JPS5849287B2 - 電気掃除機のフイルタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気掃除機のフィルタに係り、吸引された空気
を濾過して塵埃を捕捉するフィルタに関する。

近時電気掃除機のフィルタにコツトンリンターパルプな
どを主成分とする１紙或は綿等の織物の布が用いられて
いる。

この１紙と布とでは相互に相反する利点、欠点を有して
おり、１紙にて形成したフィルタは従来の布にて形成し
たフィルタに比して腰が強く保形性に優れ、掃除機本体
の大きさに比しｐ過面積を拡大するために断面山形状に
屈曲することができ、さらに布にて形成したフィルタに
比して離座性が良い利点があるが、破れやすく寿命が短
く、さらに塵埃が耐着して目詰りが生じた場合に洗浄が
できず、電動送風機による吸引力に圧力損失が起き、屈
曲した波状の襞の谷間に挾った繊維質の塵埃は除去し難
く、特に谷間深く喰い込んだ微細な細塵はブラシなどで
も除去が簡単にできず、フィルタを損傷破損するおそれ
があるなどの欠点を有し、また布の場合は水洗いができ
丈夫で寿命が長いが、織物はフィルタの目が大きく不織
布は破れやすいなどの欠、薇を有している。

本発明は上記欠点に鑑みなされたもので、肉厚のフィル
タ部材とこの肉厚フィルタ部材の排気面側に配設される
メツシュの細かい布製のフィルタ部材とを一体に形成し
、取扱い性を良好にし、水洗いができ、耐久性のよい電
気掃除機のフィルタ装置を提供するものである。

本発明の構成は、表面に低融点合成樹脂を被覆した高融
点プラスチック繊維を相互に結合して形成した通気性を
有する不織物の片面を加熱圧着して排気面側を目を細か
くした素材にて構成してなるものである。

次に本発明の一実施例の構造を図面について説明する。

１は電気掃除機本体で、電気側ケース２とこの電動側ケ
ース２の開口部に着脱自在に結合される集塵側ケース３
とにて構成され、この電動側ケース２の前面部の下縁に
上向きの係止部４が形成され、上部にはクランプ係止孔
５が形成され、集塵側ケース３の開口部下部には前記係
止部４に係合される係合部７が下向きに形成され、上部
には前記係止孔５に係止されるクランプ鉤体８が設けら
れている。

また前記電動側ケース２の前面には通気部９を有する支
持壁面１０の内側にゴムなどにて成型された防振支持体
１１が設けられ、この防振支持体１１に形成した前記通
気部９に連通ずる通気路１２に電動送風機１３の吸込側
が連通されるように電動送風機１３の前部が防振支持体
１１に嵌合支持されている。

またこの電動送風機１３の後部はコードリール収納部１
４を形成する仕切壁１５にゴムなどにて成型された防振
支持体１６を介して支持され、この電動送風機１３の吐
出側は排風路１７を介して電動側ケース２の背面に形成
した排気孔１８に連通されている。

また前記コードリール収納部１４にはコードリール１９
が回転支軸２０にてゼンマイばね２０ａにて巻取方向に
附勢されて回動自在に軸支されている。

また前記電動側ケース２０両側には車輪２１が軸架され
ている。

また電動側ケース２の上部に把手部２２が形成されてい
る。

次に前記集塵側ケース３の前面には床刷子などの吸込口
体を接続したホースを接続する吸込口２３が形成され、
この吸込口２３の開口端は内方に突出されている。

またこの集塵側ケース３の後面開口部に集塵装置２４が
設けられている。

この集塵装置２４はフィルタ支持体２５の前面に設けた
一次フィルタ２６と板状肉厚の二次フィルタ２７とにて
構成されている。

この集塵装置２４のフィルタ支持体２５０周縁にはバッ
キング２９が嵌着されている。

このバンキング２９には前記集塵側ケース３の内周面に
密接される突縁３０と前記電動側ケース２の支持壁面１
０に密接される突縁３１とが形成されている。

次に前記−次フィルタ２６は例えば５ｏメツシユよりも
粗い網状の通気部を有する網状体にて形成され、前記支
持体２５の前面開口部３２に一体的に設けられている。

また前記二次フィルタ２７は、表面に低融点合成樹脂を
被覆した高融点プラスチック繊維を相互に結合して形成
した通気性を有する不織物からなる素材２８と、この素
材２８の前面吸込面側に接着、溶着或は当着などの適宜
の手段で添着したトリコットのような布状フィルタ部材
３４とにて構成されている。

