JPH076691U

JPH076691U - 焼結機の漏風防止装置

Info

Publication number: JPH076691U
Application number: JP3942093U
Authority: JP
Inventors: 昭和中崎
Original assignee: Nippon Steel Corp
Current assignee: Nippon Steel Corp
Priority date: 1993-06-28
Filing date: 1993-06-28
Publication date: 1995-01-31

Abstract

(57)【要約】【目的】焼結機パレットとパレットを覆っている予熱
炉、点火炉、保熱炉またはフードとの間の隙間から炉内
またはフード内に侵入する大気の量を減少させる。【構成】焼結機パレット１のサイドにシールプレート
３を設ける。パレット１を覆うフード２の端部にシール
プレート３に適宜間隙をもって近接し、且つ、傾倒自在
に漏風防止プレート４を設ける。漏風防止プレート４の
先端近傍にパレットサイドのシールプレート３に当設し
て回動するローラー５を、漏風防止プレート４の端部に
磁性体６を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、焼結機パレットと焼結機パレット上面を覆っている予熱炉・点火炉・保熱炉等の炉またはフードとの間の漏風防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に使用されている焼結機を図３により説明する。給鉱ホッパー１０から鉄鉱石の粉、石灰石、粉コークスからなる原料を切出してパレット１に積載する。このパレット１は回転するスプロケット１１により移動し、積載したパレット１上の原料に点火炉１３で着火し、パレット１の下部に配置した風箱１５より空気を下方に吸引する。この結果、原料層の上部から下方に向かって焼結帯が進み、焼結帯が通過した部分は焼結された焼結鉱となる。近年、この焼結鉱成品の歩留向上のために、２００〜４００℃の高温ガスである焼結鉱クーラー１６の排ガスまたは焼結機排ガスを再度焼結ベッド上に吹き込むためのフード２を焼結機パレット１上に設けている。

【０００３】このような排ガスまたは点火炉１３の燃焼ガスは高温でダストを含んでいるため、炉外またはフード２の外側に漏洩しないようにフード２内を負圧にして操業する。この結果、予熱炉１２、点火炉１３、保熱炉１４の各炉またはフード２と焼結機パレット１との間の隙間から大気が侵入して焼結層の表面を冷却するため、着火不良または成品歩留の低下を来たす。

【０００４】この漏風を防止するために今日までに数多くの対策が試みられており、この代表的なものとして、例えば実開昭６２−２９０９５号公報に示される装置は、パレットの側壁に取り付けられたシールプレート上面に点火炉側壁の下端に取り付けられた弾性体からなるシール材を圧着させることで、シールプレートと点火炉の側壁との間の隙間から侵入する漏風を防止するものである。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、実開昭６２−２９０９５号公報記載の装置はシールプレートと弾性体のシール材が接触し、かつシールプレートが三次元的に摺動するためシールプレートとシール材の磨耗が激しく、寿命が短くなる。また、シールプレート付近は温度が高いので、シールプレートが熱変形した場合にはシールプレートとシール材間に隙間が生じる。さらに、シールプレートがシール材に衝突し、シール材を破損させる。

【０００６】このように、従来は摺動面のシール装置のトラブルが多く、漏風防止を充分に図ることができなかった。本考案は、シール材の磨耗、熱変形によりトラブルが発生する従来のシール装置の欠点を解消し、焼結機パレットの上部を覆うフードと焼結機パレットとの間の隙間を確実にシールし、これにより焼結ベッドへ吹き込む高温の焼結鉱クーラー排ガスへの大気の侵入を防止して、焼結鉱成品歩留の向上を図る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、焼結機パレットのサイドにシールプレートを設け、このパレットを覆うフードの端部に該シールプレートに適宜間隙をもって近接し、且つ、傾倒自在に漏風防止プレートを設けるとともに、漏風防止プレートの先端近傍にパレットサイドの前記シールプレートに当設して回動するローラーを、漏風防止プレートの端部に磁性体を設けたことを特徴とする焼結機の漏風防止装置である。

【０００８】

【作用】

以下、図面を参照して本考案に係る漏風防止装置について説明する。図１は焼結鉱クーラー排ガスを焼結ベッド上に吹き込むフード２の側壁に本考案を適用した一例を示し、図２は図１のＡ−Ａ矢視図である。

