JPS6113812B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電気掃除機のフイルタ装置に係り、吸
引された空気流を一次フイルタによつて周縁に拡
げ、集塵部の内面に沿つて環流させ、塵埃を集塵
部に堆積させるようにしたものに関する。

〔従来の技術〕

従来のこの種掃除機のフイルタ装置は、目の粗
い通気部を有する網状の一次フイルタと、この一
次フイルタの吸込面側と反対面側に配設したポリ
ウレタンフオームなどの肉厚の多孔質の二次フイ
ルタと、この二次フイルタの吸込面側と反対側面
に配設した目の細かい布材の三次フイルタとにて
構成されており、一次フイルタにて粗塵を捕捉
し、この一次フイルタを通過した細塵を二次フイ
ルタ、三次フイルタにて捕捉する構成が採られて
いる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記従来の電気掃除機のフイルタ装置は、二次
フイルタ、三次フイルタにて細塵の大半を捕捉し
ているため、捕捉した塵埃はフイルタの支持体内
で二次フイルタの吸込面に吸着され、二次フイル
タに目詰りが生じ易く、吸塵量を大きくするため
にはフイルタの過面積を増大し、または二次フ
イルタの肉厚を厚くして体積を増大させ、或はフ
イルタ装置を電気掃除機全体の大きさに対し大き
くするなどの方法が必要となり、フイルタ装置の
コストアツプになり、しかも掃除機全体の小型軽
量化の要請により集塵部の容積が縮少され、集塵
部の容積を保持するには集塵部を大型化しなくて
はならず、掃除機全体が大型となる欠点を有して
いた。

また近時主フイルタとしてコツトンリンダーパ
ルプなどを主成分とする紙などが用いられる傾
向にあるが、この紙などにて形成したフイルタ
は過面積を拡大するために屈曲した保形性に優
れ、また除塵し易い点に利点を有するが、洗浄が
できず、使用によつて集塵側と吸込側との圧力差
が次第に大きくなり、圧力損失が大きく、また紙
のため除塵時に損傷、破損などのおそれがあり、
耐久性に欠ける問題がある。

本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、肉
厚の多孔質フイルタ部材の吸込面にこの多孔質フ
イルタ部材の表面の通気抵抗より大きい通気抵抗
を有し吸込面を平滑面とした布材のフイルタ部材
を添着し、この布材のフイルタ部材と多孔質フイ
ルタ部材にて構成される一次フイルタを主フイル
タの吸込面側に配設し、一次フイルタに当つた空
気流の一部を、この一次フイルタの吸込面に沿つ
て周縁に拡がらせ、集塵部の内面に沿つて吸込側
に還流させ、二次フイルタにて捕捉される集塵量
を減少させ、フイルタ装置を大型化することな
く、使用し易く、例えば保形性に優れた紙など
を主フイルタとして使用でき、耐久性に優れた電
気掃除機を提供するものである。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明の電気掃除機のフイルタ装置は板状の肉
厚な通気性を有する多孔質のフイルタ部材とこの
多孔質のフイルタ部材の吸込面側に添着しこの多
孔質フイルタ部材の表面の通気抵抗より大きい通
気抵抗を有し吸込面を平滑面とした布材のフイル
タ部材とにて構成されかつ吸込面側は集塵ケース
に形成した吸込口の開口端に対向して配設される
一次フイルタを、主フイルタとなる二次フイルタ
の吸込面側に配設したことを特徴としたものであ
る。

〔作用〕

集塵部に吸込まれた集塵を吸込む空気流は流断
面積を徐々に拡げながら一次フイルタの吸込面よ
り吸込まれ、一次フイルタを経て過され、さら
に二次フイルタにて過されて通過し、排出され
る。そして電気掃除機の吸込口から吸込まれた空
気流は、一次フイルタに向つて集中的に吸込まれ
ることによつて一次フイルタの周縁に負圧が生
じ、一次フイルタの吸込面側に添着され多孔質フ
イルタの表面の通気抵抗より大きい通気抵抗の布
材フイルタ部材に当つた空気流の一部は布材フイ
ルタ部材の表面抵抗すなわち通気抵抗と相俟つて
周縁に拡がり、集塵部の内面に沿つて吸込面側に
還流され、塵埃は集塵部に堆積される。

〔実施例〕

次に本発明の一実施例の構造を図面について説
明する。

１は電気掃除機本体で、電動側ケース２とこの
電動側ケース２の開口部に着脱自在に結合される
集塵側ケース３とにて構成され、この電動側ケー
ス２の前面部の下縁に上向きの係止部４が形成さ
れ、上部にはクランプ係止孔５が形成され、集塵
側ケース３の開口部下部には前記係止部４に係脱
自在に結合される係合部７が下向きに形成され、
上部には前記係止孔５が係脱自在に係止されるク
ランプ鉤体８が設けられている。