また前記素材２８は吸込面に少くとも１個以上の凹凸を
有する凹凸面２８ａが形成されまた排気面は繊維の密度
が高く目の細かい平坦面２８ｂとなっている。

この素材２８は次の方法により得られる。

まず、リール４２に長尺巻込まれたポリプロピレン繊維
（高融点プラスチック繊維）Ａをガイドローラ４３を介
してタンク４４内に収納された例えばエチレン酢酸ビニ
ル（融点８０℃の低融点合成樹脂）Ｂのトリクレン溶液
中に浸漬する。

そして、タンク４４内に配置されたローラ４５を介して
表面がコーティングされた繊維Ｃを乾燥炉４６で溶剤を
除いた後、薄い塗膜付きの繊維りをガイドローラ４７を
介して巻取機４８によって巻取る。

このようにして得られた繊維りはポリプロピレン繊維Ａ
の表面に薄い被膜Ｂが塗布されている。

そして、この繊維りを約１０ＣｒｒＬ程の長さに切断し
てたがいに絡み合わせて綿状（ウェッブ）にして約１２
０℃の熱風で表面の低融点の樹脂Ｂのみを融かしてたが
いに接触している同志を融着せしめる。

さらにこのものを一方の面全体と他方の面の数ポイント
を加熱圧着せしめる。

すなわち、あらかじめ電気炉で１００℃に数分間加熱し
、表面温度１４０℃のホットプレスで加熱圧着して、一
方の面は目が細かい平坦面２８ｂ、他方の面は少なくと
も１個の凹凸を有する凹凸面２８ａが形成される。

なお、この素材２８の吸込面側となる凹凸面２８ａに添
着される前記布状フィルタ部材３４はポリアミド、ポリ
エステル、ポリプロピレンなどの繊維で比較曲毛ばだち
の少ない平滑面状の材質が好ましい。

そして前記二次フィルタ２７は支持体２５に嵌着され支
持体２５に形成した段部３３に吸込面側の周縁が係止さ
れ、この二次フィルタ２１の吸込面側と一次フィルタ２
６とは間隙３６が保持されるようになっている。

また前記支持体２５０周側面には前記二次フィルタ２７
の吸込面と略同−面に開口３７が形成され、この開口３
７には前記−次フィルタ２６と同一の網状体３８が一体
的に設けられている。

また集塵側ケース３の上部には把手３９が形成され、下
面には自在輪４０が設けられている。

そして前記集塵装置２４を集塵側ケース３の背面開口部
より嵌合して集塵側ケース３の内側集塵部４１に保持し
、一次フィルタ２６を前記吸込口２３の開口端に対向さ
せる。

次にこの実施例の作用について説明する。

電動送風機１３の駆動で吸込口２３より吸引された空気
は集塵部４１に流入し、流断面積を徐々に拡げながら一
次フィルタ２６の吸込面より吸込まれ、一次フィルタ２
６から二次フィルタ２７を経て沢過されて電動送風機１
３を経て排気孔１８より電動側ケース２より外方に排出
される。

また二次フィルタ２７の吸込面側の布状フィルタ部材３
４に当った空気流の一部は布状フィルタ部材３４０表面
抵抗すなわち通気抵抗によって二次フィルタ２７の吸込
面に沿って周縁に拡がり支持体２５の側面の開口３７よ
り集塵部４１に還流される。

この際二次フィルタ２７の吸込面に装着した塵埃をはら
いながら空気流が開口３７より集塵部４１に還流される
ため塵埃は集塵部４１に再び流入し、集塵部４１で堆積
される。

