JPS5848187B2 - 墜落防止用安全器のレ−ル切替え装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は送電線・通信線の鉄塔・ビル・工場の建設現場
・工場内における墜落の危険がある場所、造船所・クレ
ーンその他における高層物を昇降又はそれら高層物の高
所で移動する場合に作業者の墜落防止に安全器とレール
とを使用した墜落防止装置におけるレール分岐部の切替
え装置に関する発明である。

従来、例えば送電線の鉄塔にはそれを昇降する時の墜落
防止装置として各種形状のレール又はロープ等を鉄塔の
ポストに添わして取付け、それに安全器を嵌合して作業
者はその安全器と身体に装着している安全帯とをロープ
等によって結合して鉄塔を昇降してその途中における墜
落を防止していた。

また鉄塔の上部のビームを乗り出す場合には別の形状の
レールをビームに添わして水平方向に取付け、その水平
レールに別の安全器を嵌合して該安全器に安全帝のロー
プを結合して作業者はビーム部分を乗り出し中における
墜落を防止していた。

従って鉄塔上で作業を行なう場合は作業者は昇降移動用
と水平移動用と２種類の異なった構造の安全器を携帯す
る必要があり、作業者は昇降用安全器で所定の位置まで
昇って行き、そこで水平用安全器に掛け替えて横移動を
行なっていたのでその掛け替え時には一時的に無防備状
態となり墜落の危険もあった。

またレール及びそれの取付装置も昇降用と水平用とを別
の形状・構造のものを使用する為に互に共通性がなく不
経済であると共に取扱いも非常に不便であった。

また工場とか倉庫内における墜落防止装置では、作業者
の移動範囲にレールを取付けているが、レールの分岐個
所では各方向に取付けられた各々のレールに間隔をあげ
て配置し、作業者がその個所に来ると自分が移動しよう
とする方向のレールへ安全器を掛け替えしていた。

それが為にその掛け替え時は無防備状態となって墜落の
危険が伴なうと共にその掛け替え時に無駄な時間と労力
を費やしていた。

本発明は斯様な従来品が持つ欠点を除去し改善して安全
器の掛け替えをなくして昇降及び水平の任意方向並に水
平の相互方向へ自由に移動することができる安全なレー
ル切替え装置を提供することをその目的とし、更に本発
明のレール切替え装置を提供することによって墜落防止
用の安全器及びレールを昇降移動用及び水平移動用の共
通したものを使用することをも目的とするものである。

本発明の態様を添付図面に示す一実施例について詳記す
る。

本発明の実施例は図示する如く、本体１と回転体２とか
らなり、本体１はレール取付方向の４方に開口部１１を
設け他の部分を遮蔽するように複数の側壁１２を有し該
側壁１２の内側付根部分に回転体２の凸部２４が嵌合す
る凹部１５を設け、中央部に軸孔１８を設けた回転体受
け部材１３を取付台１９の中央部に固着し、回転体受け
部材１３の開口部１１方向に位置する取付台１９に各各
レールＲの取付部材１４を設けて構成する。

回転体２は近似皿状に形成し、レールＲを結合する２方
向に開口部２１を設け他の部分を遮蔽するように複数の
側壁２２を有し中芯部分に軸孔２５を設げてそれに頭部
を有するボルト４を貫通した後、そのボルト４０頭部を
押えるようにしてレール単体２３を開口部２１の方向に
押え板２６等によって取付け、両開口部２１，２１の底
部を突出させてそこに上記回転体受け部材１３の開口部
１１の幅に対応すると共に同各側壁１２の付根部に設け
ている凹部１５に嵌合する凸部２４を設けて構或する。

回転体２に取付けたボルト４にバネ３を嵌合した状態で
該ボルト４を本体１の軸孔１８に嵌入し該ボルト４の軸
方向へ必要な運動ができる状態でナット４１を螺合して
両者を結合してレール切替え装置を構成している。

この場合回転体２に設けている両凸部２４，２４は本体
１の回転体受け部材１３に設けた開口部１１，１１に嵌
合してその回転を止めている。

この様に構成した本発明のレール切替え装置は本体１の
取付台１９に他の取付部材（図示せず）を結合してそれ
によって鉄塔の構成部材Ｔの所定個所に取付けるか、又
はボルト等によって工場内の天上部とか梁・ラック等の
必要個所に取付ける。

しかる後各分岐方向に伸びるレールＲの端部を各各本体
１に設けたレール取付部材１４に１する。

この固定する要領はレールＲの足部を挾持する部材１４
１をボルト・ナット１４２によって取付部材１４に併せ
て固定する。

本発明における実施例の説明においてはレールＲは断面
工形のアルミ合金製を使用した状態を説明するが該レー
ルＲの形状及び材質はこれに限定したものではない。

本発明のレール切替え装置を第１０図に示すように送電
線の鉄塔Ｔに取付けて使用する場合を説明する。

鉄塔ＴのポストＴＡに添って昇降レールＲＡを取付部材
（図示せず）によって取付け、鉄塔のビームＴＢに添っ
て水平移動用ノレールＲＢを取付部材（図示せず）によ
って取付ける。

