペイン産セピオライトを粉砕したのち多量の水を加え
て混練して得られた多孔質マグネシウムシリケートに触
媒金属を担持してなる高活性脱メタル触媒である。
これらの脱硫選択率(γ)は、表−1に示した残油を水
素圧1401i/−1温度400°C1液空間速度0.
25〜4Hr−’において処理した場合に得られたもの
である。
水素化処理は通常の高圧流通式反応装置を用い、水素圧
140 kg/cr?L、 ip度400 ’Cにて液
空間速度(又は液空間時間)を変えて行なった。
各触媒は、初期活性域での反応を避けるために、軽油を
用いて硫化したのち液空間速度0.5Hr−1にて約2
00時間予備処理してエージングした。
図−1に処理油中の金属類残存率と相対的液空間時間と
の関係を示した。
図において脱メタル(1)および脱硫(II)として示
した実線はそれぞれ触媒■および■を用いた場合の関係
を示し、触媒■の直線の勾配が触媒■よりも若干緩やか
となっているのは、触媒■の脱メタル活性が■よりもや
や劣るためである。
尚触媒■の直線が、高反応率において勾配がやや緩やか
となっているが、これから脱硫選択率の太きいもの程、
高反応率における勾配の変化が大きいことが認められる
点線で示した脱メタル+脱硫(I+I)は、触媒■を用
いて、相対液空間時間約7.5において得られた脱メタ
ル油をさらに触媒Iを用いて脱硫した場合の、新原料基
準の金属類残存率と合計液空間時間との関係を示したも
のである。
これより脱メタル油の脱硫においては金属類が著しく減
少しにくくなることが示される。
尚、脱メタル油の脱硫実験において、細孔直径のより大
きい脱硫触媒■を用いたところ、硫黄および金属類がほ
ぼ同じ比率で減少することが認められたが、触媒の活性
低下が大きく、このために触媒Iに比較して触媒寿命が
著しく短いことが判った。
また廃触媒の分析によると触媒■に堆積するコーク量は
、新原料を処理する場合に較べて著しく多いことが認め
られた。
従って脱メタル油の脱硫・脱メタルのために脱硫選択率
の小さい、触媒■タイプのものを用いることが技術的に
可能であるが、触媒寿命が短く、このために実用的でな
いことが推察される。
図−1に示したように触媒■あるいはlのみを用いて徹
底的脱メタルが可能であるが、後に図−2で示すように
触媒■のみを用いた場合には化学水素消費量が著しく多
くなり、他方、触媒■のみを用いた場合には処理油中の
硫黄レベルが所定値にまで低下せず、いずれの方法も一
長一短が認められる。
一方点線で示した脱硫+脱メタル(■+I)から判るよ
うに、脱硫油の脱メタルを試みたところ、残存金属類が
さらに減少し、しかも触媒の劣化が少ないことが認めら
れた。
尚この実験においては脱硫油を硫化水素を含む生成ガス
から分離し、改めて新水素を用いて脱メタルしたが別の
実験において脱硫油を硫化水素等から分離することなく
そのまま脱メタル触媒層に通じたところ、処理油中の硫
黄分は両方法の間にほとんど差がないのに対して、金属
類およびアスファルテン類については、後者の場合は前
者に比較してさらに減少することが認められた。
これより、脱硫油の脱メタル処理においても硫化水素の
効果が大きく、従って本発明方法においては第1触媒層
において発生した硫化水素を技術的に容易に第2触媒層
に供給しやすいことからも、水沫が脱硫・脱メタル法と
して優れていることか理解されよう。
尚、図−1に示した脱硫+脱メタル(n+I)実験によ
ると、脱硫油の脱メタル工程においてはほとんど脱硫さ
れず、見掛けの脱硫選択率が約0.06であった。
図−2において、点線は本発明の方法で得られた処理油
中の残存金属量と化学水素消費量との関係を示し、実線
は、20ppI11まで脱メタルした処理油を触媒用で
水素化処理した場合の結果を示した。
尚この図において横軸は残存金属量を示したが、よく知
られているように金属類が減少する場合、アスファルテ
ン類も著しく減少することが認められ、従って図−2に
示した関係が、残存アスファルテン量と化学水素消費量
