JPS5850240Y2 - 連続式焼結機の点火炉下出口側ウインドボツクス - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ドワイトロイド型焼結機で代表される連続式
焼結機における点火炉下出口側ウィンドボックスの改良
に関し、詳細には点火炉内の負圧化傾向を可及的に抑制
する様に改善されたウィンドボックスの改良に関するも
のである。

銑鉄製造の為に原料鉱石を焼結したり、廃棄物の再利用
を目的として造粒焼結を行なうこと等は周知である。

この様なときに用いられる焼結機としては種々の構成及
び構造が知られているが、ドワイトロイド型焼結機は最
も広く利用されている代表的な装置であり、第１図はそ
の概要を示す説明図である。

第１図において装置１の要部はエンドレスに回動するパ
レット状支持板（以下単にパレットという）６と、各パ
レット６の下面に向って開口するウィンドボックス４０
，４゜・・・・・・（以下代表して述べるときは４で表
わす）から構成される。

そして上方側の左から右に向って進むパレット６の上方
には点火炉２、保熱炉（図示しない）が該進行方向に沿
って設けられ、各ウィンドボックス４の下部に連続して
形成されるウィンドレッグ４′は第２図からも理解でき
る様に、第１図の下側を右から左に向って進む回送パレ
ット６′を回避すべく紙面貫通方向に偏位し、途中にダ
ンパ５０，５□・・・・・・（以下代表して述べるとき
は５で表わす）が配設され、各レッグ４′は風箱８に連
通している。

尚６は排風ファン、３は点火バーナを夫々示す。

本装置によって連続的な焼結作業を行なうに当っては、
まず矢印Ａ方向から原料７ａを装入し、矢印Ｂ方向に進
ませ、点火炉２の前方開口部をくぐらせて点火炉２内に
導入する。

そしてバーナ３で点火すると共に、ファン９を作動させ
てダンパ５（正しくはダンパ５３以後のダンパ）を開き
、パレット１上、即ち原料７ａ内に上から下へ向う通風
を形成し、原料７ａ層の表層部から下層部に向けて順次
火種を移動させつつ更にＣ方向へ進行させながら焼結を
行なう。

そして焼結完了品７ｂは矢印り方向に落下し、冷却、分
塊及び分級されて製品となる。

この操業過程において、全ダンパ５を開にすると、点火
炉下のウィンドボックス４０，４□、４３内が負圧とな
り、その結果バーナ３近傍に風の流れか゛点火不良を生
じるだけでなく、点火炉２か゛負圧となって冷風が吸引
されバーナ用燃料の消費量が増大するという問題が生じ
る。

従って通常の操業中はダンパ５１，５２，５３を閉鎖し
て上記の操業を行ない、ウィンドボックス４□Ｔ ４２
．４３内への落下ダストが蓄積されて排出の必要が生じ
た場合にのみダンパ５１，５□、５３を開く様にしてい
る。

しかるに上述の如き配慮にもかかわらず、点火炉２内の
圧力は負圧傾向を示しつつ相当な幅で変動しており、点
火の不安定や燃料消費量の増大を完全に解消するには至
っていない。

そこで種々検討したところ、パレツｌ−６の下面とウィ
ンドボックスの上面との間に１０で示す様な間隙があり
、ウィンドボックス４４以降の負圧によって４３′以前
のウィンドボックスから４４以降のウィンドボックスに
向う気流が形成され、４３以前のウィンドボックス内が
負圧になり易いという事情が明らかにされときた。

そこでダンパ５４，５５を閉にしてダンパ５６以降（図
では５７が最終になっているが、実装置では、更に数個
のウィンドボックスが連接されている）のみを開にし、
ウィンドボックス４６以降の負圧の影響が距離的にウィ
ンドボックス４３以前には及ばない様にしている。

この様な工夫によって点火炉２内はたとえ負圧になって
も負圧の程度が少なく且つ安定する様になったので画人
の安定及び燃料消費量の低減が達成される様になったが
、ウィンドボックス４６の位置に至る迄は原料７ａ層中
に気流が形成されず、その為焼結開始点が遅れ、焼結装
置全体として見た場合の有効利用率が悪い。