なお一次フィルタ２６にて毛髪、繊維状物などの粗塵が
捕捉される。

なおこの実施例では素材２８の加熱圧着した平坦面２８
ｂを排気面側としたが、反対にこの平坦面２８ｂを吸込
面側とし吸込まれた空気がこの目の細かい平坦面２８ｂ
と衝突する抵抗によりフィルタ表面を平行に吹きつける
気流を生じせしめこの気流によりフィルタ表面に付着し
た塵埃を除去せしめ目詰りを軽減するようにすることも
できる。

本発明によれば、電気掃除機のフィルタとして表面に低
融点合成樹脂を被覆した高融点プラスチック繊維を相互
に結合して形成した通気性を有する不織物の排気面側を
加熱圧着して目を細か（した素材にて構成したので、前
記プラスチック繊維は疎水性が極めて高く水洗いしても
容易に乾き、また汚れがつきに（く変色せずしかも引張
強度にすぐれ細い繊維でも抜群に強く、従ってこの素材
をフィルタとして用いた場合、フィルタの洗浄が可能で
あり目詰りによる圧力損失も容易に回復でき、丈夫で耐
久性がよくしかも細い繊維を使ってフィルタの孔径を小
さくすることもでき微細塵の捕捉にすぐれた効果を有す
る。

さらに、前記プラスチック繊維の表面を被覆している樹
脂により繊維の表面は滑らかで擦りがよくフィルタとし
て表面に付着した塵埃を落し易く、しかもこの素材は適
当な弾性力を有しまた耐疲労性にすぐれており塵落しに
必要な振動がフィルタのすみずみまで伝達しやすく、除
塵性の良いものである。

また、この素材は前記プラスチック繊維の繊維同志の表
面を互いに融着結合して得られるのでほづれたりするこ
とがなく保形性にすぐれたものである。

また、排気面側を加熱圧着して目を細かくしたことによ
り、この加熱圧着した面はより繊維同志の結合度がかだ
（摩擦などで強度が劣化することもなくしかも繊維の密
度が犬となってフィルタとして目が細かくなり微細塵を
確実に捕捉でき、また、排気面側を加熱圧着して目を細
かくすることにより、従来布フィルタの前面吸込側にポ
リウレタンフォームで形成したフィルタを配設したもの
を一体化して、水洗いなどのフィルタの掃除の手間を簡
単にすることができ、取扱い性が向上され、安価に得ら
れる。

また、加熱圧着していない面を少なくとも１個所以上を
部分的に加熱圧着して凹凸を形成することにより１過面
積を大きくでき、また、この成形もフィルタの素材の成
形時に同時になすことができ余分な工程を必要としない
。

また、吸込面側を加熱圧着して目を細か（することによ
り、吸込まれた空気は吸込面にて抵抗が犬なるため衝突
によりフィルタ表面に沿った気流を生じこの気流により
フィルタ表面に付着した塵埃が除去され目詰りも軽減で
きる。

また、加熱圧着していない面を少なくとも１個所以上を
部分的に加熱圧着して凹凸面を形成することにより１過
面積を大きくでき、また、この成形もフィルタの素材の
成形時に同時になすことができ余分な工程を必要としな
い。

また、材料的にも安価に得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すフィルタを装着した電
気掃除機の縦断面図、第２図は同上フィルタの素材のう
ち繊維の製造工程を示す工程図、第３図は同上繊維の単
繊維の拡大斜視図、第４図は同上繊維同志の結合状態を
示す１部の拡大図、第５図はフィルタの素材を示す斜視
図である。 ２８・・・・・・素材、２８ａ・・・・・・加熱圧着し
ていない面の凹凸面、２８ｂ・・・・・・加熱圧着した
面の平坦面、Ａ・・・・・・高融点プラスチック繊維、
Ｂ・・・・・・低融点合成樹脂。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 表面に低融点合成樹脂を被覆した高融点プラスチッ
   ク繊維を相互に結合して形成した通気性を有する不織物
   の片面を加熱圧着して排気面側を目を細かくした素材に
   て構成したことを特徴とする電気掃除機のフィルタ。 ２ 素材の加熱圧着していない吸込面を少なくとも部分
   的に加熱圧着して凹凸面に形成したことを特徴とする特
   許請求の範囲第１項記載の電気掃除機のフィルタ。