また前記電動側ケース２の前面には通気部９を
有する支持壁面１０の内側にゴムなどにて成型さ
れた防振支持体１１が設けられ、この防振支持体
１１に形成した前記通気部９に連通する通気路１
２に電動送風機１３の吸込側が連通されるように
電動送風機１３の前部が防振支持体１１に嵌合支
持されている。またこの電動送風機１３の後部は
コードリール収納部１４を形成する仕切壁１５に
ゴムなどにて成型された防振支持体１６を介して
支持され、この電動送風機１３の吐出側は排風路
１７を介して電動側ケース２の背面に形成した排
気孔１８に連通されている。

また前記コードリール収納部１４にはコードリ
ール１９が回転支軸２０にてゼンマイばね２６に
巻取り方向に附勢されて回動自在に軸支されてい
る。

また前記電動側ケース２の両側には車輪２１が
軸架されている。また電動側ケース２の上部に把
手部２２が形成されている。

次に前記集塵側ケース３の前面には床刷子など
の吸込口体を接続したホースを接続する吸込口２
３が形成され、この吸込口２３の開口端は内方に
突出されている。

またこの集塵側ケース３の後面開口部にフイル
タ装置２４が設けられている。このフイルタ装置
２４はフイルタ支持体２５の前部に設けた一次フ
イルタ２７と二次フイルタ２８とにて構成され、
この一次フイルタ２７と二次フイルタ２８とはフ
イルタ支持体２５に嵌合支持されている。このフ
イルタ装置２４のフイルタ支持体２５の周縁には
パツキング２９が嵌着されている。このパツキン
グ２９には前記集塵側ケース３の内周面に密接さ
れる突縁３０と前記電動側ケース２の支持壁面１
０に密接される突縁３１とが形成されている。

また前記一次フイルタ２７は発泡ポリウレタン
フオームなど板状肉厚の通気性を有する多孔質フ
イルタ部材３３と、このフイルタ部材３３の前面
吸込面側に接着、熔着或は当着などの適宜の手段
で添着したトリコツトのような多孔質フイルタ部
材３３の表面の通気抵抗より大きい通気抵抗の布
材フイルタ部材３４とにて構成されている。

また前記一次フイルタ２７の肉厚多孔質のフイ
ルタ部材３３は第２図に示すようにその吸込面側
および吸込面側と反対面側とのいずれか一方また
は両面は突起条或は少くとも一個以上の凹凸面に
形成することもできる。

また前記多孔質フイルタ部材３３の表面の通気
抵抗より通気抵抗の大きい布材フイルタ部材３４
は、ポリアミド、ポリエスル、ポリプロピレンな
どの繊維で比較的毛ばだちの少い表面平滑面状の
材質にて構成されている。

さらに前記主フイルタの二次フイルタ２８はメ
ツシユの細い通気性を有する布材にて形成されて
いる。また前記二次フイルタ２８はコツトンリン
ダーパルプなどを主成分とする紙などのような
多数の繊維で層を形成し、断面山形状に交互に屈
曲したフイルタ部材にて形成することもできる。

そして前記フイルタ支持体２５の前面開口縁部
３７に係止縁３８が形成され、この係止縁３８に
フイルタ支持体２５に嵌合した前記一次フイルタ
２７の吸込面側の外縁部を圧縮して一次フイルタ
２７の表面が吸込面側に突部となるように支持さ
れ、また二次フイルタ２８はフイルタ支持体２５
に気密に嵌合固着されている。

また集塵側ケース３の上部には把手３９が形成
され、下面には自在輪４０が設けられている。

そして前記フイルタ装置２４を集塵側ケース３
の背面開口部より嵌合して集塵側ケース３の内側
集塵部４１に保持し、一次フイルタ２４の吸込面
側を前記吸込口２３の開口端に対向させる。

次にこの実施例の作用について説明する。

電動送風機１３の駆動で吸込口２３より吸引さ
れた空気は集塵部４１に流入し、流断面積を徐々
に拡げながら吸込面側が吸込口２３の開口端に対
向した一次フイルタ２７の吸込面より吸込まれ一
次フイルタ２７を経て過され、さらに二次フイ
ルタ２８にて過されて通過し、電動送風機１３
を経て排気孔１８より電動側ケース２より外方に
排出される。また一次フイルタ２７に対向した吸
込口２３の開口端より吸込まれる空気流は一次フ
イルタ２７に向つて集中的に吸込まれることによ
つて一次フイルタ２７の周縁に負圧が生じ、一次
フイルタ２７の多孔質フイルタ部材３３の吸込面
側に添着しこの多孔質フイルタ部材３３の表面の
通気抵抗より大きい通気抵抗の布材フイルタ部材
３４に当つた空気流の一部は布材フイルタ部材３
４の表面抵抗すなわち通気抵抗と相俟つて周縁に
拡がり、集塵の内面に沿つて吸込面側に還流さ
れ、塵埃は集塵部４１に堆積される。