昇降レールＲＡと水平移動用レールＲＢどの分岐点では
前記したように本発明のレール切替え装置を取付け各レ
ールＲＡ，ＲＢの端部を各々本体１のレール取付部材１
４に固定する。

斯様にして鉄塔に取付けたレールＲの分岐部には各々本
発明のレール切替え装置を取付ける。

高所作業者は鉄塔を昇る場合は安全器Ｓを携帯して行き
、先ず昇降レールＲＡの下端部から安全器Ｓを嵌合する
。

そして該安全器Ｓに付着しているロープとかフックを作
業者が装着した安全ベルトに付着しているロープ等を安
全器Ｓに結合する。

この状態で作業者は鉄塔Ｔのボス｝ＴＡを昇降する。

この昇降移動に従って安全器ＳはレールＲを伝って同じ
く昇降移動し、その途中で作業者が墜落した場合は安全
器Ｓは直にレールＲを掴んで停止しそれを防止するもの
である。

作業者が鉄塔を昇って行ってレール切替え装置の位置に
到達すると、そのまま昇降を続ける場合は第１図のよう
に回転体２に取付けているレール単体２３を昇降レール
ＲＡ ，ＲＡを接続した状態にしておけばそのまま安全
器Ｓは上下方向へ通過することができる。

作業者が鉄塔ビームＴＢへ乗り出す場合は、第６図に示
すように安全器Ｓを回転体２に設けたレール単体２３に
嵌合した状態で回転体２をバネ３に抗して矢印Ａ方向へ
押えると回転体２に設けた凸部２４が回転体受げ部材１
３の側壁１２に設けた凹部１５に対応する。

その状態で左右へ回転可能となるから乗り出そうとする
水平移動用レールＲＢの方向へ回転させてレール単体２
３を水平移動用レールＲＢに接続する。

このレール単体２３が水平移動用レールＲＢ又は昇降レ
ールＲＡに接続位置になると回転体２の凸部２４は回転
体受け部材１３の凹部１５かも外れてバネ３の付勢によ
つて回転体２は元の状態に押し上げられてレールの接続
が完了する。

この場合回転体２の凸部２４は回転体受け部材１３の開
口部１１に嵌合して左右の回転を止めている。

このような安全器Ｓを嵌合したレール単体２３を水平移
動用レールＲＢに接続して作業者は鉄塔ビーム部ＴＢを
乗り出して行く、その乗り出し作業が終ると安全器Ｓは
レール単体２３の位置に戻り上記と反対の操作によって
回転体２を回転させてレール単体２３を昇降レールＲＡ
に接続し作業者は鉄塔を降りるか更に上部へ昇ることが
できる。

鉄塔等高層物の墜落防止に用いる昇降用と水平移動用と
を兼ね備えた安全器Ｓはその使用に際しては方向性があ
るものを一般に使用されている。

すなわち昇降時においては上下方向への移動は自在であ
ると共に更に墜落時にはレールを掴んで停止する機構を
備えているので使用に際しては上下の取付方向が限定さ
れる。

一方水平移動用の安全器としては上下移動がない為に水
平方向の移動を円滑に行なえる機構のみ具備すれば良く
墜落時においてはレールを掴んで停止する機構は特に必
要はない（あることに越したことはない）のである。

従ってこの昇降移動と、水平移動との両用途に兼用でき
る安全器としては当然のこと乍ら使用に際しては方向性
を必要とする昇降用の安全器を使用することになる。

斯様な条件を考慮して本発明のレール切替え装置を昇降
と水平移動との兼用レールに使用する場合は前記の条件
を満足させる必要があり、それが為に回転制御装置６の
一実施例として第８図に示すような回転体２０回転範囲
を制御する構造にすると良い。

すなわち本体１の側壁１２に回転体２側へ突出する突出
軸６１を設け、回転体２には該突出軸６１が摺動する摺
動部６２と該摺動部６２の両端部に当部６３，６３を設
げ、該当部６３が突出軸６１に当たることによって回転
体２０回転範囲を制御するように構成したもので、例え
ば第１図に示すように回転体２に設げたレール単体２３
が昇降レールＲＡに接続している状態で該回転体２を左
右に各々９０度の両方で１８０度の範囲を回転可能な状
態に設計しておくと安全器Ｓを昇降レールＲＡから左右
いずれかの水平移動用レールＲＢに移行させて、また元
の昇降状態に戻した場合は必ず安全器は使用に適した元
の状態に戻すことができるから安全である。