又その結果焼結終了点が後方へずれるので、パレットの
走行速度は安全を見越して遅くせざるを得す、生産性の
低下を余儀なくされていた。

本考案はこの様な事情に着目してなされたものであって
、ウィンドボックスにおけるダンパを、可及的点火炉側
近くの位置まで開にして操業し得る様な装置の開発を目
的としてなされたものであって、より具体的には、点火
炉より進行方向側に形成される負圧や気流の影響を、点
火炉下のウィンドボックスに及ばしめない様な工夫を加
えんとするものである。

しかして本考案における改良の要点は、点火炉下出口側
に設けられるウィンドボックスの上面を部分的に覆う防
風板を、焼結進行方向側にみて手前側から前方側に向け
てウィンドボックス上部に取付けてなる点に存在する。

以下実施例図面に基づいて本考案の構成及び作用効果を
説明するが、前・後の趣旨に徴して設計変更を加えるこ
とは、本考案の技術的範囲に含まれる。

第２図は前述の防風板１１をウィンドボックス４３の頂
面に取付けた状態を示す概念図であり、ウィンドボック
ス４３の全面を覆うのではなく、ウィンドボックス４□
に近い側を約半分覆っている。

第３図は他の実施例に係る防風板１２の取付けを示す要
部破断展開斜視図であり、ウィンドボックス４３の側面
板にブラケット１５を介して支持板１６を取付けると共
に、防風板１２の底面側に添設したリプ１３下面の取付
板１４を前記支持板１６に直接若しくはクッション材２
２を介して接合し、ボルト貫通孔１７．１８を合わせて
これらにボルトを貫通しナツト等で個定するものである
。

第４図は第３図の取付は例によって配設された防風板１
２の機能を示す為の断面図で、図に示す如く防風板１２
の上面に弾性ライナ１９を積層すると共にこれらがウィ
ンドボックス４の上面線よりや・上方へ突出する様に配
置することが推奨され、パレット台車２０下面とライナ
１９上面との間隙２１を可及的に狭く形成して風通しを
悪くすることにより、本考案の効果は一層顕著になる。

尚間隙２１が狭くなるにつれてパレット台車２０と防風
板１２の接触事故が懸念されるので、前記ライナ１９や
クッション材２２の役割りはより重要になってくる。

ところでこの様な防風板１２を上記の様に取付けると、
仮にウィンドボックス４３に連接するダンパ５３を開放
にして該ボックス４３内に矢印Ｅ方向への吸引気流が形
成されたとしても、パレット台車２０と防風板１２（又
はライナ１９）が比較的長い距離に亙って対向し、且つ
間隙２１が狭くなるので、これらの部分がラビリンスパ
ツキン機能を発揮し、矢印Ｆ方向への気流形成が大幅に
阻害される。

従って点火炉２に直接臨む位置のウィンドボックスにつ
いてのみダンパを閉鎖し、４３で示すウィンドボックス
の如く点火炉下出口側に位置するものについては、上述
の如く点火炉直下部分に対応する位置に防風板を取付け
て通風阻害を行なう様にしておけば、ダンパ５３以降を
全て開放しても点火炉２内に気流が形成されて負圧化傾
向となることが大幅に抑制され、従来装置において遭遇
した様な問題が殆んど発生せず、焼結機の安定操業を行
なうことが可能となった。

本考案は上記の如く構成されているので、従来のウィン
ドボックスにわずかな改良を加えるだけで以下要約する
様な効果が得られるに至った。

（１）点火炉の負圧化傾向が抑制され且つ安定な圧列状
態で操業できる。

（２）点火状況が安定する。

（３）燃料消費量の増大が抑制される。

（４）点火炉出口側以降のウィンドボックスにおけるダ
ンパを開放することができ、焼結開始点が装置の始め側
に移動する。

【図面の簡単な説明】

第１図は焼結機の概要を示す説明図、第２図は本考案の
ウィンドボックスを示す斜視図、第３図は他の実施例に
おける降風板取付は状況を示す要部破断展開斜視図、第
４図は使用状態を示す断面図である。 ４・・・・・・ウィンドボックス、５・・・・・・ダン
パ、６・・・・・・パレット、１１，１２・・・・・・
防風板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. パレット状支持板をエンドレスに回動させて被持板物上
   から点火し、上方から下方へ風を通しつつ移動工程中に
   順次焼結を進めていく連続式焼結機の点火炉下出口側に
   設けられるウィンドボックスであって、焼結進行方向側
   にみて手前側から前方側に向けて、ウィンドボックスの
   上面の一部を覆う防風板を取付けてなることを特徴とす
   る連続式焼結機の点火炉下出口側ウィンドボックス。