また前記一次フイルタ２７の外縁部は圧縮され
一次フイルタ２７の吸込面側の表面が突出されて
いるため、この突出されている表面に沿つて流れ
る空気流の一部は周縁への拡がりが効率よく、空
気流の吸込側への還流が円滑に行なわれる。

また一次フイルタ２７はその吸込面側に接着、
または熔着した布材フイルタ部材３４により肉厚
多孔質のフイルタ部材３３は補強され、一次フイ
ルタ２７全体が引張りに強く、水洗いなどの洗浄
により反復使用できる耐久性が向上される。

なお前記実施例の構成の布材フイルタ部材３４
は染色の耐変色性に優れ、商品性を向上でき、ま
たこの布材フイルタ部材３４はその吸込面側を平
滑状に形成されている材質を選択することによ
り、吸込面に附着した塵俟の除去が容易にでき
る。

また二次フイルタ２８の主フイルタを布材にて
形成された場合には水洗いなどの水洗いが可能
で、反復使用しても圧力損失がなく、耐久性が向
上される。

さらに二次フイルタ２８の主フイルタに紙な
どの多数の繊維で層を形成したフイルタ部材を用
いても、一次フイルタ２７にて塵俟を集塵部４１
に還流して堆積するため一次フイルタ２７を通過
する塵俟は少く、目詰りによる集塵側と吸込側と
の圧力差が大きくなる圧力損失は小さいため塵離
れがよく、確実に塵落しができ、フイルタの手入
れが簡単で、保形性に優れ投影面積に比して過
面積を大きくできるように山形状に屈曲でき、さ
らに単位面積当りの通気抵抗が少く、過面積が
少くとも性能を確保でき、安価に得られるなどの
特性を有効に発揮でき、一次フイルタ２７にて
紙などの二次フイルタ２８は保護されて耐久性を
向上できる。

また一次フイルタ２７の吸込面側の表面を少く
とも一個以上の凹凸に形成することにより過面
積を拡大でき、表面が目詰りしにくく、効率的な
塵俟の捕捉ができる。

さらに一次フイルタ２７の縁部を圧縮して支持
体２５に支持するため一次フイルタ２７の吸込面
側の表面が支持体２５より突出され、布材フイル
タ部材３４の吸込面に当つた空気流の一部が周囲
に拡がることを支持体２５にて阻止することな
く、円滑に還流流動され、塵俟部４１における集
塵効果は向上される。

〔発明の効果〕

本発明によれば、主フイルタの吸込面側に、吸
込面側が集塵ケースの吸込口の開口端に対向され
る板状肉厚の通気性を有する多孔質フイルタ部材
の吸込面側にこの多孔質フイルタ部材の表面の通
気抵抗の大きい通気抵抗の布材フイルタ部材を添
着して構成した一次フイルタを配設したので、一
次フイルタの多孔質フイルタ部材の表面通気抵抗
より表面抵抗すなわち通気抵抗が大きい布材フイ
ルタ部材の吸込面側に当つた空気流の一部はその
吸込面に沿つて周縁に拡がり、フイルタ装置を装
着した集塵部の内面に沿つて流れる空気流が生
じ、この空気流は肉厚の多孔質フイルタ部材にて
捕捉される塵埃量を減少させて慣性で集塵部に堆
積し、肉厚の多孔質フイルタ部材の目詰りを少く
でき、このフイルタ部材の肉厚を厚くする必要も
なく、小型で集塵部の容積を狭めることなく、集
塵部の容積を有効に利用できる。さらに一次フイ
ルタを通過せずに布材フイルタ部材の吸込面に沿
つて還流される空気流は一次フイルタの布材フイ
ルタ部材の吸込面側に吸着した細塵をはらいなが
ら還流されるため布材フイルタ部材の目詰りが少
く連続使用が可能となり、また一次フイルタの多
孔質フイルタ部材の布材フイルタ部材の繊維がポ
リウレタンフオームなどの板状肉厚の多孔質フイ
ルタ部材に比して引張りに強く、細い糸で織成し
て通気部をきめ細く、均一にできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すフイルタ装置
を用いた電気掃除機の断面図、第２図は同上一次
フイルタの斜視図である。 ３……集塵ケース、２３……吸込口、２７……
一次フイルタ、２８……二次フイルタ、３３……
肉厚の多孔質フイルタ部材、３４……布材フイル
タ部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 板状の肉厚な通気性を有する多孔質のフイル
   タ部材とこの多孔質のフイルタ部材の吸込面側に
   添着したこの多孔質フイルタ部材の表面の通気抵
   抗より大きい通気抵抗を有し吸込面を平滑面とし
   て布材のフイルタ部材とにて構成されかつ吸込面
   側は集塵ケースに形成した吸込口の開口端に対向
   して配設される一次フイルタを、主フイルタとな
   る二次フイルタの吸込面側に配設したことを特徴
   とする電気掃除機のフイルタ装置。