JPS5848361B2 - 耐食性タイヤリム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は耐薬品性のある燐片状骨材によって強化された
不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂のすぐれた耐
食、耐久性被膜によって表面処理された耐食性タイヤリ
ムに関するもので、該耐食、耐久性被膜は高周波振動や
高温度下において、タイヤリム本体に幻して良好な接着
性を保持し、タイヤ内部に存在する湿分、酸素または饋
黄等の腐食性物質からタイヤリムを長期間保護する耐食
性塗膜を形威せしめた耐食性タイヤリムに関するもので
ある。

従来タイヤリム特に自動車用又は建設車輪用等のタイヤ
リムは鋼鉄またはアルミニウム等からできており、特に
高荷重のかかる建設車輪用や、トラック車輪用タイヤリ
ムはアルミニウム製では強度的に不適当で鋼鉄製が殆ん
どである。

一方タイヤは硫黄等の加硫剤、その他の充填材、添加剤
を加えて加硫されたゴム威形品である。

このタイヤとリムとを組合せ、内部に空気を圧大して車
輪として使用に供せられるが空気を所定圧まで圧入する
際、水分も同伴することが多い。

また建設車輪用大型タイヤでは空気の代りに水を充填し
て使用しているものもある。

この水分と雰囲気の空気中の酸素及び周囲のゴム材から
遊離した硫黄化合物等はタイヤリムに対して腐食作用を
及ぼす。

またタイヤ走行時の振動及び内部の高温化により、さら
に腐食条件が厳しくなり、タイヤリムの腐食がはげしく
なる。

この腐食によってタイヤリム本体の機械的強度が低下す
ると共にタイヤリムに穴が開き、空気漏れが発生し、タ
イヤの内圧の維持が困難となると同時にタイヤカーカス
部の損傷を招き車輪が使用に耐えなくなる。

このようなタイヤリムの腐食を防止するため従来から各
種の耐食性、耐熱性のある塗料をタイヤリム本体に塗布
して腐食防止が試みられてきたが現在迄特に有効な防食
材料がなく、タイヤリムの腐食防止は業界の一犬問題と
なってし・るのが現状である。

本発明者等は上記の問題を解決すべくタイヤリムの腐食
防止のため鋭意研究した結果逐に耐食、耐振動性が著し
く犬で、長期の耐食寿命を有する塗膜を形威した耐食性
タイヤリムを発明するに至ったもので、本発明は不飽和
ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂に耐薬品性のある燐
片状骨材を添加した合戊樹脂塗料の塗膜を形或させた耐
食性タイヤリムを提供するものである。

本発明者等の研究の結果、耐食用タイヤリムの条件に合
致する防食用塗膜材料としては不飽和ポリエステル樹脂
塗料又はエポキシ樹脂塗料か好適であり、かつそれらの
樹脂塗料に組合わされる強化用骨材として粉粒状や繊維
状よりも塗膜中で著しく多層に規則正しく重畳配列させ
ることができる燐片状強化骨材を選択使用したところ、
タイヤリムに対して塗膜の強度を飛躍的に向上させ、か
つ耐熱、耐振動性が犬で、長期の耐食寿命を有し、従来
の塗料では及びもつかない長期の耐久性能を有すること
を確認するに至った。

上記不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂に添加さ
れる燐片状骨材としてはガラスフレーク、グラファイト
、マイカ等の耐薬品性の強化用骨材であり、大きさは３
０メッシュ（タイラー）乃至３２５メッシュ（タイラー
）が好適である。

３０メッシュ未満であると塗装七た塗膜表面が粗く、不
均− になり易く、３２５メッシュを越えると粒状骨材
となり耐食性の低下が認められる。

また燐片状骨材の含量は、通常母体となる樹脂１００重
量部に対し１０乃至１００重量部が好適である。

この範囲内で下塗り層又は上塗り層における含有量を変
化させる場合もある。

含有量が１０重量部未満であれば、耐食性が不充分であ
り、１００重量部を越えると塗料の粘度が高くなりすぎ
、塗装時に均一な塗膜を得ることが出来ない。

好適な含有量としては２０乃至７０重量部である。

また使用される塗料の母体となる不飽和ポリエステル系
樹脂としては、公知のオルソフタル酸系、イノフタル酸
系、テレフタル酸系、ビスフェノールＡ系、ヘット酸系
、ビニルエステル系等の樹脂をビニルモノマーで溶解し
たものを使用し、ナンテン酸コバルト、ジメチルアニリ
ン等の促進剤、促進助剤を加え顔料その他の添加剤を配
合する。