との関係ともよく相似することは容易に推察されよう。
図から残渣油用脱硫触媒を用いる脱メタル・脱硫方法に
よると、特に残存金属類を著しく低減せしめるようにし
た場合においては化学水素消費量が激増することが認め
られる。
これに対して本発明方法によると、脱硫率を任意に設定
できるために特に脱金属の要求が大きい場合において脱
メタル・脱硫方法に比して化学水素消費量の増加がきわ
めて少ないことが判る。
以上の結果から本発明方法が、金属類の多い重質油の徹
底的膜メタル法として好適であるととならびに、脱硫率
を任意に設定することが可能であり、しかも化学水素消
費量が少ないことなどが理解される。
実施例−2 実施例−1において用いたものと同一原料を、実施例−
1において示した触媒■および■を用いて、処理油の金
属量が17〜19pIn、硫黄が1.1〜1.20φと
なるように脱硫・脱メタル処理し、触媒の劣化に伴う残
存金属(pp−) /硫黄量(係)比の変化を調べた。
尚、参考のために触媒■とほぼ同一性状の脱硫選択率が
やや太きい、セピオライトを担体とする脱メタル触媒■
′を用いて同様の処理を試みた。
又この参考実験は比較を容易にするために脱硫+脱メタ
ル(n+i)実験と同−液空間時間で行なった。
図−3に各工程における生成油中の金属量(ppm i
/硫黄量(係)比の経時変化を、また図−4には各工程
の反応温度の経時変化を示した。
図−3から脱硫工程においては触媒の劣化に伴って脱硫
油の金属/硫黄比が徐々に大きくなることが示されるが
、脱硫+脱メタル(I[+I)の場合にはこの比がほぼ
一定であることが示される。
これは実施例−1において示したように脱硫油の脱メタ
ル工程においては見掛の脱硫選択率γが著しく小さくな
り、このためにきわめて選択的な脱メタル処理が行なわ
れるためである。
ところが、脱メタル触媒■′のみによる処理においては
、脱硫(n)工程の場合と同様に生成油の残存金m (
ppm )/硫黄量(係)比が触媒劣化に伴って徐々に
大きくなるために一定性状の処理油が得られないことが
認められる。
図−4から脱硫(II)工程においては触媒の劣化が著
しく大きいものの、脱メタル(l[)単独工程と較べて
反応湿度が20〜40℃低いことが注目される。
よく知られているように化学水素消費量は水素化分解反
応などのために反応温度が高くなるほど多くなるが、本
発明方法による脱硫工程においては反応温度が比較的低
いために選択的な脱硫反応が行なわれ、このため(こも
化学水素消費量が少なくなることが推察されよう。
脱硫工程に比較して、脱硫+脱メタル(II+l[)に
おいては触媒の劣化が緩やかであり、しかも脱メタル(
■′)単独工程と比較して反応温度が若干低いことが判
る。
これは脱硫油が脱メタルされやすく、かつ触媒へのコー
クおよび金属類の堆積が少ないために高活性が維持され
るためと推定される。
表−4の各工程に於ける相対的LH8Vは、脱メタル(
■′)単独工程は1.01脱硫+脱メタル(n+u)工
程では1.89、ならびに脱硫(I[)工程では2.1
2であった。
また本実推測から、金属含有率のきわめて多い原料の脱
硫・脱メタル処理においてさえ、所要触媒量および液空
間反応時間が、触媒の金属類堆積による劣化が少ないた
めに、長寿命製脱メタル触媒のみを用いる場合とほぼ同
一か、むしろ少ないことが認められる。
これは脱硫触媒を比較的混和な脱硫処理に用いた場合に
は、触媒寿命が著しく延びること、および脱硫油が比較
的膜メタルされやすく、かつ触媒が劣化しにくいなどの
理由によると推定される。
欠に本発明方法が、単に脱メタルおよび脱硫処理に対し
て優れているのみならず、アスファルテン類および残留
炭素の減少などに対しても有効であることを示すために
、本実推測において、相対反応時間的6.0で得られた
生成油の性状を示す。
表 −3 脱 硫 脱、タフつ +脱メタル (n+m) (u’) 化学水素消費量l/l 46 52金属類
ppm19 18硫黄 φ 1.17