【０００９】焼結機パレット１のサイドにシールプレート３が設けてある。一方、フード２は焼結機パレット１を覆い、焼結鉱クーラー排ガスを焼結ベッド上に吹き込むためのものであり、フード２の端部に傾倒自在の漏風防止プレート４をシールプレート３に間隙をもって近接して設け、且つ、漏風防止プレート４の先端近傍にシールプレート３に当設して回動するローラー５を、漏風防止プレート４の端部に磁性体６を設けてある。漏風防止プレート４はフード２側の固定部分と傾倒部分とからなり、両者の連結部分は、例えば固定部分にパイプ構造を設け、その中に傾倒部分の丸綱を設けて構成されている。漏風防止プレート４としては、その他、弾性体、蝶番、耐熱布等の使用も考えられ、パレット進行方向で分割しても良く、特に限定するものではない。また、漏風防止プレート４に設けるローラー５は耐熱性があり、シールプレート３に当設して回動すれば良く、形状や個数を特に限定するものではない。さらに、漏風防止プレート４に設ける磁性体６として一般的には磁石を用いるが、この磁石の磁力は磁鉄鉱が磁石によって固定されるために必要な吸着力を有するものであれば良く、磁石の種類、形状を限定するものではない。

【００１０】焼結機のパレット１は通常、進行の際パレット幅方向および上下方向に微動し、進行軌跡が変動することによりパレットサイドのシールプレート３も変動する。この様な状況下で、シールプレート３とフード２との隙間をシールするには、まずこの変動を吸収する必要がある。そこで、漏風防止プレート４を傾倒自在とすることで、この変動を吸収する。さらに、漏風防止プレート４の先端近傍に設けたローラー５によりシールプレート３との転がり接触を形成することでシール部の磨耗・破損を回避しつつ隙間の殆どを閉塞させる。さらに、残る隙間すなわちシールプレート３と磁性体６との隙間については磁性体６によって捕捉された磁鉄鉱粉７によって塞ぎ、結果としてフード２とパレット１との隙間から侵入する漏風を防止する。ここで言う磁鉄鉱粉とは、通常焼結原料中または焼結鉱中に含まれており、この磁鉄鉱粉はパレット１へ原料を装入する時または点火中にパレット側壁からパレット１外に粉粒体となって落下し、フード２側に設けた磁石によって捕捉、磁化される。

【００１１】また、通常焼結機のパレット上部を覆っているフード２内の圧力は−１〜−５ｍｍＡｑであり、１〜１０ｍ／秒の流速で外気が漏洩している。このような状態の中でパレット１のシールプレート３とフード２との隙間を、先ずローラー５が設けられた傾倒自在の漏風防止プレート４で閉塞させ、残る隙間すなわち漏風防止プレート４とパレット１のシールプレート３との隙間を磁鉄鉱粉７でシールするには、磁性体６としては比較的小さい磁力の磁石で良く、永久磁石を使う場合は高価な希土類磁石を使用することなく、安価なフェライト磁石で充分効果を発揮する。

【００１２】フード内が負圧であっても飛散粉塵が内部に生じ、この粉塵の一部が磁性体６に付着し成長する。また、逆に隙間から少量の粉体を供給して付着させても良い。一方、シールになる磁鉄鉱粉７の磁性体６への吸着量が少ない焼結機では、前もって鉄粉等の強磁性粉体をシールプレート３上に堆積させて置くと良い。

【００１３】

【実施例】

本考案の実施効果を表１に示した。

【００１４】本考案の装置を使用した時には高温の回収ガスへの大気侵入量が大幅に減り、焼結、成品歩留が２％向上した。また、点火炉への適用の場合は、燃料原単位を低減出来る等、大幅な改善効果が得られた。

【００１５】

【表１】

【００１６】

【考案の効果】

本考案の焼結機の漏風防止装置は、一般に使用されている焼結機パレットのシールプレートとフード側壁部のわずかな改造により、極めて簡単に漏風防止を行うことが出来るために、設備費が安価であり、実機化が容易である。また、構造がシンプルであり、シールプレートの熱的変形にともなうシール材の損傷、劣化、磨耗がないことから保守の必要がなく、半永久的にシール性能を維持出来る。さらに、シール性が優れていることから、漏風率を一挙に減少させて高温な回収ガス温度低下を防止し、焼結鉱成品歩留を向上出来るきわめて優れた漏風防止装置である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る焼結機の漏風防止装置の例を示す
図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】焼結機の概要を示す図である。

【符号の説明】

１パレット２フード３シールプレート４漏風防止プレート５ローラー６磁性体７磁鉄鉱粉８パレット車輪９レール１０給鉱ホッパー１１スプロケット１２予熱炉１３点火炉１４保熱炉１５風箱１６焼結鉱クーラー１７ブロワー

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】焼結機パレットのサイドにシールプレー
トを設け、このパレットを覆うフードの端部に該シール
プレートに適宜間隙をもって近接し、且つ、傾倒自在に
漏風防止プレートを設けるとともに、漏風防止プレート
の先端近傍にパレットサイドの前記シールプレートに当
設して回動するローラーを、漏風防止プレートの端部に
磁性体を設けたことを特徴とする焼結機の漏風防止装
置。