硬化剤はメチルエチルケトンパーオキサイド、クメンバ
ーオキサイド等の過酸化物を使用し、常温又は加熱によ
り硬化させる。

エポキシ樹脂としては、市販の各種エボキシ樹脂たとえ
ばビスフェノールＡとエビクロルヒドリンを反応させた
ものに、硬化剤として各種アミン、ポリアミン、アミド
、アミドアミン、アミンアダクト、酸無水物などを使用
し、常温又は加熱硬化をおこなう。

エポキシ樹脂の場合も顔料その他一般に用いられる添加
剤を配合することが出来る。

本発明の燐片状骨材を含有した不飽和ポリエステル又は
エボキシ樹脂塗料の施工は、エアレスまたはエアースプ
レー装置、刷毛、コテ、ヘラ等を用いて行なうことが出
来る。

また本塗料の塗装に先がけて、一次防錆の為、さらに接
着性を向上させるため、プライマーとしてエボキシ系、
不飽和ポリエステル系、その他各種市販のものを塗布し
てもよい。

対象とするタイヤリムの塗装箇所は防錆上内外面の全面
塗装が望ましいが、最低限必要な部分としては第１図に
示したタイヤで覆われる部分である。

タイヤリムには各種の形状があり、第１図にその一例の
タイヤリム部の断面図を示した。

第１図において１はタイヤ部、２はタイヤリム本体、３
はロックリング、４はシーリングリング、５はサイドフ
ランジ、６はビードシーｌ・バンドを示す。

また７の太線で図示した部分が塗装個所である。

塗装厚みは５０μ乃至２０００μの範囲で塗装される。

但し耐食性、耐振性、耐熱性、耐膨脹収縮性等のタイヤ
リムに必要な各要因に対する結果を総合すると、１００
μ乃至１０００μの厚さが好ましい。

また第１図のサイドフランジ５のテーパー状ビードシー
トバンド６とタイヤリム本体のスペース部はシートバン
ドの取はすしを容易にする為には３００μ以下に塗装す
ることが望ましい。

またリムの種類によっては熔接部分があるが、この部分
は腐食が激しく起り易（・ので特に厚く塗装するのが有
効である。

このようにして塗装された塗膜層中の燐片状骨材は、タ
イヤリム表面に著しく多層に重畳して平行に配列され、
それが塗膜層を補強するのみならず、腐食性薬液の浸透
を抑制し、耐食性を高め、密着性のある強固な塗膜とな
り、特に走行中に付加される熱、振動、水分等腐食の原
因となる材質の浸透に対する抵抗性が良好で好適なタイ
ヤリムを構戊する。

次に実施例によって本発明を説明する。

実施例 １ 建設車輪用タイヤ（１８．００−３３、３２ＰＲ）のリ
ム部を５セクションに区分し、耐熱性のある５種の塗装
系でそれぞれの区分を塗装した。

３２ＰＲは３２プライ相当品の略称である。

これをタイヤに組付け、ドラムテスターを用いて走行テ
ストを行なった。

この結果を第１表に示した。

タイヤの空気圧は６ ｋｇ／ｃｒＡ、荷重１ ０ Ｔｏ
ｎ、走★★行速度ｉ ｏ ｋｒｎ／ Ｈ、走行時のタイ
ヤの最高温度１２５℃、ビード部表面温度７０℃であり
、テストは延日数２３日間行なった。

第１表の結果より、 不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂にガラスフレ
ークを充填した本発明に使用の塗料をタイヤリムに塗装
した部分は、全く発錆が認められず、極めて優秀なタイ
ヤリムを与えることがわかった。

実施例 ２ 本 実施例１と同様のタイヤリムに、各種塗料組成で厚
さ２５０μに塗装し、このタイヤリムにタイヤを取付け
、ドラムテスターを用Ｌ・て走行テストを行なった。

テスト条件は実施例１と同様であるか、テスト延日数は
４０日間行なった。

テスト結果は第２表に示した。

第２表の結果より本発明の耐食性タイヤリムが良好な或
績であることがわかる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のタイヤリム部の断面図を示
す。 １・・・・・・タイヤ部、２・・・・・・タイヤリム本
体、３・・・・・・ロックリング、４・・・・・・シー
リングリング、５・・・・・・サイドフランジ、６・・
・・・・ビードシーｌ・バンド、ｒ・・・・・・タイヤ
リムの塗料で塗装した個所。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ樹脂に耐薬品
   性を更に向上させる燐片状骨材を添加した合戊樹脂塗料
   の塗膜を形威してなる耐食性タイヤリム。 ２ 燐片状骨材の添加量がベヒクルである不飽和ポリエ
   ステル樹脂又はエポキシ樹脂に対して１０〜１００重量
   部である特許請求の範囲第１項記載の耐食性タイヤリム
   。