1.20 窒素 多 0.27 0.3I n−へブタン不溶分% 1.00 1.14コンラ
ドソンカーボンφ 6.45 5.99以上の結
果から本発明方法がn−へブタン不溶分、コンラドソン
カーボンあるいは窒素の低減に対しても有功であり、本
発明による水素化処理工程が、接触分解原料、あるいは
溶剤税源原料などの予備処理工程としても好適であるこ
とが理解される。
【図面の簡単な説明】
図−1は実情例1における脱メタル、あるいは脱硫の単
独処理に対する脱メタル+脱硫、あるいは脱硫+脱メタ
ルの2段処理の結果を相対液空間時間に対する金属類残
存率として示したものであり、図−2は同じく実権例1
に於ける脱硫単独の場合と脱硫+脱メタルの効果を残存
金属量に対する相対的化学水素消費量との関係で示した
ものである。 図−3ならびに図−4は、実権例2における脱硫+脱メ
タル処理の各工程における残存金属量に対する硫黄量の
比、ならびに反応経過時間に対する相対反応湿度の変化
を示したものである。 各図における0内の表示は当該処理に使用した触媒の種
類を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 可溶性金属を含有する重質油を温度320〜470
    ℃、水素圧30〜350kg/iにて2段で水素化処理
    を行う方法において、第1段と第2段で用いる触媒とし
    てはそれぞれ性能の異った2種類のものを用い、第1段
    の触媒の脱硫選択率γ。 と第2段の触媒の脱硫選択率γ2とはγ1〉γ2の関係
    にあることを特徴とする重質油の水素化処理方法 ここに脱硫選択率r= 1nSo/S/lnMo/Mと
    し式中So、Sは原料油および処理油の各硫黄含有率:
    Mo、Mは原料油および処理油の各金属含有率を夫々示
    す。 2 第1段処理の水素分圧が第2段処理の水素分圧より
    、10〜50ky/ffl低い条件で行なう特許請求の
    範囲第1項記載の方法。 3 第2段処理の触媒層の硫化水素分圧が0.1〜so
    kg/=である特許請求の範囲第1あるいは2項記載の
    方法。 4 γ1≧0.5〉γ2である特許請求の範囲第1゜2
    あるいは3項記載の方法。 50.65ヨγ1〈3である特許請求の範囲第4項記載
    の方亀 6 第1段処理の触媒が比表面積80771”/ ji
    以上、細孔容積0.4 cc/ 9以上、平均細孔径6
    0〜200Aであるアルミナあるいはアルミナシリカを
    担体とし、触媒層q<a>群としてV、Mo、Wの1種
    以上を0.5〜30重量φ、および(b)群としてNi
    および/あるいはCoを0.1〜12重量幅が各担持さ
    れ、かつ(a)群に対する(b)群の担持量の原子比が
    (b)群/(a)群=0.1〜0.8である特許請求の
    範囲1.2.3あるいは4項記載の方法。 7 第2段処理の触媒がアクパルジャイト、ボーキサイ
    ト、アロフェンおよび赤泥の1種以上からなる触媒であ
    る特許請求の範囲第1.2,3.4あるいは6項記載の
    方法。 8 第2段処理の触媒担体が、珪素が化学組成比の主成
    分であり、かつ酸化物として25重量φ以上含み、細孔
    容積がQ、3cc/g以上、平均細孔径100〜300
    人である特許請求の範囲第1,2゜3.4.6あるいは
    7項記載の方法。 9 触媒担体がセピオライトあるいは/およびセピオラ
    イト変成体である特許請求の範囲第8項記載の方法。 10第1段処理の触媒層において油中の硫黄含有量が一
    定に、かつ第2段処理の触媒層において油中の金属含有
    量が一定になる条件で反応することにより、処理油中の
    金属含有量と硫黄含有量の比をあらかじめ設定した値に
    保持する特許請求の範囲第1.2,3,4,6.7ある
    いは8項に記載の方法。
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