しかし乍ら工場内等における墜落防止装置におけるレー
ルの分岐部に本発明のレール切替え装置を使用する場合
は、安全器も前後の移動方向性は限定されていないので
本発明のレール切替え装置の回転体２は３６０度回転可
能なように設計しても何んら差し支えはない。

また本発明は、本体１に側壁１２及び回転体２には側壁
２２を設けているので、レール単体２３に嵌合している
安全器及び接続レール以外のレールに嵌合している他の
安全器はそれら側壁１２，２２によってレール端部を閉
鎖しているから不本意に安全器がレールから外れること
はない。

すなわち、例えば第１図のようにレール単体２３が昇降
レールＲＡを接続している場合、水平移用レールＲＢに
他の作業者が安全器を使用中にこの切替え装置に戻って
来た場合は回転体２の側壁２２によって水平移動用レー
ルの各端を遮蔽しているから不本意に外れることはない
。

またそれとは逆に第６図に示すようにレール単体２３が
水平移動用レールＲＢを接続している場合に、後から来
る作業者が昇好レールＲＡを昇って来たり、あるいは上
から降りて来た場合は前記と同じく各昇降レールＲＡの
端部は回転体２の側壁２２によって各々遮蔽されている
ので、同じく安全器はレールから外れることはない。

またレール切替えの為に安全器をレール単体２３に嵌合
した状態で他のレールに接続する為に回転体２をいずれ
かの方向に回転させる途中においては該回転体２の開口
部２１すなわちレール単体２３の各端部は本体１の側壁
１２によって遮蔽されているからレール単体２３に嵌合
している安全器は不本意にレール単体から外れることな
く安全にレールの切替え作業ができる。

上記の通り本発明のレール切替え装置は昇降用レールＲ
Ａと水平移動用レールＲＢとの切替え及び水平移動用レ
ール相互間の分岐部における切替えは安全器Ｓを回転体
２のレール単体２３に嵌合した状態で容易・安全に行な
うことができ、しかもその方向も自在に選択することが
できるから従来のようにレールの分岐部に差しかかった
時に作業者はレールから安全器を外して掛け替える必要
もなく、また多種類の安全器及びレールを使い分けるよ
うなこともなく経済的、且つ安全で能率的である等々の
多くの特徴及び顕著な効果がある。

第７図に示すものは三差分岐部における本発明のレール
切替え装置の実施例を示すもので、昇降レールＲＡの上
部側は本体１の側壁１２で遮蔽されているがその他及び
作用効果は均等である。

しかもこの実施例は昇降及び水平移動用レールの切替え
装置に限らず水平移動用レール相互間の切替えにも使用
できることは言うまでもない。

また本体１は上記第一実施例では取付台１９に回転体受
け部材１３を固着するようにしているがこれを一体のも
ので構成すること、及び側壁１２を取付台１９に直接設
ける等、その他本発明の精神を変更しない範囲で諸種の
設計変更は可能である。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明の実施例を示すもので、第１図は正面
図、第２図はＸ−Ｘ線上断面図、第３図はＹ−Ｙ線上断
面図、第４図は回転体斜視図、第５図は本体正面図、第
６図は安全器を嵌大したところの正面図、第７図は他の
実施例を示す正面図、第８図は回転制御装置の他の実施
図、第９図は本装置を送電鉄塔に取付けた概略図である
。 図中の付号１は本体、１ １ ， ２１は開口部、１２
，２２は側壁、１３は回転体受け部材、１４は取付部材
、１５は凹部、１８は軸孔、１９は取付台、２は回転体
、２３はレール単体、２４は凸部、３はバネ、４はボル
ト、６は回転制御装置、６１は突出軸、６２は摺動部、
６３は当部、Ｒはレール、ＲＡは昇降用レール、ＲＢは
水平移動用レール、Ｓは安全器、Ｔは鉄塔、ＴＡはポス
ト、ＴＢはビームである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 本体１にレール取付方向のみ開口部１１を有し他の
   部分を側壁１２によって遮蔽した回転体受け部１３と前
   記開口部１１に隣接して各々レール端部の取付部材１４
   とを設け、レールを結合する２方向のみ開口部２１を有
   し他の部分を側壁２２によって遮蔽し該両開口部２１
   ，２１方向に合せてレール単体２３を取付げた回転体２
   を上記本体１の側壁１２間に回転自在且つレール連結方
   向にその回転を止め得るように取付け、レールとレール
   単体２３とを連結した方向のみ本体１の開口部１１と回
   転体２の開口部２１とが連通して開口し、それ以外の方
   向に対しては本体１の側壁１２と回転体２の側壁２２と
   のいずれかによって開口部１１，２１を遮蔽して安全器
   がレール及びレール単体２３から脱落するのを防止した
   ことを特徴とする墜落防止用安全器のレール切替え装置
   。